詩人:どるとる | [投票][編集] |
この街にたくさん
あふれてる人の笑顔
それと同じくらい
あふれてる人の涙
1日中ずっと笑ってもいられないけど
ため息で始まった1日も 日が暮れて さよならする頃になったら 最後は笑えればそれでいい
近所の公園のジャングルジムから 眺めた夕日は真っ赤に染まって いつもながら綺麗だったよ
今日の日にバイバイさよなら
泣いても笑ってもこれでおしまい
今日たくさん泣いたなら
きっと明日はそれと同じだけ笑えばいい
笑えるだろう
泣くことはね カッコ悪くなんかないのさ
泣かないやつのほうがよっぽどカッコ悪いよ
涙は雨と同じなんだ
いつか雨がやむように なにもしなくても待っていればそのうち日が差すように
笑えるんだ
人生なんていいことばかりなわけがないだろう 坂道と同じなんだ 上り坂もありゃ下り坂もあるんだよ
辛いときは 無理せずに 泣きたきゃ泣けばいいんだ
大人だからって無理して笑って悲しみをごまかす必要はない
だからその涙を
笑ってごまかすな
繰り返される日々
果てしないほどの道のり 疲れるなら
泣いていてくれたほうがいいよ
どうして人間はバカになれないんだろう
泣きたいときは遠慮せずに泣けばいいのにね 無理して気をつかったりして笑ったりして そっちのほうがバカみたいだろう
毎日こんなに頑張ってるのにどうして認められないのかな
自分の悪いとこもわかってるけど それでも僕にだっていいとこのひとつやふたつあるはずなんだ
あの公園は今はもう
駐車場になっちまったけど そこから見える景色は今も変わらずに綺麗だよ
沈む夕日に手を振る夕暮れ
今日にさよならをしよう
今日にさよならできたら1日は それでもうああだこうだ言いっこなしさ
何回も言わなくていい さよなら その一言でおしまいさ。
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真っ赤な夕日が赤々と燃えて 夜になってもまだ遊び足りなかった幼い頃の僕ら
いつの間にか みんなで遊ぶこともなくなって 秘密基地つくった空き地も駐車場になった
大人になった今じゃ
もう連絡することもなくなって 連絡先すら 知らなくて
思い出だけがいつまでも この胸の中で夕日みたいに熱く燃えている
わすれものしてきてしまったよ 遠い日のあの空き地に
お金で買えるものじゃないから もう取り戻したくても取り戻せやしないけど
形とか色でたとえられない それは思い出という あざやかな記憶
大人になるたびに薄らいでゆく大切な思い出たちが この心の中から鳥のように飛び立ってゆく その一羽一羽が僕の大事な思い出なのさ
あの日泥んこになって 駆けずり回った空き地は もう今はないけど そこにあった笑顔も思い出のあとも
喧嘩して流した涙も
全てがそこにまだある 見えないけど
真っ赤な夕日が駐車場を照らせば昔の記憶があざやかによみがえるんだ
久しぶりに行った
空き地だった場所は
たくさんの車で
思い出も何もなくなっちゃった気がしたけど こんなふうに目を閉じてみれば
まだあの頃の笑い声や鬼ごっこしてはしゃぐ声が聞こえる
そして僕は思い出にまた別れを告げ
元空き地をあとにする
背中向けたまま
小さくあの頃の僕に手を振った 夕暮れ。
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笑顔に隠れたあなたの涙を 垣間見たとき
僕は言葉をなくした
そうだよね人間は 誰も自分にしかわからない悲しみを 背負ってる 安易にわかろうとするのも いけないと思う
全ての人の心に夜明けが来るように
僕はただ願う
いつもいつも
ひとり闘ってる
たくさんの人よ
夜明けの扉を今日も探して 笑える隙があるなら すかさずあなたは嘘だろうとも笑ってしまう
そんな時もあるけど
本当の夜明けは きっと積み重なった嘘の向こう側にあると
あなたは言う
全ての人の心に
夜明けが来るように
あなたの心に
夜明けが来るように
僕はただ願う
夜明けの扉を見つけた あなたはその扉を開いて 今日こそはと笑った。
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特別なことなんて 何もなくてもいいじゃないか ほらね1日晴れていれば とにかく
どこへでも行けるさ
誰とでも遊べるさ
昨日の悲しみだとかまだ引きずってるのなら
過ぎた日のことなんかもう忘れろよと僕は言いたいよ
心のプロペラを回して 新しい明日に飛んで行こう
白い雲と 青い空
