詩人:どるとる | [投票][編集] |
明日は雨かもしれない
希望は暗い影に隠れてここからじゃよく見えない
忘れ物ばかりだ
なくしてくばかりだ
さよならの音色が
聞こえてくるような
神様の指先ひとつで
全てが変わるような
目の前に用意された難解な計算を紐解いても
まだわからないものはこの世界に腐るほど散らかっている
世界は鏡だから
人を通して
己の悪が見える
そこで微笑む
愛の裏側
つまらない
想像かき立てれば
無限に生まれる
疑いの卵
割れて顔出す
所詮僕らは日陰者
世間の陰に隠れながら光を求めてはいけないのさ
うら寂しい街の静けさに 夜を浮かべてる世界の顔に 争いは消えずつまらない
ニュースの滝に 落ちる命 重ねて見えた現実は値段をつける価値もないさ
ああ 生きてく不思議とか笑える不思議などに 答えはあるのかないのか
とりあえず旅はもうしばらくつづく
骨突き破り 臓物えぐる 物語の傍らで
幸せそうに笑うあなたのその横顔だけは変わらない
ずっと僕を照らしてる
日陰者に残された
最後の光に相違ない。
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冬の道 帰り道
僕は独り
木々が裸になったみたいだな 冷たい風にふるえてる
木々がなにやら会話しているみたいだな
何を話してるのかな
なんか気になる帰り道
さみしさ連れて歩く
連れ帰るのさ
涙まで。
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引き出しを開ければ
忽ち色んな朝が
色んな夜が
あふれ出す 夢
くだらない会話の
端々にも見える愛
移ろって陰って
素知らぬふりで
僕の機嫌をうかがう
引き出しから 飛び出すように世界が僕に迫ってくる
引き出しから はみ出した小さな世界が僕をのぞき込んでる
弾むような音色に
僕は五感研ぎ澄ます
季節の色は無限色
きれいさ
馬鹿らしいやりとりの中にも確かなロマン
さまよって肖って
何気ない風に
装い僕を試す君
引き出しから 見え隠れする白と赤と緑の季節 春はまだ
引き出しから あらわれてまた引き出しへと消えてく全て
引き出しから 飛び出すように世界が僕に迫ってくる
引き出しから はみ出した小さな世界が僕をのぞき込んでる。
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なんでもない時間さ
ろうそくの火のよう
風が吹けばたちまち
消えてしまうだろう
覚えていたって
忘れなくても
いつかはみんな
たどり着いてしまう
行き止まりのその先に
夕陽がまぶしいのや
朝日がきれいなのも
夜空に流れた星も
全部いつかは
追いかけているものはどこにでもあるふつうの暮らし
部屋の中 瞼の裏
見えない場所に
気付かぬうちに
生まれてる幸せが
君に気づいてもらえるのをいそいそと待っている
くだらない会話を
続けて見えるもの
風向きを変えながら
動き出すジオラマ
笑い飛ばしたって
見ないふりをしたって
やがて降りる駅に
たどり着いてしまう
そしてさよならのドアが静かに開く
泣き笑い 背中合わせで喧嘩したこと 何ひとつ忘れてしまえばいいことなんてないから
見つめていたいものは河原の石のようにちょっとずつ違うそれぞれの暮らし
ドアの外 隣の誰か
夢から覚めたように
君はそっと勤めを果たすように消えたけどまだ面影はいまもここにある
ふつうの暮らしも当たり前って言葉で囲わなきゃ きっと幸せで満ち足りているだろう
だから望むものなんて最初から何もない
ただ側にいてほしい人がもういないってだけで僕はさみしさから逃れられない
なんとなくぼんやりしていると いつの間にか君の匂いがして
さっきまでそこにいたような
そんな気持ちになって 見渡すけどそんなはずはない現実に
涙を流さずにはいられない夜に気づいて
窓越し 映る部屋
うなだれる僕だけが世界に取り残されたような気分になる
それでもつづくよ
ふつうの暮らし
幸せの価値を曖昧にしたまま
次の駅へと時の電車は進む。
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どんな嘘も全部 透き通るような夜さ
どんな言い訳も全部
透き通るような夜さ
僕は 涙の中 水たまりの中 酸素を探して 海を漂う
魚に聞いても 鳥に話しても わからないものはわからないまま
ただ闇を残すだけ
今日逝ったあの人の最後を 飾るにふさわしい賛美歌 声も透き通る
そしてまた生まれる命が まだ汚れひとつない声も透き通る
僕は手のひらを広げて 汚い自分の手に気づき 振り返り 少し昨日より透き通る
昨日より透き通る。
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今日は晴れでも 明日は雨かもしれない
今日は平和でも 明日はそうじゃないかもしれない
希望の隣に絶望が
絶望の傍に希望が
常に座っている
晴れ時々ワールド・エンド
大げさなまでの高低差 可能性を孕む
今日は元気でも 明日はいないかもしれない
今日は咲いている花も明日枯れてしまうかもしれない
光があれば闇がある
闇があれば光がある
常に影を潜めてる
紙一重だ あなたも僕もみんな
ちょっとの差で今日も平和に惚けてる
その欠伸の傍ら
その屁の向こう側
今日も死はとどまることを知らない
同じ世界とは思えない悲しみがある
君にはわかるか?
