詩人:どるとる | [投票][編集] |
ぐうぜん 君が生まれて
ぐうぜん あなたが私の子供で
ぐうぜん あなたが私の親で
悲しいことや 嬉しいこと
不平不満胸に隠した文句 それはお互い様さ
誰にも みんなあるものだ
例えばあなたが 誰かの大切な人なら
勝手に死なないで
案外悲しむ人がいる
ぐうぜん この星に生まれて
ぐうぜん 僕は男や女で
ぐうぜん 無口やお喋りで
ぐうぜん 本や音楽を好み
ぐうぜん 今あなたは笑ったり泣いたりしている
いくつものぐうぜんが重なって いつの間にかそのぐうぜんの積み重ねがやがて
大切なひつぜんに変わる
つまらないぐうぜんの産物の僕らは
ぐうぜん 命に終わりがあって
ぐうぜん いつか死ぬだろう
だけどそれだけはわかることだから ひつぜんなんだね
ぐうぜんとぐうぜんが重なり合って 連なって いつかおしまいに繋がるまで
僕らはまだ終わらないぐうぜんの中
ひつぜんとなるべき愛や心を探す
ぐうぜん 欠伸をしているように
ぐうぜん 屁をこいているように
深い意味はなく これといったわけもなく
僕らはぐうぜん ここにいて
ただ目の前にある
今日を仕方なしに
生きている
それさえぐうぜん
すべてはぐうぜん
楽しいも悲しいも
嬉しいも卑しいも
ぐうぜん そうなっただけなんだ
そして僕はまた扉を開く その先にある
新しい ぐうぜんに手を伸ばして
ぐうぜんでも幸せになれたらいいなと思うから。
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脈絡のないことだ
あらすじのない日々だ
僕は全く意味がない
無意味なことが続く
ゴミ箱の中の現実
散らかった頭の中
心はがらんどう
僕は笑えない笑えない
時計が進む 針は止まったまま 大事なことだけはわからない
見上げた空は ただ青くて若葉の僕はいちいち嬉しいことがあると笑った いちいち悲しいことがあると泣いた
だけれど最近じゃあまり感情を表に出さない
今日から笑ってみるよ
夕日がきれいだったから
今日から優しくなるよ
あなたを好きになったから
心の汚れはぜんぶ
きれいに落ちて
素直になれた
もう大丈夫そうだ。
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雨粒の一粒に
昨日の涙を重ねてみる
映画のワンシーン
よくあるシチュエーションだ
悲しい嬉しい楽しいきりもなくそれの繰り返し
僕の住む街に
今日も知らないうちに夜がやってきたのに 気づかないあいだに誰もみんな目を閉じて
ほら寂しさに背を向けて 悲しいのは嫌だよと自分の弱さまで隠してしまうんだ
カーテンの外はもう物語の端っこ
空には少しの星と瞼の裏に浮かぶは銀河鉄道の走るきれいな夜
ゆっくり ゆったり
流れていくこの夜は
愛に満ちた幸せをはらんで
僕の声君の声 ほんの小さな不安でさえ
包み込んで 時のかけらを 拾い集めて
笑う人の傍ら
僕も笑うのさ
声も出ぬほどに悲しい世界 だけれどたまに出会う喜び
ドアの外は 明けていく夜 浮かぶ涙に 登る朝日 ゆらりゆらゆら揺れる陽射しの中
今だけは許されている気がするこの心はスローモーション
開け放された時間が流れ込む 今日は心なしか世界が優しい
今だけは愛されている気がする この心はスローモーション。
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ただいまの声が 聞こえたら なんだか心がやさしくなる
おかえりなさいの声が 聞こえたら 今日はそれだけで幸せ
ただいまと言える人がいつもいること
おかえりなさいと言ってくれる人がそばにいること
それだけできっと十分幸せなんだろう
今日もたくさんの人のそれぞれの帰り道
子供が帰りを待つ お父さんの帰り道
優しいお母さんが待つ 子供の帰り道
疲れた顔で 腹減ったって 言いながらひとり 家路を歩く僕の帰り道
いろんな人の帰り道がある
