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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[4622] モザイク
詩人:どるとる [投票][編集]


遠ざかってゆく今日を
僕はただ見ている
変わらないもの
変わってしまうもの
その差なんてちっぽけなものだ

数センチ単位の出来事を
僕はただ見ていた
そばにあるもの
失ってしまうもの
いつまでもその繰り返しがつづくだけ

モザイクがかかったような 見てはいけない惨めな 自分に出会ってしまう

さよならした 誰かの背中を うらやましくも思った だけれどまだ僕は向こう側に行けずに痛みさえ抱いた

何も見えない 何も聞こえない 何もわからない 僕はなんだここはどこだ
心は見つからないまま

何もできない 何も遂げられない 何も知らない あなたはだれだ今はなんだ
答えは見つからないまま

誰も見ていないようなテレビが 消えるのを待っているんだ

せめて苦しまぬよう
ただそれだけなんだ。

2013/01/06 (Sun)

[4621] さよならの向こう側
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黙ったままでも
お喋りでも どんな誰にでも来るのだろう

朝早くても 夜遅くでも 時間や場面を選べずに さよならは

通りを歩くその背中に沢山の苦労が見えている
だけれど関係ない僕には関係ない
あなたがどんな誰でも

ただ遊びほうけた日々
いつの間にか過ぎた開け放された時間
気づけば一人
心を探していた

見えない わからない 聞こえない 本当のことは誰も知らない
届かない 伝わらない
取り戻せない 本当に知りたいことは

さよならの向こう側で あなたの帰りを待つだけだ

その時まで微笑み絶やさずに あなたらしく笑うことさ

あなたらしく生きることさ。

2013/01/06 (Sun)

[4620] 明日の消息
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扉を開いて 生まれる今日に
まぶたをひらいて 射す光に
僕は昨日と今日を知ったように 明日をそこに見る

不安や憎しみ 悲しみに喜び
事あるごとにすれ違う 様々な場面
星のひとつに自分を重ね 僅かな希望を託す

何かを得るたび 何かを失って
そのたび気づく もう戻らないもの
願ってもかえらないものがあることを

すべては時の彼方
明日の消息はだれも知らない

景色を染めて はじまるストーリー
口をひらいて 発すあいさつに
誰かが昨日と同じように 言葉を返してくれるのを待つ

憤りや焦り 妬みに僻み
事あるごとに抱きしめる 様々な感情
雨粒に自分を重ね 心静かに目を閉じる

今日が明日に 明日が今日に
そうして生きる もう触れられぬもの
祈っても 届かない声 まるで一人キャッチボール

すべては夢まぼろし
私の消息は誰も知らない

僕はいつか 黙ったままでも 影さえ残さず消えるだろう
だからさよならなんて言葉は言わないけれど 何かひとつでも残せるなら 形あるものじゃなく
心に残るような 見えないものを残したい

例えば 過ぎていくだけの今日に
例えば 枯れていくだけの花に
例えば 廃れていくだけの街の片隅に

僕の存在の名残が 少しのあいだ さよならのだいぶあとにでも

消えないよう 願う。

2013/01/06 (Sun)

[4619] 暮らし
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おじいさんとおばあさんは今日も向かい合わせ いつかの昔を楽しそうに話す

若夫婦はこれからいろんなことがあるなあと不安も重ねて 明日を見てる

いろんな暮らしの中
それぞれに苦労して
それぞれに生きてる
誰ひとり 何ひとつ
ずるなんかできない
だから抱える 痛みさ
だから気づく 淋しさ

言葉なんてなくたってね 大事なことはいつでも胸の中にあるんだよ 僕は話す

すれ違う人やたまたま隣に座った人の知らない明日が 例えば今日で終わっても

さまざまな暮らしぶり
それぞれに悩んで
それぞれに迷って
誰ひとり 何ひとつ
楽なんかできない
いつも抱える痛みさ
いつも気づく 切なさ

夕暮れのチャイム
鳴り終わってもまだ
残る余韻 胸にずしり重く のしかかる

有り余るのさ 持て余すのさ
歩いた数だけ 何かを失いそうで
笑ったぶんだけ 何かが消えてくようで

僕はそんな思いをぬぐえない

それでもそれぞれの瞳の中に今日も夜や朝が 不躾に やってくる

ノックもせずに いつの間にか僕をとりまく暮らし。

2013/01/06 (Sun)

[4618] 君だけのヒーロー
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気にしない 気にしない 誰に何を言われても 僕は全然気にしないよ
気にしない 気にしない 誰にどんな噂されても 僕は全然気にしないのさ

だけど 大好きな君には嫌われたくない
できれば 世界で誰より一番愛してもらいたい

だから いつもよりも少しだけ 頑張って張り切って 無理もするんだ

不器用で ばかでのろまな僕だけれど 君が世界で誰より愛してる 僕は君だけのヒーローなのさ

悲しみなんて やっつけてやるよ
少しだけかっこつけて 空回りするけどさ
口笛 吹いて 笑いあう今日 坂を登りきれば 見える青空。

2013/01/06 (Sun)

[4617] 言の葉
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言葉は不思議だな
受け取る人によって
その形を変えるから

