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僕の涙にはたいした重さはない
だけど涙を流すとなぜだか心はずしりと重くなるのさ
他人と自分の涙を天秤にかけたら
どちらが重いかな?
それは愚かなことだと誰かが言いそうな夕暮れ
真っ赤な海に沈んだ太陽を にじませてゆく涙には理由はないけれど
途方もない優しさが込められてる
そんな気がする
僕の涙も君の涙も涙には変わらない
だけど流す理由によって重さが変わる
あるはずもない重さは時に人を押しつぶす
真っ青な夜空に輝く星を数えても意味はないけど
きっと悲しみはあの星の数ほどあるから
涙を流す場面は尽きそうにない
そんな気がする
僕の涙は流れては跡形もなく 乾いて
きりもなく こぼれるけれど
確かな重さが流す人やそれを眺める人たちにも伝わるから
僕にもわかる
あなたの痛み
僕の涙にはたいした重さはないけど
きっとどんな物より重いんだ
水かさを増して やがて悲しみに溺れる僕だけれど不思議と息はできるから
悲しみの海の中で
溢れ出す涙を
強さにして
またひとつ地図上に足跡を刻むのさ
涙のような星が落ちてゆく夜
願い事など思いつかないけど
明日も平和なら
それでいいさ
僕は今日も窓を閉め
夜明けが来るのを待つように
ぬぐいきれないほどの涙を夜空にちりばめた。
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本当の強さとは
悲しいときに泣き
うれしいときに笑うような素直な気持ちで生きること
本当の強さとは
自分の弱さを隠したりごまかしたりすることなく間違ったことを反省できること
結局本当の強さとは
一概には言えないけれどこうして着飾ることなく弱い自分だからこそ強がる自分もいるけれど
それすら隠さずにいることが結局本当の強さになってしまうんだ
本当の強さとは本当の弱さの中にある
強さは弱さであり
弱さは強さでもある
本当の強さとは本当の弱さから生まれる
弱いからこそ強くなろうとする自分の中にそれはいつもある
本当の強さは誰の中にもある
だから僕は生まれたときから本当の強さと本当の弱さの二つを持って生まれたんだ
僕は傷つく誰かを気づかう中で
同じように傷つく自分と天秤にかけている
それが弱さだとするならば
それでも誰かを最後まで気遣えることこそが強さなのだと思うから
僕は見捨てることも自分を見限ることもできない
即ち僕は悪魔にも天使にも属さない
ただの人間だ
結局僕は他人も自分も同じ重さだと気づき本能のままに誰かに手を差し伸べる
だからこそ裏切られたときの悲しみは深くなる
それでも人を嫌いになれない僕はどこまでも人間だ
強くそして弱い
人間だ
裏切られることなど
考えもせずに
純粋に人間を思える人間だ
あなたもそうだと願いたい
全ての人がそうだと願いたい
本当の弱さに打ち勝つほどの強さがあるならば
人間を理由もなく傷つけるよりも
人間を理由もなく救うことができるから。
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テレビはどのチャンネル回しても
被災地を映してる
テロップがまた流れたよ
また誰かがどこかで亡くなったんだ
気が滅入るから
テレビを消したよ
こんな弱い僕には
何ができるか
考えてみたけど
何ひとつ思い浮かばなかった
崩れた建物
津波に流された家や車
いまだ救助を待ってる人たち
行方不明の人たち
その人たちを心配する人たち
全ての思い出も
何もかも
失った人たちがいる中で 僕ができることなど無事を祈ることしかできないけれど
きっと無駄じゃない
よね
テレビの中で水や食料を買ってる 人たちの笑顔を見たとき
ほっとしたよ
本当だよ
僕の街では この間そんな状況でも 無神経に犬の散歩していた人たちがいた
馬鹿だよ
明日でもできることを今日しなきゃいけない理由はない
僕には何ができますか?ギターを抱えて
歌を歌ってる
ふざけてるわけじゃないんだよ
あなたへ
届けたい気持ちで
爪弾く メロディ
でもどんな言葉もあなたたちの涙の前では 悲しく見える
でも僕は声をからして歌い続けるよ
あなたにも
届けたいよ
歌にのせて
伝わればいいな
救助を待ってるあなたへ
誰かを探してるあなたへ
誰かの安否を心配してるあなたへ
崩れた家を思いながら ただ泣き崩れるあなたへ
その人を抱きしめるあなたへ
必死に報道伝えるあなたへ
ヘリから カメラ回すあなたへ
そのヘリの中から実況するあなたへも
全ての人に届け
そして全ての命ある人たちへ いつものような明日が来ればいい
僕は歌いながら
あなたたちの無事を祈るよ
あなたへ
あなたへ
伝えたい
あなたへ
あなたへ
届けたい
あなたは
あなたは
笑ってる?
あなたは
あなたは
どこなの?
