詩人:どるとる | [投票][編集] |
三丁目の猫は今日も元気に鳴きながら
青空の下
散歩してる
僕らが働いてるあいだも猫は遊んでる
でも猫は猫なりに
苦労も知っている
三丁目の猫は ツナ缶が大好き
三丁目の猫は草村が大好き
今日も夕暮れ
眺めながら
三丁目の猫は
まるいお目めで
僕を見つめる
そして
背中を向けて
去ってゆく
三丁目の猫
しっぽを
ゆらゆら
揺らせながら
気づけば
そこにいて
気づけば
すぐいなくなる
そしてまた今日も
どこかで三丁目の猫は鳴くのです。
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時々自分を信じられなくなるのさ
どうしたらいいのかわからなくなるのです
時々自分というものがわからなくなる
大丈夫って言ってても大丈夫じゃない
涙に埋もれて
愛想を振りまいて
媚びを売り歩いて
疲れ果てた夕暮れに
立ち止まる帰り道
何に見とれてる?
何を考えてる?
目を閉じて 数回の深呼吸のあとに 押し寄せる切なさ 波のように
いくつも季節は過ぎ
あなたを写した写真は色あせて
それでも地球は回り続けて 今日も僕はあくびなどして
誰かの悪口を言い
ふて寝する日々
さびしさを隠して
ひとり黄昏ては
暮れゆく空眺め
予報にもない涙がぽろぽろ
そんな日常。
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もしも 今日誰かが生まれても 僕には多分関係ない
悲しくもないし
うれしくもない
もしも 今日誰かが死んでも 僕は泣かない
僕の生活に関わらない人なら 悲しむ必要はない
冷たい人って言われても べつに構わない
もしもが重なって
偶然僕が生まれて
当たり前のように
今も生きている
それは川の流れのようにただ流れるままに順調に歳をとり
太りもするし
痩せたりもするのさ
もしも 僕が生まれなかったとしても きっと何も変わらない
変わらないさ
今ある全ての当たり前が偶然 僕やあなたを生み ここで泣いたり笑ったりする今を繰り返させてるだけ
好きでもなく
嫌いでもなく
ただ僕は生きて
偶然今日は雨で
偶然明日は晴れるだけ
たくさんのもしもに埋もれて何が起きてもきっとね偶然で片づけられて
いつしか僕も灰になる
もしもなんて考えては 次の災難に備える暇もなく ぼんやりしているあいだに
季節は次の季節に移り変わり
咲いた花も散る
人が生まれりゃ
死ぬこともある
珍しくもないさ
でももしものことを考えてみたら 悲しくてうれしくて言葉にもならないのさ
だから全てに感謝して 生きてる今にありがとう
明日死ぬかもしれないから
今のうちに言っておく
もしものことを考えて
いつでも今日を精一杯生きるのさ。
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どこか遠くまで行きたい
風連れて 夢連れて
ロマンを鞄に詰め込んで
遠くまで どこか遠くまで
君連れ立って
たまに笑って
風まかせ 運まかせ
見えない地図を広げて
どこか遠くまで行きたい
そんな季節。
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生きることって
なんでこんなに
むずかしいんだろう
ただ誰かの言うとおりに生きてればきっとそれで 誰とも争わずに仲良くいられるのに
なんでだろう
それじゃ
心が許さないのさ
『僕はだめな
人間なのかもしれない』よぎる己を非難する気持ち
それでも なんだか
自分が愚かなのは
わかってるんだ
自分の弱さも
悪いところも
見えているはずなのに生きているだけで欲張りになっちまう
人に優しくされた時にはどうしてってくらいあたたかい気持ちになるよ
そして
人に優しくされた分だけ 誰かに優しくしたら なんだか幸せになるんだよ
意味なんて探したって多分ないと思うけど繰り返す毎日が少しだけ明るさをとり戻す
生きることには 決まった形なんかないから ばかみたいでも
聞かん坊でも
人間なんて結局さ
人に優しけりゃいいでしょう
人間なんて結局さ