言葉は妙ちきりん
受け止めた人が
僕と同じ理解をするとは限らないから

僕は言葉を知らなすぎて
君は言葉を知りすぎていて
ただそれだけの違いだけで僕の君を隔てる世界は大きく距離を広げる

言葉を通して見える
世界があるのなら
僕はその世界に 無と名づけたい
言葉を通して聴こえる音があるのなら
僕はその音を有と呼んでみたい

言葉は孤独だね
君の頭と僕の頭でも何一つ繋がらない

言葉は病弱さ
曖昧なようで 伝わる時には痛みさえ 残さずに伝わってしまう

僕が例えば愛を熟知していても
他者は愛を憎んでさえいるかもしれない
そんな感覚に時折とらわれて 僕は望んでもいないのに 人との境に一枚壁をつくる

言葉を通して見える 人の闇や狡さがある 僕はそんな人の心さえ見たいと思うんだ
言葉を返して見える 人の優しさや温もりもある
僕はそんな人の心こそ見たいと思うんだ

声に出して はじめて
生まれる 言の葉

この耳に 心に 落ちてくる 感覚がある

目を閉じて はじめて
見えるものもある

この闇に 光が 戻ってくる気がするんだ

言葉を通して見える 人の闇や狡さがある 僕はそんな人の心さえ見たいと思うんだ
言葉を返して見える 人の優しさや温もりもある
僕はそんな人の心こそ見たいと思うんだ。

2013/01/05 (Sat)

[4616] メロディ
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なんの価値もない言霊だけが 部屋にあふれる
どんな書物を用いても 何ひとつ紐解くことはできない

僕は無意味で だけど意味深な 輝くゴミ屑

この丸い地球の片隅
抱いた概念を 僕はなんのためらいもなく
全てだと 謳いたい

愛も邪悪もひとつに混ざり合って 所謂ひとつのメロディに変わる
君はまばたきひとつせず聞き入り 答えを問い直すこともしなかった

だから僕は つい抱きしめてしまう

愛の歌は憎しみの歌
憎しみの歌は愛の歌
狂った歌は正気の沙汰
正気の沙汰は狂った歌

わからないようで
理解のある
僕が聞いた

あのメロディ

なんの価値もないようで 価値ある一瞬を
僕らは 築き上げてゆく ただそれだけが

僕は無能で 無価値で 裏を返せば希少で

愛も邪悪もひとつに混ざり合って 所謂ひとつのメロディに変わる
君はまばたきひとつせず聞き入り 答えを問い直すこともしなかった

だから僕は つい息継ぎを忘れる。

2013/01/05 (Sat)

[4615] 僕が見た夢
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戯れ言をひとつ
テーブルに並べ
夢から覚めたあと
君は微睡みながら
回る時の音を
遠くにきいていた

ここは何も 許さず
僕も君もただ身近にある掟を 正しいものと疑いもせずに
泡沫のように消えてく儚い夢を 両手に抱きしめて

静かに明けていく夜の彼方に 輝く朝を描いていたけど
それは全て跡形もなく崩れ落ちた 灰皿の上の吸いがらみたく

回りだす 時計の針が 脈絡のない 沢山の命を切り刻みながら
肉と骨を断つように ありとあらゆる概念をはらんだままで

僕が見た夢と君が見た夢を 重ね合わせて 折り紙を折るように 同じ時間を歩んでも君と僕とで違いを見いだすように どこかで僕だけの特別を持っていたいんだ

ただ。

2013/01/05 (Sat)

[4614] 無色透明
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意味のないことだ
生きていることなんて
わざわざ悲しみを
背負うようなもんだ

太陽に焦がされて
月明かりに照らされて
浮かび上がる君の姿
恥さえ映すだろう

変わり映えしない
日々の連なり
窓の外に
浮かんでる
雲に憧れてる始末
僕は限りなく
透明でいたい

明日なんて来なくてもいい いっそこのまま今日に
閉じこもっていたい
笑えなくてもいいから 何もおもしろいことなんてなくていい
夢の残り香 愛の吸い殻

いつか ここにあった暮らしでさえ 何を残しても意味はない
きれいごと並べて励ましても だれそれの暮らしに裏書きされて 僕は僕であったことさえ まるで無意味みたいじゃないか

だから僕の心は無色透明。

2013/01/05 (Sat)

[4613] 蝙蝠
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泥にまみれ欲にまみれ 油にまみれ
僕は生きる 君は生きる 皆さん生きる

流行りに染まり 愛欲に染まり 悪に染まり
嘘をついて 本音隠して 建て前ぶら下げて

月の夜に 蝙蝠が羽を広げて 飛んでくのを見たとして 僕は何をそこで思うのでしょう

全く意味のない繰り返し 続けて連ねて 築いてく
今日も僕はピエロのように お客さんに愛想振りまいて 拍手と喝采の中

膝をついて 胡座かいて 踏み絵蹴飛ばす
神に逆らい 風に逆らい 法に逆らい

水に溺れ 我に溺れ 人は驕れる

道化師のように 聖者のようにまたはそう

いつもの街いつもの通り見慣れてしまって飽きてしまった神も仏もない所詮 この世は

心は逆さまのまま 滑稽に お利口な自分を演じる
今日も僕は 詐欺師のように自分を騙し拐かして 愛と平和を謳いながら

逆さまの 自分が 鏡に映るよ 月明かりが照らしているのは 夜のほんの一部分
僕やあなたの闇には光はあたらないまま誰かが知らない場所で 涙を流すのもまるでエンディングロールの彼方。

2013/01/05 (Sat)
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