詩人:どるとる | [投票][編集] |
隠したいことばかりだ 心の内も外も
ごまかしたいことだらけだ 街も政治も学校も安全な場所などない
モザイクかけたくなるような現実だ
口は嘘やお世辞ばかり言う
心の中の本当を包み隠して そのまんま
無修正の現実に裸体を晒す 人の愚かさ浅ましさ
何が本当で何が嘘なのか都市伝説のように 様々な情報が錯綜する日々に
画面を通して見える知らない国の知らない人の涙や笑顔にさえ干渉する僕らは何様なのか
モザイクを取り払い己の悪を懺悔せよ
どうでもいいことばかりが世界に知れ渡る
誰かの孤独死や理不尽な虐待に モザイクは要らない
戦争もいじめも同じ秤に乗せて どちらも軽んじずに 大人も目をそらすな
モザイクのかけられぬ現実ならば 僕らの瞳が捉えるありのままの人の汚さや醜さを
偽らず悪と言え
ごまかさず恥と知れ
モザイクをかけた心の中にある本当を
いつか口に出して悪いことは悪い、良いことは良いと言えたのなら
嘘も邪魔な隔たりも差別もなく誰もが心の底から 向き合える
理想論にしか過ぎないが まぶたの裏に広がっている 明日は紛れもなく明るい
かんたんなことなのに 争いは絶えず いまだに人はわがままで欲深だ
金や見栄に埋もれた当たり前な愛や優しさを 呼び起こせ。
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生きて行けばいい
たったそれだけの
ことが辛いんだ
生きて行けばいい
百年くらい経って
くたばるまで
かんたんに言うなよ
案外難しいもんさ
やろうとしてやってもいつも空回り
ペダルひとつぶん足りないよ あと少しなのにどこかでまたつまずく
空気の抜けたタイヤのように 元気なく笑った
自転車に乗って
あの夕日を目指そう
もうため息つく元気もないけど とりあえず行けばいい
誰かさんが言うように
自転車に乗って
今日より少し遠い明日を目指そう
もう歩くのも辛いくらい毎日がいやいやだけど とりあえずなるようになるさ
なるようにしかならないさ
生きて行けばいい
かんたんに
街は言う 人は言う
大人は言い切るだけ
その辛さを乗り越えた場所にある 何かを指差すように
「生きて行け」と言う
それは僕には ただの投げやりな 答えなような気がして迷いが深まった
夜がやってきたのも気づかなかった
階段に腰掛けて ふっと気づけば そこには昨日となんら変わらない明日があった。
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笑うように 泣いて
泣くように 笑って
逆さまの気持ちで
生きています僕らは
愛想笑いしてても
胸の中じゃ泣いてる
他人のご機嫌をとるためだけに笑ってる日もあるさ
そんな大人の中
僕もそんな大人だ
今日も笑いながらも
本当は泣きたかったんだよ
それでも、歩いていこうと言ってくれる人が傍にいるから
僕はまた昇る朝陽に背伸びして おはようと元気に言えるんだ
悲しみも喜びもいつかひとつに重なって
いつの日か全て束ねて「思い出」と言える日まで ひたすら歩いていこう
いつかあっという間に 今日が明日になって
やがて風が吹き抜けるように その明日も何年後になって
そして、気づけば僕もおじいちゃんで
縁側でひなたぼっこしてたりして
目を閉じてまぶたの裏に大好きな人を思い浮かべたら なんだか悲しい気持ちも消えたように 思える
だから、生きてる
かんたんな話さ
生きていけばいい
たったそれだけ。
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なみだは優しい人にしか流せないものなんだ
人を思う気持ちがなみだに変わるんだ
なみだは心がある人だけに流せる世界でいちばんきれいな水なんだ
泣いて笑って たくさん転んで たまには失敗や後悔も呆れるほどして
人に冷たい目で見られて
世の中の全てを憎んだ事もあっただろう
それでもなんとかここまでやってきた
今日までの長い長い道のり思うとまたなみだ
なみだは優しい人だけが流すことを許されたきれいな水なんだ
どんなにどんなに悲しくても
どんなにどんなに辛くても
明日があるから今日がある
そしてまた陽は昇る
難しいことなんて何もないさ
ただ僕は僕のまま
いつもみたいに不器用でよく転ぶような人でも心優しくいれば
きっといつかいつの日か きれいな明日が見えるでしょう
きっといつかいつの日か きれいななみだの水たまりが海になるころに
流してきたぶんだけの悲しみが 喜びに変わるから
今はただまぶた伏せて ただ生きていくことだけに真面目になりましょう
真面目になりましょう。
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単純に誰かを好きになる 理由もなくその人を好きになれる
戦争やいじめがある
世界でも そんな世界があることも嘘みたいに思える愛がある
口づけひとつ 交わしたい あなたの唇を盗みたい
あなたの隙を盗んで
唇をひとり占め
