詩人:どるとる | [投票][編集] |
卒業式の最中
いきなり地震が起きて
卒業式が中断する光景
テレビで昨日観たんだよ君も観たかい?
桜がちらほら 咲いているけれど
どこか悲しそうに
かなり切なそうに
僕はそれを涙目で見ている
危ないから出かけるなと母が止める
コンビニは混んでいた
袋をいくつも抱えた誰かが 必死な顔つきで 荷物を車に詰め込む
どこかでは 被災がひどくて
幸いに僕の街はちょっとの被害ですんでるけど
僕にはあなたの無事を祈る事が精一杯だ
津波がのみこんだのは家や車だけじゃない
人の命もさらっていったんだ
そして今もさらっていこうとするんだ
僕には何ができますか?
春にそなえたランドセルを 非難用具に変えたオチビちゃんが
今日、ママとパパと笑ってるように祈るから
神様ももしもいるならば 救いをもたらせよ
一瞬のうちに消えた命を思う暇も与えない この嵐のような初春を憎しみと悲しみで満たしているのは
昨日は有り得なかったこの 残骸の中に埋まった あの人やあの人の笑顔
優しく送り出した母親の笑顔に手を振った卒業生も思いもしなかっただろう
街より家よりどこよりも被害をうけたのは心です
あなたは あなたは
家族と今一緒にいるのかい? 不安ながらも笑えているのかい?
日本中を揺さぶるほどの地震の中で
僕は唄っている
瓦礫に埋まった
命よ 嘘だと言ってください
僕は何もできない
役立たずだけど
聞こえなくても
届かなくても
精一杯
ここから
歌うよ
悲しみという瓦礫に埋もれても
僕らの声はちゃんと
あなたには届きますように
僕らはここで歌うよ
カップめんすすりながら 地震速報に肩落とす3月の半ば。
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こんなときだから
考えてしまう
命の危機を
こんなときだから
考えさせられる
命の危険を
こんなときでも
犬の散歩してる人がいる
こんなときでも
のんきに笑ってる人がいる
それでもどこかではけんめいに家族の無事を祈ってる人や
必死に崩れた街の片付けをしてる人がいる
被害者だけが泣いている
傷ついた人たちだけが泣いている
僕はただ家で黙って地震速報を聴いている
母はただ怯えきり
父は救助に向かっている
余震がやまない
落ち着かない
こんなときでも
腹が減り
こんなときでも
のどが渇く
自分が情けない
被害が少ない僕にはなんにもできない僕にはただただ誰かの無事を祈るだけ
それだけだ
どうか事なきを得ますようにと。
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涙をこぼしてる
受け流す
傘さえもなくて
ずぶ濡れの心
あふれ出す感情
滲んでゆく記憶
かすれた声で
カナリアは唄う
迷いの森で
まるで僕はピエロ
嘘つきのピエロ
哀しいくせに
笑ってる
笑いたいのに
こらえてる
こんな自分はピエロ
でも涙が降ると
その汚れたつくり笑顔は落ちて
本当の僕の顔があらわれる
ほらやっぱり哀しいんだろう?
ほら本当は泣きたいのだろう?
でも僕はピエロだから
笑うのが仕事のようなもんなんです
ピエロは人前じゃめったに涙を流さない
だけれど隠れたところで
今日も泣いているよ
受け流す傘さえもなく
ずぶ濡れで泣いているよ
ピエロの涙は光の加減で虹色に光って
暗闇の中で
居場所を誰かに伝えるように悲しく輝いてる。
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笑顔のない国には幸せはないんだよ
世界が輝いて見えるのは僕らが笑っているからだ
笑顔がなけりゃ
なんだかさびしいね
だから僕らは悲しくても笑うんだ
明日に繋がるように
春の訪れを肌に感じて ゆるやかな坂道を自転車で上る
なんだか哀しい気持ちになるのは 誰のせいでもないけど
とりあえずこんなときでもこんなときだからこそ笑うんだ
forcesmile
forcesmile
咲かせましょう
咲かせましょう
涙降る大地に
笑顔という花を
咲かせましょう
咲かせましょう
forcesmile
forcesmile
ねえ笑ってよ
またひとつ山を越え
谷を越え 君は強くなれるから。
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眠れない夜よ
最悪な朝よ
立ちくらみするほど
熱い夕日の夕暮れよ
どうも ありがとう
少しの皮肉を添えて
愛を伝えよう
今を届けよう
世界は眠るだろう
宇宙は広がるだろう
海は波立つだろう
波は引くだろう
言葉は夕日のようにだんだんと沈むだろう
夜よ 僕を眠らせないつもりなのかい?
