詩人:どるとる | [投票][編集] |
切なさを半ばむりやりポケットに押し込めて
たまには路地裏の猫に申し訳程度あいさつをして
友達のいない人は
ひとりぼっちで空を見上げてわけもなく微笑む
読みたい本もない
行きたい場所もない
会いたい人もいない
したいことはない
だからといって生きたくないということじゃないけど
ただなんとなく
思い出したように
ふと気づけば
泣きたくなるだけ
真っ赤な夕日が今にも落ちそうだから
さみしくなるのはあたりまえなのさ
切なくなるのも悲しくなるのもあたりまえなのさ
二度と戻らない時間を名残惜しく思うほど今日に未練があるわけじゃないけど
ただなんとなく
ただなんとなく
胸のあたりがズキンと痛むだけ
ピュアな気持ち
それはいつでも
ヌードだから
隠しようもない
ごまかしようもない
だからこそ
涙は僕のいうとおりにはならない
ほらまたあふれ出す
抑えようもないほど
悲しさ
切なさ
わびしさ
ちょっとのさびしさ
そんな気持ちがSOS信号出してる
僕がどんなに
強がっても
そこには
いつでも素直な気持ちが涙になって
胸の奥深くに隠した悲しみを引っ張り出すよ
心に雨が降り出したら
目に見える世界は一面群青色。
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笑いあって 泣きあって 怒りあって
ああ 今日もここにいる
何ひとつ不思議なんかないよ
僕らが出会ったことに
ただ何かの偶然とか
運命づけられた奇跡とか そんなんじゃないと思う
ロマンのかけらもない僕だけど
君のこと いつも思ってる
たとえば なんの変哲もないいつもの1日の中で離れ離れの時
互いを心配しあう
その気持ちが
つながる時
愛は輝く
僕が君を好きなことにいちいち説明づけなくても
好きなものは好きなんだから
どんな哲学もいらない お呼びじゃない
僕は今日も明日も
変わらず君が好き
理由なんてくそくらいさ
だけど敢えて
言葉にするなら
僕の中のこの思いが答だと思う
それだけ
だから君が好きな理由なんて いつだってあたりまえすぎてつまらないんだ
だけどその思いは限りなく絶大なんだ
簡単なようで
難解なようでもある
愛が今日も僕の中であふれてるよ
言葉にならない
思いが輝きながら
君のすべてを
ただ好きでいたいと思う
この気持ちを生み出すんだ
君が好きな理由を探すことさえばかばかしくなるよ
だって好きなものは好きでしかないから
理由なんてくそくらいだ。
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僕は悲しくなんてないさ
本当を隠す嘘で
また素直になれずに強がってしまった
僕はまるでピエロのように
悲しくてもひたすら笑ってる
おかしいね
おかしいね
こんなに傷だらけなのにね
夕日が落ちても
夜を月が照らしても
誰かが笑いあっていても僕の中にはまだ
許されざる気持ちが
残ってるから
素直にはなれない
誰かのために
世の中のために
自分のために
何を費やす?
何ができる?
たとえば
何十年も
考えても
答が出ないなら
僕のいる意味はありますか?
僕の中の道化師は死んだ
もう愛想笑いはできない
つきたくない嘘もつけない
お世辞も吐けない
そういうことにはならないでしょうか
涙が化粧を落とし
本当の素顔が出て
心が裸になった時
僕は何を思う?
誰に何を言える?
