詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんとなくでもいい
誰かに優しくしてみよう
なんとなくでもいい
誰かに親切にしてみよう
心から 向き合えば
人からも
心から 向き合ってもらえる
ありがた迷惑、恩が仇になる
そんな現実はいつでも拭えない
それでも誰かに優しくすれば不思議と自分にも優しくできると思うんだ
いらいらしてても仕方ない
尖ってばかりじゃ悲しい
だから心から 向き合うんだ
鏡合わせで見えてくる醜さや悪意に恥じてみれば いかに自分がおろかだったのかを知るよ
水彩画のような街の中 付け足すように
笑顔を描こう そのためにはまず君が笑わなくちゃだめさ
心から 心から
人を憎んでなにが生まれるものか
人を傷つけてまでなにを得られるのか
なにもないのは最初からわかっていた
だから心から 向き合って 互いの邪悪に気づくのさ
ふいに差し込む陽射しの中に浮かび上がる君の顔 少しずつでいい
笑ってごらん
なんとなくでもいい
つられる形でもいい
優しくしたいと思ったら
優しくいたいと感じたら
変わってしまうよ
心から
変わってゆくのさ
心から
何かが色あせてく代わりに
何かが色鮮やかに染まってゆく。
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君を見ているよ この窓から
誰かが誰かを見ているよ
心配するように訝しむように
瞳に映る人の流れ雲の流れ そして日々の流れ
レコードが回る部屋
ご無沙汰とベルを鳴らすあの人とテーブルを囲み
スローモーションで費やしてゆく時間
僕らは気にせず目の前のご馳走を食べるのに夢中さ
なんのことはない
窓の外は青い空
眩しい陽射しが
アスファルトを熱する
出かける気すらしないけれど
こんな日もいいね
いつの間にかなくなっていたご馳走が過ぎる時間のはかなさを教えるけれど
僕は泣くどころか笑ってた。
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君のはじまり 僕のはじまり それはほんの小さな偶然の出来事
風が連れてきた木の葉のように 気まぐれなはじまり
翻弄されている
弄ばれている
望んで
はじまりのうた口ずさめば何度でも産声上げて 小さくなれる 無邪気になれる
僕らはみんな。
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独りじゃ抱えきれないさみしさは 誰が拭ってくれるのか
独りじゃ背負いきれないかなしみは 誰と分け合えばよいのかな
わからないことが多すぎる
時間に埋まる記憶
思い出などはもう
風に消えた
難しいことが多すぎる
こんがらがる頭
思い出ほど美しいものはないはずなのに
独りじゃ 笑ってもつまらない
独りじゃ 食べてもそっけない
独りじゃ 遊んでもつまらない
独りじゃ 部屋もだだっ広い
独りじゃ 独り言にしかならない
独りじゃ 生きてる喜びは見えない
だから 少しでいい
独りじゃわからない
喜びをおしえて
ほんの少しでいい
独りじゃたどり着けない場所に連れて行って
人を愛することや
人を思えることを
心から、今したい。
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時計を持たずに
散歩に行こう
孤独を遠ざける
愛と手をつないで
時間を気にせずに
さみしさ捨てに行こう
頷く人と無視を決め込む人や文句ばかりの人 いろんな人がいるものだ
僕はというと
勝手気ままなもんだよ
いいんだよ 少しだけ ほんの少しだけ 夜が長く感じれたら
君と歩くこの道が猫の銅のように長い
君と歩くこの道はありふれているが特別な匂いがする
散歩道 散歩道
てくてく のろのろ
単純な思考が築く
幸せ 明日へ飛ぶ
だらだら せかせか
人の中でも頭ひとつぶん浮いた人
ちょっと変わった生き方で
ちょっと違った行き方で
散歩道を歩きましょう
人生は散歩のようなもんだと言い切ろう
それくらいじゃないと夜さえ さみしさで埋め尽くされてしまうから
静かな中に確かなざわめき 聞こえているよ
その声 なんて不思議 こみ上げてくる安らぎ
今日は僕から誘います
散歩へ行こう
時計も持たず
道順決めず
散歩に行こう
