詩人:どるとる | [投票][編集] |
何をそんなに
急ぐのか
絶えず僕を急かす
季節と時間
忘れたところで
なにもない
ちょっとだけ
歯車が狂うだけ
ちょっとだけ
腹が減るだけ
望遠鏡から望む街並み 記憶に埋もれたあの日の笑顔
あっという間に
過ぎてゆく
パラパラ漫画の日々の中 1秒になんの価値がある?
それでも僕らは
1秒すらも邪険にせずに 積み重なった重みのある時間を背負って
一分一秒無駄にはしない
一分一秒息を止めない
泣いている時も
雨降る週末も
ぜんぶ残さず人生だ
1秒の価値は1秒の中にこそあり その1秒の向こう側にある
それがすべて 今がすべて人生ならば
目の前を吹き抜ける
風にさえ 価値は十分にあるんだから。
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人の数だけ 笑顔がある
人の数だけ 涙がある
人の数だけ 思い出がある
その数を 越えるほどの人生がある
疲れた街に今日も いつの間にか 朝が来て いつの間にやら 暗くなってた
電気を消したように
今日もたくさん笑った たくさん泣いたね
辛いこと悲しいこと苦しいこと
たくさんあったけど
けっしてわるくはない1日だったから
今日はぐっすり眠れそう
何気ない1日の中に
些細な出来事の中に
くだらない物事の中に
その傍らに 光る何か
見つめて 見つめて
まだ消えないで
遠ざかる夕陽を背に
涙が止まらない
教えて 教えて
もう今日は今日じゃない
あの時計がひとまわりしたら 僕は僕であって僕じゃない
誰でもない僕になり
その傍らで いつもの朝が微笑むだけ
幸せなのだろうか
チクンと刺すような
解せない現実に
病める時もあるけれど その傍らにいつもあなたがいる
幸せじゃないはずはないね
うなずきなさい 深く深く。
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こどもはおとなを見習って 少し苦労を知ってみよう
おとなはこどもを見習って 少し素直になってみよう
おとなはおとなの苦労
こどもはこどもは苦労
どちらでもなくどちらとも おとなもこどもも毎日毎日一生懸命生きている
ばかにはできない日々がある
ばかにはできない涙がある
こどもの笑顔を おとなはこどもほど 浮かべられず
こどもはおとなの笑顔を おとなほど偽れず
笑顔を比べても 悲しい寂しいわびしいな
頭の良さはわからない
いいも悪いもないだろう
足の速さもしかり
比べるだけ無駄さ無意味さ
おとながまるでこどものような
こどもがまるでおとなのような
そんな世の中 あべこべのこどもがおとなでおとながこども
みっともないね
恥ずかしい
自分を見て
反吐が出る
人のふり見て
反吐が出る
鏡に映った
その姿
人から見れば逆さまさ
ばらばら あべこべ。
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太陽と月がめぐる世界で
夜と朝と昼が交互にやってきて
聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟く おはよう
夜明けを呼ぶように
それはそれは美しく
聞こえるよ
はるかむかしの世界には 古い古い世界には 太古の夢があったそうな 人々は今より心豊かで きれいな水と大地にはぐくまれていた
画面の奥で 会話をせずとも
小さな液晶 見つめて
遠くからお話できなくても
不便な生活の中に
いくつもの知恵があった
むかしも今も変わらないものが きっとどこかにあるはずだ
例えばあの空は今も昔も変わらない
ただ時が流れただけ
だだ技術が進んだだけ
それだけで僕らが変わることはない
昔のまんま あの空のように おんなじ青さを忘れないでいよう
昔のように あの雲のように おんなじ白さを忘れないでいよう。
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何か間違ってる
何かがゆがんでる
僕の中の悪を
すくい出せ
いつか思い出して
やがて忘れかけて
時々若さを
言い訳に口をへの字に曲げる
そして夜が 口を開けて 僕らをのみこんで朝になるまで 夜に閉じこめられたまま
僕らは闇の中で息をする
息をひそめて 耳をすまして 瞼の裏に広げるんだ
例えば昨日のあの風景やずっとずっと遠い昔、出会ったようなあの人に
思い巡らせ たどり着く一番輝いていたようなあの頃の僕と今じゃ履けない靴や小さなシャツ
何か間違ってた
何かを傷つけた
僕の中の悪は
まだ残っている
悪とはなんであるかなんて人それぞれだというけれど
