詩人:どるとる | [投票][編集] |
どうにかこうにか
乗り切った1日に
今日もやってやったと不敵に笑うのさ
精一杯強がっている
たどり着いた真夜中に
なぐさめの種を蒔いたから
明日はきっと雨は降らないだろう
心に深手を負った日は
早めに寝ればいい
振り返ればいつも
そこには過ぎ去りし夢の影 君の影
そして手を振る僕の影
さよなら
また明日ね
振り返ればいつも
長い夢のあと
目覚めたそのあと。
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窓辺 揺れる花瓶にさした花
夢を見ていたのに
内容までは憶えてない
目覚めた時
そこはもう夜の闇の中
素敵な夕日を見そびれた
目をつむり イメージを膨らませても
そこには 影のような原型のない何かが揺れてるだけ
夕日の背中にせめてさよならと言ってから眠ればよかった
今日の君とはもう会えないんだから
明日の夕日とは違う夕日なんだから
そんなことを言いながら笑ってる僕の目じりにはかすかに光る涙のあとと夜空に光る星屑の輝き
弧を描き流れては落ちてく
さよなら さよなら
さよなら さよなら
弔うように言うよ
明日の僕は何か
変われるのかな
それとも今のまんまかな
何がよくて何がいいのかさえわからないまま
夢に落ちてゆきそうな意識途切れるまえに思うことは
どうせろくなことじゃないけど
おやすみを言うよ
すでにこの場を去った夕日の背中に
枕に沈んで
布団に埋もれ
規則のない
安らかな
夢が広がる
押し寄せる
安眠の中
乱れのない波が
明け方までつづく
いつの間にか
涙はかわいている。
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いつも いつも
不器用な僕で迷惑ばかりかけてごめんね
君を好きな気持ちは誰よりも大きいつもりで弱音ばかり吐いて強がってばかりでごめんね…誰にともなく僕は呟く
季節は知らぬ間に
僕の目の前をいくつも通り過ぎて片付いた部屋がただ広がってるだけ
僕はいつか消える人
季節からもはみ出して
みんないつか消える人
世界のどこを探しても見つからない
死んでしまったあとでは
言いそびれた言葉が僕の胸にはまだいくつも残ってる
そしてあのふたりで育ててるプランターの花もまだ咲いてないよ
いつだってのんびり生きすぎてる僕らだね
夏ももう少しできっと終わってしまうんだね
恋しくてうっとうしくて
どこか愛らしい季節は冬も秋も夏だって春だって同じだね
愛すべきあの人と
積み重ねてきた思い出と手のひらにもおさまってしまうほどの小さなプライドで
なんとなく今日も
どうにかこうにか
やりきって
沈む夕日に溶ける空
にじんだ青がだんだんとオレンジ色に変わってゆく
そして気づけば月が照らす夜ひとり窓辺で物思いに頬杖ついていろんなことを考えてる
ほらね街路樹は
まだ緑色に茂り
さすがに風もまだ冷たくはならない
一年中カレンダーの中
四つの同じ季節を行ったり来たりするだけでいつか訪れるさよならに構えて
記す日記がなんだかわびしさ募らせるけど
人様はいう
若いのだから…
そうはいっても
いつか来るお別れの時
死から近い遠いはもはや関係ないよ
僕はいつか消える人
季節からもはみ出して
みんないつか消える人
世界のどこを探しても見つからない
死んでしまったあとでは
沢山の涙
沢山の笑顔
少しずつ
少しずつ
無理矢理になる笑顔は大人になった者の悲しい証と自嘲する
日々
嗚呼、春夏秋冬よ
去りゆくその背中に
待ってよって声をかけられたなら僕は何を言うんだろう?
