詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんでも他人のせいにしてしまえば
簡単で手っ取り早いけど
たまには自分の悪かったところ振り返ってみれば案外悪いのは僕かもしれない
散々走り回って
たどり着いた夜の片隅
逃げ場所がふさがれたような 行き場のない気持ちでベッドに倒れ込む
孤独 黄昏
欠けた月
それと誰かが安易に言い放つ言葉
さよなら
僕がずっと探してるものはなんだろう
僕が見つけたいものはなんだろう
さがしてもさがしても見つからないものはなんだろう
色も形も手触りも
何もわからないもの
だけれど確かに
探してる
意識の外側で
今も見つからない
さがしもの
並木道に影を落として
昨日歩いた道と同じこの道をたどって
僕はまた軌跡を追うように 名前のないさがしものを探している
少しだけ心を萎えさせる風に絶えず吹かれて。
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心に降る 雨はまだやまずに降り続く
繰り返される季節の中で鳴きやまない
蝉しぐれ
まるでそれは
覚めない夢を見ているような不思議な気分
涼しくなるのは
いつになるだろうか
風当たりの悪い部屋
人当たりの悪い会社
僕の居場所は少しもない
油断したら溶けてしまいそうな夏の暑さにあえぎながら
金魚のように口をだらしなくあけたまま
日陰から出られずにいるよ いつまでも
夏の夢はまだ僕を目覚めさせない
暑さはしばらく続く
忘れたころに消える
夏の暑さも こう続くといやにもなるね
手放せないうちわ
かけっぱなしのエアコン
寝苦しい夏の夜
それは全て夏の夢
過ぎてしまえば幻
だけれど今はリアルよりリアルすぎる夢
僕は早く この暑さが消えてくれるのを待つ。
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僕が君を愛してるっていうことは
とてもありふれたことだけど
そのわりには素敵なことでもあるんだ
わざわざ愛の言葉を言い交わしたりして
目が合えば 頬赤らめて
自称スマートに生きている僕はそれなりに幸せだよ
関係のない誰かさんにはどうでもいい
ことかもしれないけど忘れないで
ここにある平凡な暮らしがこんなにも僕らの心を穏やかにしてることを
悲しみの雨も上がり
空に虹が架かったら
出かけよう
退屈な暮らしを
輝かせるよな
素敵な場所へ
君とふたりで
行けば
どこへ行こうと
そこは極楽浄土
単細胞が救いさ
僕らの暮らしはこうして続きます
さらさら
流れる小川のように
おだやかな流れをたもったまま
それでもたまに塩気が混ざるのは
雨が心に降るから
生きているから
泥だらけのスニーカーが地図上に足跡をつける
さて、どこへ行こうか?
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遠い遠い日の記憶を
押し入れから引っ張り出した
アルバムのごとく思い出せば
ひとつやふたつくらいはほほえめるだけの楽しい記憶はある
されどその頃の記憶は雪に埋もれ
今はもう思い出せないくらい遠く遠く果てしない昔話
そこにいた僕も
ピースをして
笑っていた僕も
瓦礫の一番下
燃え尽きた記憶と
燃えカスがまだ
くすぶってる
悲しみも
切なさも
目をそらせば
ないも同じ
僕だけが知る
雨降りの記憶
故意に閉ざされた記憶
それは 忘れられぬ記憶
説明不可能な痛みとなって毎夜僕の心を突き刺すのだ。
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いろんなごたごたをかわしてやっとたどり着いた
真夜中のベッド
受話器の向こう側で
君が泣いている
泣き声さえあげずに
僕はそれを聞いてる
愛してるには愛してるけど 僕はいつも不器用です
だから時には君の悲しさをわかってあげられずに
いつの間にか君を傷つけてる
やっぱりわるいのは全部僕だったんだよね
低く唸るような
犬の鳴き声がする
時折 君が甘えるような声を出す
特別なことは何もしてあげられそうにない
素敵なプレゼントも
いつだって給料の範囲内で買える安いものばかり
誰よりもきっと誰よりも愛してる人は君だけなのに
不器用な僕だから
いつも言い訳を盾にしては 君の言い分を聞くふりして聞かないでいたんだね
やっぱりわるいのは全部僕だったんだよね
真夜中を優しくする街路灯の仄かな明かり 遠くなったり近くなったりして揺れてる
いつもいつでも頼りなくって申し訳ないですね
力不足と
不甲斐なさの
ちょうどまん中で
やればできるはずなのに怖じ気づいてばかりいるから
僕は中身から
腐っていくんだね
ベッドに身をあずけ
枕に意識を沈めれば夢は待たずとも始まる
羊が塀を飛び越える
やるせない夜
肩すかしにあうよな
そんなすっぽ抜けた
虚無感が僕を支配していく
ああ 僕の何がわるいんだろう?