頭じゃない 心でしょう
忘れていたような
遠い昔聴いた歌が
なんだか 落ち込んだ僕のあたまに流れる
大事なことなんて
教科書にも
聖書にも書いてない
多分ね本当に大事なことは心の中に書いてあるのさ
人間が当たり前って吐き捨てるような
ことが実はさ 一番大事なのかもしれない
結局さ あたま悪くたってさ 人に感謝される人はいる あたまが悪い分だけ ほかのところが秀でてる人だっているよ
人間なんて 人間なんて あたまなんて悪くてもいい 心が 心が大人になればいい
でもさ 体と心が時に行き違うんだ
切なさなんてため息と一緒に飲み込んで
なかったことにして
笑っていればいい
悲しみなんて通り雨か天気雨 知らないあいだに笑ってる僕がいるから 涙に濡れながらも拳握りしめる僕の強さが次の扉を開く鍵になる
いないいないばあで
悲しみなんて
もうどこにも
ありません
大人も子供もそれぞれの今日を抱えて
さぞ苦しかろう
その苦しさに順番はなくても。
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僕にだって いいところのひとつやふたつ探せばきっとあるはずなんだよ
言いたいことがあったって黙っているしかない日々 自分の弱さも愚かさも本当はわかってるけどいつも最後にはつまずくんだ
何かに縛られて
思うように
生きられない
こんな自分もかわいそうだと思うほどに僕はなんてお人好しだろう
さんざん死にたいなんて言ってるけど
そのわりにはいざ死ねとか言われると切なくなっちまう
そんなもんなのさ
人間なんて
わがままでばかで
身勝手で おかしいんだよ
でも人間は ばかな分 人に優しくするときは機嫌が良ければ
その分 精一杯誰かに尽くせるんだよ
頭のいい人 悪い人
視力がいい人 悪い人
いい悪いでははかれない人間の持ってる優しさやぬくもりってものが人間にはたくさんある
人間なんてって思うときもあるけど
人間だからって誰かを好きになる時もある
わがままだけど
身勝手だけど
ばかな分
誰かに優しくすればいい
頭が足りない分
誰かの役に立てればいい
人間なんて
1ばかりの通信簿でもきっと人間の通信簿ははなまるだらけ
人間はきっと頭の良し悪しじゃないんだよ
心があるか 無いかだ
それだけで 人間なんて決まってしまうよ
涙が出るほど優しくされた時 自分のしてきた過ちの多さに気づいて 思わずすまなさで包まれるけど
そんな僕でさえも
包み込む優しい
人がいてくれる
そんな幸せがある
きっとそれだけで
人間なんて
案外満たされている
人間なんてって思った時には あなたを思い出すよ
そしたら人間なんて
なんて 思わない
人間なんてって思っちまう人もいるけど
人間なんて なんて
思っちゃいけない
ような人もいるのさ
夜の灯りの下 口ずさむ星影のワルツ
人間なんて
人間なんて
あなたがいるから
優しさをなくさないでいられるんだよ
僕も人間だ。
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ねえ あなたの声をもっと僕に聞かせて
むずかしいことなんか言わないから
君は君のままで
無理はしないで
僕のそばにただいてくれるだけでいいから
ねえ 君も僕もいつか時が経てば みんな
跡形もなくこの世界から消えてしまうんだから
どうせなら楽しく生きよう
どうせならもっと笑おう
心の中を空っぽにして 君だけを思うから
死ぬまでの長い間
ずっとそばにいてね
何度でも押し寄せる悲しみやさびしさを
ともに分かち合ってゆこう
口には出さないだけでみんな 苦労してるんだね ただそれを我慢したりしているだけで壊れそうな時はいつでもあるんだね
ねえ ピアニストの指が鍵盤の上をなめらかに踊るように
きれいに生きられなくてもその人にはその人に合った生き方があると信じてる
1+1みたいに簡単に答えを割り出せたら 苦労なんてしないよね でも人には1+1では割り出せないたくさんの答えがある 血のにじむような苦労があるんだよ
だから誰もその人の全てを知ることはできない