その下をゆうゆうと歩く僕らは なんの不満もないわけじゃないけれどいちいち泣いていたって仕方ないって開き直ってるだけなのさ
今は笑うとき
今は楽しいとき
だから笑うんだ
だから遊ぶんだ
遠い昔 空を飛ぶことを夢見た兄弟がいたらしい だけれど僕はもう 君という空を飛んでいるのさ
だから
だから
心のエンジン蒸かして カレンダーの日付飛び越えて 新しい日付に降り立とう
もう何も悩むことも迷うこともないさ
もう楽観的に笑えばいいのさ
何も考えることなんかない 今はただ笑うときさ 楽しいときさ
だから笑うんだ
だから楽しいんだ
君という空は いつも青空ってわけじゃないけどまたそれも生きている人間ならではの天気じゃないか
特別なことなんて 何もなくてもいいじゃないか
ありふれていたってちがう角度から見れば また違った景色に出会えるはずだ
きっと忘れてる大事なことは 当たり前なことなのさ
もう一度回してごらん 忘れそうになっているなら 心のプロペラを回してごらん
きっとあざやかに
思い出せるはずだ
昨日の涙は 忘れられなくても 今日の笑顔で心の見出しを全部塗り替えてしまえ
心のプロペラ 回して
心のプロペラ 回して
心のプロペラ 回して。
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悲しくないなんて まるで嘘で 本当はひとりじゃ さびしくてさびしくて 死んでしまいたくなる
いやに冷たい世間の風に吹かれて 人を信じることさえもできなくなってしまった
人を疑ってばかりいても 誰も愛せない
だけど裏切られすぎて 疑心暗鬼の二十代
夢やロマンなんて この世の中には安易に期待しちゃいけないと僕は思うんだよ 若くして捨てた希望送り火のようにため息に見送られて
もういっそ僕がここに生きていることも全て嘘ならば どんなにいいだろうと思った夜 酒は涙の味がした
空に浮かぶ満月が美しすぎた
ハッピーですか?
あなたはハッピーですか?
僕は嘘をついて
頷いた
魔の青春時代。
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悲しみひとつ
空から降り出せば
傘を差すまえに
涙がほほを伝う帰り道
いつもは通らない
裏の路地に 赤提灯を見つけて のれんくぐって席に座れば
サラリーマンの憩いの場 おでんの屋台
ちくわぶ ガンモ
ダシのしみた大根
醤油につけこんだ卵
冷えた 焼酎がうまい
はんぺん ゴボウ巻き
厚揚げ 白滝 たまにオヤジのむさ苦しい顔
お客さん もういっぱいいかがですか?
つい飲みすぎた夜
気づけばいい時間
もう帰るわ お勘定すませて いい気分で家に帰れば 酒くさいと嫁さんに言われたけど うるせえと一喝
スーツのまま寝ちまった
大黒柱は思うよりつらいのさ
涙のようなしょっぱい酒あおって
立場なき 居場所なき己のさびしさを唄う
風呂場のひとりコンサート
歌いまするは演歌の十八番
涙酒 唄います
雨上がりの月の夜
スモーク代わりの湯気に包まれて
浪々と僕は唄います
『悲しみは酒といっしょにのみほして さびしさだけが心にしみる 男一匹旅烏 今宵あおるは涙酒』
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東京に上京してきて
はじめて住んだアパート 四畳半の狭い部屋月二万の曰く付きの一室
風呂がないから 流し台でからだを洗った
シャンプーなんて洒落たものはなかったから ふつうの石鹸で頭まで全身洗った
仕事は月に十数万の安定した仕事に就けた
月に一度は必ず
田舎の実家にお金送った
毎月送られてくる
仕送りの箱の中に
母と父の応援の手紙
僕は泣きながら最後まで読んだ
遠く離れた父と母を心配しながら
毎日毎日僕は頑張っていたよ
励まされたり
慰められたりすることなんてめったになかったけど
東京の街で暮らし始めて十数年が経った頃 はじめて僕にも彼女ができた
あまりかわいくはなかったけど僕にふさわしく まあまあな彼女だった
やがて長年暮らしを支えられてきたこの四畳半のアパートから出て お風呂つきの綺麗なワンルームに暮らしを移したよ 引っ越しをする際に押し入れの奥に見つけた何枚もの御札に青くなった
まあお父さん お母さん
僕は不器用だけど
なんとかうまく
やっています
愛する人と二人
二人三脚で
雨の日も風の日も
暑い夏も寒い冬も
この東京で生きてる
明日も明後日も
きっと何十年後も
この東京で生きてる
第2のふるさと
東京の街23区をいつか制覇するぜ デートといえばまず思いつくのは東京タワー
