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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[1819] さよならという名の坂道
詩人:どるとる [投票][編集]


あの坂道の途中で
つまずいたのは
僕でした

最後まで登れなくて
結局は引き返した
僕でした

もう多分 永久に
登らないだろう
あの坂道の上

諦めたけど
後悔はしてない

往生際はいい
諦めも早い
僕でした
僕でした
僕でした

だからむなしさは生まれるのかな

坂道への憧れは燃えるような切なさを抱かせて

燃える太陽 雲間に消える

夕立を降らす
雲の下

傘もなく 坂道の下
見上げる 瞳ににじむ涙

背中で手を振る
黄昏色の1日

さよなら さよなら
言葉には出さなくても もうそれしかないさ。

2010/09/11 (Sat)

[1818] あしたへつづく物語
詩人:どるとる [投票][編集]


始まりも終わりもないような
果てしない物語の途中で生まれた僕は
気づいたらここにいて
いつの間にか大人になっていたんだ

生まれた意味も
生きてる理由さえも
わからないから
時々それを言い訳にしてどうして生まれたんだろうかとか疑問を抱いては簡単に死にたいと繰り返す

ここにある物語のとあるページの片隅で
誰もが自分の物語を持っている
誰もが自分の物語の主人公なんだ

そうしてあしたへとつづく物語
アスファルトにうつる影を引き連れて
夜明けに窓を開けて
眩しさに目を細める

悲しみも喜びも
生きてるからこそ感じる素敵な出来事
この涙は強さの証
大人だからって泣かないわけじゃない

なんだかわけもなく
泣きたくなる夜
僕は死ねなかった
まだ生きたいって思う心が捨てられないから

あしたへつづく物語のページに手をかけて眠るよ

そして目覚めたら
そのページの中
僕は生きるでしょう
そして泣いては
笑うのでしょう

そうやってまた果てしない物語はつづいていくんだろう
誰かがそうしたように死ぬまで物語はつづいていくんだろう

何かを残せなくても
えらくなれなくても
生きてるだけで誇りを持てるから

僕は絶え間なく
あしたへとつづく物語のページをめくり続ける

きっと。

2010/09/11 (Sat)

[1817] 路地裏物語
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不思議なことなんてさ
どこにだってあるのさ
君が住む街にだって
不思議なことはあるさ

路地裏の日陰で
僕らはお喋り
それがなんだっていうのさ

素敵なんだ
素晴らしいんだ
ありふれてても
それが幸せなんだ
さあ笑え
今を噛みしめろ
路地裏から始まり
路地裏より終わる
路地裏物語

夕暮れの中
黄昏ながら
野良はあくびをして
僕の隣で眠る

それもひとつの営みの形

何はなくとも
君さえいれば
たちまち物語になるさ

不思議なことは
不思議なことは
路地裏の中

たとえばの話。

2010/09/11 (Sat)

[1816] しあわせのありか
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いつの間にかそこにあった幸せ
いつの間にか僕はそれに笑いかけてた

幸せの根本的な意味も何も知らないくせに
とりあえず笑っとけと笑ってる

しあわせのありかはずっと変わらずここなのに
全然見当違いの場所ばかり探してる

愚か者は僕だけかい?

2010/09/11 (Sat)

[1815] 閉ざす夏
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邪な気持ちで
抱きしめた
幸せには輝きすら見えない
欲に染まって
嘘を重ねれば
涙がこぼれ落ちる
それだけ

時間が流れてゆく
影も残さず
誰かの笑顔も
素敵なぬくもりも
まるでなかったかのように消えてしまう
そして季節はめぐる
残酷なほどのスピードでまた景色を変えるだろう
大切な何かを壊すように

瞳に映る思い出のような景色は打ち上げ花火のように はかなく散って
あとに残るのは片づけられた見えない記憶のかけら
振り返る瞳に映る小さな思い出がまるで映画のように
僕を引きつけてやまない

そこにも あそこにも路地裏にも
そこにしかない思い出が咲いている
いつでも いつまでも胸の中には
大切な思い出の残り香が匂おう

思い出がまるで花火のように 天高く打ち上がったら

セミの声はやみ
鈴虫が鳴き
夏は静かに終わる

風鈴のあの涼やかな音も形(なり)を潜め
路地裏の猫は夜にもなればそれぞれの家へと帰る

思い出は少しずつ
遠ざかる
忘れてくものもある
だけれど遠ざかるにつれて新しい思い出も増えて
そして色鮮やかになる

胸の中にいつまでも映画のように流れる素敵なメモリー

線香花火のように
寿命の短い夏は
もう少しで終わるでしょう

冷たい麦茶も
冷えたビールも
いいけど
あたたかいお茶や
熱燗が恋しくなる
季節はもう間近

閉ざす夏
セミしぐれが
遠ざかってゆく

秋の風が並木道を吹き抜けてく
黄昏夕暮れ並木道僕の胸を突き抜ける新しい季節。

2010/09/11 (Sat)