いろんな今日を過ごしたあとの
涙も笑顔もひとつに混ざり合って
何も言いっこなしさ
ただ言う言葉はひとつだけ
待ちかねたあの人にはただいま
ずっと誰かを待っていた人にはおかえりを届けるんだよ
さみしくてもね切なくてもね
ひとりにひとつ与えられた命が
ドアを開けて 帰ってくる
それを誰かが 待っている
ただいまおかえり その繰り返し
明日もあさっても変わらないように
あなたの帰りを待つ誰かに無事をしらせて
そして確かにおかえりなさいを受け取って
そして誰かを待っているあなたがいるなら
誰かの帰りに とびきりのおかえりを届けて
当たり前な暮らしの中 当たり前に聞こえる
その他愛ない挨拶が
どんな時代でもどんな世界でも 人と人が折り重なり生きるかぎり 変わりませんように
そして今日も僕は届けるんだ
あなたにただいま おかえりを言うのはあなた。
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目に見えないものを 心に映している
あなたの笑顔 誰かの涙 今日あった出来事 そのひとつひとつに形がある
触れないけれど
ちゃんとここにあるってわかるんだ
命の重さを量っても
答えなんか出ないけれど あなたがその答え
笑っていることや
何気なくしていることが 生きているということの答えなら
僕は あなたを愛すだけで
あなたに僕が 愛されるだけで
あなたの中で僕は紛れもない真実になる
自分の存在を 曖昧に感じたときは
すぐそばで 笑う人の優しさに 答えを見つけなさい
本当のことは いつも暗い闇の中 探し続けても わからないものも世の中にはたくさんあるけれど
僕が 生きていると強く思うだけで
僕は ここにいて そしてあなたに
そばにいてほしいと思われることで
僕の存在はより明確になるんだ
生きているということの答えは無限にあるよ
例えば 生きているということが あやふやになったときは
胸に手をあてて鼓動を聞いてごらん
それを疑ってしまったらもう 何も信じられないよ
だから答えは いつも見えないだけで
心に映している
目に見えないものを
心に映している
そんなふうに思えたら何かが変わるかな
とりあえず痛みも覚悟して歩き出してごらん
生きるということは悲しみも含めて そういうもののはずだから。
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逃げようか やめようか 歩を止め 考える
知らない国にある命 冷たい土をはいつくばる人もいる
幼い眼に 映る世界
痛みは残る 永遠に
目をそらすか 耳を塞いでも 消えないよ
すぐ側にある命 抱きしめた重さ以上の何か伝える
小さな瞳に 見える世界 苦しみは続くぼやけたレンズの向こう側
涙の見えない場所まで行ってしまいたい
たどり着けない 雨上がり まだ傘は手放せない
君が残した 命 手の温もりに 聞く 存在以上の有り難み
僕を包んでく夜気に 見つけたもの それは光
涙の見えない場所まで 心を連れて行こう
受け止め難い 現実 でも 君が笑った日の幸せ
だから 僕はここで君の思い出とともに
涙の見えない場所まで行ってしまいたい
たどり着けない 雨上がり まだ傘は手放せない
涙の見えない場所まで 心を連れて行こう
受け止め難い 現実 でも 君が笑った日の幸せ
君は僕といて 楽しかったのかな
君は僕といて 幸せだったのかな
涙は 心から生まれ また再び 心へと帰ってく 尽きることのないその流れ 刹那のままに
僕は泣く それしかできない
僕は生きる それしかできない
君の側に いつか
行くから待ってて
この涙が 見えない場所に この命 届けよう
君がもう寂しがらないように 僕もすぐ向かうから
僕もすぐ向かうから。
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寂しさに聞いてみる
僕は 幸せそうに見えるか 涙にさえ
目をそらす 君にはわかるまい
