詩人:どるとる | [投票][編集] |
それぞれの暮らしの中
生活の片隅
僕らは何気なく
素通りしている
本当の幸せのすぐ側
幸せの形なんて人それぞれだと思うけど
誰だって 何不自由なく暮らしてゆけることが一番の幸せだって知ってる
ここにないものを望んでも
身の丈に合わない明日を願っても
きっとそれが現実になってもむなしいだけだ
だから僕のサイズに見合った今を生きるのさ
多少不便でも どこか恵まれてる
そう気づくためにも 僕らは少し 苦労を背負いこむ 毎日を歩くべきだ
そんなふうに生きれたら少しは何かが変わるのかな
卵の中の黄身のよう
割ってみなきゃわからない
小さな不安の欠片が割り入れたお椀の中に浮いてる
それもまたおもしろい。
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呆れるくらい見つめ合って
重ねてく 二人の時間
かけがえのない一度きりの大切な二人の時間
わからないものなんだね こんなに時間を重ねても
見えないものばかりで 君の心の中さえわからない 僕だよ
すれ違うたび 気づく あなたの大切さ
存在の大きさ
少しずつ歳をとるたびに 会話もなくなって 気づくと それぞれ別々の時間を生きてる
いつからこうなってしまったのか 僕らは
背中合わせの夜
挨拶もなく出かける朝
気づくといなくて
いても話もなくて
そんな二人がいる
愛しているから
夫婦になったのにね
不思議だね
愛していてもいなくても
夫婦は夫婦だ
あなたはそこにいるんだ
私が今ここにいるように
愛はたしかにここにあった
だけれど今ここにはない
夫婦の明日 夫婦の未来
あの頃の僕らの面影は今あるでしょうか 悲しいほど消え失せた笑顔
部屋の中 ドアの外
あなたは今どこにいる? あの頃の私ならあの頃の僕なら
気にし過ぎて 落ち着かないはずなのに
なぜ僕はなぜ私は
今あなたがいてもいなくても心が騒がない
あの頃ここにいた夫婦は今はここにはいない
ここには夫婦がいる
だけれどあの頃の夫婦じゃない
重ねた時間の数だけ
過ごした思い出がある
だけれどそれ以上の愛があるんだ
触れたら 火傷しそうな熱い熱い愛が燃えていたんだ
だけれど 今は冷めきったマグカップに注がれた珈琲のように
ほんの少しの甘さを残したままで
テーブルの片隅に誰も飲まずにそこにあるみたいに 大事な何か置き忘れたまま
お互いに 偽りの時間の中を生きてる
時間の中を生きてる。
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今大切な誰かを思ってみる 心が熱くなる
不思議なんだ
好きな気持ちがはみ出したまま 柄にもなく恋してる
初恋のときみたいに君にこんなに恋してる
誰かを思うことなんてしばらくはなかったことだから
なんとなく気恥ずかしくて くすぐったいことだけど
もしも時間があったら 伝えたい 届けたい
誰かを思うこと
君を思うこと
この気持ち
心の中の熱
全て明かしたい
十二月は恋模様
淡く切なく儚く
雪の名残 ハラハラとこのまぶたを降りる
ああこんなにあなたが好きだよと言うから
窓の外待ってて
すぐに行くから
独り言みたいにして消えてく二人の恋を
誰かがそっと笑っても 僕らにはそうさ
かけがえのない時間だったと思い出の中
優しく 振り返れる
そんなこれからを送ろうね。
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寄り添う恋人
白髪混じりの老夫婦
同じ年月を歩いてきた二人
今日も寒いですね
だけど心は温かい
今年もまた冬ですね
来年も生きれるかな
元気ならあとは
何も望むことはない
寄り添う恋人
若いときみたいには
いかないことばかり
それでも変わらない気持ちで見つめ合う
愛とはちょっと形を変えて 違う何かが
私たちを繋いでる
時間の果てにある
ゆっくりとした残された白い日々
何度もキスをして
何度も見つめ合って
何度も手を繋いで
何度も寄り添って
何度もすれ違って
何度も振り返って
何度も気づく
そして今、なんとなくたどり着いたこの白い日々に僕らは
気づくのさ 形のない何かを
そう確かなものなんてこんなに生きてもわからないものなんです
ただ、あなた一人だけいてくれればいい
そんな単純な心だけがはみ出したまま
そっといつか
逝けたらいい
残された片方が
さみしくないように
笑って逝けたらいい
降り積もる雪のように儚い命 あと少し
落ちてく砂時計を感じながら てくてく歩くの。
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冬枯れの窓の外
木々は葉を落として
寒そうにふるえてる
僕もふるえてる
独りきりの帰り道
木枯らしに吹かれて
柄にもなく黄昏て
心センチメンタル
モノクロの似合うような景色の中を歩くのさ
どこまでもただどこまでも悲しいけれど
美しさが漂うような
そんな季節になりました
せめて心には
たくさんの熱を帯びて
思い出を振り返り
そこにある悲しさも
少しずつ少しずつ
時の果てへと消えていくことを願いながら この道を歩くんだ
和音が道を埋め尽くす 僕の足音響く
コツコツとアスファルトの上歩く音
ざわざわと木の葉の上歩く音
混ざり合って面白い
こんな寒い日は
ただ家の中で
お茶でもみかんでも
飲んで食べてしたいけど
寒さの中にある季節を見つけに僕はコートの襟を立てて
この道を歩く
秋も深まって
冬がやって来る
その当たり前な中にある幸せを探すみたいに
ポケットの中
人知れず紛れ込む
木の葉一枚
風に乗せて
高い木より高く
空の向こう消えてく
そんな時の流れの中
たゆたうように
僕は歩く 歩く
それが僕の冬の歩き方。
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誰かを思うことや
誰かをそっと
気にかけること
なんとなく思い出す
