詩人:どるとる | [投票][編集] |
どこでもいいから行こうよって君が僕の手を引いて外に連れ出してくれた
田畑の水が 光に反射して爛々と光る
夜には花火をやった
線香花火が どちらが先に落ちるか競い合った
それは それは
小さな 奇跡の欠片
僕の胸に今も
刺さったまま
それは それは
夏がくれた 思い出
長い夢を見ていたような
気づいたときにはもう 手の届かない空の雲。
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公園通りの 木々を桜の花がかざる
ほら見てごらん風も ささやいている
写真を 撮ろう 今が思い出になるように
まばたきも惜しいくらい一分一秒を愛して
美術館に 飾られた
絵や彫刻のように
決まったテーマや 命題があるなら
まだもう少し 生きやすかった
でも それがないからどうとでも生きられる
君の瞳のその奥で今 散っていく
花びらが 頬をかすめて 恋にうつつを抜かす僕らを少しからかう
それが気恥ずかしくて 目を反らした 四月の街並みはどこか少し切なく 泣いているように見えたの
大好きな歌も 服の趣味も変わって
珈琲の銘柄も 苦いのを 好むようになった
少し遠くの街へ 電車に乗って 旅立つ
窓から見える景色は 僕に何かを伝えたがっている
値札の付いた 既製品になんて価値はない
目には見えない 気持ち程 大切な物はない
肝に命じていたいのは人を愛する喜びよりその隣にある痛みだ
春も終わりを告げた今 僕らは
どんなふうに 歩いていけばいいの
少し歩いただけで首筋に汗が伝う
夏の背中が もうそこまで見えている
もう 昨日のように僕は 振り返らない
涙を知らなかった頃より強い僕だから
ひらり ひらり
時の間を縫って
季節がめぐる
花びらの落ちる
速さでゆっくり
流れていく
君の瞳のその奥で今 散っていく
花びらが 頬をかすめて 恋にうつつを抜かす僕らを少しからかう
それが気恥ずかしくて 目を反らした 四月の街並みはどこか少し切なく 泣いているように見えたの。
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君を好きになって どれくらいの季節が過ぎたかな
窓の外に広がる 空は 日暮れて
茜雲 遠く浮かび 君を見下ろしている
人を好きになった時に 手にした喜びは
僕に切なさも 一緒に手渡した
人を好きになることの喜びと
人を好きになることの切なさの
その間で 迷って悩んで苦しんだ
今がいつか 僕にとってかけがえのない
思い出になるんだと信じている
だからこの恋は 叶わなくても好きな人に出会えただけで意味のある恋だ
車窓から見える 景色を 眺めては ため息吐いて
代わり映えのしない景色に 退屈している
あくびしてる猫 風に揺れる カーテン
人を 好きになった時に覚えた 愛しさは
余計な憎しみも僕に 植え付けた
人を 愛することの難しさと
人を愛することへの理想の
その間で右往左往する僕を 運命があざ笑う
君を知れば知るほどにわからなくなってくる 君がいる
そしてそれでもわかろうとする僕がいる
ありがとうと言うにはまだ少し早いな
身の丈に合った言葉で伝えたいこの思い
等身大の 気持ちっていまいちわからない
だから、僕は僕が思う愛を描くよ
まだ真っ白なこのキャンパスに 最初の一歩を刻む
人を好きになることの喜びと
人を好きになることの切なさの
その間で 迷って悩んで苦しんだ
今がいつか 僕にとってかけがえのない
思い出になるんだと信じている
だからこの恋は 叶わなくても好きな人に出会えただけで意味のある恋だ
たとえばさよならをする為の 出会いじゃない
この手を離すときが来ても
君を愛せたその喜びだけは 僕らを裏切らないから
僕らも その喜びと向き合っていく。
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この街の夜は とても静かすぎて些か寂しい
離れた君を思うと 今夜もまた眠れそうにない
一緒にいたときは気づかなかった
君の存在の大切さとか意味とか
今さら 気づいても手放したのは僕だから
ああこの寂しさは贅沢なわがままだね
ふとあなたを思うとき あなたも僕を思ってくれていたら
いいなと思う僕の気持ちが 誰かの気持ちとつながるとき
僕は少し 寂しさから 解き放たれて 優しくなれる気がする
もう二度と会えなくても どこかで笑ってると 信じてる
だから、返事なんてなくても
光の点滅で合図するモールス信号のように
暗い夜でも 僕がわかるように
ほかの誰でもない誰かにメッセージを送るよ
駅のホームで一人 電車を待っている その間だけの会話も
楽しすぎて いつまでも 時間も忘れて話し込んだ
また明日になれば会えるのに
小さな別れが とても寂しいのは
君と僕の距離が 昨日より近くなったからだよ
会えないぶん寂しさは募ってそんなときにかぎって 電話は 話し中
最近涙もろくなったのも優しさを知ったからかな
会えない寂しさと 会いたい気持ちが 僕の中で渦巻いてる
人を好きになって 手にした苦しさは 少し切ない 喜び
窓の外に泳ぐ 月に見とれている
帰り道二人で 手をつないで 足元を確かめながら
近づいたり離れたりする今の距離を 楽しみながら
時に 涙を流すのもまた 恋だと 思い知る
僕が君を思うこの気持ち 届いていますか?
