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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[2289] ちんぼつ
詩人:どるとる [投票][編集]


しずんでいくのさ
深く澱んだ闇の中へ
言葉はもういらない

ネットの海で
たたかれて
たたかれて
傷だらけの僕のうたは死骸だから
文字通りネットの墓場へ葬る

はじめてやろうか
僕の擬似葬式

言葉は死んだ
僕は死んだ
詩人は死んだ

ならば
僕の今までのうたは全て死人の創作物か

寄ってらっしゃい
観てらっしゃい

僕の命の詩

誰かが踏みつけた
足跡つきのうたたちを

しずんでもしずんでも這い上がってくるのさ

沈められたときよりずっと輝いて
沈められたときよりずっと美しくなって

沈没した船の中の財宝みたいに

時を経て蘇るんだ

誰の詩より
どんな詩人が描く世界より

素晴らしいうたになって

でもきこえないんだ

僕の奏でるうたは無音のメロディだから

でもきいてください
心で 感じてください

耳をすませばきこえるはず 深い深い海の底から

屍となってもまだ生きたいと願ううたたちの声が

きこえない声でうたっている。

2011/01/01 (Sat)

[2288] 平均台の上に乗って
詩人:どるとる [投票][編集]


透き通った
景色の向こうに
何が見えますか?
嘘はつけないね
全てが明るみになるなら

心のバランスを保つのは思うより難しいんだ

平均台の上に乗って
まっすぐ落ちずに
渡りきるように

引かれた線を歩くのもいろんな障害がある

楽な道なんてない
どこを通ろうとも
かならず谷があり
山があるんだよ

所詮この世界は
まやかしの世界
鮮やかな今日も
明日には幻

現実だったのかもあやしいんだ

それでもまた僕は平均台の上で落ちそうで落ちない
不安定なようで安定した日々を暮らしてるんだ

はるか向こうに輝くゴールもまた幻だろう

平均台はまだまだ長い

それでも僕は進む
向かい風にあおられても根性の悪さを武器にもがいてあがいて

我が道を断固進む。

2011/01/01 (Sat)

[2287] 嘘のあじ
詩人:どるとる [投票][編集]


僕のつく嘘は
誰も救えない
誰も助けられない

所詮、この世は本当のことだけじゃ生きていけないから嘘が必要だけど
やっぱり本当のことがなければわからないことがある

たとえば嘘つくなら
誰かを助けられたり
誰かを救える嘘をつきたいんだ

どうせバレる嘘をついても 無駄なら
僕は本当のことだけ言うよ

嘘だけで会話するのは簡単かい?
でも本当のことだけで会話するのは
話したくないこともあるから嘘がなけりゃごまかしさえもきかない

嘘は本当を隠すためにあるけど隠しちゃいけない本当のこともあるから
なんでも隠せるのが嘘だけど
嘘は本当は本当をかばうためにあるんだ

だから嘘だけじゃ
誰も救えない
誰も助けられない

嘘は本当のことがあってはじめて
誰かの為になる
そして
本当は嘘があってはじめて
誰かに伝わる

だから嘘も本当も
人には必要なんだ

嘘と本当を混ぜ合わせた答えが一番正確なんだ

嘘の中の甘さと
本当の中の苦さを
重ね合わせた言葉で
誰かを救えたら
誰かを助けられたら
それは素晴らしいね

嘘と嘘を合わせても嘘にしかならないけど嘘と本当を合わせればマイルドな答えになる

伝えたいのはそんな嘘のような本当のような曖昧な答え

わかるようでわからない
そのもどかしさが僕は好きだ。

2011/01/01 (Sat)

[2286] 名もない唄
詩人:どるとる [投票][編集]


くだらないことで
いら立って
ばからしいことで
すぐカッとなって

蹴り飛ばした
雑誌の山
片付ける姿
鏡にうつるたびに
ため息

薄汚れた窓の外には 赤い夕日が 誰かが奏でるピアノで より切なく見えたよ かといって涙は流れない

人の痛みをわかる人になれと 教わったはずなのに平気で誰かを今日も言葉で傷つけて
あとから悔やんで
結局バカをみる

静かすぎる夜だ
好きなコーヒーさえ不味くてのめたもんじゃないや
明日は晴れるらしいが僕の心はこのままゆけば高確率で雨だろうね

名もない花に名前をつけて
名もない場所に名前をつけて
名もない風に名前をつけて
名もない命に名前をつけて

僕はそうやって
名前のないものに片っ端から名前をつける

そして自分にちゃんとした名前をつけようとするのに
名前が思いうかばない

親がつけてくれた名前はあるのに
僕は何者なんだ?

