詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠くに 旅立って行ってしまう
あなたにどんな言葉かければいいの
迷ってる間に君を乗せた電車は
ホームに到着して君を乗せていく
まだ余韻のように 残っているよ
忘れられない痛みも 忘れたい 悲しみも
すべてが今では思い出のように
この心に 走馬灯みたいによみがえる
指先もふれられないくらい
遠くに君が離れてく
二人を隔てていたのはきっと
距離ではなく 気持ちだったんだろう
会おうと思えばいつでも会えるのに
それではもう 修復できない関係に なってしまったの
数通のメールのやりとりも日毎に 少なくなってきたね
PS 僕らは本当に お互いを愛しているのかな
息をはずませて 駆け寄った
レイニーデイ 傘の下でつないだ手
恥ずかしそうに 会話もなく ただ歩いた
あの道の 喫茶店はまだあるかな
まるで 夢のように覚めてしまえば
色も形もわからない
二人は 何かもわからないもののために
それを 愛とごまかしていたのかな
息もあたるくらい近く 感じる鼓動
キスが 百までいったら さよなら
多分僕では君を 幸せにはできない
根拠なんてないけどたしかな予感
許してくれなんて言わないよ でもわかってね
さよならするとき もう手を つなぐこともないんだと思ったら泣いてしまった
改札を出て 見上げる空に 見つけた星は
多分一番星じゃない
君は今頃どうしてるかな まだ君を思う心が捨てきれず 残ってることに気付く
指先もふれられないくらい
遠くに君が離れてく
二人を隔てていたのはきっと
距離ではなく 気持ちだったんだろう
会おうと思えばいつでも会えるのに
それではもう 修復できない関係に なってしまったの
数通のメールのやりとりも日毎に 少なくなってきたね
PS 僕らは本当に お互いを愛しているのかな
その答えは まだ出ていないんだよ
あれから恋をするのが下手になった。
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夜が またひとつ世界のページをめくって
まだまっさらな新しい 一日をそこに描く
最初の一歩で どこまでやれるかな
まだ知らないことばかりだ
まだ見えないものばかりだ
夜明けに間に合うように 自転車を走らせる
擦りきれそうなほど タイヤは アスファルトを擦る
生まれ変わるよ おざなりの日々も
どうかしている そう思ったときから
多分僕は昨日より
少しだけ 新しい
空を飛ぶための 羽がないのなら
足で稼ぐさ 夢までの距離を
あきらめないことでまだしがみついてる
今にも千切れそうな縄にかじりついている
夜明けに 射した光が街を照らし出す
海沿いを地平線に沿って走る
生まれ変わるよ せめて強がれる自分に
つかみたい夢がある そう思ったときから
世界は広がって僕に少し近づいた
すり減らした靴
やり場のない思いを踏んづけていた
少しやさぐれた心も
生まれ変わる ここから
夜明けに間に合うように 自転車を走らせる
擦りきれそうなほど タイヤは アスファルトを擦る
生まれ変わるよ おざなりの日々も
どうかしている そう思ったときから
多分僕は昨日より
少しだけ 新しい
世界は広がって僕に少し近づいた。
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廃線になったレールを辿って歩く
見えない地図を片手に旅人の真似をして
夜明けまえの町並みはまだ静まり返って
路地裏の野良猫も今目覚めたばかりだよ
好きな色に染まって
好きな形に変わって
イメージを 追いかけていく
記された足跡を 辿るように
高いビルの屋上から 助走もつけずに飛び立った 風をつかんで空に舞い上がる
滑空していく 小さなその体で くるりと旋回して
まだ夜明けの来ない町並みを 眺めのいい場所から見下ろしてるスワロー
何か笑えるような話を探して歩く
夏が塗り替えた 町並みはパステルカラー
目を閉じたまま描いた 光の閃光が
