詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕らの知らない場所で 君は目を回してる
僕らには見えない場所で地球が回るように
ドア一枚隔てるともう 向こうの世界は別の世界
音を絶てばそこにはもう 何一つ重なるものはない
例えばそれはさみしくて
例えばそれは悲しくて
例えばそれは切なくて
百や千じゃきかない沢山のあなたの瞳に
同じようで違う世界を映しているなら
それぞれの世界をそれぞれが愛せばいい
ならば、笑おう
明日が雨ならば
少しでも笑おう
そうだ、歩こう
どうせ死ぬならば
急がないで行こう
手のひら 手の甲
裏と表 光と影
直立不動で語る間違ったモラトリアム
ああ わからない
わからなくなってきた
僕は何を言いたいんだろう。
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サンタはいなくても
プレゼントは届く
雪を待つ君のその瞳に
サンタはいなくても
パパやママがいるよ
飾り付けられたたくさんの光の中
お金じゃ買えない
幸せもいいけれど
やっぱり貧しさには
僕は笑えない
そこにあったはずの
サンタを信じる気持ちがいつかの昔話の中では全てだったはずなのに
いつからだろう
サンタがいなくても
笑えるようになったのは
気にしなくなったのは
大人になった瞬間
魔法が解けたように
僕はサンタを忘れた
そしてそこにあったはずの楽しかったはずのクリスマスなんてもうないことを知る
なんとなくさみしさが心包む 寒さが一層際立って ひとり夜空見上げる
そしてちょっとだけ
勝手なほどに信じたくなっていたよ
サンタがいることを
サンタがいることを
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命尽きても 影は残るさ 命にも影はあるさ
揺れる命の灯火 自分じゃ見えない
明日をもしれない命かもしれない
百年さえかるくこえてゆく長生きができるかもしれない
それはその時にならないとわからない
病室の窓から見える
四角い空
広い部屋の大きな窓から見える庭
幸せは風の中 けっして選べず引き換えられれはしない
だから影はひとつひとつ違うように揺れる
悲しみにふるえるように
喜びにもだえるように
揺れる揺れる
影は誰の命にもあるさ
忘れないで あなたにもあるさ 命尽きても
影は残るさ 命には影があるさ。
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陽射しの中 笑う君がいる
夕暮れ時の帰り道を歩く君がいる
僕の帰りを待っている君がいる
たくさんの君がいる
君は今ここにいる
そんな当たり前なことも特別に思うから
笑った顔も泣いた顔も怒った顔もぜんぶ
まとめて好きさ
悲しいときも雨風にさらされる日もいつだって変わらない
雨が降るなら 僕が君の傘になるよ
ひとりじゃ辛いなら僕が君の杖になる
君の全てになるよ。
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手を伸ばしても
届かない光
そこにあるはずなのに
どこにもない存在しない光
僕を照らしたまま
動かない頑固な光
いつ生まれたのかも
わからない光
遠い物語を背中に乗せて 僕に語りかけてくるよ 優しい声で
笑っていよう笑ってみよう
思い出はもう
遠い空の彼方
失ってもなお
老いさらばえてなお
輝きを増してゆく
そんな光
そんな光が僕をずっと見つめてる
照らされている
照らしている
あたためている
あたためられてる
したりされたり
やったりやられたり
繰り返す日々の中
暮らしの向こう側
遠いような近いような
距離も掴めない場所にある光
君にも見えるはず
目を凝らせばわかるはず
ほんの小さな優しさや ほんの小さな場面に横切る光
多くの傷跡や苦労を背負っているなんて
思わさせない君は
雨降る日にも疲れた日でも
まるでそんなこと
気にもせずに
変わらない優しさで
僕を照らしつづける
失いたくない
老いさらばえたなら
シワを数えてみる
どっちが多いか
少ないか言い合って笑いあう
守られている
守ってあげてる
愛されている
愛している
してもらってばかり
やってもらうばかり
気づくといつも
僕の瞳の中にいる
振り返る その先に
見える世界
見上げる 彼の果てに 映る星
見えはしない だからない
さわれもしない だけどある
気づくといつもここにある
遠い光 君という光
僕だけの光
誰の声も行き届かない闇に 明かりをくれる光 遠い光。
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たまに悲しくて
たまにうれしくて
思うより生きるとは切ない
切れかかった蛍光灯見つめ 手を伸ばすけど今の僕には紐さえ掴めない
