詩人:どるとる | [投票][編集] |
切っても切っても
また生えてくる
不思議な不思議な
とかげのしっぽ
それはまるで
僕らの日々みたい
過ぎても過ぎても
また同じ今日が
やって来る
それでもいつかは
誰もがあの空の上
神様になるんだな
とかげのしっぽみたいな命だけど
根元をたたれたらあとがない 命がない
ああ永遠なんてなかったんだなと気づいた時から僕の命には限りが決まったよう
それを知らなければ
とかげのしっぽみたいにいつまでも永遠を信じていられたのに悲しいな
とかげのしっぽだけが残ったって命が消えたら 話すことも笑うこともできないから
いっそ跡形もなくなくなって 空の上で優雅に暮らそう
そんなこと思った
昼下がり 雲眺め
自由に憧れた
自由に憧れた
そしてまたとかげのしっぽを切るように1日は終われども
またとかげのしっぽみたいにまた今日がやって来る
くたばるまでは
くたばるまでは
涙とも苦しみとも
おさらばできねえな
悲しいような
うれしいような
不思議な気持ちで
昇る朝陽を見つめていた
動かなくなった 遺影の中で 笑うおじいちゃんもおばあちゃんも 今ではしっぽなどなくても 笑ってる
あの空の上 寄り添いながら しっぽのない永遠の中 笑ってる。
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愛し合うよ 今日も
老いるほどに 輝くよ
それが夫婦愛
分かち合うよいつも
喧嘩するほど近づくよ
それが夫婦なのさ
若い夫婦も 老いた夫婦も この世界中の夫婦はみんな
それぞれの営みの中
それぞれに暮らす
僕なら僕の君なら君の夫婦愛をつらぬいて
ありきたりなほどに
今日も愛を謳うよ
それが夫婦愛
それこそが夫婦愛。
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僕を生んでくれて
育ててくれて
お母さんありがとう
お父さんありがとう
いつも遊んでくれて
相談にものってくれる友達にありがとう
これからもよろしく
たくさんのありがとうがこの世界にはあふれている
そして今日も響くのさ
『ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう』
あっちからこっちから聞こえるありがとうの声が
感謝すること
感謝されること
お互い様ね
そうだよね
今日も明日も
ありがとうと言い
ありがとうと言われ
続く日々にもありがとう
全てにありがとう。
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悲しいことなど
あるはずはない
それなのに
『べつに』で済ました今日なのに
『べつに』じゃ済まない事がある
誰かを憎んでも
仕方がない
それでも
『べつに』で済ました昨日なのに
『べつに』じゃ済まないほど憎い
うれしいことも
あまりない
当たり前な日々の中
『べつに』と言ったはずなのに なにもないはずはなかったよ
ただごまかしただけなのさ
悲しいよ
でも言えないよ
憎いよ
でも言えないよ
だから『べつに』
そんな言葉で僕は目をそらしたんだよ
みんな目をそらしているんだよ。
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空を見上げたら
太陽があるように
君にも同じ
太陽が見えてる
ただそれだけで
なんだか
心だけはそばにある
そんな気がする
果てない距離さえ
感じない
空を見上げたら
星や月があるように
君にも同じ
夜があるから
この空の向こうで
同じ空見ている
ただそれだけで
気持ちだけは
寄り添える
そんな気がする
離れてるけれど
同じ空でつながってる
そんな空を見上げたら
勇気が 勇気がわくんだ
さびしいけれど
空と空でつながってる
そんな空を見上げたら
元気が 元気が出るんだ
空を見上げたら
君の笑顔を思い出す
そんな今日がある。
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流した涙はどこに行くのかな
行き場のない思いだけが置き去りのまま
季節は流れていく
かっこつけてもかっこつかない僕だけど
誰でも 精一杯生きる 今日という1日を
誰もほめてくれないなら自分で自分をほめたいよ
自分に乾杯!
明日もね
自分に乾杯!
いつでもね
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僕がここにいること
それが生きるということ
あなたがここにいるということ
それが生きているということ
あなたがここにいるということが生きるということに直結しているんです
だから生きるということは あなたや僕がここにいること
だからここからいなくなったら 生きるとは言わないの
生きているとは言えないの
だけどまだあなたも僕も生きてるみたいさ
ここにいて 泣いて笑って 毎日 誰かの目に見えているから
生きるということにはそれらしい意味や理由はないの
だってあなたがここにいることがもう生きるとうことだから
理由や意味など必要ないんだな
必要ないんだな
ここからいなくなる
その日が来るまでは。
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いつか僕も大人になっているのかなと 思ってたら もう大人になっていた僕がいた
いつかいつかと言っているうちに大人になり 仕事に就き 家を買い 結婚までしていた
ああ あっという間だな
ああ 短かったな
ああ なんだか儚いな
ああ 人生ってさ
悲しいことがあると
次の日会社だと
思っても やけ酒してる僕がいるんだよ
愛する妻と かわいい子供たち 守るために 僕は働いてる
いつか いつかと 先延ばしにしてる
海外旅行も
いつか いつかと はぐらかしてる
妻へのプレゼントも
いつかできなくなるからね 早いうちに
旅行をしよう
バックも買うよ
そしていつか
来た道を
振り返る時
いい人生だったなと思えるような日々を生きよう
いつかの今日に
思いを馳せて
僕は歩き続ける。
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僕らが作る世界を
僕らが壊している
僕らが住まう世界を
僕らが汚している
あしたの僕らに銃口を向けたい
愛や平和などきれいごとを並べては
道端はゴミであふれ
街は排気ガスで汚れ
人の心まで荒みきっている
それも時代だなと
言い切れるかい?
仕方ないと
口をふさぐかい?
銃口が唸りを上げて
君が君自身を撃ち抜くよ
正しさが 君を殺すよ。
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だんだん 歳を重ねて
だんだん 痩せていく
だんだん 物覚えが悪くなる 若さを失う
だんだん 目も悪くなる
だんだん 閉じこもりがちになる
だんだん さびしくなるよ 頭も心も
それでも おじいさんは
それでも おばあさんを
死ぬまで 愛するのです
それでも おじいさんは
それでも おばあさんを
変わらない気持ちで好きだと言うのです
縁側でひなたぼっこ
たまにふざけあって
猫が鳴いて お茶を飲む おばあさんは何も言わない
おじいさんも何も言わない
何も言わなくてもすべてわかる
百年くらいの人間の人生の中では くだらないくらいのこの時間
それでも おじいさんもおばあさんもそんな時間ほど大切にする
今日も おじいさんはおばあさんを愛してる
そして おばあさんもおじいさんを愛してる
二人は若い頃のままで愛しあいながら
変わらない気持ちで見つめ合って 今日も天気がいいねなんて
それだけの会話の中にも愛が輝く
青い空に 筆で白い絵の具 点々と押し付けたような雲が浮かぶ晴れた昼下がり
おじいさんはおばあさんへ
おばあさんはおじいさんへ
何も言わないままで
黙ったまま 歌を歌うの
それがおじいさんとおばあさんの歌。