詩人:どるとる | [投票][編集] |
夕焼け空を物憂げに眺めていた
この空の下 誰もが 悲しみ喜び抱えて生きているけれど
それを考えるとなんだか不思議な気持ちになる
当たり前な事なのに考えると何もかもが特別に見えるんだな
今日もどこかで笑っていた人がいる
そして笑っていた人がいれば その傍らで朝から晩まで泣いていた人もいるだろう
だけど 毎日は 雨ばかりじゃないから
晴れた日には 昨日泣いていた人も笑っているよ
どうして生きているんだろう
そんなこと考えもせず生きてきたけれど
どうして生まれたんだろう
そんなことわかるわけもないけれど
生きていく意味や理由は人それぞれだから
僕は僕のそして君は君の生きる意味を探せばいいのさ
朝が来て 夜が来て また朝が来る
何てことない当たり前なその繰り返しがいつも幸せ
生きることや生きていくこと
僕の頭でもわかる範囲で考えていたんだ
だけどいくら考えても出てくる答えはなんだかしっくりこないんだ
当たり前な日々も考えると世界中見渡せば幸せすぎるほどだ
なぜだか生きていることに時々自信が持てなくなる
ただ生きているというだけでは 生きていることにはならない気がしてさ 本当に僕は生きているのか
わけのわからないことに思い倦み 悩んだけれど結局
生きるということは誰にとっても同じ意味だ
ただその目的が違うというだけで僕は僕の君は君の道が目の前広がる
朝が来て夜が来て
また朝が来る
当たり前とも思える繰り返しがたぶん幸せ
朝が来て夜が来て
また朝が来る
当たり前なその繰り返しがいつも幸せ
いつも いつも 幸せ。
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お父さんは働き者
お母さんは子思い
特別なことなど
何ひとつない日々
変わり映えもなく続くよ今日も明日も
また日は暮れて
切なさをつれて夜が来るんだ
何もいらないよ
求めるだけ無駄だよ
欲しいものなら
腐るほどあるけど
何もいらないよ
愛があればそれだけでさびしさもむなしさもいつの間にか消えている
お父さんはお母さんを死ぬまで愛す
お母さんはお父さんを世界で一番愛してる
とりとめもない会話の中に 隠れた小さな幸せに気づけたら
今この瞬間からでも幸せになれるでしょう
お父さんがお母さんと出逢ったあの日からつづいてるストーリー
季節のページがめくられていくたびに愛は少しずつ 深まっていくんだな
何かが 何かが
足りなくて
言葉が 言葉が
影をひそめる
そんなときには
時間をかけて
二人は離れたぶんの距離を埋めるんだ
さびしさが募れば夜が明けるように
いつの間にか二人の心に朝が来るよ
パパと呼ばれていた
パパはいつの間にか
お父さんと呼ばれ
ママと呼んでいた
ママもいつの間にか
お母さんと呼んでいた
僕も誰も 歳をとるということを如実に示しているんだな
だけどパパはいつまでもパパのまま
そうさママもいつまでもママのまま
僕の心に 光を注ぐような 仲良しの二人さ
ほら今日だって
何気ない生活の中
愛をちゃんと 心の物干し竿に干している
優しさという陽射しで互いを照らしながら
パパとママは僕と同じ時間の中
僕より たくさんの笑顔と涙を 背負いながら それでも愛を絶やさないで
僕のパパとママでいてくれる
ああ 言葉にしたくなるよ
ありがとう
愛してる
僕の大好きなパパとママ。
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ゴミの山だって
チリも積もれば
なんとやら
金も一円だって
貯めりゃ
結構な金になる
ゴミの日には
きっと
もっと棄てるべきものがある
例えば僕らのつまらない言い訳や
誰かの惨い言葉や
街中にあふれる
人々の舌打ち
道徳のない行為
なんだか 悲しい世界だな
誰かの傷が 癒えないのはね
傷をさらに広げるような毎日が続くからなんだよ
たやすく あなたが吐き捨てた
『みんな同じ』
そんな言葉に振り回されて 僕らはすっかり行き場を無くすんだ
『みんな同じでもみんな違う』
そんな気持ちになれないばかりに
ゴミの日には今日も
もったいないくらいの余り物が棄てられる
本当に棄てなきゃいけないものは 腐っても残ったままなのに
ゴミの日には今日もゴミ捨て場にはカラスが袋を啄み生ゴミを食べ散らかす
人は 悲しい生き物さ
すぐに人を憎むから
すぐに人を嫌いになれるから
分かり合おうとすればするほど 距離は遠ざかる
譲り合おうとすればするほど 割り切れない毎日だ
人も街も空も川も
一見美しいように
見えても 隠れたところにひそむ 悲しさがあるんだな