それぞれの思いが交錯する中で
僕はとある街の片隅であなたたちの無事をただ祈り続けるよ
この思いを歌に託して。
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今日も日は暮れて
1日何事もなく
終わることに感謝してるよ
どこかじゃ地震の被害を受けて 大変な思いをしてる中で
僕の住む街のように最小限の被害ですんだところもある
今あなたは笑っていますか?
今何をしていますか?
つい昨日までは美しかった街がめちゃくちゃになった無惨なその姿を見ているのですか?
僕は何ひとつ変わらない街の片隅で真っ赤な夕日眺めてる
今僕の中にある元気を誰かに分けてあげたいな
でも届かないこの思いは
あなたと僕はきっと何かが違うけれど
同じ悲しみに
同じ喜びに
同じように泣いたり笑ったりする人だから
あなたの悲しみは
痛いほどわかるのに
何もできないよ
何もしてあげられないよ
でもこの美しい夕空にあなたの無事を祈るから
テレビの電波など
つかわないけど
きっときっと
届くよね?
名前も知らない
あなたの心へ
あなたの心へ
僕は祈りを捧げる。
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忙しい毎日に時間を奪われて 笑う元気すら なくなるくらい
大人の毎日は とてもあわただしい
思っていたよりも しんどいね
子供はいいよね
長い休みもあるし日々の生活にも困ることはない
だけど僕も同じように 子供だったこと思い出したよ
いつの間にか忘れてる 自分の誕生日さえも
祭日だって 独りきり 部屋でじっとしてるだけです
暑い夏の日々 年代物の扇風機が回る音だけがさみしく聞こえている
青い空と白い雲が当たり前に見える四畳半の生活
パンク寸前のタイヤみたいな 僕のギリギリの生活
友達なんて いないから話し相手もいない
寂しいといえば寂しいけれど なれてしまえばどうってことはないのさ 笑うことだってできるんです
四畳半からお送りしましょう
丸い月の夜に
四角い窓から 眺める星空は見た目ほどきれいには見えない
それは僕の心がゆがんでるからかな
季節は今は春
夏はまだ先です
桜並木にでも
お花見に行こうかな
季節折々の景色をこの窓はスクリーンみたいに映し出す
そして季節ごとの美しさを見せるけど
どんな季節もぬぐえない寂しさがただよいます
四畳半からお送りいたしました
寝転んで見える
タバコの煙で煤けた天井
むなしさの猛攻を受けて ふと気づくとまた新しい季節が来たことに気づく
夕焼けがやけに目に沁みるよ
こうなったらささいな出来事にもありがとうと言ってしまう
何より平和なのが一番です
独りでも生きていくことが多分正解です
だから死ぬまでこの四畳半で 暮らしてゆくんだよ
自分慰める歌でも歌いながら
冬の寒さに堪え
夏の暑さにまいり
春の陽気に眠り
秋の風に黄昏て
僕は枯れてゆく。
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真っ赤な空を眺めながら 缶コーヒーをグッと飲み干した
少し 眠たいけど もうひとがんばりだ
辛い事を乗り越えればきっときっと
楽しい事が待ってるんだ 馬鹿みたいに信じていよう
なんとなく
何気なく
わけもなくさみしくなる 夕暮れ
おまえってやつはいつも泣かせるね
ほら今日も何かが幸せだったんだよ
僕らは欲張りだから気づかなかっただけさ
ただいつものように過ぎてゆく出来事のひとつひとつが全部当たり前な事だと思ってしまったことで見逃してる幸せに人は退屈というレッテルを張って 馬鹿にしてるだけなんだ
つくり途中の建物の横を通り過ぎて
愚かな過ちを今度は何を言い訳にしようかと考えている
脆い クッキーのような日々を生きてる
僕が笑ってられるのは一体全体誰のおかげ?
気づけば全部忘れてる
大切な事もどうでもいい事も
馬鹿な僕はそれでいいんだ
馬鹿な僕はそれでいいんだ
馬鹿が馬鹿みたいに繰り返す 口癖はきれいな夕暮れの前じゃゴミ屑さ
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
なんにしても日は暮れるから
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
お世話になった人に手を振って別れを告げたら 言いましょう
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
それじゃバイバイ
言葉を引き出しの中にしまったら
あとは眠るだけさ
おやすみ 僕の住む街よ。
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このまま どこまでも歩いてゆこう 自由気ままに
鋭い爪を隠したままで 笑うナマケモノ
愛らしさの罠
頼りないこの猫背にたくさんの希望を背負って 僕は歩く
てくてく てくてく
どこまでも
迷子になりそうなくらい広すぎる地下鉄乗り継いでたどり着く都会のビル街で 働く人
農家で年がら年中
野菜つくる人
その働きの違いに嘘はない
でも流す汗はきらめいている
どれだけ金を稼いだかじゃなく人の幸せはどれだけの幸せを得たかだ
ナマケモノはこの都会のジャングルを歩き続ける
ナマケモノも働くしかない時代だから
あくびなんかしている暇なんかないのさ
歩いてゆこう
上司のハリ手を避けられたら 素晴らしい
どれだけのナマケモノも働くしかない時代だから
僕も働くのさ
イヤだけど働くのさ
都会でも田舎でも
働く人は偉いよ
地位や立場のしきりを外して
みんなで汗をかこうじゃないか
ナマケモノも働く時代に生まれた僕らは結構幸せなのさ
愛らしさ全開で笑うナマケモノは僕だ
ほら、たまには働くのもいいだろう?
