詩人:どるとる | [投票][編集] |
紅葉の舞う季節
葉っぱも鮮やかな
色に染まり見頃を迎えたよ
並木道歩けばはみ出した両手や首筋を撫でる木枯らし
なんだか切なくて
頬を染める
赤い夕日の中でも
昼下がりの少し肌寒い空気の中でも
同じようにきれいな景色さ
イチョウや紅葉の気持ちになって そして僕もはらはらと季節を流れる 時の水面をたゆたう木の葉のように
ただ流れに身をまかせて 明日からまた明日へと歩いてゆく
イチョウの気持ちになれない人などいなやしない
みんなそれぞれの切なさを抱えながら
気づけばはらはらとその頬を流れる涙です
イチョウの気持ちになったから 僕は切ない色に心まで染まって 振り返れば木枯らしがふゅるり さびしそうに鳴いた
ふと懐かしく思い出す歌のように
入り口も出口もなく
ただその時が来ると
ゆっくりとだんだんと 僕らは色づく景色を眺めながら
秋や冬や夏や春を
見つけるんだ
そして僕は暮れかけた街の片隅に佇み
イチョウの気持ちを感じながら
家路を歩く
夕暮れの一番きれいな季節なのに
美しさに隣り合うようにある切なさにほろり涙がこぼれるよ
始まりも終わりもなく
僕は『さよなら』という栞をはさんだ
明日はまた宛もなくここからのらりくらり始まるだろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君の心の中にある 悲しみを慰められたなら 笑ってくれるかい?
泣いている人のぶんまで 笑うなら
愛する人のために
その涙を感じたい
胸の中に隠した
痛みもすべて
やさしいだけでほら
人と人はこんなにも笑いあえる
やさしいだけでほら
ぬくもりは心から心へと伝わってゆく
そのぬくもりが
伝わってゆく
僕の心の中にある 悲しみさえも笑い飛ばして元気をくれる君
泣いている
隙なんかないほど
楽しくて
楽しくて
時間も忘れてしまう
振り返れば見える
雨雲の向こうに
やさしいだけでもう
きっと十分さ何もいらないんだ
やさしいだけでもう
ただそれだけで満たされていく心の中
二人ならば
きっと大丈夫
やさしいだけで
悲しみなんて
やさしいだけで
喜びも膨らんで
やさしいだけで
穏やかな時間
ほらね ありふれた毎日が やさしいだけでばら色に変わるんだ
詩人:どるとる | [投票][編集] |
嫌いの反対は好き
憎たらしいの反対は
愛おしい
光と影を行き交うように繰り返す
僕らの日々
振り返ればそこに
涙があって そばには寄り添うように笑顔がある
うれしいことばかりじゃないけど
悲しいことばかりでもない
そんな世界の中
僕は今日も生きるよ
ひとりはみんなのために
みんなはひとりのために
みんな 手を繋いで
生きてる
今と向き合って
たまに戸惑って
ノートの片隅戯れに描いた落書きのような日々を僕は生きて
誰のためでもなく
なんのためでもなく
僕は今を生きるよ
明日も生きていくよ
このまま。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
歩き続けて 僕はこのままどこに行くのか
生まれたときからずっと同じこと考えていた
まるで一本の長い道を歩いているように
変わり映えしない日々 幸せとはなんだ?
ただ人は歳を重ねて 幾重にも繰り返す季節を行き交うだけで
やがて枯れ葉が舞い落ちるように その時がやってくるんだろう
僕の中には何もない
誰かを思うことも
誰かに抱く気持ちも
曖昧な深層心理
すれ違うように
少しずつ離れてく
うまれてはじめて
誰かを好きになったよ
だからなんなんだろう
わからないけど心からあなたが好きです
人を愛すこと
人に愛されるということ
まだ歩き出したばかりの恋
心に吹くすきま風を埋めるような二人の愛は優しい笑顔に宿るよ
はらはらと落ちては
クシャリとしなる落ち葉のように
いつか僕も時代に埋もれ消えていくとしてもあなたを愛し続けて 眠りたい
うまれてはじめて
自分より大切なものを見つけたんだ
不思議だけど
あなたの前では嘘がつけない
すべてさらけ出せるんだ
愛してる 愛してる
うまれてはじめての気持ちだよ
二人の隙間を埋めるのは 優しさだったりぬくもりだったり
ちょっとした気持ちのかけらだよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
青い地球の中に
生まれた
僕らの命は
花が咲くように
いつかは枯れる
それでも
地球が回るように
僕らは生きて
笑い 泣いて
たまに怒り
今日も疲れた顔で
『眠いな』などと
ゴタク垂れるだろう
地球儀をまわす
くるくる
宛もなく
いろんな場所へ
行きたい
言葉 はずむ
楽しいリズム
奏でて
さあ さあ
階段を一段抜かしで上るように
気楽に行きましょう
地球儀を回すように
難なく 暮らした1日 おぼろげな記憶つなぎ止めるように
ほら 思い出せばすべてがまるで宝石のように輝いてる
壮大でもって大げさなストーリー ここに。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただありふれた日常風景の中に
気づかないだけで幸せは隠れているものなんだ
欲張りな僕らは普通の幸せじゃ物足りないと平穏で何不自由ない毎日など見向きもしないよ
幸せはいつも
目の前にあるのに