自分がわからないよ

僕は誰ですか?
ご存じですか?

名もない唄をうたいながら僕は生きてゆく

このふき畑に囲まれた田舎で
名もない唄をうたいながら一人生きてゆく。

2011/01/01 (Sat)

[2285] 最後の光
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あてどない旅だ
行き先なんか知らない
明日の予定など
面倒だからわざわざ立てない

雲行きはいつも
あやしいけれど
いちいちこわがりもせずに
僕は今と向き合ってつもりだよ

手のひらで隠した
悲しみの大きさは手のひらの隙間からこぼれる
隠しきれない涙が克明に物語る

宛のない航路
気まぐれに進路を変えてはまた逆戻り

白い帆は少しずつ
時を重ねるごとに汚れてゆく

そして

孤独という名前の宇宙の中で僕は叫びつづけるのさ
救いなどという大げさなものじゃないけど
僕にしかわからない痛みがはたして君にわかるのかな
でも君が見せてくれる優しい笑顔は僕の最後の光

どんな闇に手招きされても 君に照らされてるから
僕は生きてる

夢も理想も 愛もぬくもりも正直くだらないものと思っていた

だけれど君に出会ってから少しはわかった
不器用だけど
少しずつ笑えるようになった

それはおごそかに
ひどく繊細に
僕の心を揺り動かす未知なる光

この僕の瞳にうつる景色と君の瞳にうつる景色の相違点と共通点を探す日々
永遠であれ
答えなんか見つからないでも構わない
このまま曖昧に
僕らは愛し合うだけ

窓の外に広がる夜を
見つめていると飛び立ちたくなる
君は夢の中で
僕と大空を羽ばたく鳥になるのさ

暗闇に閉ざされた宇宙はやがてひとつの出口を僕に示した
永遠なんて僕だってないものだってわかってるけど君といるとそんな概念さえ
どうでもよくなって
永遠でも一緒にいたい そう思える
そんな気持ちにしてくれた君は僕の全てだ

先のことなんかわからない
いつ
どこで
気が変わるかもわからない
でも君を傷つけることはどんな罪より重いから
多分僕は君と死ぬまで一緒にいるよ

立ち止まる風の中
夜はどこまでも透き通って僕の嘘さえ見通すよ
嘘なんかつけないね

僕も君の光になれたならいいな

ささやかな愛の唄。

2011/01/01 (Sat)

[2284] 人生のかえりみち
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昨日から帰ってきました 今日という家まで
遠い過去から帰ってきました 現在という家まで

こうして目を閉じるとまぶたの裏に浮かび上がる 思い出という記憶が光る

どこからの帰り道だろう?
僕はいつか帰路をたどります
死という名のはじまりの旅へ旅立ちますす

それはすなわち人生のかえりみち

誰もがたどる道です

さあ帰ろう
今日も帰ろう

悲しみはあるけど
いらない心配は
道端に置き去りにして

さあ帰ろう
家に帰ろう

先のことよりも
今を見つめるのだ

それはすなわち生きるコツです

さあ行こう
帰ろう

人生から
人生へと
今日から明日へ飛び移るように

僕は行っては帰る
旅の途中。

2011/01/01 (Sat)

[2283] 見えるものだけが僕の全て
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この広い世界のどこかにこんな僕でも
愛してくれる誰かがいるのだとしたら
それを思うとどんな人なのか気になるんだよ

希望を持てといわれても期待すらももてないほど
歳を食った僕です

ここには昔
たとえば海があったと聞かされても
僕にはただの昔話

想像力の欠如
僕には見えもしない希望は描けない
見えるものだけが僕の全て

出会えるかな
出会えないかな

愛せるかな
愛せないかな

見えないものに期待しても仕方ないけど
夢見てみよう

誰かのごきげんうかがいほどくだらないものはないけど
もう少し待ってみよう

見えないけど見えるものより素晴らしい明日。

2011/01/01 (Sat)

