詩人:どるとる | [投票][編集] |
予言は予報をこえられないのです
予報は当たるのは高確率だけど
予言はまったくわからない
虚構の世界は
否応なく
滅びゆき
やがて
実像の世界が
縫い込まれる
ほころびの上に
僕らは単なる偶然の上を歩く やがては散りゆく 一枚の枯れ葉
かすかな風にさえ怯え 日々を暮らすのさ
徒然なるままに
僕は生きていく
そして胸糞わるい
世界は滅びゆく
あとに残るのは
お気に召された
見目美しい景色だけ
さあ 描こう
幸せなだけの物語
涙はもう必要ないさ
これからはただ
笑っていればいい。
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愛しさが膨らみすぎると
ろくなことはないよ
愛情は行き過ぎると
憎しみに変わる
誰かに嫉妬して
妬んだりもする
愛情ってのは表面上じゃ素敵なものだけど 深すぎるのも考えものだね
それは子供に向けての愛情でも彼や彼女に向けた愛情でも同じことがいえる
あなたは彼女を愛して
私は彼を愛してる
だからそこには
いっさいの裏切りは無いものなのさ
だから愛情は
簡単に憎しみに変わる
愛情の裏には
いつも憎しみがある
愛し合う
二人のあいだには
境目はない
でもいつでも
抜け出せるよ
憎まれるのを
恐れなければ。
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そんな感じの人生でいいよ
そんな生き方で一向に構わないよ
僕は全然いいよ
時計仕掛けの夜がまたもや動き出して
カチカチと時を刻む銀の針の音がやんだら
夢はまた始まるのさ
それは何かの魔法かい?
それとも何かの呪文かい?
僕は君に夢中さ
それは何かの魔法かい?
それとも何かの呪文かい?
なぜだか君から目が離せないよ
君はこの世界でいちばんはじめに僕が好きになった人だから
花束あげよう
おそらくねまだ僕の人生は長いけどね
君ほど好きになる人なんていないと思うから
受け取って
そして
受け止めて
僕は君に恋をしたから
はじめてのキスを君にあげよう
強がりと意地の張り合い その中間の微妙な関係がいちばんドキドキするんだよ
さあ 今 二人で
唱えよう
恋の呪文を
唱えた瞬間
幸せになれる
魔法を
せーので言おうね
「愛してる」って
今時クサイかい?
でもマジなとこが
憎めないだろう?
それが恋の魔法さ。
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途方もなく 終わりのない悲しみに
いつやむともわからない 冷たい雨に
降られる夜は 涙さえ凍りついて流れない
僕は今 何をすべきだろうか
何もしないべきなのか
目の前が真っ白で
何ひとつ確かなものなんて見えやしないのさ
助けてなんて言えるはずもないだろう
今まで散々 ひとりぼっちで走ってきたんだから
太陽に背中に向けて
暗闇におびえている
真夜中に
ベットに横たわり
天の国に救いの唄
ささげる夜は
生きていく自信がなくなったあとでも
人は案外生きてしまうものなんだな
死ぬのはやっぱりこわいから 生きるしかないんだな
答はいつも 決まっていて 用意された道をまっすぐ歩いていくことだけだ
空は曇り 光は見えない
希望なんて死に絶えた世界
それでも 生きていくと決めたから
僕は明日も生きていくよ
泣きながら 傷つきながらも歩き続けるさ
見えない雨に濡れて
ずぶ濡れの心
今にも死にそうさ
でも死なないさ
きりもなく
流れるのさ
見えない雨に濡れている僕は
きりもなく
泣くのです
見えない雨に濡れている人は
人は いつまでも
雨音に遮られた
救いの声は
神様のお耳には
届くことなく
かき消されて。
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カッコ悪い人生を精一杯やり遂げる
それが僕の生き方です
何気ないいつもの朝に僕は紅茶を飲みパンを食べてる
そんな瞬間でさえ
夢を見てる
僕の人生は無意味なんかじゃないから
誰も笑えない
僕の頑張りや
努力を
見えない翼を今
大きく広げて僕は
青く澄み切った
空を飛ぶのさ
アイデアひとつで
切り開かれていく未来
僕はさみしくないよ
持てる全ての輝きを
踏み出す力に変えて
今、新しい世界の扉を開ける
誰も僕の人生に口を出すな
ひとりの夜も
迷い悩む朝も
僕は強がりながらも
前に進んでるんだ
使い古された
心のエンジンを蒸かして走り出すよ
見えない翼を今
大きく広げて僕は
青く澄み切った
空を飛ぶのさ
未来に期待したって
いいだろう?
僕の勝手だろう?