絵に描いたように当たり前すぎて僕らの目には輝いて映らないようだ
世界を見渡してみれば僕などどんなに幸せなんだろう
腐るほどあふれる人の中で 僕は今生きていて 笑い泣くことができる 平和すぎる毎日の中で平和と引き換えに何か大切な気持ちを見失っている
この頃
形あるもの色を持つもの
思えば幸せは目にも見えないものじゃないか
だから最初から幸せをつかもうとしても簡単にはつかめるわけがないんだよね
幸せとは形じゃなく
心の中で感じる気持ちのことをいうのだ
何事もなく今日も日が暮れる 幸せとはまだいえないような日々だと 言ってても
うれしいとか 悲しいとか思うことが もう幸せじゃないのかい
僕らの思うような幸せは偽物 まがい物
幻かもしれない
本物を見極める目があるのなら
今すぐ 目の前にある毎日を心から幸せだと言ってごらん
不平不満を抱きしめて 生きるよ
道端に咲く花すら美しいとは思えない
僕らに与えられた
幸せなど なんの価値もないゴミ屑さ
騒がしい街にも
家の中にも
学校にも
会社にも
それ相応の
幸せがある
世界を見渡してみれば僕などどんなに幸せなんだろう
腐るほどあふれる人の中で 僕は今生きていて 笑い泣くことができる 平和すぎる毎日の中で平和と引き換えに何か大切な気持ちを見失っている
この頃
案外僕も幸せだったんだね
今笑っていられる
今楽しいと思える
それだけで幸せ
それだけで幸せ
心の中の霧が晴れて 青空がのぞいた
あそこにもここにも
どこにでも幸せは
見えないだけで
確かにあるんだ
ほら、感じることのすべてが幸せの形。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
この世界は災厄の吹き溜まり
答えは暗い海の底
かりそめの生きていく理由と生まれた意味がそろったら
白々と明けていく空に向かって
歩いていくのさ
おざなりのローテーションで
行き交う人の流れ絶え間なく
忘れられたように
日陰に咲く
花の名を誰も
口に出さずましてや覚えていやしない
雨上がり 土曜日
水たまりに明日を映してそこに見えた
いつかの笑顔にまた今日もどこかで出会えるなら
涙さえ乾いていく
どこまでも続く
地平線の彼方まで
変わらない景色に
彩りを添えるのは
ごくありふれた
愛や優しさだったりするから
いつかの笑顔にここで再び出会えるなら
涙さえ乾いていく
涙さえ乾いていく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
行き交う人の流れにわざと逆らうように生きて
人波をかき分けて
数少ないわずかな優しさを探した
ぬくもりも愛も
情けも慈しみも
なくなってしまったら きっと美しい景色を見ても きれいだと思うことさえしなくなるね
僕はどうしてここにいるんだろう
そしてどうしてこんなに笑うんだろう
泣くのだろう
自分が生まれた意味や理由さえわからないまま 僕は空気のように 存在すら薄いけれど
確かにここにいる
そして今生きている
空気椅子に腰掛ける
存在すらしない愛を
あたかも抱きしめているように ひとりのさびしさをごまかす
あっという間に日は暮れて そうこうしているあいだに夜はやってくるんだね
灯りもぽつりぽつりつき始めて
せつなさいっそう増すんだ
僕はどうして生きているんだろう
生まれたんだろう
何度だって消えてしまいたくなるのに
そのたび何かが引っかかって振り返ったとききまって僕は生きることの喜びを
その手につかんでるんだ
だから生きている
ここにいるその意味を
生きているということの意味を
僕は今身を持って
確かめている
感じているんだ
たとえひとりでも生きていくさ
冷たい風に吹かれて
黄昏の中に ため息をくゆらせて
窓を開ければそこには太陽も雲も月もあるんだ
生きている意味はないかもしれないけれど 生きる理由なら
腐るほどここにある
だから生きてる
ここにいたい
生きていたいから
僕はそんな
曖昧な気持ちを
ここにいる意味に
重ねて 置き換えて
明日もずっと
生きているだろう
そうさ 僕がここにいる意味など最初からない
失っては 得るように
何度でも生きる意味は変わるから
ここにいる意味は
昨日とはまた違う
理由で 僕は明日
ここにいるだろう
そして人波にもまれ
自分を守りながら
生きていくだろう
それこそが僕がここにいるただひとつの答え。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
無限という限りのない距離も限りがないと思えば限りがない
限りがあると思えば限りがある
可能性とはそういうもの
宇宙も空もすべてその人の考え方で小さくも大きくもなる
可能性なんてそういうもの。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
桜の便りが届く朝に
やがて凍てつく冬は
去り行き その影も消える
真っ青な空は
やがて赤く燃えて
夕暮れにカラスが
空を飛び交う
もう泣くことはないよ
春は冬の次に
やってくるんだから
桜の便りが少し早く
訪れたなら
きっと寒さも少しは
薄れるのにね
桜はつぼみの中
眠り続けてる
まだまだ
つぼみはついてないけど別れと出会いの季節は少しためらいがちに訪れるだろう
薄紅色のせつなさとともに
心さえも寒くなる冬の魔法が溶けるまで。