詩人:どるとる | [投票][編集] |
だいじょうぶだよ
平気な顔して
微笑む君は
まるで天使のようだ
ほんとうは辛いくせして強がる君を
見たとき守らなくちゃと思ったんだ
花はどんなに
美しくても
いつかは枯れるのが運命だけど
君はずっと美しいだろう
だいじょうぶって
言ってくれる君の言葉だけでなんだか不思議に不安なんて消えているんだ
だからまた聞きたい
何度でも聞きたいよ
だいじょうぶって
だいじょうぶって
言ってほしいんだ。
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何気ない景色の中に
咲く何気ない幸せ
それは部屋に差し込む西日のよう
カーテンをすり抜けて僕に降り注ぐ光
僕を包んでゆく
雨の日のモノクロの空
浮き沈みを繰り返す太陽にそろそろ飽きを感じている
スローモーションで
過ぎて行くまたとない景色を今日も眺めながら僕はつかの間の永遠を感じている
悲しみと喜びを
秤にかけたような
世界の中で。
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影が揺れている
僕のすぐ横で
それは君の影だ
君の生きる証だよ
僕の影も揺れている
僕はまだ生きているからなんて大げさなこと言いながらたかが影だとあざ笑う人たち
黄昏時の切なさよ
このまま何も変わらずに舟は川を渡るもの
途中で沈んでしまえばただの沈没船だ
だから僕は岸をひたすらめざす
黄昏時の切なさは
なにものにも代え難い心地よい美しさを僕の中に刻むように残してゆくから
涙は流れる
流れるままに
黄昏ている 僕の影が少し小さくなったら
それは閉じられる
まぶたのせいさ
夢の中へ
途切れる意識
完全に
まぶたのシャッターがおりきったら
そこはただの暗闇さ
イメージだけが住まう世界
ああ おやすみ
夜が明けるまで
繰り返される寝返りとたまの寝言
どんな夢見てるのかい?
楽しい夢ならいいのに
目覚めたら何ひとつ覚えてないよ
覚えてないよ。
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週末の窓から見える景色は思うより普通で
ふだんとあまり何も変わらない
ただいつもより心がおだやかってだけで
あとは何も変わらない
ただの青空がのぞいてるだけ
だけどなんか不思議なくらい 安らぎに満ち溢れた心の中
言葉にならない幸せが僕の隙間を埋め尽くす
さあ 眠ってるあいだに終わってゆくよ
本を読むのもいいな
テレビもいいな
ゲームもしたいな
買い物にも行きたいな
悲しいほど
楽しければ楽しい時間ほど経つのが早いから
やれないこともあるけどそれはまた次の週末にやればいいことさ
週末の窓から見える青空はいつもとちょっと違うよ
嘘でも いいから
そう言えたなら
不思議に幸せになれる
白い雲 青い空
空っぽの胸の中
それだけで
ただそれだけで
満たされてしまう心
平和だな、平穏だな
日常からひとたび解き放されれば不安なんて一片もない晴天の心地さ
だから窓からの景色はただの青空じゃなく
幸せという名の一枚の風景画なのさ
ここからの眺めは僕がひとりじめするのさ。
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それは偶然に始まり
偶然に終わる
つかの間の安らぎと
つかの間の幸せを想わせる不可思議なまぶたの裏の夜明け
時間は冷酷に
今日も秒を刻み
分を切り刻み
僕の中の時間を少しずつ奪い取る
僕の時間は僕だけの時間だ
誰のものでもない
だが僕の親の時間でもある
だから僕の時間は僕だけの時間ではない
だからわがままはほどほどに生きる
そして今日も朝が来れば鞄を肩に下げ
僕は出かけるべき場所に出かける
そして日が暮れれば
家へ帰る
そんな繰り返し
そしてまた朝が来れば
僕は時間どおりに過ごすだろう
時計の上を時計の針と同じ速さで進むだろう
どんなに急いでも僕の時間は世界の時間に支配された
僕の時間という
それぞれに割り振られたタイムリミットを指し示す爆弾を抱えながら
ひたすらその目覚ましの鳴き声を恐れ
今日も生きる
そんな僕の時間はまさしく有限のひと時。
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今日はこんなことがあったけど
明日はどんなことがあるのかな
何気ない瞬間に何もないところから生まれた僕という命はやがて土に還るだろう
だからそれまでの時間を精一杯生きよう
咲き続けること
それは
生き続けること
明日より明日へ
未来から未来へ
舟を出そう
港へと
希望を乗せて
明日という夜明けへ
輝ける朝へ
帆を揚げよう
風向きは追い風だ
楽しいことにあふれてる笑いの絶えぬ日になるだろう
自分が思わなくてどうするんだ
旅人よ 今やめるのは簡単だが
残された明日で待ってる希望を 可能性を信じてみるのもわるくはないはずだ
わるくはないはずだ。
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さよならも言わずに
さよならも言われずに
ただ日が暮れて
ただ夜がやって来た
窓から見える
横断歩道の信号が青に変わっても通る車どころか人影さえ見えない夜さ
なんだか切なさあふれる夜さ
世界にひとり
ただひとり
僕だけ置き去りにされたような気持ちで
僕は広く果てしない宇宙のような闇の中で
話し方さえ忘れていた
太陽が沈んでいけば
月が輝く
夜が来るように
それは繰り返されることなんだろう
だけど僕がいつも思うこともわかる気がしないだろうか?
