詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しみはポッケに押し込んで すぐさま忘れたいな
だけれど忘れたい記憶ほど忘れがたいね
悲しみなんて覚えてても悲しいだけなのに
悲しみを入れるだけの大きなポッケはどこにもないのかな
喜びはいくらでも入るのに
押し込めないから
忘れられないのかな
なんてこと考えながら
夢に吸い込まれていく
してやられている
してやられている
とめどなく降り止まぬ時間という雪に埋もれている遠い過去が未来のぼくを笑ってる
他人事のように
悲しみはポケットに押し込んで
そして 忘れたふりでさよならさ
傷跡はそのままに
風の中を突き進む
そんな日々。
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愛想笑いなんて
したくないのに
なぜだかぼくは
ピエロになってしまう
よくできた
作り笑いが
並ぶ街並み
あれもフェイク
これもフェイク
本当の心なんて
どこにもないし
本当のこと言ってる人は少ないくらいの世の中さ
政治家も 有名人も
テレビのキャスターも
みんなみんなうそつきばかりさ
本当のことを隠してばかりさ
あれもフェイク
これもフェイク
よくできたフェイク
危うくごまかされそうなフェイク
本当のことなんて少しもないフェイク
あなたまで疑ってしまいそうになるよ
嘘ばかりの世の中じゃ心は疑心暗鬼さ
ピエロみたいに
作り笑いぶら下げた
あの日もこの日も
明日もきっと
フェイクで繕われた
まがい物の王国
愛想笑いがまるで
あたりまえのように咲いている
お世辞があちこちで聞こえてくるよ
本心は口が裂けても闇の中
本心はなにがあっても闇の中
嘘ばかりで出来上がった王国
嘘なしでは仲間外れにされてしまう
ここはうそつきばかりがはびこるうそつきの国
うそさえつけば
傷つくことさえ
めずらしい国。
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世の中にはぼくなんてちっぽけなほど
たくさん不幸抱えてる人がいるのにね
人はいつもふつう以上の幸せをかぎりなく求める
悲劇の舞台上
自分だけが悲しいように振る舞いながら
涙を流す
演技で拍手をもらってもうれしくなんかないんだ
雨が降る 心に降る
冷たい雨が ほら
言葉なんかじゃ言えないから 悲しくて悲しくて仕方ないよ
雨は降る 心に降る
やまない雨が ほら
ゆっくりゆっくり純粋をおかすように壊していくよ
あの人より
あの人よりも
幸せがほしい
欲望が汚す心
かぎりなく
ぼくを汚してく
雨よ やんでくれ
ぼくはもう濡れすぎた
心まで びしょぬれさ
どれだけ今が幸せなのかはわかっていたよ
ただそれがぼくには物足りなかっただけさ
だからそれ以上を求める心を捨てさえすればまたあの頃の純粋な笑顔でいれるだろう
そして誰かを愛すこともできるだろう
心から
雨は一時やんだ
つかの間の晴れ間に
傘を折りたたむ
ぼくは不安がりながらも君のやわいからだを抱きしめる。
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ねぇ 少しだけ優しいだけでぼくらは愛し合うことができる
特別なものなんか何ひとついらないから
ほら、素直に微笑んでごらん 君に
愛が咲く場所には笑顔が咲いている
愛が咲く場所はきまっているのさ
優しさが咲いていて
あたたかいぬくもりが咲く場所なんだよ
ほら、胸の中が空っぽになったら
愛が咲く場所を探しに行こうよ。
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沈む夕日
やがて夜に包まれる街
まるで深い海の底
夜の空に浮かぶ雲は
大きなクジラで
輝く星はヒトデ
そしてぼくらは仲良く泳ぐ二匹のイルカ
そんな夢の中
枕に沈む本を読む
何をしている
それは人それぞれ
窓を開ければ
満天の星空
やっぱり
ぼくには
深海に見えるよ
あの雲はクジラで
あの星はヒトデで
そしてぼくらは仲良く泳ぐ二匹のイルカ
さあ さまよいながら
ただよいながら
気持ちよさそうに泳ぐ
ぼくらは深い夢の中
このまま覚めないといいな
沈むゆく日
目覚めたらすべて幻
はかない夢のあとさき
花火が散るように
振り返ったら
もうそこにはない幻
ただ音だけが
聞こえるだけの幻影が揺れてるだけ
夜の向こう側
光る記憶
それは
過ぎ去れば
たちまち幻
沈みゆく日
立ち尽くす人とそれを眺める人
月と太陽のように
交差する朝と夜
マントをひるがえす空