朝よ 僕を罠にはめる気なのかい?
夕暮れよ 僕に優しくいろというのかい?
全てが規則正しく
動くこの世界で
乱れた言動は
目立つ
逆らおうものなら
処罰されてさよならさ
でも僕は でも僕は
黙ったまま
舌打ちばかり繰り返すよ
反論もできないまま
世の中の理不尽にしてやられて
夜よ 朝よ 夕暮れよ
回り続ける母なる地球よ
僕の居場所はどこだい?
僕の定位置はどこだい?
家も持たない旅人も死ぬまで旅人じゃ疲れるんだ
だからそろそろ
誰かの愛やぬくもりが恋しくて 僕の男心がますますうずくよ
教えてよ
雨男を脱するには?
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淋しさがおしゃべりな人さえも黙らせる夕暮れ
真っ赤な空の下影を落として 帰り道を歩く僕の背中はあとからついてくる君にはどう見えてるのかな
哀愁ただよう 音色の中 会話さえ止まるほど 寒い夕暮れ
迫り来る夕闇が今日の思い出 全て 連れ去ってしまうよ
またひとつ僕の命は削られて
またひとつ君の命も削られて
ふしぎとそれをひときわ悲しく思う夕暮れに涙でにじんだ空がお月さまを映すまでにはそうは時間はかからなかったよ
あっという間に
暗くなったね
あっという間に
寝る時間だね
聞こえない
何も聞こえない
さよならなんて
言わないよ
振り返る道には
当然足跡さえ見えない
僕が歩いてる痕跡は老いてゆくこの身体だけが証です
夕闇に語りかけた
言い訳の数々
君は黙って見ていた
でも瞳は優しかった
なんとなく
なんとなく
いい日だと思ったよ
夕闇長唄 おやすみのかわりに受け取っておくれ
寝静まる街に
深い眠りに落ちた
人々の夢の中へ
流れてゆけ
優しい
優しいこの唄よ
途方もない旅の途中ではありますが
未完成の出来映えをごらんになってください
きっと きっと
少ないながらも確かなぬくもりがあなたを包むはず
包むはず。
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買ったばかりのカメラで何を撮ろうかな
少し値段は張ったけど 新品のカメラはとても素晴らしい
好きな人の笑顔を撮ろうかなとカメラ構え
レンズをのぞき込んだら そこには君の拗ねた顔が写ってた
カメラをのぞいて
いろんなものが レンズの丸い世界に
いつもとは違って見えるふしぎ
楽しいね
空を撮るのもいい
人を撮るのもいい
建物を撮るのもいい
花を撮るのもいい
自分撮るのもいい
三脚たてて
みんなで撮るのもいい
だけれど一番僕が撮りたいのは君なのさ
とびきりの笑顔たたえた君なのさ
ほら笑ってよ
撮りますよ
カメラを構えた僕は
君と頬すりあわせて
カメラのシャッター切った
まばたきしたから
もう一回
ピントずれたから
もう一回
何度でも何度でも
ふたりの思い出はシャッターを切るたび形になって増えてゆく
レンズの中の記憶がふたりの思い出になる
ほらファインダーのぞいてごらん
いろんなふたりが見えるから
ほらあなたもレンズをのぞいてごらん
いろんな思い出がよみがえるよ
このシャッター一回で時間を閉じ込める
楽しいことも
悲しいことも
カメラは形にする
ふたりの思い出をいくつでもこのカメラで撮ろうよ
アルバムにも入りきらないくらい
たくさんたくさん
盛りだくさん
この思い出カメラで
レンズ向けたら
笑ってくれよ
ハイチーズで
シャッター切るよ
準備はいいかい?
今一番の君を
撮ろうかな。
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完璧なんて言葉は嫌いだからさ
不器用に 愛したい
自分も あなたも
今朝飲んだ 濃縮還元100%のジュースみたいに濃すぎる愛は疲れるだけだ
だからだから
いつも同じ速さで
走るように
スピードを上げず
下げず 君を愛していたいから
大切なことはいつも
君がすべて教えてくれる
なんでもない出来事もまるで魔法のように輝いてゆく
あのね
聞いてくれるかな?
