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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[1749] シネマ
詩人:どるとる [投票][編集]


さよならと言い交わし手を振るだけで他人になってしまう
映画なら簡単だけど
現実はそんな簡単にはいかないね

画面をとおして伝わる誰かさんの悲しみや切なさなんて
作り物の嘘っぱちでしかないよね

好きなのに
こんなに
好きなのに
ぼくらは
別れなければ
いけない
複雑な関係さ

ふたり 向かい合う
雨の中 傘も差さないで
目と目で見つめ合ったまま
静寂の流れる景色の中
映画のようにさよならを言うけど
その時の悲しみや涙は本物だから
胸を突き刺す痛みも本物さ

ほら映画なら
終わってしまえば
悲しかったねで終わるけど
現実はいつまでも
消えない
痛みが残るんだ

終わらない映画が
ぼくの中でまだ続いている
さよならしても
終わらない
消えないこの痛み
ぼくの胸には消えない傷跡が残ってる
今さらどちらが悪いとかなんていわないけどぼくらの映画はまだ終わってないのさ

エンドロールさえむかえてないのに
ふたりはなぜか
終わるはずの映画の中でたとえば暗くなった画面の中で
人知れず
お互いをさりげなく思いながら胸を痛めて日々暮らしてるんだ

そんなシネマは今も
ぼくらの中だけで
上映中さ

エピローグは存在しない 終われないシネマ

やまない雨が降り続くような 悲しいだけのシネマ。

2010/08/22 (Sun)

[1748] 手を振る影
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ゆらゆら揺れる影法師
黄昏時 さよなら言う時だね
いつものように手を振ろう

赤茶けた空がまるで熟れたトマトのように少し黒ずみはじめたら
それは夜の訪れの合図

さよなら バイバイ
さよなら バイバイ
あなたも私もぼくも君もすべての人が今日もどこかしらで誰かに手を振り
さよならをする
また明日会う日のために分かれ道で誰かの背中を見送るよ
涙を流すのは大げさじゃないさ
少しの別れがさみしいのはあたりまえさ

そしてアスファルトには手を振る影がうつっている
やがてその影もその場所から消えてゆく
あとにはただ街路灯の明かりが灯ってるだけ

月が輝いてるだけ。

2010/08/22 (Sun)

[1747] また会う日のために
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時の波間に消えてゆく
夢か幻 つかの間の一時
シャボン玉のように
それは儚く消えてゆく

さよなら 夕日よ
今日もお別れを告げ
沈んでく君の背中に
手を振るよ

さよならはまた会う日のためにあるはじまりの言葉

そう信じて。

2010/08/22 (Sun)

[1746] 新しい季節
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言葉にもならない夜は
睡魔さえぼくを眠らせてくれない
羊を数えようにもイメージさえ浮かばない

眠れないから
窓開けて
夜風にでも吹かれようと少し涼しくなった
8月の終わりの風に抱かれていた

どうしようもないほど涙降り積もる夜
それはまるで季節はずれの雪のように溶けては消えてしまう

季節は観覧車のようにまたはじまりの場所に戻るよ
そして何度も
繰り返す日々
並木道に茂る緑の木々もやがて枯れ木と変わる

ポケットに手に入れ
汚れたスニーカーでゆっくり通り過ぎる夏
移り変わる
新しい季節が気づけばそこまで近づいてる

耳をすませば秋の足音がきこえる
ほらね鮮やかにぼくの胸の中 夕色に染まる

日は少し短くなる
夜の闇が深くなる
エアコンの冷房もそのうち暖房に変わるだろう

新しい季節が気づけば知らないあいだに隣にある

ぼくは素知らぬ顔して口笛 ひとり吹く
黄昏の中 夕日の朱色に頬を染めて

ふいに何気なく涼しくなった風の変化に気づいて 立ち止まる 夜の片隅
帰り道の途中

なるべく明るい場所を探して 家路を向かう

見上げた空にはいくつもの星がまたたくように輝いていた。

2010/08/21 (Sat)

[1745] コミュニケーションコミュニケーション
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お話をしよう
べつにはずまなくてもかまわないから
話題なんかぼくが決めるから
お話をしよう
話したいことがあるなら年齢も性別も関係なく
お話をしよう

地球は青い
だけれど
住む人は
白人もいるし
黒人もいるし
黄色人種なんてのもいるんだよね

心に雨雲が立ち込めて やがて涙が降るときはぼくがそばにいてあげよう
そしてお話してあげよう

1にコミュニケーション
2にコミュニケーション
3にコミュニケーション
ずっとコミュニケーション

閉ざしてるを心を
少しだけ
開け放つことが
まずは大事だよ
誰にだって
構わないよ

お話をしよう
それがいちばんはじめの言葉だよ

話し出したら
終わらない
コミュニケーション

魔法の会話
もしかしたら
夜通し つづく。

2010/08/20 (Fri)