むなしさに説いてみる
僕が 笑ってるように見えるか いつも
耳を塞ぎ目を閉じて 大事な場面見逃して
通り過ぎる 人の連なり 孤独が服を着て歩く 無関心が看板掲げて 愛想とお世辞を売りさばく 僕は言葉もなく己を罵った
こんな夜じゃ眠れない こんな朝じゃ目覚められない
まばたきの合間に 消える人の 命の重さ量る秤もないままに
ただ 僕の命とあなたの命を 見比べて何を見出そうというのか
誰にもわからない
誰にも見えない
明日の天気や
出会う人の数
心もよう 小さな出来事 覚える名前
だからせめて 今日枯れる花に 僕の精いっぱいの笑顔を見せてあげたいと思うんだ
自販機の明かりが遠く揺れている 通りは夜 顔も判別できない
許されざる罪の判決は けっして満足できる答えを生まない
ただ流されるまま
覚えきれない掟のどれひとつ 人のためになることがあるのなら 僕は遠くで散りゆく小さな花の 最後の笑顔や涙を 指差しこれが平和かと叫びたい
こんな夜には光は見えず こんな朝には日射しさえ暗い
生あくびの傍ら 消える人の笑顔を記憶する媒体もないままに
ただ僕とあなたの違いがなんだというのか
心は残す 思い出を その中に込められた痛みや 苦しみさえ余すことなく閉じ込める
だから僕は一度のまばたきさえ 惜しいと思う
そのまばたきの間に 大事な何かが消えてしまいそうで。
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誰かを思うことと自分を思うことの違い
そんなものないと思っていた
厄介なことはないんだ 人を好きになることほど 難しいことはないんだ
一緒に笑う 一緒に泣く 一緒に何かをする
ただそれだけのことなのに ただそれだけで幸せになれてしまう
僕は 君に愛されることが一番の願いになって もう君といれるなら何もいらないとさえ思えた
心がいちばんきれいになる時 それは人を好きになったとき
そして人を好きでいるとき
舞い上がって 膨らんで 赤く染まったその頬を柔らかく包む 僕の手を握る君の顔に浮かぶ笑顔
君は僕の自信だ 君は僕の勇気だ
当たり前なことも特別なことみたいに思えるんだ 不思議だね
僕は 君を愛すことが 何よりの願いになって もう君がいれば望むものなんて 何もないとさえ言える
心がいちばん素直になれるとき それは人を愛したとき それは人に愛されているとき
芽吹いて 花を咲かせて 瑠璃色に輝いたその笑顔が 柔らかく照らす 陽射しのような 絶えぬ光
心がいちばんさみしがるとき それは大事な人がいなくなったとき そしてそれよりさびしいのは 大事な人を忘れてしまいたいとよぎったとき
心がいちばんきれいになる時 それは人を好きになったとき
そして人を好きでいるとき
舞い上がって 膨らんで 赤く染まったその頬を柔らかく包む 僕の手を握る君の顔に浮かぶ笑顔
愛したいと思う 愛されたいと思う
好きでいたいと思う 君のすべて君の全部
初恋を言い訳に
君を死ぬまで 愛すから
僕が死ぬまで 愛すから。
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何かが壊れる音がした
ぬくもりが消えていく
さよならの音色がした
僕の心はもう動けない
純粋をなくしたままで 素直にはなれず
汚い言葉で 背中向けた夜 無理やり片づけた
今なら なんでも言えるのに 君はいないよ
滲んだままの2人のストーリー
悲しみだけをはらんだままさ
何かが割れる音がした
さみしさに支配される
さよならの音色がした
君の命はもう戻らない
住む人をなくし廃れてく 家のようだね
小さな椅子も 撮りためた写真も 悲しいままに終わった暮らし
純粋をなくしたままで 素直にはなれず
汚い言葉で 背中向けた夜 無理やり片づけた
今なら なんでも言えるのに 君はいないよ
今なら 好きって言えるのに 君はいないよ
吸い殻だけを 残しただけさ 煙をあげて
苦い 思い出 永久に。