闇を照らせば そこに生まれる太陽
日はまた昇って
そしてまた 沈んで
繰り返す破壊と再生
一歩踏み出せば一秒先だって未来だ
時計の終わりを目指して走る グッバイ ハロー 同じ台詞をまた型通りに
卵を割り落とせば そこに黄身と白身が生まれるように
夜と朝はいつも同じ世界の出来事なのに背中あわせで 向き合うことはない
何が言いたいのだろう 僕はただ歌う
この心が 求めるままに 宛もなく
高いビルの屋上から 助走もつけずに飛び立った 風をつかんで空に舞い上がる
滑空していく 小さなその体で くるりと旋回して
まだ夜明けの来ない町並みを 眺めのいい場所から見下ろしてるスワロー。
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ただ順調に流れていく日々を
退屈に思うのは贅沢なことだろうか
今日もまた 残業で終電近くで帰る
シート席に座ったらそのまま夢の中
誰かが誰かを思う気持ちでさえも僕にはまるで縁のないもののように思える
ただのつまらない寂しさや悲しさが
涙になって浮かんでは消えていく
今の季節が何かも知らないまま
死んでいくのもまた幸せと笑った
「旅のラゴス」を読みながら旅をしたい
銀河鉄道ならば 機械の体を探すのに
目と鼻の先にある光は いつも僕を照らして悲しみから守ってる
小説の前書きのような歌を歌うよ
説明もなく ただやって来る感傷に浸る
お前は引っ込んでろって 押し込めたのは
いつぞや 捨てたはずの ジャンク品の心
舞い戻ったのか 僕の心はまた弱音を吐く
無理やり強がるよりはいいと 笑った
小説を 数ページ読んだあたりで
悟れるような物語なら 今すぐ窓から
飛び降りて 星になる
ただのつまらない寂しさや悲しさが
涙になって浮かんでは消えていく
今の季節が何かも知らないまま
死んでいくのもまた幸せと笑った。
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どうしようもなく
心の中に積み重なっていく思い出
あんなこともあったなとあとで 思い出す
いくつかの反芻と
いくつかの怠惰を
抱いた 僕は
繰り返しの 中を
さまよって
押しては引いてく
波にさらわれる
今日を 思う
つないだ手のぬくもりに
全てが 救われていく
悲しみもまるで 見えないみたいに
描いた 心のあらましの一つ一つに目をくばる
そこにある 醜さはきっと僕の戒めだ。
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適当な席に座る
項垂れて少し眠る
がらがらの車内
窓は夜を映してる
星を並べた 空と月を浮かべた水面
曖昧な線のその間にある世界
レールはどこまで続いていくのか
電車は走る 夜の闇の中をガタゴトと
終わらないような気がした悲しみも
置いていくことが出来るなら
忘れることが出来るならばいいなと
ふいに思っただけ 思っただけだ
終電間近の電車
まばらな人いきれ
様々な人の暮らしを乗せた電車は走る
涙と笑顔のつまらない物語を
筋書き通りに辿りながら読み進めて
なくした何かに 別れた誰かに
もう一度出会えることが出来るならば
片付かない宿題も 置いていくことが
もしも 出来るならば
肩代わりしてくれると言うのなら
この退屈もまた いいなと思っただけだ
終電間近の ホームに灯る明かりの 侘しさ
暗がりを ぼんやりと浮かばせてる
ポケットで 鳴った電話
探り探りの 間違い探し
謝る言葉を 考える
終わらないような気がした悲しみも
置いていくことが出来るなら
忘れることが出来るならばいいなと
ふいに思っただけ 思っただけだ
でも全てを忘れるにはあまりにも
きれいな思い出だから
もう少しこのまま
この揺れに 僕は
まかせて 旅を続けようと思った。
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子供の手から空に放たれた風船
見上げる君の瞳は 夕暮れの空を映してる