[1814] 檸檬の頃
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初恋という檸檬味の思いを抱いたまま
さまよう 青春の中
覚めない夢の中で
君だけを ただ 君だけを見つめている

檸檬の酸っぱさの中にも確かな甘さがある

好きだと言えないままさよならするあのワンシーンが消えなくて 涙に濡れる思い出

檸檬の頃は過ぎ去っても檸檬の甘酸っぱさは消えない

今でも。

2010/09/11 (Sat)

[1813] 風を待つ
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歩き出すのは苦手さ
だから僕はチャンスを待つ 気長に待つ

朝も夜もずっと待っている

背中で浴びた陽射しが心をあたためて
夜の涼しい風が心を洗う

イメージは繊細な人
だけれど本当はとても愚かしい人

風見鶏が回るように
風が吹くその時を待つのが僕だから

夜明けを遠目に映しながら 僕はチャンスを待つ 気長に待つ

いつまででも
そこにある波が動き出したら 物語は始まる。

2010/09/11 (Sat)

[1812] 秋、来たる
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きれいごとはやめなさい
目が座ってないぜ

ため息をつくたびに
心に夜が訪れる
泣いてしまう理由は見当たらない

秋がほらね
僕の瞳に
その横顔を
見せているから
もう少しで
涼しくなるかな

秋来たる時
僕はセンチメンタルな気持ちで並木道を歩くかな

ポケットを探って
たまたま出てきた
あめ玉を 舐めながら週末の予定を立てるかな

半袖にはまだ
汗がにじむけど
夜は涼しい

日はいくらか短くなって
秋の風
頬をかすめ
坂道をくだる
バスに乗り

鳴きやむ蝉の声
夜には鈴虫の合唱
蛙のアンサンブル

9月のバラード。

2010/09/09 (Thu)

[1811] 夜の片隅で
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電線にカラスが群れるように一列に並んでる

日はのびて夕暮れは6時過ぎには夕闇にのまれた
街灯がぽつりぽつり灯りはじめたら
切なさが溢れ出す

今僕ができることはなんだろう
考えるまもなく
夜は来る 窓越しに月が見える

たいしたことは何もできずにただ
いつものように
守備よく 過ごしていただけ

なるべくもめ事には関わらないように
なるべく争い事は避けて 歩いていた
みょうに媚びへつらい愛想笑いで片付けた

ああため息が煙って窓を曇らせたら窓にうつる僕が流す涙をうまく隠せた
とある夜の片隅で
僕はどこまでも嘘つきで悲しいことさえ笑い話にした

でもほほに残る涙のあとが物語る本当の気持ち

答は闇夜に浮かぶ
月ほど明らかだ
言い逃れは出来ぬ
作り笑いも甚だしい。

2010/09/09 (Thu)

[1810] 一週間という物語
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月曜日の夜はテレビを見ながら笑い
火曜日の夜はまあそれとなく過ごすだけ
水曜日の夜は君の笑顔を見ていたい
木曜日の夜は漫画を読みふけるだろう
金曜日の夜は明日休みなのをいいことに夜通し君とお喋り

一週間は長くって
嫌になるけれど
回る 回る 目も回る
めまぐるしい時間のメリーゴーランド
ほっとするのもつかの間また一週間は始まる

同じようなことを繰り返しては
同じようなことで泣いて 笑って
涙に濡れた頬が
乾いても
また悲しいことがあればすぐに元通り
心に雨が降り出す
かばう傘もない

幸せなのか 不幸せなのか
ここにある平穏
そして怠慢
愚かしい僕が築き上げたちっぽけな根城
主は情けない面で
言い訳ばかり重ねて
大人になるのをひたすら嫌がってる
ネバーランドに憧れて 心はまだ子供のまま ゼンマイ仕掛けのおもちゃ
誰かに背中を押されなくちゃ動けないような人

だけれど君が いつもそばにいてくれるから
僕は今日も何ら変わりなく元気で健やかにいられるんだ

ここにある平穏
そこにある退屈
僕が生まれる前の
空白の記憶

とりあえず僕は
生きている

一週間ずっと
不思議な魔法にかかっているように
思い出してはまた忘れて
繰り返す 一週間というストーリー

あらすじは未定です
何が起こるかわからない
でもだいたいは同じだ

ここに僕がいて
そこに君がいて
ふたりで育ててる
鉢植えがあって
空を見上げたら
青空が広がってる
そんなような
当たり前な世界が
ただ あるだけ

偶然という
曖昧な言葉の下
いつしか
僕は運命という
ありもしないような
素敵なロマンを
心に羽織らせていた

物語は中盤にさえさしかかってやいない
まだ僕は若い

人生をあきらめるにはまだ早すぎるさ

だからチャンスが踊る一週間が僕にはある

本のページを開くようにまぶたを開ければ ほらね。

2010/09/09 (Thu)
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