届いているといいな
なんて 企みを胸にしのばせて。
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悲しみに出会ったなら 雨が降れば 傘を差すように
悲しいことより楽しかったことを
思い出して 悲しみを乗り越えていこう
狭い路地裏にも夜が降りてきて
猫の 鳴き声でさよならと 笑った
歩いていこう 泣きながらでもいい
笑えたなら なおいい
歩いていこう 怒りながらでもいい
愛されるばかりじゃなく
たまには誰かを
愛してみよう心から。
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僕がついた嘘のせいでどれだけ君が傷ついたのか
頭を冷やして 考えているよ 自販機に寄りかかって
見上げた夜空に 素知らぬ顔した星が流れていった
互いを思う気持ちが時にすれ違ったときに
いつもは簡単に通じあうはずの心が空回り
からまった糸のように結ぶのは簡単でもほどくのは至難の技
「ごめん」の一言さえ 言葉にならない
どうでもいいときはすぐ素直になるのになぜだろう
喧嘩したときむきになって強がってしまうんだ
本当は寂しくて仕方ないのに 嘘でも涙を流せたら
君を好きな気持ちが時に 行きすぎるあまりに
君に向けた愛が 裏返って憎しみに 姿を変える
僕は僕を嫌いになる
君を叩いたときの痛みはもう消えたけど
違う痛みが 手のひらを通して心に届く
雨に出会えば傘
陽射しには屋根
悲しみに 出会えば
涙ぬぐうハンカチ
優しさ探して
気づけば一人
寂しさに 嘘をつく
互いを思う気持ちが時にすれ違ったときに
いつもは簡単に通じあうはずの心が空回り
からまった糸のように結ぶのは簡単でもほどくのは至難の技
「ごめん」の一言さえ 言葉にならない。
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暗い夜の中でも 消えない光を探してる
開いた窓に落ちた星を手づかみにした
銀河を走る 列車に乗って 夢の世界へ
生まれ変わりたい気持ちを 走らせる
レールに乗って 僕は行くよ このまま
終わらない旅に出るんだ君と
瞳の中に 広がった僕だけの大宇宙
夢から夢が飛び出したような世界だ
背中に羽が生えて僕はふわり舞い上がる
こんなに星が夜空にはあるんだ
だからひとつくらい夢だってつかめる
そう信じた瞬間から僕の旅は始まった
夜空はさしずめ高価なプラネタリウム
星と星をつなげている見えない道がある
天の川を走る列車に乗って行くよこのまま
行き先を変更 太陽系をワープする
自転車に乗って 小高い山の 頂へ
そこから見える星をひとりじめだ
出来れば風呂敷に詰めて持ち帰りたい
でも手を伸ばしても背伸びしても届かない
だから、僕は地上にある星を探しに行く
その瞬間から僕の旅はやっと始まった
遠い昔に読んだ小説の 一説を思い出す
あれなんだっけな
忘れてしまったよ
でも いつか思い出せるだろうなんて
笑ってる 帰り道
見上げた夜空に一番星を見つけた
明日は晴れるかな
瞳の中に 広がった僕だけの大宇宙
夢から夢が飛び出したような世界だ
背中に羽が生えて僕はふわり舞い上がる
こんなに星が夜空にはあるんだ
だからひとつくらい夢だってつかめる
そう信じた瞬間から僕の旅は始まった。
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遠く離れた 人の心を思いながら涙ぐむ
その時流れた涙は優しい色をしている
お元気ですか?お変わりないですか?