不安がったって仕方ないだろう?
それよか笑おうぜ。
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この胸の中
燃えている
熱い気持ち
それはまるで
世にいう恋心はるか昔の話
朝と夜を繰り返し
輝く星を数えて
カレンダーを何枚となく捲って
君の笑顔を見つけたよ
今日も昼下がり
君の涙を見つけたよ
今日の夜半過ぎ
僕にゃどうすることもできないのさ
だって僕と君は
なんの関わり合いもない他人だから
たとえ君が死んでも
知り合いぶって葬式さえ出れない
ただ悲しく思うだけだよ
僕は君のことが
多分好きだけど
伝えないさ
届けないさ
だって僕と君は
他人以上の関係にはなれないと思うから
これは冷静で冷酷な愛の物語
互いが互いを知らないことで
死を悲しむこともなく
互いの幸せを思うこともない
そんな物語
僕はあなたがすごく好きだと思うけど
あなたがどこでいつ死んでもいいとさえ思うんだ
さよなら
手向けの花を
捧げることもできないけど涙は流れるだろう
素直になれない
国に生まれたから
そんな言い訳を
いつまでも繰り返して 君の死を現実から遠ざける日々
定期入れの中に
はさんだ君の写真は今も僕のポケットの中にある。
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始まりは突然訪れたんだよ
僕が生まれたこの街の中で
目を開いたらそこはまばゆい世界だった
この街にゃどうやら昼と夜があり
大人は働かなきゃ金ももらえない
悲しくても
さびしくても
人は今日も
1日が始まりゃ
働き
そして日が暮れりゃ
静かに家に帰る
もう何度も繰り返した
過ちも失敗も
明日になれば帳消し
始まりと終わりを絶えず繰り返すこの街には最初から時間の概念なんてあるようで無かったようで
今日もただ
血眼で
働き続ける街
そして夜は来て
人は眠るだけ
生まれたことを
今更悔やんでも
遅いね 遅いね
神様を怨んでも
運命を呪っても
始まりはとうに過ぎ
僕はあとは終わるのを待つだけだ。
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この世界でいちばん
安全な場所はどこですか?
この世界でいちばん
住みよい場所はどこですか?
そんなことを聞かれても
僕にはこの街以外わからない
この世界でいちばん
素敵な街はどこですか?
この世界でいちばん空気のきれいなとこはどこですか?
それは僕の街です
僕の街しか知らない
僕にはここしかわからない
空気もそれなりにきれいだし
自然もたくさんある
そして何より人は優しくて仕事もたくさんあるから
きっとここがいちばんいい街です
そんな悲しい嘘は見え見えさ
見ればわかるだろう?
ここはあなたが求めるような街じゃない
微笑みも無ければ
涙も流れない
空虚だけがただよう
忘れ去られた街さ
旅人よ
この街には
あなたの知る幸福は無い
あなたを癒やす花は無い
顔は仮面で隠せても
心までは隠さない
君は何者なの?
僕の生まれた街は
大好きだけど
全部が好きってわけじゃないのさ
だから旅に出る
まだ知らない場所へ
僕の知らない
景色をたずねて
走り出すよ
僕の街に手を振って。
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僕は何も知らない
自分の名前さえ知らない
自分の住んでる街の名前さえ知らない
名前の無い花だから
名前の無い空だから
名前の無い家だから
名前の無い石だから
僕も最初は名前なんて無かったんだ
僕を生んでくれた人がつけてくれる前は名無しだったんだ
でも名前をもらってから僕は名前を持った
名前を持たない物たちは名前で呼ばれることはない
同じ花も同じ草も
ひとつの名前でしかないから
その花の名前はその花の名前であってその花の名前では無い
ひとつしかない空だって
空を流れる星だって
浮かんでる雲だって
その物の名前はあってもちゃんとした名前は無い
だから名無しさ
名前の無い何かを名前で呼ぶ時
僕はその物の名前を呼ぶけど同じ物なら
同じ名前で呼ぶから
指を指さなければどっちかわからないね
名前の無い命にもしも名前をつけてあげたら素晴らしいのに
花は花で
空は空で
石は石で
そして人は人で
名前が無ければ
見た目でしか判断できない世界
君の名前はなんていうんだい?
名前は無いんだ…
それじゃ悲しいね
だから名前をつけてあげましょう
素敵な名前を
名前の無い命に。
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あの窓の向こうには
たくさんの花が咲き乱れ 甘い香りに満ちている
この窓の向こうにはたくさんの人がいてそれぞれの生活がある
君の部屋の窓からは何が見えますか?
四角い窓の向こうには何が見えますか?
そっと教えてくださいな。