ナマケモノたちよ
ナマケモノたちよ
どうだい?ご一緒に
通勤電車 通勤ルート僕らナマケモノでいっぱいにしませんか?
ナマケモノが働く時代が来たんだよ。
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それでも僕らは詩人であるために歌い続ける
批評の風に吹かれて
バッシングの嵐に巻き込まれて
それでも 詩人は詩人として歌い続ける日々
批評の風はやまない
バンバンたたかれたってへこたれない
強さを持っているから
批評の風に吹かれて
バッシングの嵐に巻き込まれて
それでもそれでも
立ち上がるのさ
強い意思を持って
歩いて行くのさ
批評の風はやまない
何様のつもりかわからない奴らがのさばる世界で
今日もただの詩人は歌を歌うのさ
批評の風に吹かれて
僕らは次の揺れにそなえる 今は。
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あなたがあなたでいる事が何よりあなたをあなたらしくしてくれる だからあなたはあなたでいいんだよ
情けない僕のこと
愛してくれてありがとう
いつだってあなたは
隣にいてくれるね
悲しいときも
うれしいときも
あなたはいつでも
あなただった
僕が知ってるあなたは 一部でしかなかった
全部知らない僕は
あたかも君の全て
知ったような顔で
君と向き合っていた
あなたをあなたと知る事がこれほど難しい事だとは 思えなかった僕は あなたを傷つけてはじめて 知ったよ
あなたがあなただという事の意味をそのわけを 僕はなんにも知らなかったんだね
あなたがあなたでいる事と
僕が僕でいる事は
似ているけど
違うんだね
あなたはあなただけど時々あなたはおかしな事を言うよね
こんなの私らしくない
でもそれもあなたなんだよ?
自分を恥じないで
自分を責めないで
あなたがあなたでいる今が 何よりあなたをあなたらしくする 誰かがイメージしてるあなたじゃなく あなたが心からなりたいあなたよりも 僕の目に映る優しいあなたが僕にはあなたで
そして あなたの目に映る僕があなたには僕でさ
きっとそれだけで何もかも良かったりするんだ
ただあなたはあなたのままでいて
そして僕は僕のままでいる
それだけで愛なんて知らないうちに伝わってたりするんだよ
だから僕の目にはいつでも何よりあなたらしいあなたが映っている
僕はただそんなあなたを心から愛すだけだ
迷いなどみじんもないよ
だからあなたはあなたでいる事ができているんだ
これが誰よりあなたの近くにいる僕のイメージの全てです。
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あなたにとって今年の春が良い春となりますことを祈り僕は眠る
やることがないから
万年床に横たわったままで ギターを弾く
弾き語り ブルース
山積みにされた漫画雑誌を 倒すほどの地震ならいいよ
でも人の命を奪うようなものはイヤだよ
僕は馬鹿だから
漠然としか
わからないけど
春よ わるい時に
はち合わせたね
春だけどなんだか
素直には笑えないんだ
崩れてゆく建物に埋もれた思い出は
明日の僕らを 涙でおぼれさせるのかい?
どんなに世の中が不安定になっても
涙こぼれても
どんなに 国会が荒れても 僕らには関係なかったはずなのに
地震が起きて 逃げ惑うように 慌てふためく僕らは テレビにすがりつき ラジオにかじりつき
落ち着くまで 待っている いつまでつづくんだ? 終わりを待っている
いつまで不安な日々を過ごせばいいの?
僕らはそれを天命と呼ばない事にする
誰かが今日どこかで
命を落としても
僕は何もする事もできないと正直目を伏せたよ それだけが限界だったんだよ
あなたもそうだろう?
そうなら文句言うなよ
大体は同じだろう?
何もできないなら
何もできないなりに自分の命くらいはしっかりと守っていることさ
守っていることさ
明日の明日には
ちゃんと馴染みの顔並べ笑えていれるように
あたたかな春に出逢えるように
誰ひとり何ひとつ
大丈夫なように
今はただ不安って言葉に尽きるけれど
僕らの明日はきっと誰にでも ゆるされてる
だからあなたも遅れることなく 誰かの隣で笑うといい
だから僕も大切な誰かの隣で いつものように笑いたい
僕らの明日は限りなく 晴れ渡っているはずと 願いたい
春らしい青い青い空をきりもなく信じて。