古いかな
でも僕はあのタワーの展望台からの眺めがいちばん好きだ
そんなこんなで
続いてゆく彼の
上京物語
時々実家に帰って
彼女と父と母と僕で飲み明かせば
話は尽きない
歳なんだから
からだには気をつけろよと僕は父に言ったけど 父は照れ隠しのように横を向いて泪酒をあおった
空には満月がぽっかり浮かんでた
そんな物語。
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何が不満だとかいうわけじゃないけど
なんだか最近思うことがある
泣いてるのはいつも弱い立場の僕らさ
理不尽なこんな世の中にいくら叫んでみても 何がどうなるってわけじゃないけど
若いからって言って
偏見の目を向けないで 若さだけで全てを判断しないでおくれ
人間なんてみんな
若さをやがて失って
いろんなことを学んでさいつかは歳をとって みんな死んでゆく
若くたって素晴らしい人たちはたくさんいるから 全てを若さだけで判断しないでおくれ
僕らは若くたって 心は傷つきやすくて
悲しみに対する免疫力だってそんなにないから 時にはほめられたいし 時には慰めてもらいたいんだ
老いも若きも
みんな同じさ
誰だって一人じゃ悲しいし
誰だってみんな悲しみに抵抗力なんてないんだ
だからこそ
誰かの愛情や優しさを必要とするんだ
そこでその人の背中押すのは 誰だろう?
僕にとってその人があなたならいいのに。
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灰皿にたまる吸い殻ほどに 僕の中の満たされない気持ち
理由のない苛立ち
何が皮肉で
何がそうさせてるんだろう?
曖昧な供述ばかり繰り返す世の中や
常識を知らない
若者たちの横暴さや
やけに仕事にはうるさいくせに理不尽なことばかり繰り返す頭のおかしな大人たちのすべてに僕は怒りを感じてるよ
もういっそ全て消えてしまえばいい
肺が 汚れてゆくように 全ての人の脳みそが ストップすればいい
そしたら いっそ余計なことや 面倒な計算しなくてすむのに
なぜ僕らは
なぜ僕らは
こんなに
生き方にこだわるんだろう?
躁鬱の人ほどは
沈んではいないと思うけど気づけば危うい領域に近づいている僕がいるよ
積み重なってゆく
要らぬ妄想に
押しつぶされて
極彩色の夜明けに
僕の瞳は 焼かれ
やがて 何も見えなくなればいい
妄想の彼方にある楽園は絶望というオアシス
そこには皆が願ってる幸せはない 一抹の光も届かない暗闇なのさ。
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感情渦巻く この大都市東京
たくさんの人がいる中であなたは今日泣いていたの?笑っていたの?怒っていたの? 生きてるの?死んでるの?
東京の街 ビルがそびえ立ち 日々繰り返される生産と消費
無駄を省き
利益を得るため
無駄なものは消え
必要なものだけが残る
そのわりにはいらなさそうなものもたくさん残ってる
本当に必要なのは
ビルや便利な道具な施設じゃなくて 人の優しさやぬくもりじゃないのかな
無意味なもので溢れかえったこの世界の中にある お金じゃけっして買えないものがあるよ
笑う人も泣く人も
怒る人もみんなみんな それぞれのそういうものを持っている
何も言わず
何もせず
何も見ずに
いたんじゃ
つまらない
だから
今日も人は
笑うんだ
悲しいことがあれば泣くし腹立たしいことがあれば怒る
だけど誰にでも変わらないものは優しさやぬくもりが必要だってこと
電車の窓から 見えた燃えるような夕焼け空が涙さそうよ
当たり前な景色の中にこそ 本当に残さなければならないものがあるってこと
みんなわかってるはずなのに いつもいつも気をぬくと忘れちゃうんだね
だから優しさやぬくもりなんてそこら中に誰かが捨てた空き缶みたいに拾われることもなく 足でけられへこんでいつの間にか道の端っこに追いやられて錆びておしまいだね
笑う人も泣く人も怒る人もみんながみんないつでも 怒りの感情隠しながらなるたけ冷静に生きてるんだよ
だからこそそれを 発散するために 誰かが今日も罪を犯しても僕は知らないで済ませば僕にはなんの罪もない
1日の罪の数その死傷者の人数
報道しきれない
ニュースと膨大な情報群
そんな世の中の闇をわざわざえぐり出すような
リアルな歌を
歌う 路上シンガーの歌はその辺の流行りの歌よりずっと優しかった愛があったよ
東京の街の夜は
どこまでもどこまでも僕に優しかった。