[1744] モザイクの国
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目覚めればたちまち何も見えない砂嵐
幾何学模様の憂うつな三角尖った気分
意味深な答を残したまま
ぼくに手を振る
白い天使

悲しみに微笑みを
切なさにも微笑みを
笑顔を忘れたら
あとは泣くだけさ
だから悲しみに微笑みを
切なさにも微笑みを
今やれるだけの
精一杯を込めて

モザイクの国から
抜け出そう
明日の希望が
ちゃんと見えるように
吹き荒れる砂嵐が
落ち着いたら

話し合おう
これからの
いろんなあれこれ。

2010/08/20 (Fri)

[1743] 気張って行くぜ
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次の言葉など
もう必要はない

ぼくはもう
大丈夫

ひとりきりでも
生きていける

それは強がりじゃない
やせ我慢でもない

それはこれからの生きていくための自分への誓い

たとえばそう気張って行くぜ

みたいな感じ。

2010/08/20 (Fri)

[1742] ママのうた
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産声があがる
7月の半ば
暑い陽射しの中
ぼくはこの世界に生まれた

ママに抱かれて
優しい笑顔に包まれて
たくさんの愛に囲まれて
ぼくはなにより幸せでした

お母さん
いつまでも
元気でいてね
だんだん
年老いてゆけば
やがてあなたは空へと昇ってしまうけど

ママ
何度でも呼んだ声を
あなたは聞いたんでしょう
そしてその声は確かなぬくもりになってきっとあなたを包んだのでしょう

だから また そんなぬくもりをあなたに届けたい
あなたが抱いてくれたようにそのぬくもりを届けたい

ママ
うたうように願う
あなたの健やかなる
輝けるこれからを

背広姿のおじさんは
年老いた母を労る
出来損ないだけれどあなたは言ってくれる
私の宝物と。

2010/08/19 (Thu)

[1741] 赤い糸ストーリー
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遠く離れた
恋人よ
お元気ですか?
また君宛ての手紙書くよ
時間はかかるけど
いつか会おうね

単純な言葉の羅列がだらだら
文面に並ぶよ
言葉と言葉の狭間にちょっとした気持ちの変化や切なさが見え隠れする

遠距離じゃなかったら
たとえば同じ街に住んでたなら
ぼくらはこんなに
愛し合えるのかな

遠距離だからこそ
たとえば何十キロも離れたふたりだから
心は離れないでいられるんじゃないのかな

秋が来るころには
君の街に行くための
予定を立てるよ
新しいカバンと靴を買うよ

遠い街に思いを馳せて
頭の中に描くまだ見ぬ
君の笑顔 そして君の声
膨らむ夢が破裂しないように
ぼくは少しずつ
イメージの君に近づいてゆく

イメージという風景などたかがしれたものだけど君に会えるなら 君に会えるならどうでもいいや

ただその日を待つだけ

離れ離れの運命のふたりが出会う
赤い糸を手繰り寄せるストーリー

なんて素敵なんだろう

ぼくはその日を待つんだ。

2010/08/19 (Thu)

[1740] 記憶の肖像
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まぶた 閉じれば
いつでも
君の微笑む
顔が浮かぶよ

いつの日だったか
出会い恋に落ちた
青春とでも呼ぶべき物語

心さえ 凍えてしまうような 冷たい風に吹かれて
立ち止まる黄昏の中 帰り道の途中
隣には君の姿は…無い

それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ

芳醇な思い出よ
なぜにぼくから
離れようとしないのか

優しい風が髪を撫でて そろそろ夏も遠ざかる予感

あの恋はきっと運命じゃない
そう、決めつけて 忘れたことにしても
君を好きなぼくがまだ死んでないんだよ
昔を振り返るたび
君がこちらをむいて笑うのがとてもつらいんだ

いつでも
君が浮かんでは
涙ににじんで
消えてゆく
水に溶けた絵の具のように画用紙のような記憶の中で君がつぶやいたさよならが胸を突き刺すよ

この痛みは言葉にもならないくらいぎゅっとせつない

それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ

絡まった糸のように
ほらほどけないくらいぐちゃぐちゃになった消せない記憶は無修正
消したい真実が裸のまんまだ

さよなら
さよなら
風に吹かれて
どっかに
消えちまえ
忘れたいのに
忘れたくない
不思議な気持ちで
今も残る君の笑顔とあのさよなら

この気持ちはなんだろう
特別な思い出で
悲しい思い出で
だから いつまでも忘れたくなくて
それでもどこかで忘れたくないと思う自分がいる
そんな不思議な気持ち

今もたまに
浮かぶよ
君のあの笑顔。

2010/08/19 (Thu)
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