詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつでも僕には帰る場所がある
あたたかく迎えてくれる家族がいて
雨風しのげる素敵な素敵な家と部屋がある
帰る場所が人には必要だから
幸せを絵に描いたら多分こんな感じだろう
優しくて
あたたかい
帰る場所
今日も悲しくても
家に帰る
明日も嬉しくても
家に帰る
悲しいからとか
嬉しいからとか
関係なくて
ただ帰りたいから
帰るんだ
帰る場所はひとつだけ
僕を受け入れてくれる場所はひとつだけ
世界中でここだけさ
さあ今日も家に帰ろう
疲れ果てた夜も
遊び疲れた夜も
ドアを開ければ光あふれる
そこは僕の帰るべき場所
そしていつか大人になって巣立つべき場所へと変わる場所。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
季節は川を流れゆく
笹舟のように
おだやかな時もあれば
激しい波に揺れる時もある
次の季節を待ってる
冬の寒さが少しずつ優しくなってゆく
僕らは生きてきた数より多くの思い出を知ってる
ゆらゆらと流れる
川のせせらぎに
あわせて リズムをとりゃ世界も踊る
ゆらゆらと夜も朝も
僕は右へ左へ
揺れて。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
誰に嫌われたっていいさ
誰に避けられたっていいさ
痛くも痒くもないんだよ
自分が思ってるよりも僕はどうやら
寂しがりなようで
強がりなようで
自分が思ってたよりも僕はどうやら
そう見えるようで
そう感じるようで
僕が思っていた
自分ってものは
実像の影に隠れた
虚像だったんだね
きっと
人は人が思うより
誰かに愛されたくて
誰かを愛したくて
そしてきっと
人は人が思うより
誰かを守りたくて
誰かを抱きしめたくて
強がるのも
意地を張るのも
全ては誰かに愛されたいためのつまらない演技
本当は思うほど
僕は悪くなんかなく
僕は醜くなんかなく
きっときっと
本当は思うほど
僕は笑えてなくて
僕は嬉しくなくて
悲しくないわけが
ないんだよ
泣きたくないわけが
ないんだよ
人だったから
僕は人だから
悲しさを
隠せるけど
隠しきれないのも
また人だから
涙は自ずと流れるのさ
孤独を抱えた
少年の心に
宿る大きな闇が
ブラックホールのように出口のない世界を虐げた
光は闇に喰われ
一日中心は
夜のような気持ち
もはや人の痛みさえ
わからなくなったよ
もはや人の心さえ
なくしかけているよ
孤独の宇宙はひろがる
星さえ輝かない
真っ暗な空
喜びさえ入れない
空虚な日々
終わりを
待っている
思うより
悲しくて
思うより
繕えない
涙が僕の最後の光
孤独に押し込まれた僕の決死のSOSはまばゆい世界に届くかな?
詩人:どるとる | [投票][編集] |
今、僕は何をすればいいんだろう?
数えきれない星がまたたく夜に
ぽっかりと空いた
心の中の穴
すきま風が冷たい
ナスベキコトを
いつでもしたい
ナスベキコトを
いつもできたらいい
僕は余計なことばかり無意味に繰り返し
僕はバカな自分を愚かにさらけ出して
いつも失敗してる
ナスベキコトさえ
していればいいのに
いつも
白線をはみ出す心
心よりからだが
前に出る
不器用な不器用な僕だから失うものはきわめて多く得るもの数えりゃきわめて少ない。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
誰かを殺めることも
誰かを守ることも
考えてみれば紙一重
復讐は誰かのためでも誰かを殺す事だから
僕には誰かを殺したり傷つけたりする動機なんてないから
今のところ
潔白だけど
人には誰にもあるのです 悪魔の脳みそ
人は誰も人を殺められるのです その気になればなんでもできる
だけれど人はもともと正しさを中心に生きる生き物でためらう心を持ってるから
弱さがあるから
人を守れるんだ
だからこそ僕の悪魔の脳みそは眠りの中で天使の脳みそは誰かを助けたがる
悪魔のような人は
人じゃないさ
人を人と思わないような人は人には思われない
人じゃなく
化け物だ
覚悟があるなら
悪魔を宿すがいい
それを罪と思わなくなったら、その人は死んだね。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
他人の心が見えないのは幸せでもある
だけれど見えないことで争いは起こる
他人の心がもし見えたなら戦争はなくなり平和が訪れるのかな
その保証はどこにも無い
きっと他人の心が見えて争いはなくなるとしたら
かわりに人のプライベートがおかされ
落ち着ける場所さえなくなった世界は
孤独と恐怖と不安に包まれるね
だから他人の心が見えないように神様が遠い昔 僕らの瞳に細工したんだよ
僕らが見えるものは
限られたものだけだ
それは目の前にある景色だったり人だったりするんだ
それだけ見えていれば見えないものは見えないままで
幸せだと神様は思ったんだろうな
だけれどたまに考える
心がもしも見えたなら救われた命はどれだけあって死ななくていい人がどれだけいたかと考えてしまう
それでも見えないものがなければ人はきっと壊れてしまう
人には見えないものがあるから人は壊れずに見えるものだけ
見える範囲で
幸せ見つけるんだね
目には見えないもの
目で見えるもの
そのふたつの仕切りが外れたなら
神様はこの世界を滅ぼす悪魔だっただろう
だけれど神様は優しかったようだ
知恵を働かせて
神様は最善の策を練っただろう
そしてこの世界は
争いはやまないもののそれぞれがそれぞれに考える脳みそを与えて
それぞれがそれぞれに考える猶予を与えたんだ
それを破ろうものならきっと幸せなんて有り得ないんだろう
だからこそ
僕らは誰かを思い
誰かの心を
見えないながらも
さぐり合おうと
頭ひねり
分かち合おうと
距離を保ち
やがて手を繋ぐんだ
平和は人の心の奥に埋もれてるだけ
そろそろ考える年頃だろう
見えないものも
やがて
見えてくるさ
多分みんな
平和望んでる
見えるものの範囲で考えたら見えないものさえも見えてくる気がする
たとえば涙する
愛する君の心も
たとえばうつむく
愛しい我が子の心も。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉は嘘つきさ
どんな真実も
簡単にねじ曲げられる
態度で示しても
疑われる世界
愛されるすべをなくし
愛するすべをなくした
この世界では
嘘こそが真なのか
なぜ、そんなに
頑なに良い人をつらぬくの?
