詩人:どるとる | [投票][編集] |
色鉛筆のように
人にも色があるんだ
様々な色をしてる
僕も君も同じようで違った色をしている
僕にはない色を君は持っている
君にはない色を僕は持っている
彩り豊かな人の色
染まって 褪せて
また染まって
また褪せて
繰り返す季節
擬態するように
嘘をつけば
嘘と同じ色に
心は染まる
誰かを愛せば
あたたかな色に
心は染まる
僕は今、何色だろう
君は今、何色だろう
雨の中 太陽の下
暗い 路地裏の中
どこにいても何をしてても僕は染まるよ
鮮やかに 時にしめやかに 隠れるように 目立つように 僕は暮らすよ
24色じゃおさまらないたくさんの色の中
いろんな色が混ざらず 重ならず それぞれの色が 際立つように 生きる世界の中
僕らは 群れをなす魚のように荒波の中でも 美しい色彩
七色に輝くのさ
彩り豊かな人の色
染まって 褪せて
また染まって
また褪せて
繰り返す季節
擬態するように
嘘をつけば
嘘と同じ色に
心は染まる
誰かを愛せば
あたたかな色に
心は染まる
いろんな色がいろんな色に染まる 染まる
春なら 春の色に
夏なら夏の色に
秋なら秋の色に
冬なら冬の色に
ほら 寒さの中にもあったかい愛があるように たくさんの色が 心を埋めつくすだろう
色鉛筆がつかえばつかうほど先がすり減り短くなるように
僕らの命にも限りがあるけど だからこそ素晴らしい
限りある時間の中
美しく咲く僕らの色
どんな誰でも
今日も明日も鮮やかに 染まる色彩
老いるほどに褪せてゆく色彩
褪せてもなお輝く色彩
ほら歳を重ねても
色褪せない心の色
さあ 染まろうじゃないか あの日のように 誰かを愛するように
誰かを思うように。
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いつか この場所に
咲いた日のことを
まだ覚えている
あの日の記憶が心に咲いている
小さな優しさと
ほんの少しの狡さ
抱きしめて
受け止める
今日という雨上がりの朝
命にも影がある
存在するもの全てに影があるように
君の心にも影がある
ほら揺れている
陽射しの中 またひとつ影は消えるけど
命の影は何度でも
陽射しの中咲くよ
詩人:どるとる | [投票][編集] |
人はどうして恋をするんだろう
魔法のように僕らはお互いに好きになる 好きになる
けんかのあとに気づくんだね
好きな人を悲しませたこと
好きな人をさびしくさせたこと
その愚かさに気づくんだね
人はどうして憎み合うのだろう
魔法のように僕らは他人ってだけで人とのあいだに距離をあける
戦争の終わらない国もある
いまだに戦争ばかりの国がある
日本に生まれた僕にはわからないことがある
当たり前な幸せに溺れたら 大事なことを忘れてしまうよ
魔法のように 好きな人に 好きと言えた今日は どんな悲しみも好きという一言で消えてしまう 不思議さ
不思議さ
そして夜は明けて
光に包まれる街が見える ほら 幸せを感じよう 誰かの涙は流れてもきっと悩んだって何ひとつ変わらない
めのまえの幸せに笑うことも 当たり前
誰かを思いやることまた当たり前さ
魔法のように 生まれては時間をかけて 消えてく命に 僕らはなんの迷いもなく向き合うのさ
