詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕が 夢見ていたあしたはどこに消えた
たどり着いた場所には天と地ほど差があるよ
悲しみの中 蒔いた種は いつ芽を出すのか出さぬのか
乾いた幸せが 生活を取り巻いて 変化のないこの穏やかさが悲しみよりもずっと悲しい日々を強いる
誰もが夢見ていた あしたはあなたのあしたは僕にはくだらない
期待してもそれは僕の期待とは被らない
あしたの消息 訊ねてみても それは僕のあしたであり あなたのあしたとは違うんだ
あしたの消息 追いかけてみても 途中でいつも見失うよ 目覚めたら そこは理想を大きく下回った世界
日付を 忘れてしまうこの頃 一体どうなる?これからの世界
これからの僕ら
標を見失った 気づいた時から 僕は今ある幸せにはない いつか夢見ていた あしたのときめきが 何より僕を騒がず
君を騒がず
みんな同じだろう
誰もが待つあしたは違えども
誰もが同じあしたにたどり着くけど
一人一人たどり着きたいあしたは違う。
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なぜ生きているんだろう
なぜ生まれたんだろう
うれしいから笑って
悲しいから泣くのに
それを偽ってまで
なぜ僕らは大人になるのだろう
なぜが多すぎる世の中だ
なぜを抱えて生まれてきてしまったよ。
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人と人との隙間に
今日もそびえ立つ
『他人』という壁
壊せないかな
見た目が違うだけで
一歩前に踏み出せば
僕らは等しく人だろう
何も差があるわけじゃなく
大した違いはないのです
言ってみれば僕らはみんな
そろいもそろってただの空気の塊
えらそうに振る舞うこともできないし
自分一人だけが特別なんてありゃしない
みんながみんな一様にくだらなければ
みんながみんな一様にくだらない
みんながみんな一様に素晴らしければ
みんながみんな一様に素晴らしい
それくらいの話です
人と人の間に
割り込むようにある
『概念』という思い込み
相変わらず邪魔だな
顔や見た目で区別する 僕らは時に愚か者
『いじめ』と『戦争』秤に乗せても大した違いはないのです
どちらもくだらないということからすればどちらも同じ
空気を読んで 向き合えるほど僕らはきっとまっすぐな歩き方には長けていない
だから時には傷つけあって互いの思いに気がつくために 無意味なことさえやってのける
空気にしては 賢くて
空気にしては あたたかい
体中にめぐる血潮が伝える生きてるという喜びが同時に伝える生きてる痛み
分かり合えない気持ちを分かり合い
交じり合わない心で交じり合い
僕らはさながら空気のように 人と人のあいだに立って 僕も人だと言葉にするんだよ
気づけば自我をなくすから
気づけば自分をなくすから
空気に色や形をつけるように意味に意味を付け加えるのさ。
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意味もなく わけもなく生まれた僕らは
行く宛を定めて まっすぐにその場所へ向かうまでの旅をする
夢もなく 生きがいも見つけられないままに
時間が人を年老いさせるなら
僕には一枚の小さな油絵に閉じこめられた思いさえ読み解く暇はない
それでも 命の限りに
声の続く限りに
僕は叫ぶ 己の存在を
まぶた閉じて はじめて見えるあしたがある
まぶたひらいたままじゃ 見えない世界がある
心の中に たくさんの想像があるように
目には見えることのないあしたがある
いつか必ず訪れる
この世界から
完全に消息を絶つ日まで 僕はここにいよう
そして 泣こう笑おう
単純過ぎる理解が繋ぐ
穏やかな毎日に
おもむろに吹く風のように
僕はいつでも当たり前な存在でありたいと願う
その日までどうかお元気で
あなたも僕も
言ってしまえば
空気のようなもの
あるようで何もない
ここにいるということさえ錯覚かもしれない
それでも、この感覚が跡形もなくなるまでどうかご無事で
日々、心して生きよう 形ある扉じゃなく自分にしか見えない窓を開けよう。
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よくできた三文芝居
画面を通して見える
この世界の光と影
無事ではすまないだろう
無傷では歩けない
天国まではまだ遠い
気苦労は続く
笑うように泣いて
泣くように笑って
日々、
ただ悲しい映画の中に自分を閉じこめないで
出ておいで
出ておいで
君は独りじゃない
回るよ地球 全ての人の命を軽々 持ち上げて
それはねなんでもないようなシアター
終わりさえよければ都合のいいハッピーエンド
それはそうとね昨日のテレビ見た?
