詩人:どるとる | [投票][編集] |
猫の額ほどの
夜が長く伸びて
誰かの欠伸の傍らで
戦争は続き
虐めは消えない
雨の中でも
きれいに咲いてる
花もあるよ
悲しみの中でも
笑ってる人もいるよ
君のように
世界の隅々
知り得もしない
誰かの死や不幸
わからないけれど
僕よりずっと
多くの苦しみを
知ってる人もいる
だから自分だけが
悲しいと思わないで
シミだらけだよ
きれいなように
見える世界でも
あなたがいう平和は見えてる範囲の中だけだ
ほら、耳をすましてみれば 誰かの涙の音
けっして誰もが生きることを 心から望めるような世界じゃないんだ。
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あとローンが30年残ってる マイホーム
たびたび 見つかる妻が隠れてブランドものを買う
このまえやってたホームアローン ローンという言葉がちらついた
30年の長い年月を
これからお前とやっていくのにお前はお前でいつまでも
無駄遣いしまくる気なのかな
ローン30年の歌なんか作っちゃった出来ちゃった
ローン30年の歌なんて歌いたくないのに歌っちゃった。
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ペンギンは謝る
こっちがどんなに
わるくなくても
ペンギンはゴマをする
こっちの気持ちも
考えてもらえない
優子は力だけは強い
ゴリラのように屈強
野生を爆発させて
僕に寝技をかける
愛してるんでしょ?
ならこれ買って
雑誌のバッグの欄ををちらつかせて睨む睨む睨む
はい、わかりましたが口癖の僕はやっぱり買ってしまう
いいえを言おうものならすかさず飛んでくるメガトンキック
ボクシング仕込みのパンチ パンチ パンチ
恐妻は今日も 台所には立たない
恐妻は今日も あれを餌に 家事を全て僕に任せる
恐妻は今日も 昼間からゴロゴロ テレビ見てる 部屋を散らかすだけ散らかす
それでも好きなことには変わらない
複雑な日々
複雑な生活
恐妻日記。
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優子は今日 図書館へ行くと言う。
僕もついて行くと言ったらほっぺひっぱたかれた
優子は今日 抜群に機嫌が悪い。
キスもしてくれない
あれもお預けだ。
優子はとてもわがまま
優子はかなりわがまま
優子はいつもわがまま
だけどかわいい僕の奥さん 大好きだ
優子は今日も笑うと
とてもかわいいな
優子は今日も泣いてると心配で眠れない
優子が何かを考えてる また僕をからかう
だけどそんないたずらな君も大好きだ
優子 優子 僕の優子
優子 優子 優しい子
優子 優子 僕の優子
優子 優子 僕の妻
クリスマスくらいは
一緒に過ごそうよ
ケーキもチキンも指輪もあるよ あるよ
優子 いつもありがとう
ちょっと無理矢理なキスだけど 数分のあいだのしあわせ
優子 甘いね
優子 苦いね
涙が出た
優子という女は
優子という女
僕の妻 多分愛すべき妻
ラリアットが得意な妻。
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そして僕は旅に出る
長い長い旅に出る
荷物も持たない旅だ
待たせてある人も
待たせてる僕も
やがては土の中
だから休みを使って
たまの休みを使って
骨休め 休肝日
アルコールも飲まない揚げ物も食べない
優子は今日も笑ってる
僕の隣で笑ってる
ニヤニヤ へらへら
そして僕は君の胸ばかり見てる 大きいな
そして僕は旅に出る
長い長い旅に出る
妄想の旅から帰る
気づけば優子はいない。
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今日を生きることが明日に繋がるって
そう思うから誰も今を生きてるんだ
無駄なことなど何ひとつありはしないさ
後悔も挫折も失敗も過ちも全てが今に繋がっている
無関心無愛想張り付けたような顔で歩く人たちが群れてる
矛盾や理不尽服着て歩く 街には今日も冷たい風が吹く
ああ 振り向けば闇
そこにあるのは闇
抱きしめている
ただそれだけでも
生きてる意味がある
今を生きるすべての人へ バトンリレーのように伝われ 届け
思いは死なない。
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誰からも認められなくてもいいよ
誰からもわかってもらおうなんて考えてないよ
僕は僕の描きたいことを描くただそれだけ
わがままでもいい
腐りかけでもいい
詩人じゃなくてもいい
人間じゃなくてもいい
風のように
形のない気持ちを
形のない言葉で
描くなら
僕は何も言わず
詩人にならず
ただ立ち尽くして
無音と無意識の中を
漂っていたい
僕は屑だ 屑だ 屑だ
屑だ 屑だ 屑だ 屑だ
君も屑だ 屑だ 屑だ 屑だろう 違うか?