通りに並ぶ木々が風が吹くたびに 揺れるのを見た帰り道
一枚だけ木の葉が 踏ん張っていたけれど
強い風に負けてしばらくしたら 枝から離れ 彼方に消えてった
なんのことはないのさ
ただたまに思うことが
少し胸の中散らかってるだけ
ごくたまに
空がとても遠く
見えるだけ
それだけでもう
会話を繋ぐ言葉もないんだ
ときに 悔しくて
ときに 迷ってる
自分がわからない
想像で描く自画像 描いてみたけれど鏡に映る僕とは描けば描くほどかけ離れる
夕日の赤さや空の青さに思う事 傷口から流れる血のように素直
例えば笑った顔の裏
例えば泣いてる涙の向こう 嘘や言い訳
人と向き合い見える闇 誰も抱える闇
笑い飛ばしてくれないか
僕が必死に生きる日々を
いっそ無駄だと気づかせて
ごくたまに
人の愚かさが
自分のことのよう
終わらぬパズル
あとひとつピースが足りないんだ
それだけでもう
生きてることが曖昧に思えるんだ。
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くるくると生まれた
DNAの螺旋階段上ってきた
お腹の中からこんにちは
産声が病室に響いた
はじめて笑った日
はじめて泣いた日
はじめて歩いた日
色んなはじめてが
今まで何度でも
僕をドキドキさせた
君をウキウキさせた
そしてたどり着いた
岸辺で魚釣り 当たりが来るのを待ってる
まだまだ釣れない
そろそろ釣れるか
浮きは沈まない
夕日も沈まない
はじめての日だ
はじめてが増えたよ
今日君をはじめて
抱きしめた
そして愛を知りました
いつかのお母さんが僕を抱いたように
僕は父になりました
君は母になりました
そして産声が病室に響いた。
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どんなに待っても
家は建たず
どんなに待っても
墓は出来ず
ただ時間が流れるだけ
遠い異国の戦争や
誰かも知らぬ
人の死が
僕にもたらす影響は
きっと何もない
たぶん何もない
新聞の隅にも載らないだろう
テレビにもかすりもしないでしょう
例えあなたが居なくなっても例え今日が最後でも あなたの終わりを知るのはごく少数の人だけ
それでもいいのさ
僕は笑うよ
それでもいいんだ
君と笑うよ
そこにどんな概念が紛れ込もうと
微熱にうなされるように
寝返りもきついくらいに
僕はまだまだ醒めない夢の中
手探りで明日を探していたいから
君に知っていてもらえればいい
そんなふうに笑ったこと
こんなふうに泣いたこと
蛇の胴のように長い長い夜
例えば茶柱が立った朝
そんな記憶をずっと君は覚えていて
なんとなくでいい
あるかないかの境
微熱のような思い出をなんとなく大切にしていて
例えそれがなんの役にも立たなくても
君の中にいたい
いつ僕がどうなってもいいように
いつ誰がどうなってもいいように
そのために
誰かが誰かの足跡にならなくちゃ。
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春の陽射しのようなあたたかなまなざしが僕を見つめる
君の愛のこもった声が優しく頬をなでるそよ風みたいなんだ
特別なことなんて何もなくたっていい
ただ大好きな人と毎日過ごせるだけ
それだけで
僕はここにいるよ
君のすぐ隣に
君の存在を象るように僕の存在はあって
僕の存在を肯けるように君はここにいて
いつも変わらずに
二人は二人だけの恋人 いつまでも
庭に並べられた君が育てていた鉢植え
置いてけぼりのまま花を咲かすこともなく枯れた
部屋中に飾られた写真 そこに映る君の姿 今も僕の中にたくさんの思い出がある
消えないよ
君はどこにいるの
僕の頭の上
君の居なくなった部屋は広すぎるよ
まだまだ君に伝えたいことがあるのに
波が引いてゆくように 君は影も残さず消えました
それでも変わらず
僕は今も君だけの恋人だよ ずっと
ほら窓の外で今日も夕日が沈む
もうじき夜が来る
明日こそは晴れるかな。
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星たちとダンスするように 僕は一人で月明かりをスポットライトに踊るよ
何ひとつ怖いものなんかない夜さ
見えるもの聴こえるものすべて愛らしい
衛星が地球を何周もして たどり着くこの夜に何を君は思うのかな
どうぞ僕だけの
お姫様よ
お手をとって
よろしければダンスでも
どうぞ僕だけの
ヒロインよ
永遠という長い時間を旅しませんか
旅しませんか
せめて、今宵だけでも僕にその役目を果たさせて
シャルウィダンス
シャルウィダンス
君だけに捧ぐ
シャルウィダンス
シャルウィダンス
優しい夜の唄
優しい夜の唄
ただようさみしさも
つかの間の苦しみも
君とならば素敵な時間に変わる。