詩人:どるとる | [投票][編集] |
今日も僕は言葉に救われて
時に傷つけられて
言葉を使いこなすには 僕らはあまりに言葉を知らなさすぎる
言葉は誰の味方もしないんだよ
だから 今日は言葉に救われても明日は同じ言葉で傷つくかもしれないんだ
繰り返す 言の葉たち
使い方を間違えたら
人を傷つけることも知らないあいだにしてしまうよ
いつも言葉にどこかで傷つけられ
いつも言葉にどこかで救われている
時に 優しい言葉も鋭く鋭利な刃物のように心に突き刺さる
そんな時もある
言葉をつかっているようで 言葉に振り回されている僕らは
いつでも言葉にためされているんだよ
それぞれが言葉をどう使うか どう組み合わせるか それだけで言葉は刃物にも絹の布にもなるのだから
言葉は 今日もどこにでも 誰もが 使うけど 面倒くさがらず使い方に気をつけて
使う言葉次第で 言葉は刃物にも変わるから
その使用法を誤らないでください。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
あの輪は宇宙の漂流物が集まって
土星の周りを回っている
まるでドーナツのようでお腹が空くね
宇宙の壮大なストーリーとはかけ離れたちっぽけな僕の周りを回る輪はきっと
小さな優しさと僅かばかりの希望だけ
あとは不安と悲しみだけさ
僕の土星のように大きな人になってみんなから尊敬され
あんなに友達
連れ立って
くるくるくるくる
回りたい
くるくるくるくる
回りたい
水金地火木土天海
消えた冥王星
六番目の惑星よ
消えた冥王星のかわりにはなれないかな
ちっぽけでも光り輝く星になれないかな
そんなことばかり考えているよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
壮大な宇宙の片隅に
いつか時間を重ね 生まれた惑星は誰が地球と名付けたのだろう
やがて 生態系ができて 様々な生物が海を泳ぎ 大地を歩き
僕らが生まれた
ネジのような時間の流れの果てには 誰も知ることもない未来が待っている
それを知ることができるのは今よりずっと果てしない時間の彼方の人々
その惑星の名は地球というらしい
青い海と緑の森に包まれた 美しい星さ
酸素で十分に満たされ
澄んだ空気がある
その惑星の名は地球というらしい
いつか誰かが名付けた 惑星の名さ
そしていつか誰もが忘れてしまう惑星のひとつさ
燃え尽きるまで
燃え尽きるまで。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつも どんな
悲しみからも
僕をかばうように
雨をしのぐ屋根のように
優しさという 傘を差し出してくれる人よ
ありがとう
こんな言葉しか浮かばないけど
僕も優しさを手繰り寄せて 愛する喜びも愛される喜びも 知っていきたい
人には誰も
優しさを蓄えられる心があるはずだから
誰にだって大切な誰かがいるように
僕にも君という大切な人がいるから
いつまでも
その優しさを忘れないように
優しさという屋根の下で僕は 誰より近くで 君のことを見つめるよ 汚れのない瞳で
いつまでも
いつまでも
ふたりは寄り添いながら 同じ空を見つめ同じ夢を抱き
共に幸せになろう
悲しみなど 笑い飛ばせるさ
愛があれば
愛があれば
雨など 振り払えるさ
優しさがあれば
優しさがあれば。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
神様のつくった筋書きの中で 僕らは最初から決められていたとおりに生きている
そんな仮想が浮かんだ
神様のあらすじの中では僕はどうやら頭の悪い人間の役のようで
神様のせいにすればどんな言い訳も通ってしまう
神様のあらすじの中で僕は僕という人間を殺すんだ
あらゆる可能性を信じずに 信じきれずに神様のせいにして すべて放り投げてしまえば楽だから
神様のあらすじの中で僕は神様がつくった筋書き通りの人生を演じるだけ
神様なんか最初からいやしないことはわかってるのに
神様のせいにして
今日もいもしない神様のあらすじにしたがって生きているんだ
神様は僕だった
あらすじは僕がつくった筋書きだった
それでも神様のあらすじは逆らえない
明日も 僕は頭の悪い人間のまま 間違いをやらかすよ
自作自演の日々はつづいていく
世界をつくった神様が自分でつくった世界の中で生きる
僕の人生は鳥かごの中で始まり鳥かごの中で終わる
ちっぽけな人生。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の鼓膜を震わせる
よく通る君の声
素敵な素敵な 歌を奏でるよ
北風吹きすさぶ冷たい 時代に 人と人のあいだを縫うようにして生きるのさ 蛇行して言い訳を並べ立てて僕は進むのさ
さびしさを胸に
風に吹かれて
僕は生きる
口笛を吹いて
たまにゃ空見上げ
もの思いに耽れば
たちまち日々は怒涛に過ぎてく
振り返れば思い出と名付けられた記憶たちが頭の中で あの日の笑顔や涙を何度も巻き戻して観せる
南風吹く 僕の国には涙は必要はない
悲しいことなんて何ひとつありはしないんだから
僕の中で回り続ける
映写機が映し出した
あの日の僕の涙が今さらぶり返されるように 僕は泣いた
涙などもはや同情の枠には入らない 無情な時代の中で
人々の涙は美しくこんなにも輝くのに
せつなさを胸に
あふれる涙拭い
僕は歩いてく
途方もない旅へ
人にからかわれて
たまの休みには
行き先も告げずに
どっかへ出かけて
物憂げに窓辺に座り
思い出話のひとつでも語れば泣きたくなる
さびしさを胸に
風に吹かれて
僕は生きる
口笛を吹いて
たまにゃ空見上げ
もの思いに耽れば
たちまち日々は怒涛に過ぎてく
せつなさを胸に
あふれる涙拭い
僕は歩いてく
途方もない旅へ
人にからかわれて
たまの休みには
行き先も告げずに
どっかへ出かけて
物憂げに窓辺に座り
思い出話のひとつでも語れば泣きたくなる
泣きたくなるんだ
わかるかい?
風の子だって 心までは 着込むことはできないさ
寒さはしのげても
悲しみやせつなさは
しのぎようがない
ああ 並木道の向こう馴染みの喫茶店ボレロが潰れた
まわれ右で街に戻っても行き場はなく
僕はまっすぐ 家に帰る 仕事へ行く以外は冬眠するように 部屋に閉じこもり
世界の情勢を見守るふりしてふて寝する。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
右中間をぬけた
ボールいまだ行方知れず
大気圏の彼方に
見えた幻
ゆらゆら揺れて
遠くから光を放つ
蜃気楼のように
それは形を持たない
未知なる生命体
計算なんかじゃ到底
割り出せない答え
さあ 僕らは 目の前の真新しい世界に
それぞれの理想を重ねてみる 絶望と失望に打ちひしがれるだろう
それでも僕らは笑うんだ
すべてのことがうまくいかないことくらい
最初からわかっていたから
それほど 悲しいとは思わないんだよ
だけれど頬を伝う涙
隠したのは手のひら
しばらく一人にさせておくれ
悲しみを昔話に変えられるまで。