お金も地位も名誉もなんの価値もない場所で 感じる 気持ちや 交わし合う言葉が 愛なんだね
僕はわかったんだ
大切なこと。
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心のお腹が空いた
さながら空腹だ
目の前に用意された
いくつかの料理
欲望、希望、期待
そして、裏切り
空腹ならば
目の色変えて食らいつく
金欲しさに 欲張って 心満たす 人の愚かさが 目に見えて わかる
こんなに苦労して 散々疲れ果てても
やがては くたばる 運命なら全て無駄だ
そんな気持ちで日々
生きて 楽しいわけないよ
心のお腹が膨れたところで笑っても空気の抜けたタイヤのように むなしい音がするだけ
空腹を満たすなら
人の愛や優しさだけで十分さ 欲望なんていらない 捨てたい
空腹を満たすだけなら 人の愛や優しさが必要だ 金があっても買えないものもあることを知れ
そしてまた
心のお腹が空くよ
さながら空腹だ
僕に身近な愛があれば 優しさがあれば
空腹だ。
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せっかく 人に生まれて こんなふうに 笑ったり 泣いたり
できるのに わざわざ人を傷つける言葉や人を追い込み責めることをしないで
回る地球の片隅にそっと生まれたばかりの いつかの僕ならば もう少し 穏やかな見解を見いだせたろう
寒くなる 時代の風に
凍りつく 人の瞳 そして心
なにをするため人に生まれて
なにを果たすため人に生まれて
どこへ行くために人に生まれて
どこを目指すため人に生まれて
僕はいつか 消え去るのか
とにかく人に生まれて あんなふうに あがたりもがいたり
している毎日が時にむなしく思えるのは
人の心知れば知るほどに 闇を見つけてしまうから完全には人を信じれず好きになれず
見た目とは裏腹の真意
嘘や社交辞令 目の前の人は本当にあれが本当の姿なのか
なにをするため 人は生きているのか
どれだけの人を 人は傷つける気なのか
どれだけの過ちを 人は繰り返すのか
なにが目的で なんの理由で 人は人として今日というなんでもない1日の中で
人と顔を合わせて
心にもないお世話と愛想笑いで 話すのか
そして僕は、これから どうしようか
策もすべもすべて 失って 人を憎んだりうらやましがったりするだけの日々の中
なにが生まれるだろう
なにも生まれやしないだろう
人に生まれて 良かったのか 悪かったのか
僕には わからない
わからないんだ。
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僕はえんぴつ どこにでもあるHBのえんぴつ
珍しくもないさ
えんぴつも命がある
だから折れたら多分痛い
えんぴつだって個性がある
えんぴつだって生きている
短くなったら ゴミ箱に捨てられてしまう
芯がなくなったら 先を削られてしまう
でもそれがえんぴつだ
みんな同じ運命のように 僕らえんぴつも
生まれてはまた削られて 最後は捨てられる
それが僕らえんぴつだよ 悲しくないわけはない
それでも黙って 今日も僕を使う人の手に握られて 文字や絵を書き 役に立っているんだよ
少しでも助かっているならば 本望さ
えんぴつはカタカタと テーブルを笑うように転がる
えんぴつの気持ちになってみたら どこか優しくなった。
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僕らは引き合う
磁石のSとN
違う磁力同士だからこそまた巡り会える
たまには喧嘩もするだろう
行き違いや食い違いもあるだろう
だけどね僕らは磁石だから
どれだけ離れても離れられないんだ
悲しいときもうれしいときも
ざあざあ降りの雨の日も晴れた日も
君と僕はお互いを思い合う磁力でまた引き合うんだ
照れたように顔を赤くするのが君ならば
僕はおっちょこちょいになって顔が青ざめるほうさ
磁石になってね また巡り会うこと それはまるで奇跡のようなもの 言い過ぎかな大げさかな
だけど感じてるよ
君が僕を思う
磁力のような力を
僕は君を思い
君は僕を思う
それが磁力になって
離れ離れの二人を
また引き合わせるから
これは磁石の恋さ。
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人の心を知れば知るほどにどうして こんなに悲しい気持ちになるんだろう
見えたり見えなかったりする 心の奥の闇だったり隠し事だったり
気にすると他人にどんなふうに思われてるかを思うとこわいんだ
心は傷つきやすいものなんだ
ガラスのように 落とせば簡単に割れてしまうよ
誰かの言葉ひとつで時に消えてしまいたくなるんだ
できれば誰かだけじゃなく 皆に等しく同じ心で向き合いたいのに それができない毎日だ
偽りの自分を演じて
嘘やお世話やつまらない愛想笑いで自分をごまかしてばかりいるんだ
時にこぼれ落ちる悲しみがビードロのように淡く切なく輝くから
なにも言えなくなる。