誰かが言った
そんな一言
良い人になんかなりたくない
ただ僕は嘘が嫌いなだけなんだ
だから良い人みたいに思われてるんだよ
僕なんか良い人じゃない
僕なんか愛される資格もないし
人を愛する資格もない
愚か者さ
まかり通ってしまえばそれは嘘ではなく
真実よりも真実味を帯びた真実以上の真意なんだ
ロマンス散りばめりゃ きれいごとばかり
こぼしちまうけど
僕はやっぱり
嘘は嫌いだ
だから嘘つきも嫌いだ
もう一度だけ言うが
僕は良い人なんかじゃない
嘘以外なら
どんなわるいこともしてきたし
これからもするつもりだ
罪さえ隠さないよ
逃げも隠れもしない
でも嘘をつけない分だけ 何かを失うだろう
嘘のない愛も
嘘のない夢も
有り得ない世界で
嘘をつかずに
どこまで
本当の気持ちを
唄っていけるかな
詩人たちの本音が
錆びていくその時
正直者は嘘つきになり嘘つきはさらに嘘つきになる
巧妙な嘘で真実さえ
隠してしまう
黒いビロードのように正直者は深く傷つくだろう
正直者の唄も
嘘つきにかかれば
嘘の愛がまかり通り
嘘の世界が築かれる
でも僕は正直者だから醜さも本音も隠せない
嘘つきよりも嘘つきさ
正直者のはずなのに
正直者でいようとすればするほど嘘臭くなっていく僕の唄
疑わしくなる僕の言葉
正直な心だけでは
見えない真実があるならば嘘だって十分真実なのだろうか
今もって解らないことなんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
笑えるかい?
悲しくても
いきなり無理な注文さ
笑えたかい?
まだだよ
演技で泣くのは難しいけど笑うのも難しい
愛想笑いという名前のふざけたスマイルを浮かべてる僕はまるでおかしなピエロ
この世界はまるで
サーカス小屋のように僕らを縛り付けるよ
どこかおかしなルールで
正しさをいつまでも謳いながらも
どこかおかしな
世界さ
人の中にある闇が
そうさせてるのかな
だとしたら
僕に笑顔を無理やり
強要する見えない
聴こえない人の声は
幻だけど
決まりじゃないのに
泣きたいとき
泣けなくて
笑いたいとき
笑えなくて
素直な気持ち
隠してしまって
素直に正直に
笑えない
泣けない
ピエロそのままさ
お客さんのような
社会のお偉いさんに
拍手と賛同を得るため今日も僕は僕を押し殺して
「僕よりも誰か」
「自分より他人」
そんなルールの中をいやいや笑いながら歩いてる
でもね わかってほしいな そろそろ
顔では笑っていても
心では泣いていることを
あたりまえな話さ
人のために
自分が泣いて
それなのに
表情ねじ曲げて
笑ってるなんて
悲しすぎるじゃないか
ピエロのなみだは今日もピエロ自身が笑顔でもみ消してる
でもねわかってほしいのは だからさ
お客さんのような
社会のお偉いさんに
拍手と賛同を得るため今日も僕は僕を押し殺して
「僕よりも誰か」
「自分より他人」
そんなルールの中をいやいや笑いながら歩いてる
顔では喜んでても
心では悲しんでるんだ
ピエロは泣かない
だけれど残念なことに僕は人間だ
だから泣かせてよ…
あなた達も人なら…。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉をなくした詩人は声をなくしたカナリアのように
枯れ果てたのどを悲しくふるわせて
救いの声をしぼりだそうと今夜も鳴いている
窓の外には雪が降り積もって
誰かの声が聴こえる
もしも願い事がひとつだけ 叶うとしたら
僕の願い事はひとつだけ それは
また唄いたい 変わらない唄声で
のどを鳴らして
言葉をなくした詩人は詩人じゃないけど
人だから痛みは本物です
胸に突き刺さった
見えない錨を 抜いてくれたのは
出発の合図をくれた君だった
さあ また語っていこう 夜を抜け出して
朝へと飛び立っていこう
その挽カナリアの唄が街中をやさしく包んだ
カナリアはもうここには戻らない
虹色の翼
空の彼方へ
消えていく
だんだん
小さくなって
やがて消える
だけど僕の胸の中にはまだ 忘れ得ぬあの唄声が絶えず聞こえてる
聞く者の心を洗う唄が。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
今はもう小指さえも
届かないくらい遠い場所へ消えた面影
僕がこの世界で多分誰よりも愛していた人はもう会えない
遅れた分の時間ならば遅れた分だけ急げば間に合うけれど
なくした愛はどんなに急いでも走っても戻らない
ロスした分の寂しさだけが 名前のない駅へと思いを連れ去る
僕はありもしない奇跡を待ちながら
夜空に流れた星に祈るんだ
君にもう一度会いたいのさ
ただそれだけの気持ちなのに
もう二度と叶わない願いさ
ロスした分だけ心は届かない時間を追いかけようとしている
ロスタイムラン
それは幻を
追いかける旅。