詩人:どるとる | [投票][編集] |
ふてくされてるわけじゃない
黄昏てるわけでもない
でもどこかが満たされない
つぶれた駄菓子屋の降りたままのシャッターに蹴りを入れて
へこんだのも気にせずまた歩き出す
途方もない不安からの帰り道の途中
小雨が降り続く
時折涙が混じる
ため息が白く煙る
散々走り回ってたどり着いた真夜中に
頼りになるような明かりは何ひとつない
愛すべき人も
守るべきものも
何もない僕には
自分を愛しても
自分を守っても
孤独なだけむなしいだけ死にたくなるだけ
歳を重ねてく
そのたびなんだか
むなしく
切なく
なってゆく心
もてあました時間
何に使うわけでもなくただぼんやり窓の外眺めてるだけで
終わる1日なんてめずらしくもないのさ
ああ この気持ちはなんだろう
満たされてる筈なのに釈然としない心
胸にぽっかりと空いた穴ぼこ
元気がぬけてゆくよ
この頃笑ってないな
若さは僕にとってはただのお飾りさ
空を見上げて
希望の星を探すけど
そこにはいつも
光を放たない
黒い星しかないんだ
振り返るのは過去ばかり
前は見ていたくないんだ
どうせうまくいきっこない
僕の毎日はいつも卑屈と憂うつにあふれてる
いまだわからない
この気持ち
ただ僕は立ち止まる
つめたい炎をあげる
太陽を見つめて
出口のない迷路に迷い込んだような
そんな気持ちで
いつも何かから逃げている日々
すべての朝が
すべての夜が
僕から
いろんなものを
遠ざけてく
目覚めれば
そこには
空虚に満ちた
世界が在るだけ。
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いつだって どこにいたって おなじ気持ちだって思うから
ふたりが歩んでく
毎日はおぼつかない足取りで不安そうだけど君がいるなら僕は平気さ
こんなにも こんなにも 人を愛したことはありますか?
ショーウィンドウにうつる自分自身に問いかけた
答えはいつも決まってる
それは君だよ
ふたりでひとつのものを分け合うようにね
ちっぽけな幸せも
ほんとうはいらない悲しみも分け合って譲り合って
お互いに遠慮もしながら
どうにかこうにか
ふたりの日々は続いてゆく
着飾らない心で向き合って
ほらね少しずつ
僕らの心は
恥ずかしがりながらも近づいてもっと近づいて
やがて重なり合うんだよ
ミルフィーユみたいに。
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1日の終わりに
ため息吐いて
暮れゆく空に
涙こぼす僕
カラスが飛んでいる
巣に帰るのかな
僕も寄り道せずに
帰ろうかな 帰ろうかな
1日の終わりに
瞼を閉じて
沈んでく夕日に
手を振る
涙がこぼれ落ちた
泣き虫はまだなおらない
やっぱり切なさが
押し寄せてきたら
止められないよ
涙 涙 涙
ああ 優しさがこみ上げるその時
熱い何かが胸の中で焼けるようにぐっと切なくなる
さよなら さよなら
夜が来たから
僕は目を閉じて
背中を見せる
バイバイ バイバイ
月が昇ったから
夜の闇より深い闇の中に朝を見つけるまで夢に揺られ
僕はまどろんでるよ。
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特別なものなんて
何も望まないから
僕はただありふれた
明日を待ちます
まぶたの窓が開いて
瞳に夜明けがやってきた時
僕は不安と期待
半々で目覚めたよ
明日は生きてれば
誰にでも来るけど
願わなければ
幸せになんてなれっこないよね
だから願うよ
僕には なにはなくてもそこにはいつも明日があるから
欲張りすぎていた日々
ちょっと見直して
これからは歩いて行きたいな
きれいごとじゃないんだぜ
僕との約束さ
そうさ。
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頭の中は真っ白
夢も何もない
明日は真っ白
さてどこに向かおうか
あてどない旅はつづく
振り返っても
立ち止まっても
周りの景色は変わらない
退屈な街並み
ため息が白く煙り
切なさはまるで
星屑のように光り
絶え間なくほほを伝う
僕はなんで泣いているんだろう
僕はどうして生きているんだろう
それさえ見失った僕に明日なんてあるのかなあ
あてどない旅は
どこまでもつづく
季節は移ろいながら
木の葉舞うように
僕は風に乗る
上昇気流に巻き込まれて
気づけばこんな
道の途中
大きな月が
雲間から
こちらをのぞいてる
さあ 真っ白な
思いを背負い
あてどもない
時間の中で
嫌われ者を演じてく僕だよ
あてどない旅は
どこまでもつづく
季節は移ろいながら
木の葉舞うように
僕は風に乗る
上昇気流に巻き込まれて
気づけばこんな
道の途中
美しいものだけ
ある世界なら
いいのに
涙は永久に拭えないさ
そこに悲しみがあるかぎり
小さな悩みや不安は
