詩人:どるとる | [投票][編集] |
街が音を発してる
小さな音から
割と大きな音まで
聴こえない音さえ
僕には聴こえる
静けさの中の
かすかなざわめき
ほらあちこちから
聴こえる街の音
僕は僕のまま 君は君のまま
それだけは変わらずに
明日も当たり前なくらいに そうであるように 誰かの口笛の果てに消えるつかの間の泡沫
夢から覚めて気づく出来事の顛末
悲しみさえ わからないまま過ぎていく
そして街に 朝が来る 僕は朝だと気づくまもなく朝を知っていた それなのに朝は僕に朝が来たと気づかせる
それはそれはまるで街がくれる 見えない幸せのように
カタカタと音を出すありふれた魔法のひびき。
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泣いている君のほほに 流れる涙に歌おう
大丈夫だよ、いつの日か晴れる 君の空は
か弱い人間は 優しさを持っているんだ
力任せじゃない 柔らかな愛を知っている
夜のむこうに ほら 朝が見え隠れしてる
ごらん、そこから見えるかい?
生きる意味が にじみ出てくるだろう
だから生きよう 苦しいけど僕といっしょに
笑っている 君の顔をイメージしながら
楽しいことだけを考えて 僕は歌を歌うよ
君が幸せであるように へたくそだけど
まっすぐな愛を 君に捧げよう
揺るがない愛を 君に捧げよう。
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夜が 夜が おとずれて 何も見えない
闇の中に 目を凝らしても 何も見えない
聴こえない音や触れないもの 一つ一つ
余すことなく 数えて宝物にするのさ
僕は僕の今日を
君は君の今日を
精一杯生きたなら
それで今日は
もうひと段落
押し寄せては 引いてゆく 波のようだね
明けてはまた暮れてゆく 空の彼方に
また 月が 昇る夜は何も見えない
何も見えないのにね
あなたの優しさが
闇の中にそっと
確かに 灯っている
わかるんだ
わかるんだ
この涙さえ
あなたの優しさで
どこかに消えていく
気づけばそこに
朝がやって来て
夢から覚めた僕は
行ってきますと
ドアを開ける
なくした笑顔
追いかけていた夢
そこにあるなら
朝をさがしに行こう
夜を越えて 今。
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みんなでいるより
ひとりがいい
ひとりがいいから
群からはずれる
闇の中に光はない
光の中には闇はない
僕の心に光はある
光を食らう闇がある
荊の道は 果てなく
何処までもつづく
何かと引き換えに
今日も何かを
手にしては
その何かのために
またひとつ闇を抱える
荊の道は 終りなく
何処までもつづく
命が 腐り果てるまで
時が世界に満ちるまで。
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今日も今日とて 変わらない時間がまわる
明日も明日とて 今日と何も変わらない
君も君とて 僕も僕とて 変わらないだろう
君が僕でも 僕が君でも 変わらないだろう
だけどなんてなんていい日だと思うのは
当たり前に笑って 泣いている そんな当たり前なことがあるからだ
今日も今日とて 日が沈みまた日は昇る
今日も今日とて 夜が来てまた朝が来る
そんな毎日が僕はとても幸せなんだ。
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消えたいと 黒板に書かれた文字が言うか
消したいと 黒板消しが言うか
黒板に書かれた文字も黒板消しも 互いに自分や他人の存在をそれ程じゃまには思っていない
だからこそ黒板はチョークに身をあずけ
チョークは黒板消しに身をあずけ
文字は書いては消える
世界は黒板ひとつで説明がつく
そして全てはまた元通り
僕は何に身をあずければいいだろう
黒板は何も言わないし僕も何も言わない
ただ何も言わなくても黒板に文字を書く僕の心がきっと身をあずけるということならば
僕も黒板とともにこの世界に存在している。
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さあ おいで あなたのために本を読む
物語を話すとしよう
悲しい悲しい物語
嬉しい嬉しい物語
さあ おいで 横になったままでいい
僕の話しを聞いてね
誰かの誰かの物語
私の私の物語
あなたのあなたの物語
広げればそこは夜
いくつもの星が
輝く本の中
夢の本を広げましょう
明日になるまで読みましょう
神様にも なれる
なんにでもなれる
不思議な不思議な物語
さあ おいで あなたのために本は開く。
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明けぬままのあなたの夜を
降り止まない雨の冷たさを
身悶えるほどのさみしさを
言葉に出来ない愛しさを
僕は言葉にしたいのだ
例えば夢を刺繍したような日々の中
少しの優しさと少しの切なさを
縫い付けたような夜の向こう
思いの外であなたはうなずく
大好きだ それだけで多分伝わる
ありがとう それだけで多分繋がる
今日がある 明日がある
穴はふさがる もうわからない
ほら、簡単だろう
もう 大丈夫さ
全てのことは。
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奇遇だねと 夜は朝に向かって明けてゆく
奇跡のようだ 何もかもが輝いているよ
夢の欠片があたりに散らばっているよ
まがい物を探すより何かを信じたいなあ
電車に乗り遅れぬよう
切符は握りしめたまま
明日を越えて たどり着くべき本当の駅まで。