詩人:どるとる | [投票][編集] |
さよならという駅に
たどり着いた僕は
手を振り 改札を出るように夜と朝を仕切る境目をまたぐんだ
さよならという駅からまた朝へと向かい
電車は走り出す
もう帰らない日々に
手を振り 思い出となる昨日を見つめてる
涙流して 惜しむけど ほら明日が来れば 嘘のように笑ってる
そして また さよならの時間が来て 同じさみしさを感じてる
星を数えて 夢を見る夜 まぶたの裏に広がる僕だけの銀河
さよならという駅にたどり着くまで僕は
車窓から見える今日という1日を見つめてる
それだけで疲れるよ
それだけで悲しいよ
それだけで嬉しいよ
生きることは 電車に揺られること
日々 変わり続けてる
今日も 僕の中で
いつも 人々の中で
何かがね
そしてまた僕はさよならという駅にたどり着く
電気を消して おやすみなさいと言えば
もう あっという間
嘘のようにはじまる
新しい1日
それのくりかえしさ
百年つづく命の旅
百年つづく僕らの旅。
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アトリエの中
花柄のシーツ
テーブルに敷いて
お茶を飲もう
少し休憩
長居は無用
あと少し仕事したら
ドアを開いて
帰ろうよ
空気椅子に座るようなもんだ
全く意味のない時間に思えたのに
君に出会ってから意味のない時間は
光り輝いた 光り輝いた
愛が変えたよ
見るもの聴くもの
さわるもの 全てが君を透かして見れば
きれいに見える
空気椅子に座る午後
愛というぬくもりにからだをあずけて
ぼくは我慢していた涙を君の目の前で流したよ
空気椅子に座る午後
流れる風 よくある景色 出会う人 新しい映画 会話のラリー
全てが愛にあふれてる
全てが愛に満ちている
空気椅子に座る午後
なんてことはない
いつもの午後
ほら見違えるようさ
君が笑うだけ
それだけで世界がきらめくよ。
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変わってゆく
変わってゆく
見るもあざやかに
変わらない
変わらない
色あせもしない記憶
きみはまだそこにいる
僕をまだ見つめてる
きみは優しい人
僕を傷つけてまで
悲しいさよならをするはずがないんだ
ぼくは愚か者
その優しさに付け入って君を傷つけた
優しい人にはなれないな
それでもきみは変わらない優しさでぼくを包み込んだ
夕暮れのように
まるで当たり前のように
それがただ
それがただ
嬉しかった
優しい人にまた会いたい
風のように流れていったあの思い出の中で 微笑むだけのあの人のような。
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何もかも 未遂で終わる はかない人生
ちっぽけなからだに
ちっぽけな頭
孤独をぶら下げて
歩いた道 誰もが通る道
何もかも 未遂で通り過ぎた ピンぼけの季節
くだらない出来事や
くだらない理想
いらだちを山ほど
抱えて 闇雲に駆け抜けた道
未遂で終わる ミステリー つまらない三文芝居
指先も振れられずに
さよならの時間
さよならの時間
未遂で終わる今日さ
未遂で終わる今日さ。
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君の髪が好き
君の瞳が好き
君の声が好き
君の爪の形が好き
結局君の全てが好き
それはあらゆるリズムになって心の中響くよ
あたたかい飲み物が好き
冷たい飲み物も好き
ぼろぼろこぼれないお菓子が好き
広い部屋が好き
狭い場所も好き
結局 君と一緒ならどこでもいい
君の全てを愛したいから
君の全てが知りたいのさ
ちっぽけなことまで
全部リズムになって響くよ
雨上がりに架かる虹のようにさ
きっと幸せはめぐりめぐってまた君の顔に笑顔を取り戻してくれるよ
大丈夫さ 大丈夫さ
今に見ててごらん
声と声は寄り添うようにひとつに重なって リズムのように響くよ。
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まばたきの間に
遮られる誰かの死
誰かの生誕の瞬間
まばたきひとつで
何かが変わる
止まっているものなどほとんどない
人も街も1秒ごとに変わるんだ
まばたきひとつで
いろんなものがさっきとは違ってる
変わらないものはほとんどない
僕も君も1秒ごとに命が削られるんだ
まばたきの間に 次の瞬間 開いた瞳に映る夕暮れの赤や 雨空の灰色
変わりゆく街並み
色あせていく空の色
何が悲しいのかな
何が嬉しいのかな
ここにある全てと
そこにある永遠