君には見えるか?
大げさじゃない
有り得ないことはない
可能性を孕む日々
不安を伴う
晴れ時々ワールド・エンド
大げさなまでの高低差 爆弾を抱える
今日も 明日も 絶対はないから僕はいつ命を危ぶまれるかわからない。
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眠れない夜がある
誰にでも
忘れられない夜や
消しされない
夜がある
覚えているような
覚えていないような
おぼろげな記憶の彼方に涙が光る
残されたもの
消えてったもの
どちらにも
そんな夜があっただろう
背中合わせの二人は口下手で何も話さないうちから 感覚だけで幸せになれた
時々ぬくもりを確かめるためだけに互いを求めていた
あいた穴を埋めるようにほつれを縫うように
僕らは愛していた
夜にさえ 光がある
朝にさえ 闇がある
彼方まで世界
彼方まで宇宙
手に届く場所にある
悲しみ喜び憎しみ
だいたいこれくらいの夢 これくらいの心 見えないものにも想像で形や大きさを定める
このままのまま
彼方までさみしさ
彼方まで煩わしさ
背伸びしてやっと届くくらいの明日
僕らはくり返す
取り返しては
奪われる時間を
そして世界は
やがて海の中
大きな水たまりが広がって 僕は笑顔だけでは強がれない
だから夜の彼方で
ひとり泣くのさ
背中向けたまま
心持て余すように
朝がきたって
関係ない
太陽さえ見えない
陽射しさえ冷たい
晴れだって雨降りだ
誰でもそんな
気持ちになる
生きるとは
それほど散らかるものだ。
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ひとつのものから
生まれるふたつ
ふたつのものから
生まれる無数の個々
ひとつひとつ
時間を重ねて
ひとつふたつ
増えてく思い出
足跡を残そう
傷跡の上にも
爪痕を残そう
涙の上に笑顔を
重ねるようにほら
ひとつひとつずつ重ねてく色んなこと
悲しみも喜びも少しずつ柔らかくなる
なんだか生きることも最近踏み出すペダルが軽くなるような感覚があるんだ
ひとつひとつの場面や瞬間に見いだす光がある
ひとつひとつそしてまたひとつ世界が僕に知らない景色を見せてくれる
ひとつの道から
始まる物語
何もない場所から
生まれる無数の星
ひとつのものからでも生まれるものがある
それだけを伝えるために絶える光もある
ほら今も世界の片隅で戦争は続き尊い命が消えている
そんな現実をはらんだままで僕らは日々を過ごすべきだろう
僕らはひとつという数えられるもの全てを真摯に生きるべきだろう
行こう 行こう 闇の最果てへその向こう側へ。
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陽射しの当たらない
場所にも花は咲く
悲しみの中でも
浮かぶ笑顔もある
歩き続けることは
すなわち生きること
生きていけば必ず
壁に突き当たる
進めない もう
夜から抜け出せない
ここはどこだ
僕はなんだ
途端に迷路の中
空が落ちてきたような感覚にとらわれる
日の当たらない部屋の中でも 僕は強く生きていこうと思う
日の当たる部屋の中ならば 愛もいつの間にか当たり前になる
だから少し悲しいくらいが喜びを影に潜ませないことに繋がるよ
僕は雨の中でも
笑ってみせる
君という陽射しが僕を照らしてくれる
もう何も恐くない
もう何も恐くない
僕は逃げない
痛みも受け入れて
夜の中でも朝を見つけた
瞼の裏に浮かぶ景色は少しずつ 優しい闇に変わってゆくよ
日の当たる部屋は
ここにある
見えないぬくもり
触れて感じる日々
人知れず花が咲く
季節は流れ流れて
日の当たる部屋に
朝をはこんでくる。