正しいことや間違ってることは誰にとってもそんなに変わらない
だから目の前にいるのが誰であれ心を込めて向き合うよ
僕の中の悪や
あなたの中の悪に
そっと 呼びかけて
呟こう
僕も悪いしあなたも悪い
やけに食い違う世の中はいっそ 簡単に
ありがとう
ごめんなさい
それだけで
明日はすぐに
晴れ渡る
未来はすぐに
透き通る
その先にあるよ
僕らの希望。
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世の中いろんなことがありますが
難しいことは僕にはわからない
ただね目の前に日々を飽きもせず積み上げてゆくだけだ
晴れのち雨のちまた晴れる それは繰り返されることだ
雨が降れば 傘を差して 雨がやんだら 傘をたたんで
口笛吹き鳴らして 歩いてゆこう とりあえずあの丘の上まで
世間じゃはみ出し者の僕だけれど
いつも大切なことはわかってるつもりさ
さみしくて 悲しくて 仕方ない夜も今までいくつもあったけど
季節を越えてまた越えて 飽きもせず風は吹きつけて 新しい季節のドアが 音もなく開く
おはよう ただいま
さよなら おやすみ
人の数より多くの言葉をささやいて
少し疲れたら眠る
そんな簡単な日々じゃないけれど
今日が雨でも明日も雨かもしれない
それでも明日は晴れるかもしれない
悩んでも迷っても結果は変わらないさ
とりあえず、歩こう
考えるより先に
いち早く笑えるように
今日のさみしさが
今日のせつなさが
明日も離れない
それでも、笑うよ
晴れのち雨のちまた晴れる空 そしてどんな日も日は暮れて
誰かの帰り道を夕陽が照らす 背中を押してくる あの真っ赤な空に 何かを教えられてまた僕はひとつ大人になる
さよならは言わないでおこう また明日とだけ 振り返らずに風に流すんだ。
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3つ並んだ
お皿の上のえだまめ
仲良くとはいかなくて
同じさやの中でも
形も違うし
性格も塩加減も多分違う
お鍋の中でぐつぐつ
いい色に いい匂いに 変わる 変わる えだまめ
えだまめのさやが地球なら えだまめの豆は僕ら人間だ
仲良くできなくたって 誰かを憎むなら誰かを愛そうよ
せっかく同じ世界に生まれたんだから
えだまめ見習って 僕らも並んで 同じ明日に向かうのなら 手はつなげなくても心を重ねて ゆっくりでいい
食べ頃になるまで
永久の夜が訪れるまで
僕らはえだまめのように えだまめの隣にはビールがあるように
人生には苦労や困難がつきものだとしても
少しずつ負ったその傷を一緒に 癒やしてゆこう えだまめみたいな僕らの日々
殻からはみ出して
さよならするまで
僕らは生きよう
とりあえず笑おう
日の暮れかけた空の下 憂いを帯びた眼は沈みゆく夕陽を見て何思う?
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僕は嘘をつく
人に 自分に
たまに嘘をついて
自分を守る
逃げおおせる
僕は嘘をつく
笑いながら
泣きながら
鏡合わせで
心の中の自分にさえ
嘘をついて
本当を隠す
知っていながら
つかなくては
片づけられない
理由がある
嫌だとは思いながら
悲しいときも
笑わなくては
進めない時もある
嘘の中の本当の嘘は
嘘を嘘といわず あたかもそれが紛れもない真実のように僕らに語らせる
さよなら はじまりは終わりへの布石だというのなら 僕らが笑うことや泣く今になんの意味があるのか
考えても始まらない
だけど僕は目の前の嘘に目をつぶれない
どうすればいいだろう。
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生きている喜びを感じるために 僕は生きているのかもしれない
生きている証をここに残すために 僕は生きていくのかもしれない
何度となくむかえるゴール地点の先にもまたスタート地点があるように
死ぬまでは本当のゴールではない。
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朝起きて夜眠るまで
僕は黙って 世の中に従うよ 笑顔さえなくして
それでも 嘘の中に
輝く 本当が 微笑む
朝起きて夜眠るまで
僕は尻も隠さず恥をはみ出したまま 駄目さをさらけ出す
だけれど 人の中に
時折見える優しさが
空と僕とをつなぎ止めている
だからまださよならを言うには早すぎる
もう少し 泣こう
もう少し 笑おう
朝起きて夜眠るまでの1日を 明日また明日と 費やしてゆこう。