詩人:どるとる | [投票][編集] |
何もないようで
何でもある世界
見方を変えれば
180度変わる世界
悲しいような
嬉しいような世界
絵に描いたような幸せとまばゆい未来を期待して たどり着いた今日に 涙を流して笑う僕ら
嘘ばかりの日々
集う人たちの列に
僕も並ぶ
買う切符は決まって
明日行きの片道切符
カーニバルはつづく
はやし立てるような大げさな期待に 乾いた心が声を欲しがる 優しい声や角のないなめらかなぬくもりを
たった今 思いついた想像や ひとつ足りない未完成のジグソーパズルのような自分
楽な道ばかりを選びたがる 若者の中に立ち 僕も同じような歌を口ずさむ
『めんどうだな』
慣用句が絶え間なくあふれる街の中
見上げた空に 情緒のかけらはひとつもない
まるで 地獄のよう
でも見方を変えれば
天国にも見える
不思議な場所さ
結局 生きている
死にたいと言えるうちは大丈夫
夢から覚めてまた僕は車のキーをひねる
泡沫の夢、砂時計の砂落ちるまで
僕らは何度でもばかをやらかす
大丈夫 人を憎めるうちはまだ生きている
君はカーニバルの中
列からはみ出す
自分の道を歩き出すとき そこに未来はできる 分岐点はそこにある
どこまで行っても
空は空 海は海
変わらないこと
変わってしまうこと
その悲しみと喜び
抱いたまま 僕は道化にもなり何かの信者にもなる
でもいつも決まって
これだけは変わらない
僕は僕だということだけは
ほころんだ 僕の笑顔と今朝咲いたベランダのサボテンの花
関係ないように見えて
どこかでつながってる
そんな日々
僕は自分に期待する
何が起きるかわからない まだ見ない未来に光を感じてる
みんなと分かり合えなくてもいいんだよ
自分をなくさないでいられれば明日は必ず 晴れるから。
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悲しいような嬉しいような気持ちだよ
笑うように泣いて
泣くみたいに笑った
言葉は役には立たないな
残り火までは消せないよ
万能薬にはなれないよ
だから残る余韻さ。
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ひらひら ひらひら
ひとひらの花びら
散るのを見たよ
ひらひら ひらひら
ひとひらの花びら
土に還ったよ
生まれるように
咲いた日
あんな記憶
こんな記憶
たくさんの記憶の中
花びらは風に揺れながら ここからの眺めを見ていたのかな
話すことも 笑うことさえできない花びらだけど てふてふと戯れると なんだかきれいにその身を染めた
恋するように 頬を夕日の色に染めた
ひとひらの花びらがひらひら ひらひらり
風にはこばれ たゆたうのを見ていたあの夕暮れ
僕らもあんなふうに限られた時間の中を漂うように たゆたっているんだね
宛のない旅の中
瞳に映る 街の中
幸せを探すように
誰もが散りゆくまで生きるのさ。
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何もないこの街に
今日も夜が来る
何もない部屋の中
月明かり 差し込む
何もないこの街が
静寂に包まれて
何もない部屋の中
目を閉じて 夢を見る
何もない 何もない
ただの夜 いつもの夜
悲しい 嬉しい
それさえ曖昧なんだ
なんとなく抱きしめている沸き立つような感情
君には わかるかな
同じ気持ちになれるかな
目を閉じたまま 僕は空だって 海だって
昇れるし 深く深く潜れる
何もないようで
瞼の裏で たくさんたくさん 冒険した
一歩も動かずに
静かな夜の中 魂だけで僕は旅をした
そんな何もない夜
何もない夜さ。
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黄色いカーテンを開けば
そこには朝があり
せわしなく 流れる
車の流れ 人の足音
紫色のカーテンを開けば
そこには夜があり
夜空に散らばる 星の輝きと大きな月が 浮かんでいた
街並みを見下ろすように 空いっぱいに広がる雲が カーテンから見ると ひとつの絵のように 見えるんだ
カーテンの向こうにはそれぞれの毎日
カーテンの向こうで今日も笑い泣く日々
まるで当たり前のように 過ごす僕らは
大事なものに気づけるのかな
カーテンの向こうをじっと見つめれば
何てことのない景色もいつもとは違って見える
カーテンの向こうに広がる僕らの生活
はじまる朝におはようと言えば
気づけば夕暮れ 帰り道 さよなら言うのもあっという間だね
カーテンを閉めたらおやすみ言うよ
今日はどんな夢見れるかな
そしてまたカーテンを開けば 昨日とは違う今日がはじまるよ
カーテンの向こうに見える景色は昨日と同じかい? でも目を凝らせば 昨日とはまた違う景色があるだろう
たくさん泣いて
たくさん笑おうよ
あんまり考えすぎないで
無理はしないで
よく食べて眠って
カーテンをまた開いて カーテンの向こうに広がる景色の一部になろう
だなんとなく暮らす毎日がもう幸せという風景さ
カーテンの向こうには今日もそんな景色が広がってる
カーテンの向こうには。
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かなしみは通り雨
きれい事だろう
だけど 風化されず僕の記憶に住み着く
さみしさは風
吹き抜ければ
忘れてしまうよ
だけど そのさみしさがまたふいに心の傷を開かせる
ああ 夢のつづきは
いいことばかりを思い出させるわけじゃない
ああ 夢のつづきは
時にあの日の涙やさよならを思い出させるんだ
なすがまま されるがまま 時間に振り回されて いつの間にか歳を重ねて 僕は白い髪を撫でて 歯のない口で笑う
雲ひとつない 晴れた空に 見えた太陽 まぶしいね 当たり前な日々の中に散りばめられた幸せ
一つ一つかみしめながら生きることの歓びよ あすへとつづけ
あすへとつづけ
夢のつづきのまたつづき
晴れたら 笑えるだろう
のんきに笑う 僕の頬に光る涙 今はただ耐え忍ぶ季節。