笑い話に変えられても
笑い話になど変えられない悲しみにほらね今日も降られている
それでも
何かを信じないではいられない
この性よ
落ち着ける場所を探してさまよう僕に安息の明日を届けてね。
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色鉛筆の中にはどれひとつとして同じ色はない
似ていても微妙な違う
だからこの世界には誰一人として同じ人はいない
似ていても似ているだけで同じじゃない
顔も性格も血液型も体重も身長もみんながみんなその人にしかないものがある
だから人は生まれながらに自分にしかない色を持っている
言葉ではあらわせないほどの特別な色を。
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男は女は互いに
引き合い
時には反発しあう
まるで磁石のよう
よけいな知識を
砂鉄のように
集めては
それをひけらかし
調子にも乗る
愛する人は
たとえばS極で
恋する僕は
たとえばN極で
それはきっと運命なのにこの世界には
僕と同じN極が
沢山いるから
君はより素晴らしい
N極に目がいくだろう
僕は君と重なり合う
N極のはずなのに
君が求めるものは
僕にはないらしく
僕そっちのけで
君は目移りしてばかり
磁石みたいに
N極なら
どのS極でも重なり合うことができるのに
意思を持った磁石だから好き嫌いを選べるんだね
そしてまた
僕は風に吹かれ
孤独にひとり
黄昏てる 窓辺
茜色の空見つめ
涙のかけらを零す
烏がのんきに鳴く。
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悲しくないつもりのつもり
泣いてないつもりのつもり
笑ってるつもりのつもり
満たされてるつもりのつもり
かばってるつもりのつもり
頑張ってるつもりのつもり
愛してるつもりのつもり
生きてるつもりのつもり
僕はいつから
僕になって
僕はいつから
僕じゃなくなるんだろう?
もしずっと僕は僕で
死んだあとも僕なら
僕は誰?
悲しくないつもりでいても
泣いてないつもりでいても
笑ってるつもりでいても
満たされてるつもりでいても
かばってるつもりでいても
頑張ってるつもりでいても
愛してるつもりでいても
生きてるつもりでいても
どこかがだめなんだね
それでも僕は僕だから
なし得るすべてが
僕という人のできる精一杯を見せてるつもりのつもり
保証はできないけど
ほんとうのことだよ
傷跡が痛むから。
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さあ お手を拝借
君とふたり奏でる
不器用なれどハーモニーは詩になる
新しい日々はもうすぐ秋の訪れとともに風にのってやって来る
この街は緑から
黄色に 朱に
変わる 変わる
ほろ苦い
ビターチョコの甘さひかえめの秋へと
秋風かすかに
髪を撫で
そこにふいに
感じるロマン
思い出すよ
8月の終わり
あの胸の痛み
夏の暑さは
まだ続きます
お体大切に
無理はせずに
君もどこかで
笑っていてね
さよならという言葉がまだ胸に残ってるけど僕は悲しくないよ
風が枯れ葉を片付けて
僕らに道をつくってくれる
互いのぬくもりが身に沁みるそんな季節はこれからなのに
ポケットを探っても
気配ひとつないや
ああ
ああ
ああ
精一杯の強がりさ
素敵な日々をありがとう
さようならさようなら。
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大切なものほど近くにあるもので
それなのになぜか気づかないもので
そのために僕は見逃したよ
あの人の涙
そのために僕は傷つけたよ
あの人の心
終わりのない夜が
やがてつかの間にやって来て
どこかに君を影ごと
連れ去ってしまう
そんな気がしてるんだ
手を伸ばせば
すぐ近くにいるのに
どうしてだろう
君と僕との距離は
近すぎるあまりはかりしれない距離にもなる
言葉ひとつさえ
言えないまま
時がすべて何もかも変えてくれるのを待つだけ
忍び足で夜明けが近づき 空が明らんでくる頃には
きっと君にこの気持ち伝えられる
そんな確証もない自信に満ちあふれてる僕がいた
たとえば地球の反対側同士に住む人の恋のような
なんだか大げさな恋さ
君は僕からは
近くてでも遠い人に見えるんだよ
なぜか君に触れると花びらのように崩れてしまいそうで
なんだか話しかけることさえこわいんだ
だから僕らは
限りなく
離れていく
離されてゆく
君が磁石のS極なら
僕もまた同じにS極だから
反発しあって
肩を並べることすらできない
遠くから見た
君は美しくて
いつも
輝いているのに僕は安上がりな言葉しか持ち合わせがない
初恋はさながら花びらのようにまぶたの裏側で静かにこぼれ落ちたのでした
純白のストーリー
ひそやかに表紙を閉じた太古からの恋。