ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 新着順表示

どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[4602] アマガミ
詩人:どるとる [投票][編集]


僕は空気と変わらない
街の流れとこのだらけた空気
混ざり合って 溶け合ってやがて誰かと同じになる

たどり着いたこの部屋の中 散らばってる退屈を 卑屈を並べては崩すゲーム
続けても意味はない

壊れたように 笑って プログラムされた毎日を 機械のように暮らす 僕に選択肢などない

この思いは 色鮮やかに染まって 君のその邪悪を包み込んで 食らいつくして やがて空気と変わらなくなる

この身を 操る 見えない神様の糸を 断ち切って 僕は空気じゃないと叫ぶから
無意味ははじめて意味を持つのさ

言葉の端 つまんで闇を引きずり出して
僕は 存在の定義を思考する

僕は空気と変わらない
窓の外に浮かぶ雲の形と腐りかけの夢
戯れに遊びながら何をするでもなく僕は
己に酔う

甘噛みのようだ
僕は許されている
いろんなことが。

2013/01/04 (Fri)

[4601] 朝のイメージ
詩人:どるとる [投票][編集]

空っぽの心 目を閉じて 闇に描く光
ぼんやりとしたイメージ 浮かべる

何を伝えたら あなたは笑うのかな
どんなふうに届けたらいいのかな

愛も平和も 夢も希望もありふれてるこの世界を 心から思うような眼差しで 僕は謳うよ

不思議だな あなたと僕は同じ耳を持つのに
心が違うだけで 言の葉ひとつだけでも
けっして同じイメージは持たない

不思議だな あなたと僕は同じ瞳を持つのに
頭が違うだけで 景色ひとつだけでも
それぞれ感じることは違うんだ

やさしい闇に語りかけて そこに生まれる光を描く
やさしい闇は語りかける あなたの思ったように動く

朝に移り変わる
街の色は光を取り戻し少しずつ少しずつ
閉じていた瞼を開く

そして映る世界は
今日という名の
明日の世界

描き上げた 朝のイメージ 見比べても重ならない

どれだけの言葉を並べても 届かない世界がある

それでも謳う人のために 夜はあって
暗闇のキャンバスに描く朝のイメージ

命などと笑う人と同じ世界に 今日も悲しみは降る

それでも、描くよ
限りなく 幸せな明日 それは今日だよ
君が描いた朝のイメージ

少しくらい半端でもたどり着いた
イメージの世界さ。

2013/01/03 (Thu)

[4600] 夜を望遠鏡で覗いたら
詩人:どるとる [投票][編集]


そこから覗く世界は
全ての思想を裏返す
夜を包み込む光
瞬いて 煌めいて
あなたの瞳に届く

明日は雨でも
晴れだろうと
誰かの死が免れぬなら
何も望むことはない

鏡に映したような
世界が向かい合わせで明日を映す
僕の邪悪とあなたの純粋 足して2で割りやっと生まれる
誉れ高き心

夜を望遠鏡で覗いたら 何がそこに見えるかな
人の悪意も善意も全て混ざりあい 融けあって ひとつの光になればいい

夜を望遠鏡で覗いたよ 君の笑顔が見えたんだ
人の笑顔と涙は重なり合うようで ひとつになることはけっしてない

遠い声 遠い街 生まれる朝が 卵から孵った雛鳥のように
まだ目もあかないうちに 僕ら急かすように…

そこに描く 明日は
もうあなたの存在を認めないけれど
確かなものがあるとすれば それはあなたがいたという記憶を知る僕がいることだ

夜を望遠鏡で覗いたら 何がそこに見えるかな
人の悪意も善意も全て混ざりあい 融けあって ひとつの光になればいい

夜を望遠鏡で覗いたよ 君の笑顔が見えたんだ
人の笑顔と涙は重なり合うようで ひとつになることはけっしてない

夜が望遠鏡に映るけど 光と闇が区別できない
見えるものと見えない何か 光を放ちながらただ朝をめざす

時計が もとに戻って 散らかった部屋の中もいくらか片付く

泥だらけスニーカー
履きつぶして
見慣れた景色の中へ僕は 紛れる

昨日の寂しさも 癒えないままの傷跡も
夜の中へ 夜の中へ
置き去りのままさ

そこから覗く世界は
全ての常識を裏切る

そこから覗く世界は
全ての思想を裏返す

そしてまた夜を望遠鏡で覗いたら。

2013/01/03 (Thu)

[4599] 照る照る坊主
詩人:どるとる [投票][編集]

