詩人:どるとる | [投票][編集] |
見えない何かに追われるように生きて
あっという間に歳を重ねてしまったよ
暮れていく空見上げ歩道橋の真ん中で
沈む夕日を今日も見たよ 何故か切なくなる
いつの間にか僕も君と同じで
ため息ばかりを吐くようになったよ
ずっと昔に見た 夢はどこかに 落としてしまったようで
一人一人にある ささやかで でも大切な自分だけの 何か
それだけは 失いたくないと 今日も 汗をかいて涙を流して
時々 笑って
生きている悲しみと生きている喜びの
その間に立って 今日も生きている そんな毎日
大人のくせに嘘もついて たまにはわがまま
言うのも許してよ色々あるんだ
街明かり ぽつりぽつり灯る夕暮れ時
帰れない僕は 電信柱に話しかけてた
何も返事はくれないけれど
君もたまには泣いたりすることがあるのかな
いつも明るい 君しか知らないけど
僕が知ってる君はほんの少しでまだまだ知らないことばかりだな
寂しさ紛らすためにつないだ手だったはずなのに
いつの間にか 僕からつないでいた
こうしてることが当たり前になった
昨日と今日とそして明日 このまま生きていくのも悪くはない
思い出は 増えていく 今日を生きなきゃ
明日は生きられない
そんな当たり前なことを 積み重ねていくのが とても難しい
でも、多分明日も僕は生きているよ
誰かさんの 笑顔目当てにして
たすきをつなげるランナーみたいに
明日の僕に 今日の僕がバトンを手渡す
いつの間にか僕も君と同じで
ため息ばかりを吐くようになったよ
ずっと昔に見た 夢はどこかに 落としてしまったようで
一人一人にある ささやかで でも大切な自分だけの 何か
それだけは 失いたくないと 今日も 汗をかいて涙を流して
時々 笑って
生きている悲しみと生きている喜びの
その間に立って 今日も生きている そんな毎日。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
うまくいかないのは一体誰のせいだろう
何も手につかず
時間だけをもて余している
「苦しまず簡単に消えてしまえたら」
なんてことを 思った
今日の僕は どうかしているなあ
こんな気持ちになるなんて
明日また明日と 繰り返す日々が
いつの日か 迷ったり悩んだりしなくても良くなる日が来るなんて
本のページが捲られていくように
流れていく時間 疎かにしてる何か
鏡に映る僕が 声も立てず泣いている
あれから季節は いくつ過ぎたんだろう
同じやり方で 珈琲を淹れても 味が違うのは何でだろう
愛なんて知らないふりをして
愛されていることから逃げてる
恥ずかしいんだよ愛されているが
今朝、電車が一本 人身事故で遅れたよ
人がシんだってのに舌打ちする若者
僕は未来に不安を覚えました
曇った空 雨が降りだすのも時間の問題
傘を忘れたことを今さら後悔する
ただ急かされるように流れにのまれて
生きる理由を持たない 人は悲しい
それでも街はただ 暮らしを抱いて
今日も 平穏無事に終われることを望んだ
僕は昨日より少し疑い深くなって
賢くなったぶん少し汚れてしまった
明日また明日と 繰り返す日々が
いつの日か 迷ったり悩んだりしなくても良くなる日が来るなんて
本のページが捲られていくように
流れていく時間 疎かにしてる何か
鏡に映る僕が 声も立てず泣いている。
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銀河を 漂流する汽車に乗って 旅立つ
ある日突然始まった 何の前触れもなく
窓から眺める風景が地球から離れていく
果てしない旅になりそうだ
カムパネルラは 小説を読むように生きる
主語がない動詞だけの会話をしよう
いつかどこかで聞いたような昔話よ
いつまでもきらめく星になれ
手の届かないものを人は想像する
小説にしたり 絵にしたりする
手の届かないものほどこの手は欲しがる
カムパネルラは 小説を読むように生きる
主語がない動詞だけの会話をしよう
いつかどこかで聞いたような昔話よ
いつまでもきらめく星になれ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どしゃ降りサンデー
頭の上で雨粒が
規則正しいリズムで
じょうずにステップ刻んでる
君の顔 思い描きながらほくそ笑む