[2282] 僕の恋人
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愛想笑いが得意なんだね?君は
でも愛想笑いってあまりいい笑顔じゃないから

愛想笑いも必要だけど
やっぱり君には君らしく 素直に笑ってほしい

心からウキウキできる笑顔じゃなければ楽しくない
だから本当の笑顔を見せてよ
本当の笑顔で笑ってほしいんだよ

心の中のピエロに言おう
楽しいときは出てこないでねって
あなたの出番は泣きそうなとき辛いときだけだよ

心の中のピエロはなおも笑ってる
泣けないピエロの精一杯の受け答えだよ
ピエロは笑ってるけど心では泣いてくれてるんだ
僕は知ってるんだ
君の優しさ

大好きなあなたは
ピエロのような人
いつも笑ってる
でも愛想笑いじゃない

強がらないで ピエロ
泣きたいときは泣いてよ ピエロ
そしたら僕も泣けないよ
ピエロ 笑ってるけど本当は泣きたいこと
僕が一番わかってる

夕暮れの街
影をふたつ落として
土手を歩く君と僕
風船を持った君が
風船を僕に差し出すとき何よりあなたの笑顔が輝いて見えたよ

弱いくせにつよがりなあなたはまるでピエロ

泣かないんじゃない
泣けないんだろう?
泣き虫なくせに優しいから 僕のこと思ってるから

君はピエロになったのかい?

それなら今日も
君の隣で
けっして形にならない君の悲しみを聞こうじゃないか
君のその胸の中の本当の顔を僕に見せて
愛想笑いじゃない
君のよくできた
そのピエロの化粧を落としたときの 素顔を

僕の恋人は泣き虫なくせにつよがりなピエロです
でも、とてもかわいい人です

ずっとずっと
ずっと

傍にいてね
僕の恋人

命尽きるその日まで

つよがりな君も泣き虫な君も君の全てを愛すから

僕の全てを君に捧げよう 教えてあげましょう

長い長い時間の中で
君は少しずつ素直に笑えるようになるさ。

2011/01/01 (Sat)

[2281] どうして素直になれないんだろう
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ほんとに寒い季節だ
それはみんな知ってるね
君の白い柔肌をもろに突き刺す
北風が心も凍らせれば 自然に僕らの心も冷えていく

あたたかい春を待つように窓を開けて確かめてみては
どこまでも終わりがなさそうな日々にため息をついてる
落ち葉を踏みしめて
口笛を吹き鳴らして
後ろ手に隠したプレゼントを渡せずに
もう三度目の冬

テレビの中にも答えはない
ラジオを聴いてもわからない
大切なものは
けっして見えないものだから

何度ケンカしても
何度食い違っても
一緒にいたい
そう思う気持ちがあったから

どうして僕らは
今でも一緒にいるの?
それはきっと傷つけあうことの愚かさに気づき あとから心に傷を負ったから
わかったんだ
それでもわからないことは曖昧な理由でごまかしてきたけど
今日もここにいる
僕らはここにいる

それでも残る疑問があるよ

どうして素直になれないんだろう?

こんなにも
こんなにも
大好きなのに
大切なのに
僕らは何度
ケンカしても
学ばないな
学べないな

素直じゃないといわれればそれまでだけど素直になれないから見えない互いの心のうちをさぐり合うことができる

素直になれないぶんだけ 互いを知ろうとするんだ

だから、僕らはうまくやっていけるんだね

君のことならなんでも知ってるつもりでいるけど
何も知らない僕が今もいるから
明日も僕の知らない君を探すためにケンカするよ

心と心を闘わせて
心と心で会話して。

2011/01/01 (Sat)

[2280] 素晴らしい世界
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悲しいことがあるからね死にたくなるこの世界
うれしいことがあるからね生きていけるこの世界

悲しみの数ほど
喜びはあるから

それだけ
素晴らしいこの世界

辛いことがあるからね弱音を吐いてしまう日々
報われることもあるからね立ち上がれる日々

辛いことこえれば
雨上がり 虹が架かる

それだけ
素晴らしいこの世界

それだけ
素晴らしいこの世界

生まれて良かった
生まれなきゃ良かった

結局その繰り返しだけどやっぱり

生きることは死ぬことより素晴らしい

そう思う僕がいる

悲しみだって
それを教えてくれる
ひとつの生きるあかし。

2010/12/31 (Fri)
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