くしゃみひとつ聞こえない 君はいない

君が居なくなって
ずい分いろんなことがわかった

洗濯物の干し方や
野菜の選び方

料理も覚えたよ
食べさせられないのが残念だけど

時計は止まったまま
あの日から動かない
面影だけが揺れている

ベランダに吊された
君が作った照る照る坊主
気持ちとはうらはらに笑ってる

君に会いたい さびしさが募る夜には
なぜだか 涙が出てくるよ
でももう会えない どんなにさびしくても
君は空の上 星になりましたとさ

あくびひとつ聞こえない 朝から雨

君と過ごした日々 ぼんやりと思い出してた

部屋は広い
君ひとりぶん 居なくなって がらんとしてる

ベランダに吊された照る照る坊主も うなだれてる おまえがそんなんだと僕まで悲しくなる
笑ってくれよ

悲しくなんかない 強がるけれど ああ
心は偽れない 今夜もだめだな
痛み走り抜ける 心の傷跡 雨音しみて
夢から覚めてもまだ信じられない

君に会いたい さびしさが募る夜には
なぜだか 涙が出てくるよ
でももう会えない どんなにさびしくても
君は空の上 星になりましたとさ

照る照る坊主はもう多分必要ないね
雨は止むことは この先もずっとないけど
君のぶんまで笑うから どうか見守っていて

星が ちらちらと瞬く夜 明日は晴れるかな
思い出に手を振るとき 僕は笑えるかな

照る照る坊主のように雨を止まして。

2013/01/02 (Wed)

[4598] 万華鏡
詩人:どるとる [投票][編集]


振り返れば 何もかもが輝いて見えるだろ
それはまるで万華鏡
思い出は万華鏡

のぞいてみれば何も
綺麗に見えてしまう
それはまるで万華鏡
過去は万華鏡

キラキラと光って
あなたを誘う
立ち止まれば
風はやむ

振り返らないで
前だけを見て
歩けるかい
振り返らないで
上だけを見て
生きれるかい

弱い心に風は試す
強い心に風は吹く
君の明日を
風がつれてくる

思い出はいつも
万華鏡のよう綺麗
だけれど振り返れば
それは万華鏡
綺麗なだけの万華鏡

過去にとらわれないで
今を見つめて
歩けたなら
今が万華鏡
明日が万華鏡

足元から一歩ずつ明日に向けて輝いていけ。

2013/01/02 (Wed)

[4597] さよなら友達
詩人:どるとる [投票][編集]


笑いたおしてしまおう 胸を抉る悲しみも
謝りたおしてしまおう 一生あってもはらいきれない罪さえも

終わりを告げた命に
用はない 用はない

死に神がいたら きっと多分命の終わりに少し箔がつく
ただのさよならなら飾りがついたほうがいい 意味のない涙も少しは輝く

葬式の夜は 長く長く続いた 彼の死に際に 僕は聞いた
楽しかった またあの世で酒を酌み交わそう

笑った顔が印象的だった

痛みもなく 逝ったから 良かったとだけ
親族に伝えたよ 本当の気持ちだけ

なぜか浮かぶ涙 橋の途中で 車を停めて
窓から 夜景を見た

彼がよく行ったあの展望台から 静かに浮かぶ街並みを見た

さよなら友達 まあ安らかに眠れ
さよなら友達 線香をあげる

それじゃまた
近いうち 遠いうち
元気だったら
来るから ここに

笑いたおしてしまおう 胸を抉る痛みも
遊びたおしてしまおう 金のなさ 情のなさ 全てもう振り出し

夜は 静かに 今日もやって来て 何も知らない人たちの 傍ら
泣いてる 意味を知らない人たちの 瞳に映る僕らはどんなに惨めでも 誰かを責めずにただあなた思う

それだけでいい。

2013/01/02 (Wed)

[4596] 盲目
詩人:どるとる [投票][編集]


闇を突き抜け その先へつま先を灯りにさらす 切なさに似て綺麗 星が光ってる
悲しいことなど何もない

いつまでも回る
頭の中の今日の出来事
忘れたはずなのに
悲しいことほど
永遠に消えない
傷跡に成り代わって
僕を追い立てる

何も見えない
何も聞こえない
そのほうがいっそ
何倍かマシ

見えない心の奥
疚しさでいっぱい
のぞけない心の奥
卑しさでいっぱい
盲目の世界には
僕の涙など
ぼんやりとも映らない

水面をただよう
時の波に揺られ
ブラウン管の中
僕の顔が浮かぶ
眠れない夜だ

つづく。

2013/01/02 (Wed)

[4595] いのち
詩人:どるとる [投票][編集]


僕の欠伸のひとつ
終わるか終わらないか
その瀬戸際そのあと
消える命もあるさ

せっかく生まれてきて 申し訳ないけれど 消えてもらうしかありません
了解もないままにおろされる子供の瞳にはまだ青い空さえ映ってない

簡単に命を見誤ったら きっと命の重さなんて 尊厳も何もなくなって そこらへんに落ちてる空き缶や吸い殻と同じになってしまう

命と命が重なり合って 新しい命がそこに生まれる
例え生まれる場所や授かった境遇は違っても 同じように愛されるべきだ
同じように見つめられるべきだ

何かが間違っている世の中だな
不意の痛みならきっと何も思わない
その痛みを耐えてまでも産み落としたから 命はきっと尊く重たく魂に深く突き刺さるように この身に負荷をかけている