魔法のような この時間の中で 笑ったり泣いたり 生きること
それは 不思議な 不思議な時間さ
魔法のように 僕も消えていく さびしくないといえば嘘だ
だけど 魔法のように また 太陽が昇れば 涙なんて乾く
ほらまた 君が笑う
僕はまた君に恋をする
恋をする
魔法のように 仲直り
魔法のように 幸せが手のひらの上 生まれる命 生まれる命
悲しむことはないさ
繰り返すことさ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何かを 失って
何かを 手に入れた
何かを 忘れた
何かを 思い出した
ああ いつも 繰り返し その繰り返しさ
回る フィルム
1分の1の 夢
映写機は回るよ
昨日の涙や笑顔を
この心に焼きつける
映写機は映すよ
今日の涙と笑顔を
この瞳を通して
誰かを 庇って
誰かを 罵って
誰かを 憎んで
誰かを 愛して
ああ いつも似たような今日さ そうさ
終わるフィルム
巻き戻せない ルール
映写機は止まるよ
今日の涙や笑顔を
明日の僕の心に転送する
映写機は壊れるよ
今日の涙と笑顔は
今日だけの涙と笑顔
カラカラと 乾いた音を立てながら フィルムは 静かに 終わる
明日の僕や君の瞳の中 今日も 映るよ
つまらない出来事やとりとめもない会話さえ 映写機はとらえるよ
それが 僕らの永遠さ。
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来た道を戻るように
僕は向かい風に逆らうように
記憶を遡りいつかの思い出をふと思い出すよ
いい天気だな
今日という1日は
くだらないことばかりのつまらない1日も 探せばあるもんだな 輝く何かが
さあ 逆走しよう
昨日の涙や笑顔を
昔話することはないさ
さあ 逆走しよう
例えば何年前
何十年も前のときめきは嘘じゃない
逆走しよう
風になるんだ
いろんな場所に
吹くように
始まる春に
何かを見てるから
さあ 逆走しよう
今 逆走しよう
昨日の涙や明日の笑顔は 何年先や何十年も先の涙や笑顔と同じさ
どれだけ走ろうが
どれだけ進もうが
何ひとつ変わらない
こことあそこぐらいなもんさ
大丈夫だよ 逆走しよう
たまには過ぎ去ったときめき思い出せ
さあ 逆走しよう
今 逆走しよう
ぬぐい去ったはずの涙や 忘れてしまった笑顔を今日取り戻すのさ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛想笑いや苦笑いは笑顔の内には入らないよ
ほら笑えるもんなら 笑ってごらんよ 心の底からすっかり馴染んじまったその愛想笑いを涙で洗い流して
ああ心に毎日嘘をついてる大人たちの笑顔はほとんどが嘘さ
この世界には 希望はあるのかな
あるようで何もない
ゴミばかりあふれ
食いつなぐ日々
職をなくした人々が
集う街 カラスのようにゴミを漁る姿
鼻で笑った自分に気づいたら
心が腐ってしまいそうだ
幸せな人 貧しい人
境目なんてありゃしない
笑ってる人 泣いてる人
違いなんかありゃしない
死にそうな人 健康な人
特別な人なんか誰もいやしない
真面目な人 不真面目な人
嘘を交えたらわからない
何を信じ何を疑い
何に僕らは寄りかかり生きればいい?