少し 遅咲きの桜のような告白をするよ
愛してる 君だけを
さっぱりとしてるかい?
でもこんなもんだよ
愛なんていつも
水みたいなもんだよ
ほら 気づかないあいだに人は傷つき人は喜び
今日も生きてる
明日も生きてる。
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独りぼっちの帰り道
今日あったいろんなこと思い出しながら
自転車漕いでる
空は誰の目から見てもきれいなあかね色
カラスも家に帰るんだね
お腹が空いたから
五時のチャイムが鳴ったから
黒い影を引きずるようにして 自転車にまたがった僕が風をきるように流れる景色の中を走る
あんな事や
こんな事が
あったような
なかったような
曖昧な記憶の中で
僕の笑顔や涙が
ありあり浮かぶ
今日も何事もなく
終わりますことを
たいへん幸せに思うとともに明日の平穏無事を祈りまして
おやすみの言葉にかえさせていただきます
長々としたそんな
えらそうな御託を並べた夜半過ぎ
言葉など要らないよ
いうまでもなく幸せだったのは
疑いようもなく明白だ
退屈感じるくらい平和だった今日もいい日だった
明日もいい日になりますように 僕は誰の幸せよりもまずは自分の幸せを祈る
まぶたが重くなって
眠気にたえきれなくなったら
気づいたころにはもう朝飯を食べてるね
なんにしても今日はもう終わりです
なにがあったかは知らないけど なにがあっても夜は来るので
しっかりと睡眠と食事をとって
明日にそなえましょう
今日があなたにとってどんな日になっても1日平和ならいいでしょう?
明日が僕にとってどんな日になっても必ず笑えるような場面があるでしょう
だから 大丈夫さ
落ち込むのもわかるけど 死ぬわけじゃないから あなたはあなたの歩き方で 夜になるまで 生きていけばそれでいいんじゃないのかい?
祈ってごらんよ
少しは気が晴れる
明日もいい日になりますように
流れ星に願いをたくして 今日のところは寝てやるか
そんなもんでいいんです
ざっくばらんに行きましょう
頭抱えて考えたって仕方ないさ
頑張った者にだけ訪れる 素晴らしい夜明けを目指して僕は
生きていくだけ
生きて行くんだ
あなたもどうですか?
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どんな悲しいことがあったって
見ているだけで滅入るような雨が降る日も
君となら
笑っていられる
はじめて生きてきて
本物の幸せに出会えた気がするから
少し遅いかもしれないけど
伝えたい
届けたい
熱いくらいのこの愛を
手を繋ぐことさえも恥ずかしかった
あの頃の僕はもういなくなったよ
今は少し たまにけんかして すれ違いが生じる日々があるとなんだかさみしくなる
そんな気持ちがあの頃のことを思い出させてくれるから
けんかする事も
わるくないね
全くないよりは
いいと思う
大切なのは君と過ごした時間じゃなくて
その長さでもなくて
きっとその中身なんだよ
どれだけ短い時間でも
素敵な思い出があれば人は忘れないから
だから君とこれから死ぬまで一緒にいれる この長い長い時間を無意味な時間にはしないよ
たくさんの思い出を
つくっていこうね
自信なんか ないよ
勇気なんか ないよ
自慢できることも
ない僕だけれど
君を愛することは
誰よりも 僕が一番だから
忘れないでね
君の傍にいるこの馬鹿な僕を
さみしくなったら
いつでも呼んでね
そのための僕なのさ
どんな悲しいことが
心の中に雨を降らせても なぜか笑っていられるのは君が傍にいるから
君となら
君となら
何が起きても
誰に傷つけられても
笑っていられるよ
強がりじゃないんだ
たったひとつの僕の自信と呼べるもの
宝物のように死ぬまで 抱きしめて
愛と名づけたそれを
大切に大切にしよう
そしてまた夜は訪れて 君の名前を呼ぶ僕がここにいて
返事をする 君がそこにいて
そんな毎日がのんびり続くだけ
ささいな出来事に揺れながら
時には贅沢もして
泣いて笑って
生きていこう
お日さまが昇れば
出かけて
お日さまが沈めば
飛んで 帰る
そんな日々をたらたら繰り返して
人生というパズルを組み立てる。