命は命でも引き換えにできない 命があなたの胸に抱かれるまで
例え世界が滅び去ろうと 変わらない眼差しで瞳の中にあるから 愛しようと腕を伸ばすけど 無垢なその白い心には僕の邪悪が映る

それでも優しく微笑む命に 僕は何かを感じたから

平和だ愛だと謳うのに 世界はいまだ昔と変わらずに 馬鹿な茶番を続ける 争いは命を無碍にするだけで
捧げる言葉もないままに銃器の前に 人はただ紙屑のように散る

ああ あなたの小さな胸の中に
生まれてきて本当に良かったと刻んであげたい
当たり前なことさえわからない大人に命をどうこうし得ることなどできるはずもなく 悲しみがあとからあとから生まれるだけ

命と命が折り重なって 新しい命がそこに生まれる
例え生まれる場所や授かった境遇は違っても 同じように愛されるべきだ
同じように見つめられるべきだ

遠い異国の誰かの死
同時刻生まれる命

始まりと終わりをはらんだまま 同じ世界で命は交錯してはすれ違う

あなたの足元で
踏みつけられた花に重ねる 命の在りし姿。

2013/01/02 (Wed)

[4594] 手のひら
詩人:どるとる [投票][編集]


手のひらに 生まれる 愛があるとしたら
それは 我が子を抱きしめるという愛だ

手のひらに 生まれる 邪悪があるならば
それは 銃を構えること 刃を握りしめること

考えたら わかること 戦争もいじめも 同じ土俵の上で繰り返される茶番劇

手のひらを 広げてごらん そして誰かを痛いほど 抱きしめてみてごらん 伝わる熱が 伝わるぬくもりが

心に 何か 届けるさ

手のひらを 翳して 一度でも 誰かを叩いたことがあるならば
その痛みが 叩いた誰かの涙で 融かされて

心に優しさ 伝えるさ

手のひらから 手のひらへと 繋がってゆく物語
あなたが生んだ この僕の手のひらで また愛する誰かを叩いたとき 愛する誰かを抱きしめたとき
何かがそこに生まれるのさ
何もないこの世界で
見えないものが光って見えたら きっと幸せなんて手のひらの上に生まれるよ

手のひらに 生まれる 命があるとしたら
それはあなたの手のひらの上にも いつかは生まれるものさ

涙や 笑顔 憎しみさえ 手のひらを伝って 誰かを生かし時に殺す

手のひらひとつで全ては 壊れて 築かれて
誰かを殺める誰かの冷たい瞳に人の心が戻るのなら
思い出せ いつかの愛

手のひらを 広げてごらん そして誰かを痛いほど 抱きしめてみてごらん 伝わる熱が 伝わるぬくもりが

心に 何か 届けるさ

手のひらを 翳して 一度でも 誰かを叩いたことがあるならば
その痛みが 叩いた誰かの涙で 融かされて

心に優しさ 伝えるさ

世界に 明日を運ぶさ。

2013/01/02 (Wed)

[4593] 夕暮れ帰り道
詩人:どるとる [投票][編集]


飴色の空の下
冷たい風に吹かれ
君は自転車転がし
家へと向かい

さみしささえ
引きずって
君は涙押し殺し
何も言わない

夕暮れ帰り道
少しずつ描き足されていく景色

だいだい色の空に
白い絵の具垂らして
君はそっと笑うんだ

悲しみのあとには虹が出る
ただそういつまでも信じていたいよ

悲しいこと
嬉しいこと
繰り返す日々の中
いつの間にか
嘘をついていた

悲しいのに
笑っている
そんな自分がいるよ
鏡に映したように
同じ人ばかりだ

夕暮れ帰り道
家路はなんだか
いつもより遠くて
思わず悲しくなる
黄昏てしまうよ

悲しいこと
嬉しいこと
尽きない痛みは鈍く
知らないうちに
大人になろうと

無理矢理に
自分自身を
掟で縛っていたんだ
馬鹿だったね
笑ってしまうよ

夕暮れ帰り道
ひとり佇む
丘の上 見上げる空
軋みながら
回る物語 明日へ

もう、振り返らない
ただ心のまま
描かれる今日を
僕は生きる

たったそれだけのこと いつもそれが悲しかったり嬉しかったりするからね
身構えてしまうのさ
だけど荷物をそろそろおろしてもいいかな

ほら すべては
明日わかるよ

夜が 夜が 明かりを連れて気づくと あたりは真っ暗け

ああ帰ろうか
言葉もないままに
押し流されていく
今日があるよ。

2013/01/02 (Wed)
8416件中 (3931-3940) [ << 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 >> ... 842
- 詩人の部屋 -