笑顔ひとつ 見せられないと 苦しいから
嘘をついても 誰かの瞳の中で やさしく見つめられたいのかな
ああ 嘘ばかりが
あふれる世界だ
視界の端に咲く
愛や本当の優しさが惨めに見えてくるよ
ただ笑うしかないね
ただ笑うしかないよ
笑えば笑うほどに
悲しくなるんだ
嘘ついでまで笑うなら 心に素直になって膝を抱えて泣きたいよ
それも許さない
世界に 僕は 何を求めるのか
矛盾にあふれたルールに縛られた この世界の未来に何を 見てるのか。
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名前のないものに
名前をつけたら
涙も強さに変わるかな
色のないものに
色をつけたら
幸せさえも鮮やかに見えるかな
目には見えないものに影をつけたら
命にさえも 生命が宿る
耳には聴こえないものにリズムをつけたら
絵に描いた音符さえ
楽器がなくてもひとつの歌にもなる
目が見えない人や
耳が聴こえない人にはきっと目や耳が見えてたり聞こえてても大事なものを聞き逃したり見過ごしたりしてる僕らにはわからない音色や景色があるんだ
目がいくらよくても
見えないものがある
耳がいくらよくても
聴こえないものがある
それは誰にもわからないよ
生きているという音が刻むメロディ
それは僕や君にしかわからないよ
笑っている泣いている ただそれだけで歌になる 景色になる
だから聴こえないメロディでも ちゃんと君の耳に届いてる
悲しいことも嬉しいことも ちゃんと心に聴こえている
だから ほら 耳が聴こえなくたって
目が見えなくたって
メロディはいつでもまぶたの裏に 景色が広がり 頭の中でリズムは鳴り続ける
それは愛だったり
憎しみだったりするけど 数え切れないたくさんのメロディに包まれながら
知らないあいだに
僕らは 音になる 色になる 景色になる
ひとつの世界になる
それがメロディだ
誰も 知ってて
誰も 知らない
メロディだよ。
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なんて 素敵な
なんて ずぼらな
1日なんでしょう
形容しがたい時間
がらくたを捨てに
部屋を空けたのさ
自転車に乗って
あの場所まで
宛てなんかないけど
宛名なんかなくても
悲しみは届くのさ
だけど悲しみが届くのなら喜びや幸せも心に届くだろう
バカみたいに笑おう
愛想笑いや苦笑いは笑顔の内には入らないよ
さあ 笑ってごらんよ 心の底から
がらくたのような
記憶を捨てに
年期がかった
自転車に乗って
山あり谷ありの道のりを行こう
がらくたびよりだ
金はない夢はない
能なし 体力もない
何もない 何もない
自分まで 捨てて
生まれ変わろう
そうしよう
がらくたのような
昨日にサヨナラ
がらくたのような
今日におはよう
瞳の中で 回る
記憶の映写機
今 またひとつ
終わった。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何も言わずに 喜びを詩にしよう
何も聞かずに 悲しみを詩にしよう
その喜びや悲しみを言葉という詩にしよう
無音の中 目を閉じて感じる 暗闇の向こう側にある景色
ただ呼吸を繰り返し
生きていること
当たり前なことにさえきっと意味はある
さあ 五感をふるわせて めのまえの花や水や空や形のない感情さえ 詩にしよう
見えない景色のそのまた向こう側に
見える 涙や笑顔
形などあるわけがないさ 言葉は空いた穴を埋める一時しのぎ
涙はそこから流れる
笑顔はそこから消えていく
だから 詩に変えて
紛らす 今日さ
だから 詩に変えて
はじめて見える景色さ
見えない景色を絵にしたら きっときれいな景色だね
でもね言葉ならば無限大になるんだよ
だから 絵じゃなく
詩にしよう
憎しみ 妬み 恨み
悪なる感情さえ
詩にしよう
その中に その中に
自分はいるんだから
答えがあるんだから。
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生まれない
生まれる
二分の一の確率で
生まれた僕らは
たいしたことない
生きる
死ぬ
二分の一の選択肢
前者を選んだ僕らは
まだ死なない
ミクロのような
ちっぽけな命の重さは 地球より重い
ミクロのような
ちっぽけな命の輝きは ダイヤよりまばゆい
明日の行方は風に聞け
わからないなら わかるまで 明日を追いかけていけ
無能で役立たずの民の群れ ミクロのような絆を繋ぎミクロとミクロが集えば
大きな大きな力を発揮する
スキップ刻めば
寂しささえも
笑顔に隠れて
見えないよ
ミクロの涙じゃ
見えないよ
ちっぽけな
ちっぽけな
ミクロが笑っても
ちっぽけな
ちっぽけな
花が咲くだけ
でもほらね
たくさんのミクロがいっせいに笑えば
大きな大きな虹が架かる
さあ ミクロの群れは進む 明日を追いかけて進む
僕も行こう
笑おう 泣こう
たまにゃ怒ろう
明日からまた明日へとミクロの旅はつづくのさ
跡形もなく 消えていく そんなさだめのミクロの旅はつづくのさ。