詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕はひとり迷った
僕はひとり悩んだ
僕はひとり泣いた
一生分の涙を
背負いながら
かたつむりのような
生活は続く
僕はひとり愚痴った
僕はひとり祈った
僕はひとり笑った
一生分の幸せを
少しずつ味わいながら
物語は続く
多分に幸せな日々の中で泣いたり笑ったりする今
時計が回って また朝が来る この不思議に 僕は息を吸って吐くまでのこの何でもない行為ひとつさえ解せないけれど
まだもう少し 笑えるみたいさ
まだもう少し 泣けるみたいさ
行こう 行こう
雨の中を お日様の下を
行こう 行こう
光の端を 闇に向かって
そこに生まれる 今日に僕は心をかさねる。
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この身にまとう
鎖の重さに
僕の命のほどを思う
堕落した日々の中
体をなさない心
はらんだまま
羊水の中で見る夢
何も望まなくても
僕は人をいつでも
やれる 殺れる
自分に酔いしれたまま続くこの道は果てしなく
鬼の顔にも笑顔が浮かぶ
地獄みたいな 極楽みたいな そんな鏡のような世界の中何を嘘と決めつけて何を本当と呼べばいい
夕暮れの彼方
沈む夕日
あの赤に命の片鱗を見る
子供の笑み 彼方此方からの含み笑い
それを量るものは心
重さはあるようでない
僕は何も望まないから
僕は何も手に入れることができない
持て余すことはあっても有り余ることはけっしてない
ただ無と有を模した人のような僕らは
灯りひとつさえ
点せない
だから闇は
心を食らいつづけて
やがて大事なものは魂だけを残して体諸共腐る。
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花は枯れ また新しい命を育む
種を落とし その種もやがて花を咲かす
輪廻のように めぐりめぐる命の
摩訶不思議 振り向けば時のうねりが
僕はただ 渦の中に
巻き込まれている
悲しい意味にも
嬉しい意味でも
君はただ 渦の中で
もがき苦しんでる
偽りでも誤解でも
幸せな勘違いでも
渦の中で 渦の中で
二人はもつれ合い
光と影のこの世界で
何かを探している
そしてやがて
新しい朝が訪れて
夜がまたひとつ滅びて
渦も少し動く
宛のない航海の梶をとる 運命の歯車が
それぞれのネジを回す
言葉のない世界で
音さえない世界で
僕は見たもの
見えるものだけを
本当と思う
それは渦のよう
くるくると複雑に
入り組んだ
迷路の形
答えはないさ
ただ自由が
重く この胸に
杭を打つ。
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ここに生まれた同じ命が それぞれの胸に生まれてきた
同じ世界で 同じ教えを学び それでも汚れた人の手を見れば 素直な心は曲がる
不器用でも愛された
人の心は愛されたように育つんだ
教えられたことを教えられたように
親の背中を見て 子供はそれが本当だと思う
あなたの瞳の中に映る世界と僕の瞳に映る世界
それはちっとも変わらないのに すれ違う命の摩訶不思議
その光と影
同じ世界で生まれた僕とあなたを見つめる人の眼差し
理不尽なほど惨たらしいほど すれ違うそれぞれの境遇
その喜びや悲しみ
僕らはただアスファルトの隙間に 生えた小さな雑草で
ただ時折降る雨に
濡れながら育つんだ
きれいは花なんかじゃなくてもいい
ただ誰かを思うことや気遣えること
なにが本当でなにが間違いか それだけわかればいい
どうしてどうして神様はこんなに違う運命を与えるのだろう
選択肢さえない 僕らの生まれるかどうかの自由
断りもなく僕はここにいて 望まれようと望まれまいと生まれた命の重さに変わりなどなく ただそれを背負う覚悟のない
人の瞳に例え愛がなくても 尊い命だと
謳いたいだけなんだ
ただずっと 空の見えない日陰の場所で
太陽に避けられてると思わぬように
いつか悲しみを 喜びに変えれるように
君は今を生きてる
そうだろう?