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君が僕を肯定するから
僕も君を肯定する
僕が君を肯定するから
君も僕を肯定してくれる
そうやって肯定しあうことを繰り返してゆくから
ふたりは今日も譲り合いの精神で生きていられる
肯定しあうことの意味のそのまた意味を分かち合いながら
肯定しあうことは続いてゆく
そこに肯定すべき
互いがいるかぎり
僕は君を 君は僕を
肯定し続けるんだ。
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お嬢さんお手を
おかしください
こんな僕でいいのならキスなんかもしたいのさ
未来を語り合うより
今を語り合おうね
そして一緒にいるうちに慣れたころはじめて未来を語り合おう
僕はジェントルマン
君にとっての
僕はジェントルマン
全然ダンディーでも
金持ちでもないけど
君を永久に幸せへのエスコートするジェントルマンだから
お嬢さんお手を
どうぞおかしください
そして僕なんかでいいのなら これからの人生をお任せください
君は助手席
舵は僕がとるよ
危うい航海になるだろうけどそれなりにスリルと楽しいことが待つ未来を約束するよ
僕は君のジェントルマン
そして君は僕のお姫さまさ
幸せは願う者にのみ与えられる財産
ほら 目を凝らせば幸せは 手のひらの中に
君のポケットの中に
僕らのすぐそばにあるよ。
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屋上でいつも
ひとり
昼飯を食う君に
いつしか
恋をしていた
風に吹かれ長い髪からちらりと見えた
白い横顔に惚れたよ
僕はいつでも
君を遠くから
見ていた
アンダーグラウンドから叫びたい
君に好きだよと
今僕は恋をしてる
誰かがどう思うかじゃなく
大切なのは自分がどう思うかだ
他人の評価や見る目など無意味さ
恋はまるでアンダーグラウンドに吹く風のようにつかの間に僕の胸をつらぬく青春の痛み
ほらねまた君の長い髪から白い顔が見えた
あの懐かしき青春は今もこの胸に吹いている
アンダーグラウンドに吹く風のような
とぐろを巻いたようなひねくれた風が。
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夢を追う人よ
君はどこへ行く?
夢のある場所さえ
わからないのに
宛もなく探すよ
気ままに探すよ
たまには歩いて
よく食べて
よく眠って
ドリームランナー
優しく微笑む
その目に光る涙
汗だってごまかす
だけでこっちまで
泣きたくなる
終わらない青春がまだ続いている
あの日あの時
感じた感動がよみがえる今夜
夢は終わらない
ロマンを追う日々
君はやがて
輝く明日をつかむだろう
ドリームランナー
明日の自分にバトンを繋げて
渡したバトンを何度でも繋げてゆく
そうしていつしか
夢は少しずつ近づき
僕は光り輝く未来を手にするんだよ
夢は広い砂漠の向こうにもある
そして暗い宇宙の彼方にもある
その人が求める場所にあるのが夢だから
走りつづけるその先に夢はあるのさ
ドリームランナー
今日も走りつづける
夢をつかむため
夢を叶えるため
終わらない夢を追う日々
魂のバトンは繋がってゆく
明日から明日へ
未来から未来へ
そしていつか。
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今、誰かの声が聞こえるほうへ道は続いてゆく
手招きするかわいいあの子とそれから
電車乗り継いで一時間ののち
たどり着いたのは
お気に入りの場所
二人がはじめて口づけを交わした公園
東京の街は
都市化とともに
だんだん
住む人の心も
冷たくなる冷たくなる
東京は真夏さ
ビルは照り返し汗がぬぐってもぬぐっても出てくるくらい暑い
それなのに
人の心は零度以下のマイナス極寒の世界
情けも涙もなにもないからここにあるのはゴミと排気ガスに包まれた道
ロンドンの霧のようにどことなくもくもくとした
東京ロード
スキップするには
なんだか遮るものが多すぎる
東京ロード
君は振り返り際
少し微笑んだから