気づけるなら今すぐ捨てるのに
疲れ果てた心には
もはや 探す元気さえなく
力不足と不甲斐なさのちょうどまん中で
ため息ともあくびともつかない
声をのみこむだけなのさ
君の背中が
涙で滲むまで
それは繰り返される
丸みを帯びたささやかな悪夢。
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もしも誰かにこの思いが伝わるなら
僕はきっと今までずっと黙ってた気持ちを全て伝えたいよ
失敗ばかりしてる僕だけど
完璧じゃないから
でこぼこしてるから
君に優しくできるんだ
三角お屋根にシャボン玉が飛ぶ夕暮れ
どこからか子供の声
夕暮れの帰り道は
つなぐ手もなければ
さみしい ポケットに入れた冷えた手が
かすかにふるえる
記憶という雪に
埋もれた白い思い出
誰かの意見なんて
無意味さ
全ては僕の気持ちひとつでどうにでもなる
夕暮れの帰り道
思わず寄り道したくなるけど まっすぐ家に帰ろう これといってやることもないけど
君が待っていてくれるなら
いつもの自転車でわが家に乗り付けよう。
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僕の中の弱さが最大の強みなんだよ
僕の中の頑固さが唯一の盾なんだよ
僕の中の正義が一番の欠点なんだよ
足したり引いたり
付け加えたり
捨て去ったり
僕は日々新しい僕をつくろうとする
それはけっしていい意味の試行錯誤ではなくいわば実験なんだ
僕の中のケモノを鎮めるための言い訳としてつくり上げた
化け物なんだよ
だからここにいるのは僕であって僕じゃない
ケモノという名の化け物なんだよ。
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まだ昨日の悲しみが尾を引いてる
月が雲に隠れて
いつもより暗くて切ない夜
悲しいことを並べればきりがないけど
流す涙のひとつでもあれば誰か心配してくれるかな
そんな世の中じゃないよね
もうすぐ秋の風がこの町にも吹いてくる
そしたらなおいっそう悲しくなる 切なくなる
まだ9月のはじめだというのに
幻聴なのか
冬の足音
雪のように
降り積もる
切なさ ぱらり
残暑がのこりそうな予感が色濃く僕を悩ます
もう明日の悲しみが目に見えるようで
出かける足取りが
ドアを開ける手が
かすかにふるえてる
もうすぐ秋の風がこの町にも吹いてくる
そしたらなおいっそう悲しくなる 切なくなる
まだ9月のあたまだというのに
幻覚なのか
冬の寒さが
氷のように
芯まで伝わる
淋しさ
早咲きの桜のように
その時を待てないせっかちの雪がせめて誰かの心にだけでも降りたくって降り出したような少し生ぬるい優しさ混じる
不思議な切なさ
今 ほほを伝う
朱より淡い薄紅色の涙
まだ9月のはじめだというのに
幻聴なのか
冬の足音
雪のように
降り積もる
切なさ ぱらり
枯れ葉をくしゃりと
踏むような
どこか 鈍い冬の足音
秋より一足早く 訪れてしまった かりそめの寒さが みょうにお人好しすぎて優しくって男泣きしちまうよ。
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素直になれない
この僕を
強がらせるのはなんだろう
たいして強くもないのに態度ばかりでかくって
たくさんの人たちについた嘘や
たくさんの人たちにつけた傷を
思えば申し訳なくなる
素直になれない
この僕を
愛してくれた君は
けっして僕の強がるこの意地っ張りなところを愛したわけじゃない
だから この強がる気持ちを今すぐ捨てたい
でも 僕は弱いから
強がっていなくちゃ
無防備になる気がしてこわいんだよ
強がっても強がってもほんとは当然だけど強くなんかないから
悲しいものは悲しくて
寂しいものは寂しいのさ
愛されたい
素直になりたい
強がりたくない
でも
かばうものがない
そんな気持ちを話したら君は言ったね
これからはわたしがあなたの強がりのかわりに盾になりましょうと
そして僕は言った
それなら僕は君を守る刃になる
強がりはもう必要ない
だって今は君がいるから
心強い味方の盾があるから
強がらなくても
意地を張らなくても
傷つくことはない
泣くこともない
ああ僕などえらくもない
君がいるから僕は笑ってられる
だから僕の全ては君なんだ。
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言葉はへたくそだけどつまりは僕は君のことを愛してるっていうことさ
右左 上下 東西南北
どこから見てもかわいい君だから
春も夏も秋も冬も
君の美しさはいつまでも永遠にそのままだよ
老いさらばえても
きっと君はきれいさ
僕のこの思いよ
この夜空に届け
運命なんて大げさな話にするつもりはないけど
きっと僕と君が出会ったことは偶然なんかじゃ片づけられない 奇跡にも似た出会いなんだよ
強がっても結局は
一人になると
寂しくって
思わず君の姿を
探してしまう
そして気づけば
また君の隣で笑う僕さ
大好きだから
ずっとそばにいてね
僕と一緒にいることで得することなんてなにもないけど
やっと出会えた
嫌われてばかりの
この僕を愛してくれる人に
君の存在を ただの偶然で片づけるには
あまりにも運命づけられた出会いに思えてしまうことがもう運命なのかな
雨のち晴れを繰り返す毎日で
泣いたり笑ったり
することが素敵に思えたならそれは一人じゃないから
くだらない話題でも
ばかばかしいことでも一緒に笑いあったり一緒に話し合ったりできる人がいるからこその気持ちさ
今まではずっと一人だったからわからなかったよ
ふたりでいることの素晴らしさなんて
神様なんてさらさら信じちゃいない僕だけど
君と出会わせてくれたのがもしも神様だとしたら
僕は迷うことなく
素直にありがとうと言いたい
ああ 今日も夜は暗くてどこか切ないけど
君がそばにいるから
そのさみしさはあるようでないのも同じなんだよ
うまく言えないけど
人と話をするのは
すごく苦手だけど
精一杯伝えます
愛してる。