1+1の答えは2だよね でも僕らが合わせれば1+1以上の力が出せる お互いに不器用だけど その不器用さを埋め合わすのは優しさだったり愛だったりするよ
きっとどんなことよりも人間には大事なものなんだよね
完璧なんかじゃなくてもそれでいいのさ
時にはつまずいて
時には失敗もする
だけど考えてみればそれが人間だから
恥じることなんかないさ
1+1 僕一人と君一人 その答えは様々
この世界にいくつあるだろう
1+1から増えていく いくつもの無限の可能性
こんなふうに笑いあえば笑いあうだけ絆は強くなる 強くなる
土砂降りの空の向こう 雨上がりの虹にも似た希望が差し込む
明日となれ
今日も僕は君の隣で君は僕の隣で
不器用さも隠さず
僕は僕のまま
君は君のまま
合わさって
計算不可能な答えになる。
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そこにある1日の始まりと終わり
そこにある夜明けと夕暮れ
日が昇るから僕らは目覚め
日が沈むから僕らは帰るんだね
特別な理由などなく
特別な意味もなく
ただ生きたいから
生きてる 正直それだけのためにここにいるんだよ
泣いて笑ってたまに迷っていろんなことに悩んであがいてもがいて悲しくて 嬉しくて たまに死ぬほど死にたくなって
それでも生きてる
わけなんてあるようで本当はないけど
いいじゃないか
それでいいじゃないか
面倒くさいから生きる意味や理由なんて決めないまま
ただ生きたいから
ここにいるんだよ
さよなら
その一言で1日が終わる
さよなら
その一言でなんか肩の荷がおりる
さよなら
会う人会う人にばらまくよ
さよなら
疲れたなあ
腹減ったなあ
さよなら
出来損ないの1日も
またいいじゃないか
人間らしくて
簡単じゃつまらないよ
まあそういうことにして今日はおやすみ
まぶたの裏に
宇宙がひろがる
星ひとつない
静かな宇宙に
朝が迎えに来る迄。
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思うように生きられない
思ったように歩けない
気づいたらいつも
傷だらけだ
笑えることなど何もない
笑ってみたところでむなしくなるだけの日々
特別なものなんて
何もいらないから
願い事がひとつだけ
もしも叶うならば
僕という存在を
最初から無かったことにしてほしい
それぞれの心の中にひとりに必ずひとつ
人から秀でたところがあるというなら
僕の場合はなんだろう?神様の期待もむなしく欠陥品として生まれた僕の存在はなんだろう?
時として僕らは
人を平気で傷つけ
時として僕らは
人と手に手を取り合い
目的もなく
僕らはいつでも
人と名乗るよ
一方では人を
殺めても何も感じず
一方では人を
助けることに喜びを見いだし
何が正解なのかなんてこの世界で築かれたルールの中での正義がそう言ってるだけであって もともと世界にルールなんかあってないようなもんなんだよ
だから今日も繰り返されるバッドニュース
個々に託された
選択の自由がある
あなたの中の正義に問いかけよう
あなたにとって正義とはなんだ?
あなたにとって生きるとはなんだ?
正義を謳いながら
政治家は汚職をし
産地は偽装され
学校ではいじめが横行し世の中は荒みきり今日も誰かが自ら命を絶つ
そんな現状に目をつむる僕らはただ遠くで 他人事のように
惨事を 眺める人。
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誰もが家に帰ってゆくよ 影さえも持ち帰るんだ
カラスだって家に帰ってゆくんだね
何を言ってるかはわからないけど 鳴いてる
オレンジ色の空に
今日あったことを
ひとつひとつ
思い出しては
まぶたの裏映してる
気づいたらもうこんな時間
ただ優しいだけで
きっと人なんて
それで十分なのに
どうして僕らは
迷ったり悩んだり
面倒くさいのかな
慰めなんていらないよ
下手に慰められても嬉しくなんかないよ
振り返ればいつも黄昏
空は真っ赤っか
抑えきれない涙と
わけもなく切なくなる不思議
抱きしめて
受け止めて
立ち止まり
見上げた空に
月がただ輝く夜
無に等しい程に救いはない。