人と人とのあいだには今日も 微妙な隙間がある
その隙間が埋まらないかぎり 僕らはゴミのような言葉を散らかして 日々を汚して歩くんだろう
今日はゴミの日
今日こそ 袋に悪い自分を詰め込んで
少し優しくなってみよう
少し思いやりを持ってみよう
誰かを思う
人の気持ちになってみる
それだけでまた違うから
それだけで何かが変わるから
それだけでゴミは棄てるには惜しいゴミになる。
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その寂しさを埋めるのは やっぱり
誰かの存在だったり
優しさだったりするんだよ
どんなにありふれてても 慰められるだけ 幸せなんだよ
当たり前な出来事や
当たり前な言葉
手のひらの上に乗せ
重さを量る自分を戒めた
そしてまた夜が 街におりてきて ビルも大きな塔にいたるまで
すべてを飲み込んだ
僕はなすすべもなく
眠気に勝てず 闇に吸い込まれていく
間際まで 寂しさがひしひしとこの胸を行ったり来たりする
そうだな 例えば
幸せなような
そうでもないような
曖昧なラインの上
今日も僕の役柄はもっぱら天の邪鬼です
そしてやがて何もわからなくなるまで
途方もなく続く日々を 夜や朝を ただ延々と 読み進めていくように
世界の矛盾や理不尽に気づいても 黙ったまま 持て余した正義を誰もが 今日も振りかざせず ポケットの中隠す
夜が来て 朝が来て
また夜が来て
ただそれだけの日々の中で 僕らはどれだけの涙を知っているだろう? そしてどれだけの笑顔を知ってきただろう?
とりあえず 今日も
僕は平和などという たいそうな1日に隠された大いなる幸福に気付もせずに
鼻で笑った愚かしさにあとで気づき
たいそう悔やんだ
そうかと気づいたその時僕の何気ない毎日を 照らすように
はじめから用意されていたような 幸せが見えたとき
夜は朝へと変わってた
そしてただの1日だったのがどこか特別な時間に変わったんだ
多分いつまでも繰り返すだろう
いつかやがて何もわからなくなるまで。
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例えば この世界で
ただひとりの人を愛するのなら
僕ならその人を幸せにできるかな
不器用で 空回りしてばかりの僕なんて
誰も見向きもしてくれないのかな
ああ 優しさだけじゃ伝わらないのが愛なら優しさとは一体なんのためにあるのかな
君を死ぬまで愛することが 僕にただひとつできることなら
途中で投げ出すことはこれだけはできないな
愛してるから ずっと
なにがあっても離さないよ離せないよ
人ごみの中に咲いていた 白百合だから
まだ描き途中の未来図を広げて 今と重ねてみるけど なんだか重ならない
だけど 夢はその名前のとおりに夢になったんだ おかしくて笑っている僕の胸をさらう夕焼け
ああ 人生ってさ 生きていけば生きていくほど味が出てくるって人は言うけど
味のなくなったガムのように生き方次第では若さもただの枷になる
愛って 愛って
完璧なんてない
未完成でも
輝ける
それが愛なんだ
君を死ぬまで愛することが 僕にただひとつできることなら
途中で投げ出すことはこれだけはできないな
愛してるから ずっと
なにがあっても離さないよ離せないよ
人ごみの中に見つけた 僕だけの希望の光
言葉にできない思いならいっそ言葉にせずに寄り添うのが本当の愛だろう
未完成で終わる人生
その中で息づく愛
完璧なものを求めたら きりがない
だから 僕らは
未完成な自分たちの愛を 信じるんだな
だから 僕らは
人ごみの中に 同じ光を見たんだな
それが愛なのさ。
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ついに明日 娘が
嫁ぐ日が来たんだな
お父さんはわかっていても やっぱりさみしさ隠せない
やけ酒じゃないけれど 結婚式の前だっていうのに 飲みに出かけたんだよ
泣きながら うれしいくせに
ああ 娘が嫁ぐのは
きっと 喜ばしいことなのに お父さんは
煮え切らない思いでいるよ
嫁ぐ娘よ 幸せになってください 僕が与えられなかった幸せを
旦那さんがくれるから
言葉にならないけれど
おめでとう
それだけ言うよ
ついに我慢できなくなったよ
娘の読む手紙に涙が止まらないの
嫁ぐ我が娘よ 幸せになってください
ああ ひとつだけ言うよ たまには家に戻って来いよ
そして季節は流れ去り 気づけば孫も生まれ おじいちゃんとすがりついてくる孫に
笑いかけ 結婚式の時のさみしさなんかどこかに行っちゃった