全てを憎みたくないから。
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僕はひとりぼっちのままで うまく話せないことばかりだけれど
なんとなくそれとなく暮らしてるつもりなんだ
必要なものなら これ以上ないってくらいにそろってるし
文句を言えるほど僕は貧しくはない
身の回りにあるものだけを 見ればなんだこのちっぽけな暮らしは
そんなふうに思えるけれど 世界を見渡せばほらね こんなに幸せな暮らしだってことがわかるはずさ
欲張りよ消え去れ
幸せの価値を見誤るな
そのままでも十分に
満たされているから
暮らしは少しのさみしさのそばで
少しの悲しみのそばでつづいていく
たまにうれしいことがあるくらい
たまに楽しいことがある程度でもう
ため息が出るほど幸せなんだから
何も望まなくても 大切なものならいつもそばにあるんだ
欲しいものも望めばきりがない
誰かの涙の傍ら 僕らは自分の瞳に映るものだけを世界の全てだと勘違いをする
思い込みも甚だしい
世界を見渡せばあなたがどれほど恵まれてるかがわかるだろう
欲望よ 沈まれ
幸せのあり方見失うな
そのままだって十分価値のある日々さ
暮らしはひと匙の悲しさはらんだまま
ひと匙の切なさの隣でつづいている
たまに傷つくくらいがちょうどいい
ああたまに恥をかく具合でもう
涙が出るほど愛されているんだから
暮らしと暮らしが重なり合って 隣り合って やがて今日という1日の果てに日は沈み月は 昇るだろう
そこになんの意味さえなくても 生きる命は輝くよ。
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孤独死だとか よくある話 僕もいつかはそうなるのかも
誰だって ひとりぼっちは嫌だ だけど賢く生きるには
嫌いな人ともつきあわなくちゃいけない
とにかく 生きる
ひたすら 生きる
なんとなくでも
わけなどなくても
生きる 生きる
さもそれが当たり前のように
さもそれが正しいことのように
僕らは 悲しみのそば生きる
僕らは 幸せのそば生きる
今日も同じ空の下
どんな境遇を背負うとも生きる
さもそれが神様からの命のように
さもそれが絶対的な常識のように
僕らは 悲しみとともに生きる
僕らは 幸せとともに生きる。
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人を殴るときには 手のひらで叩くんだ
叩いた人の痛みと叩かれた人の痛みが同じだから
重なり合う日々の中優しさが生まれる
あなたを思う誰かの心がうかがえる
あなたを思いながら
僕は手をあげることもあるんだ
だけどそれがたまにおかしなことになる
だから誰かを叩くときにはその拳に心を込めなさい
心を込めない拳はただの暴力。
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僕は何も言わない
当たり前なことは
ただ風の中に
消えていくだけ
僕は何も聞かない
他人の声に
耳を貸せるほど
余裕じゃない
卵は半熟 僕は未熟
フライパンの上は
とても熱い
すぐに大人になるさ
視界は良好 試合は全敗
シャングリラ ビルの森の樹となれ
聖書さえ燃えるゴミさ
だから何も言わない
無駄なことは
ただ海の底に
沈んでゆくだけ。
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空が青いのは いつからなんだろう
青い果実のよう まだ熟すまえの昼下がり
空が赤いのは 空が泣きはらしたから
熟したトマトのよう 完熟の夕暮れ
空が暗いのは 空が目を閉じたから
そして空が見る夢の中 星をみつける
悲しいことも 嬉しいことも 痛い思いも
優しいぬくもりも
全て 明日に 運ばれてゆくからね
空が青い理由を たずねることもなく
色鮮やかに 色を変える 空の心を 気遣うように僕はいつかこの命を空に帰すから
それまではあなたの目の届く場所で 泣いたり笑ったりするよ
いくら 考えてもわからないことや
どんなに探しても見つからない何かを
追いかけて行くように 多分この旅に意味などないことくらい僕もわかっているから
ただ空のように 時には青く時には赤く染まるのさ
悲しみ喜び痛み憎しみ哀れみ妬み僻み
邪魔なものもだいぶあるけれど まだもう少し旅は続く
空の心で 歩いていく
空の心で 生きていく。
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耳の聴こえない人は 音の代わりに景色を聞く
目の見えない人は景色の代わりに音を見る
たくさんの人の顔の中
たくさんの足音がする
その中に 愛はあるか 優しさはあるだろうか
目の見えない誰かの世界にも
耳の聴こえない誰かの世界にも
ハンデを持った人たちも僕らと同じように生きれるか
笑ったり泣いたりすることが
僕らにはまるで当たり前のよう
だけれどもしかしたら何気なくすれ違う人が
目の見えない人や耳の聴こえない人かもしれない現実がある
大事なものが見えないような
誰かの泣き声が聴こえないような
そんな世界に何の価値がある?
頭じゃ割り切れない計算できない心を学ぶ
僕は迷いもなくそう言える
きれいごとだなんて言わないで
当たり前なことを一番めんどくさがる僕らさ
当たり前なことを一番煙たがる世の中さ
目の見えない人には見えている 誰かの声の奥の本当が
耳の聴こえない人には聴こえている 誰かの表情の裏の邪悪が
大事なものや大切なこと 生きる上で本当に必要不可欠なもの
わかっていながら素直な人ほど傷つける 知っていながら無垢なものを殴る蹴る そんな世の中に生まれた僕らの瞳には
多分見えないものがあり聴こえない音すらあるのです
目を閉じて 耳を塞いだような 世界には
僕らの心がそこにある だから目や耳のつかえぬあなたには
見えない聴こえない代わりに 見えるものがある 聴こえるものがある
耳をすましても目をこらしても 見えない聴こえないものばかりだ
大切なものって 大事なことって一体なんだろう?
心があなたに問いかけます。