こちらは毎日暑い日々が続きますが
お体など どうかこわさないでください
君が送ってくれた手紙と 季節の花の押し花
僕は何を送ろうか考えているよ
君が笑ってくれるものを 選びたいな
遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように
今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの
旅立っていく 風の行方を 訪ねることもしないまま黙ってその背中を見送る
季節の変わり目なので風邪など牽かないで
君のこと心配しだしたらきりがない
自分のことを後回しで人を心配するから
この街の 中で築いた 人の輪と 手にしたいくつかの思い出を束ねて 花束にして贈りたい
写真を送るよ カメラマンが下手だけど
いつか夢を語りあったあの夜のように
まだ見ぬ未来に描いた想像を
ただの想像の域でとどめずに今も
追いかけてるのは 僕も君も同じだよ
君を思うとき笑ってくれてたらいいな
僕も 笑ってるから同じ気持ちになりたい
そして 離ればなれの二人の気持ちがある瞬間に重なればいい
アンテナ伸ばしていくよ 君に向かって
この心が 君の声を聞き逃さないように
耳をすまして目を閉じて 深く沈み込むイメージの水底へ
遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように
今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの。
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悲しくて 仕方ないとき必ず誰かがそばにいる
みんながそんな 思いやり持てたなら
この世界は 明日からでも平和になる
どうしてだろう 君の涙を見た時に
痛みなんて 伝わるはずもないのに
胸が苦しくなった
人は 自分以外の人の痛みはわからない
でも心があるから 感じることはできなくても わかろうとすることなら出来る
君のほほに ひとすじの涙が伝ったら
僕がその涙をぬぐうハンカチになろう
君が 一日も早く笑えるように
その悲しみをどう片付けていくか
一緒になって 考えていこう
鉢植えの底に穴が空いてるのは
水を逃がすため 花が水を飲みすぎて腐らないためだよ
たとえば僕ら人間も同じ理屈で
悲しみばかりでも生きるのは辛い
喜びばかりでもつまらない
あなたを思いながら 夜空の星を数えて
名前も知らない星と星を つなげて自分だけの星座をつくる
君のほほに ひとすじの涙が伝ったら
僕がその涙をぬぐうハンカチになろう
君が 一日も早く笑えるように
その悲しみをどう片付けていくか
一緒になって 考えていこう
皿の上に盛られた料理を 主役にするのは
皿が輝いているから
ほら、君も命を輝かせるために
涙をたくさん受け止めて
命を輝かせていく。
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いつもの帰り道 歩道橋にさしかかり
ほら 夕日が沈むところだよ
赤い夕日に照らされた街並みが見えた
なぜか僕は 泣きたくなってしまうよ
優しい オレンジ色が心さえ染めるから
あの空と同じ色になった僕の心が泣き出す
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
この街は誰かを待っている顔で笑うから
僕まで 笑顔になってしまう
夜が来る前に 喧嘩したこと謝らなきゃ
また昨日のように 君と笑いあいたい
翼を休めていた鳥が羽ばたいていく 巣に帰るのかな
僕も家に帰りたくなってしまう
離ればなれでも 互いを思う気持ちで 結ばれている
寂しくなったときは君を思い出すんだ
笑った顔が まぶたの裏にぼんやりと浮かぶよ
ただいまを言う準備は整っている
この街はまるで 誰かを待っているみたい
ドアを開けていつものように
ただいまって笑うあなたや
おかえりって迎えるあなたを
結んでる 見えない絆がある
そこに生まれる気持ちを人は幸せと 呼ぶのだろう
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
肩まで浸かって 吐き出す感嘆のため息
白い湯気になって 天井に上って消えた
「僕は幸せ者だ」