「悲しいことなんてない」
無理やり書き換えた
上書きの世界
下書きもしないで
隙間なく つなぐ
手のぬくもりに
抗うこともできず
愛に包まれていく
ほのかに香る髪の
甘い 花の匂い
薄化粧の 空
昼下がりに見た夢
電車の窓の外
流れる景色が変わる
手を伸ばせばすぐにでもふれられる
思い出はいつも
明日に道は 続いてる
あの丘の向こうに
咲いたひなげしの花
ゆらり ゆらり
水面をただよう
花びらに
思い重ねてた
目を閉じて
耳をすませば
返り咲く夏の記憶
隙間なく つなぐ
手のぬくもりに
抗うこともできず
愛に包まれていく
ほのかに香る髪の
甘い 花の匂い
薄化粧の 空
昼下がりに見た夢。
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退屈が部屋に滞って ため息になる
指折り数えた季節は ついに終わった
マッチ棒で 灯した思い出が
燃え尽きる頃に 僕は冬に埋もれて
目を閉じて描く宇宙
気休めに並べた星
希望と名付けたのは
ささやかな強がり
アコーディオンが オーロラの音階を辿る
どこか愛らしい傷痕
悲しみを 涙にしないのは せめてもの強がり
引き出しの奥にしまった思い出
いつか灯るかな
つないだ手のひらに浮かぶ 誰かの顔
ランプのように
目を閉じて描く宇宙
気休めに並べた星
希望と名付けたのは
ささやかな強がり
アコーディオンが オーロラの音階を辿る
どこか愛らしい傷痕
悲しみを 涙にしないのは せめてもの強がり。
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僕は虫じゃない
なんだというのだろう
八本の足があるだけで
奇異の目で見られる
ハンデを持って生まれた命は
グロテスクな蜘蛛
糸を吐き出して絡ませて巣を作るよ
朝露に濡れて 浮かんだ白い光が
ところかまわず作った巣を照らして輝いた
なにかが多くても
或いは少なくても
人間ならば同じだ
分け隔てない眼差しとありふれた優しさで
私を見てほしい
僕が人間じゃないなら
なんだというのだろう
生まれたときからあるものは
変えようもなくここにある
悲しむことも容易にできるよ
だけど愛することにした
憎しみよりも 愛に生きることにした
僕は虫じゃない
なんだというのだろう
八本の足があるだけで
奇異の目で見られる
ハンデを持って生まれた命は
グロテスクな蜘蛛
糸を吐き出して絡ませて巣を作るよ。
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僕の住む街の空が茜色に染まるとき
僕は帰り支度をして友達に手を振るよ
坂道の上から 沈む夕日を 眺めて
いつの間にか頬っぺたを伝う涙
おはようで始まった今日が
また明日ねで終わる
悲しいことも 嬉しかったことも
その時 全てひとつになって
数えきれないほど抱えてる傷痕も
意味があるのかなって思うんだ
急いでないのに時間に追われてる
時計はいらないよ命は永遠じゃないから
心に一物抱えて 物思いに耽ってる
訳もなく泣きたくなる 帰り道
ただいまと僕が言えばおかえりと 君が言う
そのなんでもないやりとりが
僕に かけがえのない幸せをくれる
どんなに疲れはてた日も君は笑顔で待っていてくれる
この世界でただひとつだけ
帰りたいと思う場所がある
そんなありふれた幸せを
僕は 守っていきたいな
君を幸せにしたいと思う
君が僕を幸せにしたように
人はそんな気持ちを愛と言うのかな
ちょっと恥ずかしいけど
あながち間違いじゃないだろう
おはようで始まった今日が
また明日ねで終わる
悲しいことも 嬉しかったことも
その時 全てひとつになって
数えきれないほど抱えてる傷痕も
意味があるのかなって思うんだ
ただいまと僕が言えばおかえりと 君が言う
そのなんでもないやりとりが
僕に かけがえのない幸せをくれる
どんなに疲れはてた日も君は笑顔で待っていてくれる
だからまた明日
その魔法の言葉で
明日も 今日と同じ
幸せに 出会うんだ。