詩人:どるとる | [投票][編集] |
まだ 僕は 不完全
まだ 僕は 不明瞭
まだ 僕は 不器用
まだ まだ まだ
まだが多すぎる
でもそれも人らしさ
気にせず行こう
山をひと越え 夜を飛び越えて また僕はまだを知る
それでも僕は愛すべきそのまだを友と呼ぶ
まだがあるかぎり僕は生きている
まだまだ 僕は まだまだだ それでいい
不完全、不明瞭、不器用
何か欠けているくらいがちょうどいい
まだが 僕を人でいさせてくれるから。
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わざとずる休みした
木曜日、言い訳は適当
ちょっとそこまで行くつもりで
ちょっとだけのいたずらのつもりで
僕はちょっと自由手に入れるつもりで
ずる休みしたのに
僕の日々は空回り
くるくる 目も回る
めまぐるしいエブリデイ
おっちょこちょいでも不器用でもいいじゃない あいつよりはマシさ
そんな宙に浮いた気持ちで 笑えたらいいじゃない
言い訳も悪口も言えるうちが花さ 歳をとったらなかなか言えないんだ
ちょっとそこまで 行くつもりで 生きてゆけばいいんです
そのくらいの気持ちで歩いてゆけばいいんです。
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僕らは笑いながら
悲しみを見ている
僕らは泣きながらも
希望から目をそらせずにいる
それはまるで静寂の中にそっと生まれる
ざわめきのように
少しずつ満ちていく潮のよう
僕らは怒りながら
冷静な自分を抱く
僕らは落ち着き払いながら
憎しみだって抱いてしまえる
それはまるで行き場のない旅人が 繰り返す自分探しという名前の言い訳にも似通う 最後の悪あがき
それはまるで静寂の中にそっと紛れ込む
押し寄せる音色のように少しずつ形となり頭角をあらわす
砂の中の銀河
ざわざわと ざわざわと
ざわめき立つ感情のよう
感じるかい?
君の中の脈動を。
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遮るもののない場所へ行きたい
ルールも掟もない場所へ行きたい
たどり着けるかなこのまま歩いていれば
安らかな眠りに
穏やかな明日に
風のない日の朝に僕はめずらしく早起きして空を見ていた
それはまるで蓋のない箱のように
開け放された自由な気持ちだった
もう人の悪口も世の中への文句も言わなくてもいい
そんな場所へ そんな場所へ 僕は行きたい
行ってしまいたい
ここにはまだ 輝くような何かがある
それがあるために僕らは行けない まだ
それはまるで蓋のない箱のように 遮るもののない場所なのに
いつもまるで見えない蓋が僕らの口や心をふさいで押さえつけているかのように自由とは言い難い日々なのだ。
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今日は飲もう 涙を飲もう
しょっぱい塩味のきいた涙を飲もう
悲しみは誰にでも 等しいものだと
人はえてして 言うのだろう
だけれど、人には人のそれなりの苦労や悩みがあるのだから
そんな言葉で全ての人の迷いや苦労をいっしょくたんにしてしまうのはどうかと思うよ
うなだれて帰る帰り道
空には夕暮れが
少しずつ 少しずつ
泣きたくなる
泣きたくなる
言い訳も文句、悪口ももっと言いたいよ
ため息つけばつくほどに元気がなくなってく
知っていても…
今日は飲もう お酒じゃなくて
涙を飲もう たんまり飲もう
飲むだけ飲んで
好きなだけ飲んだなら
今度は吐き出そう
飲むだけ飲んで
気が済むだけ飲んだなら
今度は泣き出そう
ふいに降り出す涙雨
やってられないぜ
男じゃないぜ
それでも飲もう。
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人はいろんな噂をする
身勝手に自由気ままに
人のいろんな噂をする
勝手な想像で
人は人の評価を下し
時には人を罵倒して
人より優位に立って
天狗になるんだよ
何様のつもりなんだろう
あなたは僕の何を知っていて
僕はあなたの何を知っているのか
本当のところは何も知らないだろう
家族にも隠してることがひとつやふたつあるくらいだから
他人と他人同士じゃ隠し事や秘密の数は山ほどあるでしょう
呆れてしまうほどに
噂に噂が呼んで
尾鰭がついて飛び回る 屋根から屋根へと
街から街へと
噂の期限も七十五日
なにを言われようが
それまで待とう
それまで耐えろ
あなたはあなたの本当を胸に刻み生きればいいさ
七十五日の噂まで。
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誰かのために泣くこと
それを弱さというのなら
きっとそれは間違えだ
強い人の間違えだ
何かに耐えて泣くこと
それも弱さというのなら
きっとそれも間違えだ
逞しい人の間違えだ
夢を諦め泣く人や
生きる哀しみに嘆く人
人のずるさや冷たさに少し苛立ち覚える人を弱い人だというのなら
それはそれは間違えだ
人なら誰でも持つ心
それを単なる弱さと呼ぶだけならば簡単だろう
だけど弱いだけじゃない 弱さの中には果てしない強さがある
勇気がある
だから僕たちはまたひとつ強くなるために泣くんだよ
強くなるために泣くんだよ
それを弱いという人は自分の弱さを知らない人
それを弱いという人が本当に弱い人だから。
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涙が出そうなときにゃ我慢しないで 涙を流してしまおう
涙の水たまりできた
よくできました
笑うだけじゃ見えないものがある
子供はよく泣く
泣くのが仕事
毎日っていうほど
子供はよく泣く
今日も泣いている
だけど大人だってたまには泣きたい
だから大人だって泣いたっていいじゃない
夜も朝でも どんな季節でも涙は一年中 僕たちの友達
仲良くしよう。
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さびしさはまるで風のように この胸を吹き抜けてく
置き去りにされた人のように 悲しさだけが絶え間なくあふれているのです
かかしのように田畑に立って 僕も何かを成し遂げたい
カラスをよけるだけの役目でも構わない
かかしのように口をへの字に 僕は世の矛盾や理不尽を忌み嫌う
かかしだって 素晴らしい
かかしだから 素晴らしい
カラスを追い払うだけでも
ちゃんと人の役に立てている
人はみんな誰でも役割があるけれど
僕にはなんの役割があるんだろう
まだまだわからない
いつかはわかるのかな
そしてまた目を閉じてつかの間の夢に吸い込まれてく
さびしさはまるで風のように この胸をただ吹き抜けてくだけ
吹き抜けてくだけ。
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法律がなかったら
僕は人を殺めている
抑制されなかったら
僕は金を盗んでいる
そして誰もいなくなる 人が人を互いになにしたら
もしもの世界には安らぎも幸せもない
もしもの世界では太陽は昇れども平穏はない
裁かれないのなら
僕は簡単に人を傷つける
咎められないなら
僕は平気で人を傷つける
それを悪いことだとも思わずに
そして、ひとりもいなくなる
心はだんだん冷えてゆく
愛や優しさの価値は下がる
もしもの世界には 命より金が重くなる
もしもの世界では 人間らしさは消え失せる
慈愛も慰めもない
殺意がわいたら 即実行
カチンときたら即暴行
そんな世界に生まれなくて良かった
僕は優しくいたいから
自由じゃなくて良かった
もしもの世界になくていいもしもがなくて良かった。