誰かの顔 そこに咲いていた笑顔
僕や君にとって幸せとは一体なんだろう
わからないけれどわかるんだ きっと生まれる前から知ってた
心から思うこと
まっすぐにただまっすぐにひとりの人だけを思うから
不器用にただ不器用に日々を生きてる僕だけれど
心からただ心からあなたを幸せにすると誓うよ
君を愛してること
君に愛されていること
それだけが僕の自信だ
心から思うこと。
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僕は 何かを守ってる
僕は 何かを愛してる
その何かは人それぞれ
今日も何かがあるよ
守るべきもの愛すべきもの
あなたの中に 僕の中に 目には見えない色々なものがあふれてる
何かをいつも見つめてる
思考から外れたもの
範疇を超えた場所に
何かはあるよ 何かがあるよ
そして今日も僕は何かを抱えてる
君にもあるか
君にはあるか
そんなものが
触れたら わかるよ
見えないのに
ここにあるって
何かを守ること
何かを愛すこと
その意味その理由
全てが何かを象り
その回りを軸にして
僕らは生きてる
そして今日も
何かを 見つめてる。
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僕を愛してくれる人
今日もどうもありがとう
僕を見守ってくれる人
いつもどうもありがとう
僕を叱ってくれる人
僕を敬ってくれる人
僕を労ってくれる人
僕を慕ってくれる人
その全ての人に言うよ
ありがとうを言うよ
なんて僕は愛されているんだろうか
気づくのが少し遅かったね だけど本当に僕は愛されていた
いくつものありがとうが今日も
あなたの中に僕の中に 私の中にあふれてる
誰かに感謝もするし人から感謝もされる
不思議なこのやりとりが 当たり前のようにつづいてく
繰り返す日々の中
目と鼻の先の景色
お辞儀しあう世界なら戦争は無意味だね
思い合える世界ならば虐めなどはいらないね 似合わないよ
だからありがとうを言おうよ
君には感謝するべきことがあるはずだ
君には感謝されることだってあるはずだ
だから、ありがとうを言われたら
ありがとうと言おう
ありがとうと言ってくれてありがとうと言うよ
こんな世界にありがとうがあふれたら素敵だね
たちまち平和になるでしょう
争いあう国と国
すれ違う人と人
バカなことをやっていた
愚かなことをしていた
そう気づく日が来るのなら
僕はこんな世界でも
未来があると信じたい
そしてやがて訪れる今の子供たちが大人になるころ
愛すべき世界だと
誇らしい世界だと
思えるような世界をつくりたい
そう思うから僕は言うんだよ
ああ 当たり前なことでも 生まれなかったら思えなかったね
だから全てにありがとう
僕はここにいれて幸せだ
ありとあらゆる出来事に
ありがとう言わなきゃ
全てが僕を形作ってる
全てが僕を支えてる
だからこの世界の全てにありがとう。
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それでも詩を書くんだ 誰も読んでくれなくても
票に価値などあるものか
評価に価値などあるものか
ただ僕は描く
ただ僕はボタンを打つ
ここに言葉の世界を広げる
詩人になりたくて
僕は言葉を集めて
知ってるだけの
言葉で歌を歌ってる
人間でありたくて
僕は心をみつめて
たくさんの人の闇も
知ったように語る
それでも
それでも
見えない何かがまだあるんだ
あなたには見えるというのかい?
言葉のさらに奥
その向こう側の世界
心の手のひらを今
見せよう
ほらこんなに汚れている
罪の意識はまだあるよ
だけれどまだ歌いたい
見ててください
僕を愛す全ての人
見ててください
今にあの日の歌を
超えるような歌を
この場所に描くから
心の手のひらを今
隠したら
僕はうそつきになってしまう
だから偽らず欺かず僕は僕と向き合うよ
そして闇をさらけ出す
誰かを僕だって
憎むこと
誰かを僕だって
恨むこと
そうだ僕は人間だったんだ
思い出したら
心が 晴れた。
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自殺をしようとする
その人の背中を見ても僕にはわからない
その人の心にはなれない
人を殺める誰かの背中を見たって僕には何も見えません
たくさんの人、人、人 腐るほどいるけれど 僕は少しでもそんな人たちの中で
何かができているんだろうか
意味のないことだとわかってても
誰かを思いながら
無意味なことだとわ知っていても
誰かを気遣いながら
自分の小ささに気づいても 命の儚さ思い知らされても
消えていくその命の背中を見送る時
僕はやっと気づくだろう
ああ その人のいた意味がなんとなく見えるだろう
あなたの背中に 見えるたくさんの今までやこれからを
映したような物語 どんな背中にもある生まれている形のない荷物
誰もが背負いながら
気づかずに 僕は見ているんだな その人の傷跡や苦労を
それでも、あなたの背中には 僕が見えている以上の悲しみがあり喜びがあり
そして誰もわからないあなただけの痛みがあるのだろう
原稿用紙に どれだけ言葉を書いても見えてはこない
痛みが 苦しみが 喜びが 幸せが
その背中にはあるのだろう
だけれど僕はわかっていながら それを見て見ぬふりで通り過ぎる
すれ違う人、たまたま隣になっただけの人
その全てのあなたの背中に映る世界が誰も誰一人重ならないその人だけの今を
僕が知ることはできない
だからわかっていても目をそらすのさ
そこに例え愛や友情が あったとしても
越えられぬ壁が立ちはだかる
だから僕は一歩、距離をあけて人と並ぶ
そうやって生きるから見えないものもまだ消えない
だけれど遠目からでもわかる あなたの背中には見えない傷跡が 伝わらない痛みがあることも
だから時には突き放して 目をそらして
僕は僕 君は君 あなたはあなただと言い放つのさ。