昨日までは違っていた景色 今日は昨日とは違う 空があり 僕がいる
まばたきの間に
いろんなことが変わるんだ
いろんなものが見違えるんだ
まばたきひとつで
ほらね 簡単さ
今日も変わってる
変わり続けてる
小さな変化から
大きな変化まで
僕の中で 君の中で
いつも変わってる
変わり続けてる
ほんの少しのまばたきの間に。
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人ごみの中に紛れて 僕は似たような顔の中 似たような声を発する
ああ今日も疲れたな
慣用句があふれ出す夕暮れ
街の明かりを いくつも通り過ぎれば
なんだか ため息が出てくるよ
ああ涙がこぼれたら
言葉は役に立たない
慰めひとつで立ち直れるほど 簡単じゃない
ああ夢から覚めたら
現実はあまりにも退屈だ どんなに素敵な人生も 夢にはかなわない
だから涙がこぼれたら
痛いくらい抱きしめて
苦しいくらいキスをして
現実は美しいと言い切って
君の存在が光
今日も僕を照らしてる。
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明日のために
今日何ができるかな
考えて考えて
それだけで日は暮れて
今日のために
昨日何ができたのかな
過ぎたことさえ
思い悩んだらきりがない
未来のために
これから何ができるかな
備えあれば憂いなし
そんな言葉に振り回され 無駄に急ぐ街
ああ 今日も街に灯る明かり ちらほらとね 切なさを連れて 夜がやってきました
多分 明日のためにできることなどなにもないよ ただ今日は今日の僕ができることをやればいい
今日の笑顔は今日だけしか浮かべられない
今日の涙は今日だけしか流せない
難しい事考えるよりとりあえず 今日のために笑い 泣こう
明日のために 生きているんじゃないよ
僕は今日のために常に 生きているんだ
そんなこともわからないようじゃ 明日もまた 雨降りさ
ああ急ぐあまりに空回りするくらいなら
いっそ何も考えず
頭空っぽにして生きよう
お腹抱えて 息を切らして走るなら
ゆっくり のんびり
歩きたい
だから明日のために生きるんじゃなく いつでも今日のために 僕は笑い 泣くよ
そのほうが ずっと
人生は楽しいよ。
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当たり前な日々
鼻で笑わないで
それが一番幸せ
並べ立てた言い訳が
テーブルの上散らかって それさえ平らげてくれる愛が今日もそこにある
泣いて笑って ただそれだけで過ぎていく1日もいいと思うから
難しい事は考えずに目の前の今日という1日を どう生きようか決めようよ
大したことなどできなくても構わないから
無理しない程度で
汚れ傷つこう
変わり映えもしないけどどこか穏やかなエブリデイ
なんとなく生きてる
理由など考えもせずに 流れるままここにいる そして日を浴びて育つ
だらけた生活の中にも輝く何かがあって
きっと 捨ててはいけない 強がりやわがままがあるのも本当
並べきれない言い訳は 心に空いた穴を埋める優しさで 負った傷跡や人を憎んだ弱ささえ 今ならもう忘れられる
陽射しのようなあたたかな愛があるから
泣いて笑って また泣いた 二人が刻む時間の中 ただ、寄り添ってるだけで幸せ
抱きしめたり 抱きしめられたり
愛したり 愛されたりする ただそれだけの毎日だけど
ただそれだけで 全てがゆるされるような
そんな気持ちになれるんだ
目と目で見つめ合えば大切なことなどすぐに見えてくるよ
特別なものなんて何もないけど
この世界で一番誰よりも君を愛してる この気持ちは僕の誇りだよ
繰り返される日々の中 また差し込む陽射し
君の笑顔さ それさえあればそう何度でも幸せになれる
そんな単純な僕を乗せて 流れるエブリデイ。
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何もない 休日の朝
ベランダに出て しばらくぼんやりしていた
空を見上げ ふと気づけば もう日は暮れて 耳に届いたチャイムの音
ああ 悲しいような
うれしいような 僕らの毎日は思えば泣いてばかりだけど
ほらねあとから考えると小さなことが幸せだったりするんだよなあ
当たり前な日々 それが一番幸せなこと
わかっているのにね
僕らはいつも 欲ばかり張って 気づかずに幸せな毎日を鼻で笑っている
茶柱が立っていた
今朝のときめき
あんな気持ちでいつも笑えたらいいのにね
ため息が出る
僕は何を欲しがっていたんだろう
走っても走ってもそこにはなにもないのに意味のない時間を生きていた。