嫁ぐ娘が嫁いだ娘に
なった今は ただ 父として できること
残された数少ない時間の中 できたなら
はじめて おまえを見たとき 俺はうれしくて言葉にならなかったんだよ だけど旦那さんと寄り添い 幸せそうなおまえを見たら また泣けてくるんだ
煙草吸ってくるとごまかして 庭で泣いてたお父さん。
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あなたにも僕にも家族がいるように
誰にも家族がいるよ
一家の大黒柱も
台所の女神も
おもちゃの城の
小さな王様も
茶の間の仙人も
みんな家族なんだ
困ったときには
必ず助けになってくれる だから 家族の笑顔の中へ帰っておいでよ
君は この家を出ても家族なんだから
悲しいときには
その涙を見せに来い
愚痴や文句を言いに来い 黙って聞いてあげるから
一人 二人 三人 家族は 多いほどいい
将来 家族を持つなら いつだって 帰ってきたくなるような家を つくりたいな
不器用なお父さんも
優しいお母さんも
話の長いおじいちゃんも みょうにマイペースなおばあちゃんも 妹や 弟 お兄ちゃんやお姉ちゃんまで
みんな家族なんだ
そして当たり前みたいに家族は 今日も
この世界の中で いつでも家族として
たくさんの家族が暮らすよ 笑顔と涙 抱きしめて
なにがあっても家族だと言えるような
そんな家族なら
幸せだって言葉にしなくてもわかるよ
わかるよ わかるんだよ
家族は今日も歌うよ
家族にしかわからない 血のめぐった やさしいうた
愛してる
それだけの短い
ラブソング。
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ほほを流れる涙の川 心についた傷に しみわたってゆく
けっしていい記憶とは言えないけど
きのうの僕の涙や笑顔を 覚えていたいと思うんです
うずくまっているよ
膝を抱えて
鍵をかけた部屋
かくれんぼはそろそろおしめえだ『泣き虫さんみっけた』
泣いてもいいよ
大人でも
泣いてもいいよ
当たり前だよ
人はみんな
泣きながら
強くなるんだからね
笑えないときも
笑いなさい
それが大人だろ
世の中は嘘つきばかりだな
泣いてもいいよ
子供じゃなくても
泣きたいときは
泣くのがふつうだ
心に嘘をついでまで
涙をごまかして
笑う大人は嫌いだ
だけど僕も
笑っているよ
悲しいことを偽って
まるで当たり前みたいに
悲しい生き方だな
世の中って面倒だな
大人になると
嘘がうまくなるよ
世事と愛想笑い
忘れないようにね
上司が目で言うの
大人って嫌な生き物だな
大人がつく嘘やつくり笑いって汚いな
みょうに謀っているようで
大人の涙はいちばん
美しいんだ
この腐りきった世の中では 涙は宝物。
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そんなに急いでどこへ行くのかな
どうせいつかは終わってしまう人生なのに 急いでも仕方ないのにね 生き急ぐ人々ばかりさ
群れをなす 人の中をかき分けて たどり着いた部屋ただいまも言わずにふとんに倒れ込みそのまま眠る
行き場のない 悲しみが心の中に積み重なってゆく
君の頬をかすめる涙
きらりと光る夜がある
でも 生きたい
生きて生きて
生き抜いて
今日も生き延びてる
それだけで幸せかもね
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君はそこにいるよ
僕以外の人には
見えなくても
猫の額ほどの
庭で春の陽射しが笑ってる
君がいなくても
テーブルにはいつでも
君の分の食事も
並べている
さよならの向こう側には何もないのかな
君だけが 空気に融けていなくなったあの日から何もかもが壊れた
僕の時間は止まったまま君がいた頃と何ひとつ変わらない毎日を続けてる
燃えるような夕焼け空を夕闇が 包み込むと 夜の腹の中におさまる街並みにさみしさが降る
君はどこなの?
本当は見えないよ
それでも会話をするよ
それでも泣いたりしないよ
君はここにいるんだ
消えたりなんかしてないさ
さよならの向こう側には幸せはあるのかな
手のひらで隠した涙
指の間からこぼれ落ちて さみしさに勝てない夜だけど
君はいなくなったと言いきってしまえば
君は本当に僕の心からもいなくなってしまうから 今日も見えない君と話をするよ
見えない君と愛し合うよ
誰もいない空間に向かって 微笑むのさ
テーブルをはさんで
向かい合う今日だ
まだ君のぬくもりがこの手の中 残ってる
まだ君の匂いがこの部屋には残ってる。