ちょっとそこまで
どこまでも。
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夜が僕の心の隙間にそっと入り込む
君はお茶を啜る その音だけが聞こえる
少し残したお茶と食べかけの和菓子
それだけが僕がこの部屋にいる理由なんだ
飽きたなら飽きたでもいい
それでも僕は言葉を紡ぎ誰のためでもなく何のためでもなく
遠慮もせずに余ったお菓子とお茶のような
何かを一人探してる
訪れた夜に 似合うさみしさの中にも光る優しさのような
そんな そんな言葉をため息の代わりに
吐き出すんだ
五月雨よ そろそろ降り止め
こんな夜に 恨み言を綴らずとも よいだろう
さらけ出したな その恥は 美しく夜の闇の中じゃ 逆に目立って丸裸
丸裸だよ。
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あの赤の中に 溶けてしまいたい
体も心も精神も
あの赤い色が にじんでゆくよ
涙で何も見えない
なぜか せつなくて
なぜか 悲しくて
それなのに
どうしてってくらい
心が熱いんだよ
冷たいのに熱い
丸いのに四角い
そんな不思議な感覚
僕を 街を 君を包む
蝉しぐれの中に
聞こえた チャイムの音
僕は聞き逃さずに この耳でつかまえたよ
夕暮れの窓辺にて。
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いつかこの場所に吹いた風に聞く
ここで 笑った 泣いた そんな記憶の中に幸せはあるのかと
夕焼け空が街並みを覆うように 広がり
僕はすっかり黄昏の中 空気など読めず 一足先に泣いた
神様もいなけりゃ
魔法もない 毎日に
特別なことを求めたらありふれていて途端にあくびが出る
それでもきらめく何かがここにいつか吹いた風を連れてくる
幸せは 見えない 目蓋の裏に
悲しみは このほほを伝い流れて
いつか言い損ねた言葉を手繰り寄せ
思い出すあの日の胸の痛み
さよなら 世界が またひと回りして
新しい朝が来るまで僕らは夢に潜り込み
微睡んでいるよ
おはよう 夜明けとともに僕は何度でも気づく 最初から決められていたさよならを抱えたまま 僕らは生きていること 生きてゆくこと
それだけじゃ悲しすぎる
どうにも うまく歩けない
だからいつか吹いた風に吹かれて
せめて君だけは忘れないでと うたうの。
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僕は やりたいようにやるよ 笑われても
僕は 歩きたいように歩くよ指をさされても
そして 果てのない夜を越えて また 朝にたどり着く
フライパンの上に卵を落として カタカタと鳴る沸騰するヤカン
くだらないな 全くくだらない
くだらなさすぎて さすがに笑えない うたえない
眠気が抜けない テレビじゃ映せない
本当の世界の綻び
かといって僕は何も知るわけもない
ただ噂話に花を咲かすだけ
朝の風景が 右から左へ 通り過ぎてく
吹き抜けてくのはいつにもまして 穏やかな風 たまにはこんな朝もいいさ
今日もいつもと変わらない1日でも
どこかに 輝くような何かがあればいい
そう思うよ
ため息さえ 引き連れてゆこう
その先の先の先までも駆ける想像から出遅れて僕はただ今を見つめているから
特別になる 小さな朝の風景ひとつが 奇跡にも値する
そう思うよ。
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息継ぎをしないでは
泳げない 長い道のり
ゴールさえ見えない
果てのない旅の途中
涙が 流れ いくつもの笑顔が散っていった
今日も息継ぎをしながら 生きてる感覚を養い 体中で受け止める 命の重みを
やけに寂しい帰り道
空には 雲に隠れて
半身をのぞかせた月があるだけ
それぞれの日々の中
やるせない心の奥
擽るような君の声
なだらかな下り
急な上り坂
時間と季節に
縛られて
先の未来に
夢を持てと
街は言う
人は言う
大人は言う
息継ぎなしの苦しい旅になりそうだ
酸素はあるけど 優しさが足りない
肺を満たすのは空気
心を満たすのは欲望
隙間を埋めるのは
君でなければ
君でなければ
この旅は続かない
息継ぎをして見える
世界にせめて 安らかな時間があるように。