詩人:どるとる | [投票][編集] |
さっき捨てたはずの
さみしさがまだ残ってる 夕暮れの空 窓の外のぞく
僕はあいかわらず
わがままで身勝手で
だけど自由で
笑えるだろう?
いつもの帰り道
なのにいつもとは
どこかが違う
月のきれいな
帰り道 泣けてきた
何かが悲しくて
でも何かが
同じ位
嬉しくて
生きることに精一杯
生きるだけで目一杯
あとはただ眠るだけ
どこかが恵まれている
でもどこか
同じ位
損してる
歩くのに精一杯だ
歩くだけで目一杯だ
あとはただ倒れるだけ
ほら見てごらん
幸せが窓の外
のぞいている
ひどくありふれてるけれど そんなものだよ
わかったらさっさと寝ることだ
明日は 笑えるように
明日こそ笑えるように
今日よりあの月がきれいに見えますように。
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僕は ここにいるようでここにはいない
僕は いつかそうなればここにいただけの存在になる
見えているもの
見えないもの
形のあるもの
形のないもの
色のついたもの
触れるもの
触れないもの
愛も思いやりも存在しないのに 僕らは
それを 見ているし抱きしめている
目には見えない何かを 僕は 心の中で思い描く
愛もそこにあると思えばそこに生まれる
希望も見えないのになぜかそこにある
目には見えない色々を 僕は 目の前にして笑い泣いてる
悲しみの中にも安らぎがあるならばそれは目には見えない優しさや思いやりだろう
目には見えないものたちに僕らは 絶え間ない期待を寄せている
肌には触れられないものにさえ僕らは痛みを感じている
それは酷く透明な感情
風が僕のほほを撫でるように そこには確かに 目には見えないものでも 存在している事が わかるんだ
空気を空気と呼ばないで
痛みや気持ちから目をそらさないで
そこにあるはずの見えない感情に 胸をざわめかせ この身を包む 風の中に立ち
そして叫ぶんだ
目には見えないだけで 目の前にそれはあると。
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僕は見ている 内側から外側の世界を
僕が僕を見ている 心の中から自分を
鏡と鏡 向かい合わせて映る 世界
そこには何ひとつ本当のことなどなくて
全てが嘘 まやかしさ
それでも 僕らはいつもあるひとつの法則に縛られ 生きてる
とある日付 とある時間 とある場所に 生まれた なんの変哲もない命が 紡ぐ物語をただ 最後まで見届ける
机上の上の空論としての 夢やロマンに明け暮れて
擬態する虫のようにたまにはズルく すり抜けて 誰かの悪さをまねてみる
合わせ鏡で見る世界
本当も嘘も何もない
何もないのに全てが
本当みたいに見える
それでも時々 頭の隅を掠める あからさまな嘘がきらめきながら通り過ぎていく
そこにいる僕と
ここにいる僕が
お話しながら
これからの
行く末を懸念する
あちらの世界は見えずとも あちらに行った人たちがいるように そこには確証がなくても見える世界の片隅で見えないものが見え隠れ
合わせ鏡で見た世界
青を緑と緑を青と
呼ぶように 見方は様々 見え方も色々
ひとつに拘らず 縛られず 歩いて行く僕らは本当の中の嘘や嘘の中の本当をあたかも見えているかのように愛してる
君も見ている こちら側からあちら側を
そして少なからず関わってる 他人の痛みや人生に
鏡と鏡 向き合わせるように
心と心 重ね合わせて見える
合わせ鏡で見る世界
合わせ鏡で見た世界
そこには何が映る
そこには本当が映る
本当のことより美しい本当の嘘が見えるんだ。
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月があんなに丸いのは
今日まで朝を食べてきたからさ
だからごらん あんなにお腹が膨れてる
太陽があんなに丸いのも
今日まで夜を食べてきたからさ
もうこれ以上食べられなくなるまで食べる
どんな悲しみも
どんな喜びも
明日になれば
また忘れて
空っぽの心で
泣いたり笑ったりする
それを幸せと呼べるなら当たり前なんてない そう心から言えるんだ
丸く太ったあの月に
そんな物語を見るのは
毎日がつまらないから
どんなきれいな星空の下でも戦争が起きて
人が死んでいるような毎日に少しでも
光が差し込みますように僕は想像と戯れて遊ぶ
月があんなに丸いのは なぜか知ってるかい? 僕がね教えてあげるよ
笑うことを知らない人に
笑い方を知らない人に
夜の闇の中に ほんの少しでも 明かりが灯るように 花が咲くように。
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僕の居場所は 今日も明日もここだけ ここだけです
箱庭のような ちっぽけな どこまで行ってもおんなじ景色が続く
道なき道を 掘り進む
たったそれだけのファンタジー
ご苦労さまと労われ
小さな労力をつかう代わりに 僕らは小さな金を稼ぐ
箱庭の中の 生態系
箱庭の中の 太陽系
まだまだ世界はさなぎです 蝶になるにはまだまだずっと先
この時間の果てで
この道の向こう側で
新たな 世界へ 重なって 時代が時代へと脱皮すりゃ あなたの頭の中にある 想像も見る間に変わるだろう
ただ、僕は動けない
僕のいていい場所はここだけ ここだけさ
地図なき旅を強いられる
痛みも伴うファンタジー
箱庭の中のファンタジー
神様はいつもご不在さ
救いがあるような
ないような
鳥かごの中のフリーダム
啄む餌には事欠かない