それだけでも
幸せかな 今の生活
睨みをきかせる
お隣さんは陰険
なんだか
自分も陰険になりそうで怖いなあ
今、君の声が聞こえるほうにだけ歩いていくよ
ほかの誰かの声は信じない
君の声だけ
東京ロードは続いてゆくよ
ママのエプロン姿も恋しいけど
君のエプロン姿はかわいいね
だから お腹が鳴るよ
東京の暮らし
地図には
載ってない
二人の記念すべき
場所にてまたも口づけ
東京ロードから
東京ロードへ
繋がってゆく路線
夕焼けが僕らを照らす週末の幸せ
路地裏で猫は鳴き
あたりまえに誰もが暮らす そんな日曜日の出来事。
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積み木のように
ひとつずつ
積み重ねてきた
思い出よ
忘れ得ぬ記憶たちよ
いつか 僕が死んでしまえば行き場をなくして記憶の墓場へ行くだろう
さよなら 今日も終わってしまうんだね
いやなことも楽しかったことも全部まとめて愛すことができたならいいのにね
今まで 過ごしてきた日々はなんだかんだいってもまるで万華鏡のようにきらめく景色みたいだった
それこそ夢のように
過ぎ去っていったね
影のような思い出だけ胸に置き去りにして
僕の僕だけのメモリーグラス
ガラスのように儚くもろい記憶
日を追うたび古い記憶からだんだん忘れていってしまうのかな
君の君だけのメモリーグラス
ガラスが割れてしまうように粉々になった思い出よ
気安く触れようものなら傷ついてしまう
悲しみも切なさもすべて
僕の僕だけのメモリーグラス
ふいに思い出しては
思い出せない部分がまるでモザイクがかかったように曖昧に見えるよ
割れてしまう
思い出は
粉々になった
記憶は
それはそれとして
胸にそっと弔えば
また新しい記憶が
僕を支えてくれる
だから
時の流れに逆らうまでもないけど
少しだけ悲しくても
それは運命られたことだと新しい記憶を描いてゆこう 胸に
見たままの景色すべてはおぼえられなくても
きっと胸にはその時感じた気持ちは消えないでいつまでもいつまでもあり続けるから
メモリーグラスは割れてなお輝く思い出さ
積み重ねることも
忘れてゆくことも
すべては生きていることの証だと僕は思った。
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流れるように
風のように
日々生きていこう
何も心配することなんかないのさ
夢見るように
鳥のように
さあ生きていこう
誰もかまうことなんかないのさ
街は今日も
人であふれただ賑やかで平穏な空気
家でも
仕事場でも
よく怒られて
どやされて
自分が悪いのはわかってるけどそれだけに本当にいやになっちまうね
高いところ
風の中に
ふと立てば
いろんなこと
些細なこと
思い浮かぶけど
何ひとつ
責めたりすること
なんかしなくていいよ
人生は五十歩百歩所詮まほろばの夢の中
長い道のり
焦らなくても
急がなくとも
いいんだぜ
雲の速さで
ゆっくりのんびり
生きていこう
青空が見える時に
精一杯遊んでおこうよ
雨の日は家で本でも読んでいればいい
本能に従ってばかりで損してばかりの毎日でも
それほど参ってないさ
笑い話に変えてしまえばOKだぜ
なんとなく
走り出す帰り道
急ぐ理由なんかないのに
風を切り
ぼくは風に抱かれて
ひとり物憂げに
目をつむるのさ
人生なんてあっという間に過ぎてゆく
長い道のり
焦らなくても
急がなくとも
いいんだぜ
亀の速さで
雲の速さで
ゆっくりのんびり
生きていこう
誰かのぬくもり
探す夜
見つからなくて
くよくよ落ち込んでは壁に向かいひとりごと
そんなむなしい夜さえ生きていく自信を捨てるような理由にはならないのさ
ここに僕がいることが生きてる理由だ
ここで僕が笑ったり泣いたりしてることこそが生きてく意味だ
答はまだ出ないけど
この道の先にはまだまだ何かがある
そんな気がするから
そう言いながら
結局は楽しんで生きている毎日
悲しみがほほを伝う涙を降らせても
涙ぬぐって
出番を待って
ひたすら耐え忍んで
空見上げて
気合い入れて
重い腰をあげて
歩き出す
そして人生はやむなく続く
空の果てまでも
地の果てまでも。