道化師は死んだ
道化師は死んだ
道化師は死んだ
そんなことばかり
繰り返しながら
つくため息ゆらゆら
切なさが表立つ帰り道は切ないばかりでつらい
それでも僕の帰る場所はきっとあそこしかない
ただなんとなく
空を睨んで
誰かのせいにしたくなってしまう
たとえば
フェードアウトするようにさよなら
もう明日に持ち越しってな感じで僕は目を閉じる
いつも
そうやって
気づくと
黄昏
涙がピエロから
本当の僕に戻すよ
道化師は死んだ
僕の中で 僕の中で
僕だけが知ってる
嘘で本当の真実さ
街中にあふれる
ため息がゆらゆら
油断のならない
切なさがちらほら
フェードアウトするように今日もやっぱり締めくくりはさよなら
そしておきまりの台詞
道化師は
道化師は
死んだよ。
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どこまでも
優しい人だから
だれにでも
優しい人だから
僕も君に優しくしたい
とてもありふれた気持ちを今言葉にして
目の前で微笑む君に伝えたい
この胸の痛みも
広い海のように
青い空のように
あたりまえにそこにあるようでどこか特別な存在だから
優しいうたに包まれて
優しい気持ちで君を愛したい
優しいうたを聴きながら
優しい気持ちになれるまで
優しい君の隣で
優しい朝を待つ
優しい夜がふたたび
訪れるそのときまで
優しい君の笑顔を
いつまでも見ていたい
どんなに悲しい日も救われるから
傷ついて帰った
1日も君の笑顔が傷口を癒してくれる
優しいうたを聴いているみたいに
まるでそれは魔法のように僕の心を包むんだ
君の声が 君のまなざしが 君の仕草が
君のすべてが
僕の宝物さ
優しいうたの聴こえるところに優しさは咲く
色とりどりの優しさが僕の帰りをいつでも待ってくれている
君だけは 君だけは
僕を愛してくれるよ。
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自分を好きになれないのは
失敗ばかりしてるからかな
でも他人は一生嫌いになれるけど
自分を一生嫌いになるのはできないようさ
ランプをともしたようなかすかな光の中で
揺れる月明かり
僕は目を閉じて
朝が来るまで
おやすみ
自分を好きになれないのは自分のせいだって
思うのはおやめなさい
自分を好きになるためには少しずつ少しずつ自分の中の気づける範囲のずるいところを消してゆく努力をすればいい
難しいけど
繰り返すしかない
自分を好きになるために
嫌いな自分の中の好きなところを見つけるために
きっとあるさ
いつか見つかるさ
だって自分だから
たったひとりの自分だから
他人よりたやすく愛せる自分だから。
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ああ 地球が目を閉じるように 暗闇に閉ざされた夜
月明かりが誰かの帰り道を照らす夜
足元をちゃんと確かめてこの街のありふれた夜から目をそらさないで歩こう
自販機に並ぶ
缶ジュースとコーヒー
どれも飲み飽きた
ものばかり
それでも買ってしまうのは心に潤いを求めたい気持ちがそうさせてるのかな
ずっと探してた
答は気づくと
忘れていて
それでも
ふと気づくと
また思い出して
その繰り返しの中で思うよ
どうして僕は生きてるんだろう?
どうして僕は生きていくんだろう?
きれいごとは蚊帳の外
ほんとうの気持ちだけ沈まずに浮かんだ
みょうに素直になれてしまう
いつもとは違う
街の夜
だけれどどこにでもある街の夜
吐き出すため息さえ
愛しくてしかたないよ。
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マフラーを靡かせて
自転車 風を切って
走る 走る 走る
すり切れるのはタイヤじゃなく僕の命
時間は限られてる
タイムリミットはいつかはわからないけど
夏の暑さにまいりました
干からびたミイラのように 僕は寝てばかり サボってばかり
マフラーを靡かせて
自転車 風にのって
生きる 生きる 生きる
誰のためでもなく
自分のために
並木道は緑色
空はあかね色
僕のマフラーは
少し色あせた黄色
さあ 自転車はもうすぐ壊れて
少しだけ ここからは苦しくなるよ
季節の変わり目に
何を着ようか?