嫌々 生きてる人でさえときめかずにはいられない
もどかしいほどのファンタジーがここに。
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扉を開けば そこは知らない世界
あしたのあしたのそのまたあした
まだまだ 夜も明けないうちに僕をときめきさせる
なんて素敵な世界なんだろう
大して何もない 金もない 夢もない
それでも どこかしら希望に満ちてる
そんなあしたのあしたのそのまたあした
時計の針がいつものあの時刻を指し示せば 夜明けが来る
窓の外がもしも雨でも
瞼の裏には僕だけが見える 晴れ渡るあしたがあるから 悲しみなどないようなもの
あしたのあしたのそのまたあしたへと
流れる雲は 細くたなびいて 少し悲しそうに夜には 闇に隠れて 見えないが きっとあの闇の中で泣いていることだろう
そして 全てが全てに別れを告げて 僕の今日が扉を開けた その時にあしたはいつもの顔を出して 笑うのさ
そこにはなんのわけも意味もないけれど
最初からそんなものはいらないね
意味などなくても
僕らはここで
意味の意味を築く
理由などないから
僕らはただありふれた暮らしに身をおき
海や地平を描き
テーブルの上で湯気をたてる
コーヒーやあくびする猫たちに 幸せを見るんです
あしたのあしたのそのまたあしたにまで
期待を寄せる僕らのあしたのあしたのそのまたあしたは誰にもわからない
扉を開けば そこはいつも知らない世界
入り口はあるのに
出口はない
夜と朝があるのに
時間が壁になって
自由に行き来できない
だから僕らはあしたになるまで あしたと呼んでいた今日で あしたやろうとしていたばかばかしいことをやるため あしたへ行く あしたもあしたのためだけに
あしたのあしたはあるんです
あしたもあしたがあるんです。
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あなたの言葉で 誰かを慰めて
あなたのやり方で 誰かを労って
目の前の散らかった現実など気にせず
あなたはあなたの言葉で目の前で泣いている人を抱きしめて
単純な愛でいい
簡単な愛でいい
ただそれが
いつの間にか
あなたの糧になり
誰かの心に
きれいな花を咲かすから
枯れ木に花を咲かせるように
乾いた笑顔は やめて
泣き顔に笑顔を咲かせましょう
この乾いた時代に
僕がばかばかしいほどにまっすぐな歌を歌うよ
朝のはずの今も夜に食べられたように暗い暗い 街の中 人と人は目も合わさず にこりとも笑わない そんな世の中になるまえに枯れ木に花を咲かせましょう
もういいんだよ
無理やり笑わなくても ほんとの涙こそが 輝く世界をいっしょに目指そう
言葉もなく 宛もないままに 時計の針が進むほうとは逆回りに僕は進むけれど
やせ細り 滅びるんじゃなく 少しずつもとの美しさと形を取り戻すんだ いつか
そして 単なる言葉は 魔法のように きらめいて あなたの心にとどくだろう
忘れていた笑顔も こんな気持ちも ほら思い出したように 咲いた 咲いた 咲いた
枯れ木に花が咲いた。
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ふつうの暮らしに 甘んじて 僕はそれを幸福と呼ぶ
ふつうの暮らしに 飽きたらず 金に群がる人たちに悲しさを見る
ふつうの暮らしの中にある幸せを見つけられないことは悲しい
欲深い人たちの瞳は冷たい 今日も金が全て名誉が全てと間違える
ふつうの暮らしを指差して こんなものと唾をはく そんな人たちには二度とは見えない
僕や私が抱えてる
血の通った幸せは
目には見えない財産が
きっとあなたも抱えてる
涙で濡れた幸せは
かけがえのない財産は。
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夜の街の 片隅で 君の笑顔が 闇の中でも光る ああきれいだね
夜の街に 灯された明かり それはまるで蝋燭のよう きれいだな
寂しさも ほんの少し残っている もどかしさも明日になれば
全て 全て 忘れてる
誰もが見る夢が 惨たらしい現実も忘れてしまうほど 楽しいものであれと願う
そんな夜もあるんだ
君が見る夢がせめて今日の痛みや 今日の寂しさを そっと癒やしてくれるものであれと祈る
そんな夜があるんだ
夜の街は何も言わないし何も教えてくれないが僕らが勝手に勇気をもらい優しさを分けてもらうんだ
そんなふうに生きてゆく 暮らしの中にそっと今日も街に夜がやって来る
夜の街の片隅 今日も君の笑顔が 闇の中で光る
もう言葉は何も必要はないはずだよね
一人じゃない 強さが僕の心を包み込むと
涙で目の前が見えなくなるけれど 夜の街の美しさだけはいつまでも 変わらない
まるで優しい君のように。
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明日誰が死のうと
僕には関係ない 関係ない
明日誰が生まれようと
僕には関係ない 関係ない
世界は鏡で 人と人同士もお互いを映す鏡で みんながみんな悪いところも良さもお互いに向き合わせて
自分の悪をそこに見る
自分の利点をそこに見る
さよなら 砂浜に波が打ち寄せて 今日の全てをさらってゆく
さよなら ビルとビルの間に昇ってる太陽が沈んでゆく
さよなら 小さな子供たちの笑い声が遠ざかるとすぐに夜に来る
街は少しの音を残して あとは闇の中に食べられました
意識は胃液に溶かされ やがて 何もわからなくなる
眠るまえに 言った言葉だけが頭の片隅回る
おやすみのそのまえに。