イメージに 埋め尽くされていく
満たされていくのは 心
雨の日、傘を忘れた君を駅まで迎えに行く
手には傘を持って 待たせないように走ってく
もうすぐだよ 待っててね。
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結ばれるようにつながれた手は
時に とてもわがままで残酷だ
突き放すような日もあれば
確かめあうような日もある
この世界にはどれだけの愛があるかな
きっとつながれた手と手の数だけ あるのだろう
つないだってひとつになれるわけもない
それを知りながらつなぐ僕と君の手と手
「誰かを思う気持ち」がつなげていく
手と手を重ねて生まれる 羽を広げた蝶。
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薄汚れた 青春のシミが 真っ白なシャツに嘘をつかせるよ
雨は上がらない 夜明けを迎えても 痛みは真新しいまま
花は咲いて そしてやがて枯れて
最後に笑うのは誰だろう。
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声に出さない 愛は
言葉にならない愛だ
消化されずに 胃の中に残った蟠りは
いつまで僕を 縛り付けているんだろう
夜の帳が降りてきて
希望が費えたとき
たとえば貯金をおろすように
蓄えた 思い出で 満たされるくらいなら
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
きれいな愛なんてない
醜いのもまた愛だ
傷痕さえ 愛せないなら 愛は謳えない
吐き出された喘ぎはなんて綺麗なんだろう
間違えられた愛の形を 歪ませたのは
愛をお金や商売にしか思えない 人間の浅はかな 愚かさだ
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
耳元でささやく 吐息混じりの声
眠りに落ちる 間際で 救われる
世界にただひとつだけのひびき
ありふれた 幸せのワンオーダー品。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
二人の時間を刻んでいたはずの時計は
いつからか僕のためだけに時を刻んでた
砂時計が落ちるように硝子の向こうで
今を生きる誰かの時間が失われていく
永遠より長い キスも
あっという間に終わる
一分一秒も 待ってくれない時計は意地悪さ
短い永遠だけど やれることをしよう
押し寄せる波がひいていくまで 世界はここにある
昔話を語ろう 昔々の悲しみや喜びを
目には見えない苦しみや 痛みの全てを
雨は アスファルトにしみていく
乾いた地面に 花が咲くのならいいな
つないだまま離さない手を
いつか 時が無理矢理離させるなら
僕はあなたと生きた時間を思い出と呼びたい
なくすものなどなにもない あなたは生きているから
僕の中で 物語は続いていく その先の道をひらくように
こぼれ落ちた 時を手のひらで受け止めて
風に 流そう 誰かがいつか 思い出してくれるかな
名前も知らない 誰かの 歩いた道を
重ねた 時間や つないだ手のぬくもり
涙流し 笑顔浮かべたこと
永遠より長い キスも
あっという間に終わる
一分一秒も 待ってくれない時計は意地悪さ
短い永遠だけど やれることをしよう
押し寄せる波がひいていくまで 世界はここにある
なくすばかりだと思っていたけれど
思い出があるかぎり なくすものなど何ひとつないのです。
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どうせ 無理だよと
諦めたすべては
灰になり
やがて風に散る花
あくびになるだけの
退屈な時間をもてあまし
開けっ放しの窓の向こう
世界は 続くのに
未来を見に行こうともせずに
見えてる 世界をすべてだと決めつけて
空や草花や鳥
風のささやき
川のせせらぎ
人々の 心臓の音
ありとあらゆる
すべてが 異なる
リズムで 生きてる
そんな まいにち
どうせ 無理だよと
諦めたすべては
灰になり
やがて風に散る花
どうせ いつか
死ぬのなら
それまではひとつくらいは夢見よう
たとえば退屈な時間を埋め合わせる
暇潰しになるような何かを探して
楽をするために苦労してみる
ちょっと変わった生き方で。