迷う 心
マフラーを靡かせて
自転車 風を切って
走る 走る 走る
立ち止まる風の中
黄昏がお出迎え
坂道の途中
静かに ページをめくってゆく 指先がふるえているけど
明日もきっといいことのひとつやふたつあると 不安がりながらも微笑んでさよならを言う
日にちが変わった
その瞬間に
僕は生まれ変わる
昨日より少し
大人になる
でもマフラーは
昨日よりなお
色あせる
時とともに
変わるもの
それは変わるからこその悲しみと喜びを伴う
光と影をまとった
この世界
涙をかぞえ
笑顔をかぞえ
肩を落とす日も
きっと
明日を信じて
また歩き出せる
新しい夜明けに
向かって
色あせてゆくも
味わい深くなる
見えないマフラーを
ひらり 靡かせて。
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何もできない
愚かな僕だけど
君のそばにいたいよ
いさせてよ
時には優しい
言葉をかけたいよ
でも君はいつも
ただそばにいてくれればあとはいいから
そう言って微笑む
ほんとうは素敵な
指輪も欲しいくせに
ほんとうは素敵な
夜景が見える場所へ行きたいくせに
君は強がって
僕に優しくしてるつもりでほんとうの気持ちを隠しているんだね
わがままじゃないんだ
勝手なんかじゃないんだ
ほんとうはしてほしいこと
欲しいもの
行きたい場所
言ってくれれば
できる範囲で叶えてあげるのに
君はひたすら
強がってばかり
だんまりの夜
ふたりは背中合わせで会話を続ける
君の背中が心なしか泣いている気がしたんだ
僕の背中を伝って思いは通じたかな
強がらないでよ
わがままを言ってよ
僕はそのために
ここにいるんだから
君の願いを聞き入れるために頑張れるんだから
ほんとうはもっと
僕に甘えたいくせに
ほんとうはずっと
弱虫なくせに
強がるたび 君の小さな胸が軋むようで
悲しいのさ
ひっそり泣いてることも抱いてる願いも全部わかってるから
なおさら
ねえ 僕は君の隣にいるためだけの人のですか?
違うだろう?
君を愛する人だろう?
背中合わせの会話なんて止めて
向き合って素直になろうよお互いに
背中合わせじゃわからない
見えない気持ちを
抱いてたさみしさや
果てしない孤独を
聞かせてよ話してよ
君の話ならいくらでも聞くから
そのためにいる僕だから
泣き合って なんだか疲れたころ
僕は君とふたり抱き合って眠る
君の寝顔がすべてを教えてくれる
この人を守るため
この人の幸せを見つけるため 僕はいるんだと
そして泣いていた
君の背中はいつの間にか笑ってる
猫背がかわいいね
ぬくもりがあたたかいね
アイラブユー
やっと言えたね。
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寒い冬の日の話
愛するふたりは肩を並べて歩いていた
ふいに鼻をついた
甘い香りに誘われて
石ヤキイモを買った
ヤキイモはふたつに割って
狭い駐車場の車止めに座りお話しながら
おいしいねって笑っていつの間にか食べ終わっていた
だけれどあの夜は幻
僕の隣には今
君の影も形もないから
君と食べた石ヤキイモはおいしかったけど
君とはもう永遠に食べられないから
ひとりで食べてもおいしくないのに
いつも冬になるたびに買ってしまうよ
ひとりじゃやっぱり
おいしくないよ
ひとりじゃやっぱり食べきれないよ
石ヤキイモで思い出すあの日の夜
思い出すたびにあふれ出す涙で粉雪が舞う景色がにじんでしまうんだ
そんな石ヤキイモの夜
残り火のように
煙を立てて
今も僕を切なくさせる
甘い思い出なのに
やけどしたみたいに
ほら 今も心に刻まれた傷跡がうずくよ。
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夢のようなそうでもないような不思議な夢の中で見る夢
いつか誰かが言った
『現し世は夢 夜こそ真の夢』
回り続ける地球の中で生まれ
今日もなんとなく生きている僕だけど
悲しみとか切なさとかいろんなものにしてやられながらも幸せです
万華鏡からのぞけるきらめく世界が
時折顔をのぞかせては僕から笑顔を勝ち取っていく
それはまるで安らぎに満ちた夢の世界
雨に濡れた心も
まぶたの裏に焼き付いたあの日の惨劇もすべては生きてるからこそ出会うべき岐路
万華鏡からのぞけるきらめく世界は
つかの間の晴れ間だからまた少ししたら雨が視界を汚すけど
きっとまた空は晴れるから
悲しみを通り過ぎたときにはもう僕はさっきまでの涙なんてなかったみたいに笑えるさ
ほらね また
現し世に 夜が訪れ
真の夢ははじまる
たとえるなら万華鏡のようなきらめく世界が僕に生きてる喜びを与えてくれるんだ
それはつかの間だけど
そのひとときのために
捧げる時間の中だけは
幸せでいられるから
文句なんてないさ
また晴れるたび
僕は太陽に微笑み
青空に手を伸ばす
夜のような
夢のような
素敵なひとときが
現し世に輝きを添える。