あのシーン 目に焼き付いて離れない
全てくだらないことの積み重ね 重ね重ねすみません
日常の中に隠れてるいいことの中に 無垢なる幸せはある
その手で描いてごらん 夏の日の噴水みたいに 元気よく背伸びして鼻歌でもどうぞ
八月のシアター 彼女のご機嫌次第で回る回る 回る 映写機
アングルは急回転
あっちへこっちへ
振り回され 僕はもうため息さえも出尽くした
それでも、可愛い君のその微笑みに心も時間も盗まれて
蝉しぐれの中から
水しぶきが上がる
宛のない笑い声
僕の知る世界を
次々に塗り替えてゆく。
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さよならと言い交わしてしまえば たちまち僕らは離れ離れ
日の暮れかけた空の下に 伝えられないままの気持ち隠して
さよならの時間の一歩手前で立ち止まってる人がいる
またあしたとごまかすのはあしたに期待をかけてるからだけど
さよならの時間が迫るとなんだか今日言ってしまわないと二度と言えなくなるような
さみしさに包まれるんだ
そしてつないだ手を離すとき 君のぬくもりだけがかすかにこの手のひらに残るのさ
同じ空の下にいても僕らはさよならとつぶやけば離れ離れ
心の距離は縮まないまま 伝えられないままの気持ちが わがままに燃えている。
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希望という名の舟に乗り 漕ぎ出したる夜明けの空に 昇る朝陽は赤々と燃ゆる炎と重なって そこはかとなく騒ぎ立つ この身に纏える 情熱は
彼の朝陽にも負けじと燃えて 頼もしい
船出は今と声の帆揚げて
突き進む舟 希望の名にふさわしく
煌びやかに輝いて夜明けの空に 勇ましく発つ。
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周りの速さに合わせて誰もが同じようにしか見えない
変わり映えしないつまらない街
とにかく急がなくちゃと
なんとなく走らなくちゃと
まるで何かに追われてるように今日も人々は同じ方向に向かって歩いているよ
その先にはきっとなにもないのに
自信もなくて
笑う気力さえなくて
一歩踏み出す勇気さえなくて
流れる川のせせらぎに刃向かわずに流されてる石ころでいられる人ばかりが肥え太りふんぞり返れる世界
大人は大人らしく
子供は子供らしく
そんな言葉を履き違えて 大人はいつから働くだけの人になり
子供は素直さをなくし遊びと称していじめ抜く
そんな世の中になり果てて 気づけばほらまたどこからか届かないSOSが煩い街の雑音にたやすく消された
この言葉がもしも
今のあなたを傷つけるなら 言葉は凶器にしかならないよ
だから言葉などいらないよ 黙ったままで抱きしめよう それが愛だというものだ
そうさ言葉はいらないよ 言葉よりもぬくもりで 教えぬくのだ 良い悪いの区別
あなたに見えている光が必ずしも全ての人に見えてないことを
もっと僕らは知るべきだ
あなたが見ているであろうその闇が僕には見えないのと同じように
そこにあるのにないものという概念が邪魔をする
朝がきても明けない夜がここにある
あなたの瞳に浮かんでるその涙のわけは
言葉などでは語れない
言葉はいらない 意味がない
傷の痛みが伝える凍りつくような現実はその人にしかわからぬ 届かぬ 通じない
他人に慰め求めようものなら 他人というだけで距離を置かれて 相手にされず
曖昧な世の中は
あらゆる矛盾を投げかけて 答えぬままに背を向ける
だから余計な言葉はいらないよ
きれいごとばかり散らかして
「なんとかなる」とは言ってはみても
期待、希望は腐り果てあしたの目処さえ立ちやしない
だから言葉はいらないよ
こんな冷えた時代には。
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表の裏には闇がある
普段は隠れて見えないから時に垣間見えたとき人は焦りをおぼえる
人の心の裏
その裏の裏
街の中の路地裏
ちょっとした闇
気づくとき
そこに裏が生まれる
政治の裏
お金の裏と表
心も裏返せば
闇も見えたり
悲しいかい?
うれしいかい?
誰かのこと
信じられなくなる
時がある
一人一人の裏表
素顔はいい人
一見いい人
影ではずる賢い人
本音と建て前
使い分けがうまい人
街の人の中
道を歩く人の中
裏表のない人を探すことは難しい
裏表のない人なんかいないよ
だから僕も気づかずに人を傷つけ
知らないあいだに人にうらまれてる
裏表を見せびらかして
代わる代わる繰り返して
心の隙をみせてる
心の闇をみせてる。
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同じ顔の中 何ひとつ重なるものはない
同じ街の中 何ひとつ同じ形はない
唯一の人だから
唯一の声と
唯一の心と
そしてその瞳
全て似てるようで
違うものなんだ
退屈な毎日だ
だけれど恵まれてる
それでも戦争もない国に生まれたはずなのに人はすぐ争いを起こすよ
明日なにがあるのかわからないから面白い
悲しいことも嬉しいこと予測できない
どんな日になるだろうと楽しみにしてる
そんな気持ちの半分は不安でいっぱいさ
それでも、生きてゆくのが僕ら人ならば
「またあした」と言い交わし あしたも泣こうよ笑おうよ
なにが間違いでなにが正しいかなんてわからない世界
確かめながら 時々転んでしまうくらいがいい人生なんじゃないかな
だからゆこう 果ての果てまで
だからゆこう 宛もないあしたへ
あしたがあなたの
あなたがあしたの
特別な日になる
そんな気がするから
生きていくんだよ。