詩人:どるとる | [投票][編集] |
たしかなことはむねの中
いつも、わかっているようで 何ひとつわからない
曖昧にすれ違う 見事に
ずっと同じ場所にいるのに今日と昨日は違う曜日
なんとなく目をやった庭の木
のっそりと佇む
そのいでたちはもっぱら僕の憧れの的
楽しいこともありゃ
悲しいこともある
全く品揃えの良い世界
悲しみには事欠かない
喜びにも事欠かない
生き方さえ制限されない
だからこそ 自由という言葉が時に 人を縛り付ける
なんとなく目を閉じた 庭の鶏
小屋の中で
寝息を立てて夢を見る
それだって小さな物語
ばかにはできない
夢のある日々さ
なんとなく目をやった庭の木
のっそりと佇む
そのいでたちはなんともまあ自由であることか
僕は働く 半ば嫌々
君も働く 生きるためだけに
そんな日常からは遠く離れた 庭の木はなんて いい毎日を送っているんだろ
自由が自由がこんなに悲しい
自由なことが こんなに痛い
庭の木に のぼって
泣いた 今日の夕暮れは 記憶の中 すっかり焼き付いて
離れない
離れない。
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僕の叫びは聞こえない
小さすぎる訳でもない
ただ、闇の中
本当の痛みは見えない
万人の叫びに混じって聞こえない
嫌われてる訳でもない
光のない部屋
どこまでが壁でもなく
どこからがドアなのか
そんな概念さえ無い
部屋の中 魂ごと沈む僕はひとり、叫ぶ
それでも聞こえない
策も術もない
全然聞こえない
その叫びは闇の中
たくさんの痛みと寄り添って
同じ棚に並べられて
誰もが同じだと
気にもされない
ただ、闇の中
本当の喜びが見えない
叫びは叫びでも
これは胸の中の叫び
聞こえるはずはない
聞こえるわけもない
それでも叫んでいる
聞こえなくても
今、闇の中に
僕の本当の痛みだけが僕には見えるから。
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何処にあるだろう
心さらけ出して
それでも
穏やかな風が吹く
そんな場所は
何処にいるだろう
心むき出しにして
それでも
優しくほほえんでくれる
そんな人は
楽園を探していたような気がします
楽園を探しているような気がします
今も昔も 相も変わらず
楽園を求めていたような
だけどそうでもないような
どこか諦めにも似た空虚感に包まれて
それでも気づいたことがある
そうだ 此処こそが楽園であり地下の牢獄でありまた天使たちの羽根を休める場所なのだと
楽園は最初から此処にあった
楽園にいながら楽園を求めていた
それでもこの楽園は僕らの理想のはるか最下層で なんの意味もなく 僕を暗闇に閉じ込める
楽園にいながら 地獄の炎に焼かれる
楽園にいながら 鬼のしごきに遭う
そんな僕らは幸せか
そんな僕らは不幸せか
楽園よ 母なる地球よ
我が父よ 我がふるさとよ
こたえるがいい
眼に浮かんで 輝く
この楽園よ。
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真実が見えたとき
僕は真実とは
知りながら
まだ疑いの目で
世界を見る
醜く歪んだ
心が睨む視界の果てで赤い悪魔は頭を垂れる
僕は何も言えない
僕自身さえ悪魔なのかもわからないから。
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ああ なぜだ
ああ なぜだ
僕は迷う
僕は悩む
目の前の赤い悪魔は
偽りながら
天使の仮面を被っては時々優しい言葉を届ける
疑念は深まる
悪魔は天使か
天使は悪魔か。
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死にたくないな
死にてえな
山の天気のように
気持ちは変わる
心変わりはつかの間の夢幻と同じよう
神様はいないのに
いないはずのものを
祭り上げて祈る日々
どうか神様 天の恵みをくださいな
自称無神論者もこっそりとお札お守りぶら下げて雨降る日には 神頼みする
所詮 神も仏もねえ
この世は不思議もねえ つまらぬものだとほざけども神様は心の中にいるのです
いつでも 罰を与えます
いつでも 恵みを降らせます
世俗の欲にまみれて
悪の限りを尽くし
暴利を貪ろうとも
明日の天気までは
見えません
そんなときこそ
ここぞというときの神様です
そんなときしか頼りにされない神様も哀れです
神様どうかお願いします
運を私にくださいな
幸を私にくださいな。
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何かを 抑えつければべつの何かが耐えきれず心の中で破裂する
何かと何かを比べたら小さな違いが僕自身をちっぽけに思わせる
比べ始めたらきりがない 他人の才を恨んでも他人にはなれないしそれを越えることも容易にはままならない
だから人と比べるのは愚かなことだというのです
僕と他人の違いなどくだらない
僕になく あなたにはあるものより あなたにはなく僕にあるものを探せ
僕には君にないなにがある?あるなし論は尽きないな
君には僕にないなにがある?あるなし論から目をそらせない
哲学のように 頭の中で数字が回る
迷路から未だ出られず 僕は抜け出す策を探しながらも他人と自分を比べてる
他人の才ばかりが光り輝いて見える
近頃そればかり。
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目の届かない場所に
大切なことはある
だけれど目が届かないためにそれは完璧な死角になってしまう
それでも見ようとする優しさや根気が努力なんだ。
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目の前にあるのに
気づけない 見えない
大事なことなのに
見ようともしない
すぐ隣にあるのに
なぜかわからない
大切なことなのに
頭から否定する
ふれられず見えもせず
形のない「それ」を
愛と呼んだり 優しさと呼んだりするけれど
見えもしないのに僕らは まるで見ているかのように「それ」を
本当のところは 何ひとつわかっていない
実際のところは 何ひとつわかっていない
盲目です 開いた瞳には 幻だけがはっきりと映るだけ
盲目です 閉じた瞼の裏にさえ 理想ばかりが堆く 重なるだけ
目の前にあるのに
すぐ隣にあるのに。
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当たり前の中に あるような 何か
捨てるには惜しい 押し入れの中の 何か
それによく似た 何か
わかるかな 目を閉じたときの暗闇に似た
不安のような 安らぎのような 何か
瞼の裏に 広がるのは暗闇 だけど、その向こう側にイメージを広げたら きっと
ただの闇も ただのさびしさも 悲しいだけではいられない
だまったままじゃいられない
アクションを起こすのだ 僕の中で
例えばね いつも通る道の途中に 咲いている花や 新しく建った店 気づかないだけで日々 何かが変わり また何かが役目を終える
わかるかな かなりの確率で 大切なことなんだ
見えるかな 気づけるかな 見逃す前に 大切なことに。