光差すその時
沈んだ太陽は
また昇る
ここに
そこに
君の目に。
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笑えない出来事が
たくさんありすぎる
毎日ならば
無理に笑わなくても構わないと思うけど
たまには晴れる日もかならずあるはずだからそん時にはどうぞ笑いなさい
本のページをろくに読みもせず
飛ばし読みするように
生きてるとそのうち泥沼にはまるぞ
そう言う誰かの声をよけいなお世話だと制止している
おかしなおかしなパントマイムでユーモアをぶち壊して
ただ笑うために
ただ生きるため
わがままさえゆるしてしまうぼくなのに
そばにいてくれるぬくもりは今も消えないまま
ぼくにユーモアあふれる素敵な話を聞かせてくれる
一生懸命にパントマイムで
南向きの窓から
見える景色は
変わらないよずっと
ここにある愛さえも
風が吹けば
はじまる夏の物語
微笑みが消えないように
優しさがなくならないように
塩コショウはひかえめに
ぼくは少しのユーモア交えて君と終わらないガイダンスはつづく
夜明けが来ても
結論は出ず
二人は永遠に
長い時間の中
愛を求めていく
真を究めてゆく
この物語が燃え尽きたとしてもそれさえきっとユーモアが笑い話に変えてしまうだろう。
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落ちる夕日よ
自転車に乗って
坂道の頂上
君を眺めてる
いつもの景色だ
だけどいつ見ても
心をくすぐる
切ない景色だね
あんなに早く終わってほしかった日も
こうして終わってしまえばどこかがやっぱり名残惜しいものだよ
夕日にさよなら
カラスも鳴いている
ぼくも家に帰ろう
いつまでも
寄り道してないで
道草はもうやめて
坂道をおりて
おいしい夕飯とあたたかいお風呂の待つ
素敵なお家へ帰ろう
ドアをあければ
すぐさま聞こえる
おかえりの声に
ぼくもただいまを返すその瞬間帰ってきたって気持ちが安心感とともに溢れ出すよ
不思議に笑顔がほら
咲き乱れる 幸せ。
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目立ちたがりの派手先生は今日も派手な服装で派手な振る舞い
でもそんな派手な先生にだって人には言えないような悲しみがある
派手な先生が教えることはひたすら派手な生き方だけ
だけどそれだけじゃない日もある
派手な先生が涙を流す日は派手な夜にはなれないのさ
派手な先生は地味には生きれないから
自分に嘘ついても
プライドを守る人
目立ちたがりなのは弱い自分を隠すためだ
守るためなんかじゃない
わかってる
派手な先生がいちばんわかってるんだ
そう言いながら
泣き出す派手な先生
悲しき派手先生
夕日が落ちる 今。
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控えめに生きる
それがぼくだから
目立つこともなく
地味な先生は
ツルツルな脳みそで
あまり考えず生きる
でこぼこな砂利道
時には楽な下り坂
時には崖みたいな急斜面
そんな人生は続く
お品書きには載ってないちょっと変わった生き方で
苦労恐れず生きていくのさ
悲しみがなんだ
ひとりぼっちがなんだ
全然恐くなんかないぜ
おしとやかに生きる
優しく生きてみる
それだけで人なんて完璧になれてしまうんだよ
難しいことはすべて忘れて 不器用でも何かをひたすら頑張ることで見えてくる何かがあるはずなんだ
地味な先生は何も教えることもできないけど先生というからには何かを教える立場なんだ
たとえばそれは自分自身に気づかせるとか
控えめに生きる
それがぼくだから
欲張ることもなく
地味な先生は
ふわふわと自由な感覚でもって深く考えず歩く
それがぼくなのさ
地味な先生は。
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夜のほんのちょっとした隙間から
ひょっこりあらわれて
そして
簡単にぼくの小さなハートを盗んでゆくよ
追いかけても
追いかけても
追いつけない
知り尽くしても
知り尽くしても
知り尽くせない
君はどんどん
変わってゆく
新しくなってゆく
生まれ変わる
心を着替えるように
視線を奪ったまま
そっけなく微笑む
器用さはまるで
泥棒 恋泥棒
今日もぼくは
ハート盗まれたまま
君に夢中
ずっと夢中
神様より遠い人
猫のように
早足でどこかに消える
夜の隙間にまた
戻ってゆく
かすかな匂いを
残したまま
ぼくのハートを
盗んだそのまま。