屑は屑だ 屑でしかないんだ
誰がなんて言おうと僕は僕は屑でそして世界は僕のものにはならない
だからさみしさはいつまでもこの胸を悩ませるんだ。
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言葉は何も要らない
思い出さなくていい
通り過ぎてくものを
引き止めるつもりもない
帰る場所を探して
人は歩き続ける
朝へと帰る夜は
また街にやって来た
流れる人の波に乗り
僕は終電に揺られる
窓は鏡に変わって
僕の冴えない顔を映した
こんなふうに
明日も僕は
生きるのかな
そうやって
何年後も何十年後も
変われずにいるのかな
改札を出て 見上げた空に輝く月に話しかけてみるのさ
遠ざかるように
心なしか離れてく
夢も理想も若さも
乗り過ごしたんじゃない降り損ねたんだ
長い長い夢を見ていたよ
気づけば もう僕はいろんなものをなくしていた。
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あたたかい
君のまなざし
それはまるで
灯火のよう
ゆれている
見返りを求めない
僕も君も無欲だ
ただ君だけ
あなただけ
互いが思うのは
それくらい
傷ついた心
見えない傷が
開いたら
血じゃなく涙が出た
その時、僕は
なにができるだろう
考えるまでもなく
傍にいた これでいいのかな
君が笑う だから嬉しい
君が泣く だから悲しい
そんな事がということが ただそれだけで嬉しくて
そんな事でということが ただそれだけで悲しくて
僕らは見えない心の奥にいる互いの闇を見つめたまま
何も言わずに寄り添うんだ
答えは多分
見つからないし
見つけもしない
陽射しのように
誰にでも降り注ぐ
贔屓もしなければ
等しく隔たりのない
愛だけど 好きという気持ちがあるだけで
それは特別に変わるんだ
魔法みたいだ
だんだんあなたが
だんだん君が
近くなっていく
長生きしよう
老いさらばえても
変わらない気持ちで
好きと言い合おう
色あせてもなお
座る誰かを待つ
公園のベンチのように小さな役目を果たすように
君は僕を 僕は君を
愛すため 守るため
君は僕に 僕は君に
愛されるために
ゆれていよう
ゆれていよう
灯火のように
命の火が消えるまで
歩いていこう
笑っていよう
あたたかい
君のまなざし
それはまるで
灯火のよう
ゆれている
当たり前のようでもあり特別なような気もするその揺れにまかせて 脈絡もなく生きていく
それがいい
それでいい。
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僕は名画みたいな
人生は送りたくない
ささやかでも幸せな
そんな人生がいい
例えばさ 街の壁
例えばさ 塀の隅
例えばさ トンネルの中にある誰かが描いた落書きみたいな
そんな人生でいい
気づかれなくても
気づいてくれてもいい
僕はやがて消える運命にあるから
それまではうだうださせて ああだこうだ言わせて
ちょっと楽しくて
ほんの少し悲しくて
どこかしらおもしろくて
端々に涙ちらついて
そんな人生がいい
子供が悪戯心で描いたような 下手でもどこか味のある そんな落書きみたいな人生がいい
明日も続く 道の上
雨は降り日が降り注がれる
街は変わらない
人が流れ ダイヤは進む 相変わらず僕は欠伸ばかりしている
それでもこんな毎日でも捨てがたくて死ぬのは嫌だ
だから描くんだと思う
落書きみたいな絵でもいい
ちょっと爪痕残すような
あがいた跡を残すような
そんな抵抗見せたいな
僕が僕であった証に
僕が僕である証に
少し 頑張る
ちょっと苦労する
そして描いた
人生が
例えば今日の
一筆で何かが 変わるなら 僕は塗り残しのないように一枚の絵を仕上げるよ
だけど名画にはならないししないよ
どこにでもあるようでここにしかない
そんなありふれてるけどどこかに光るものがある
そんな絵のような
人生がいいな
才能のない誰かが戯れに描いた落書きみたいな人生でいい。