この悲しさ
言葉になんかならないから 何が悲しいとか言えないけど
言葉さえこえた悲しみがあるとしたなら
それもわかる気がしないかい?
街の灯は今日もただそばにいるだけで
無愛想な顔して
揺れているだけ
君のせいじゃないし
君のせいにしようとも思わないけど
街の灯よ 聞いてくれ
僕は今 とても悲しいんだぜ
言葉なんてもはや役にも立たないくらい悲しみは膨れ上がったんだ
ほらね はるかな
時間の そのあとに
そして明日もさよならの交わされない
さよならの時が来て
夜はいつの間にか
知らんふりしてここに来て いつもの悲しみを置いてゆくのさ
そしてね
街の灯はあいかわらず
優しいけれど
どこかつめたい
ぬくもりを
心にともすよ
瞳の中で揺れるよ
それはたとえるなら
自販機で買う
缶コーヒーみたいな味の出来すぎたブレンド
そんなものさ
わかるかい?
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人生の目次を開いて
それだけで諦めて
もう僕の人生は終わったんだとか夢のないことばかり言ってしまうぜ
あとから あとから
悲しくなってゆく
あとから あとから
切なくなってゆくよ
PS 僕は死にました
ねえだとか声かけないで 見えないものだと思ってどうぞ無視してください
こんな僕なんて
いないほうがいいから
影法師 揺れる夕暮れ
橙の空に浮かぶ綿雲
疲れ知らずの蝉はいつまでも鳴き続けて
こっちからはミンミンと
あっちではジリジリと鳴いている
たまに道端 死んでる
蝉の短い命のように
夏の暑さは少しずつ消えてゆくよ
まだまだ暑い日は続くけどもう少しすれば夏も氷のように溶けるね
そして夢はさながら夢のように 星屑になって消えた
努力や頑張りなんて
何ひとつ 僕にはできなかった
泣いても 泣いても
とまらないなみだ
泣いても 泣いても
充たされない心
持て余したまま
僕はふいに時の途中に
ただ舞い散る
枯れ葉になりたくなる
だけどまだ本当は生きたくもあります
PS 昨日よりは 今日はなぜか生きたい気持ちのほうが勝ってるよ
帰り道
小石 蹴飛ばして
昔話を語るみたいに
遠い日の夢を思い出せば なみだの群があわただしく僕の瞳から押し寄せてくる
PS 僕は死にました
だから だから
みょうに明るい声なんかかけないでね
ぎゃくにそれが僕の心をつぶすときもあるから
付け足すようだけど
これが一番の理由なんだ。
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押しては引いてく
波はまるで
昇っては沈んでく
お日様のよう
時間は流れ流れて
やがて
僕に終わりを
告げに来るけど
僕は強くありつづけたい
ただ強くありつづけたい
風は南西に向かい吹き
僕の意識は遠い空の彼方まで飛んだ
さあ 波にまかせ
どこまで行こうか
宛てはない
行きたい場所もない
でも明日という世界の中だけでゆるされた自由
それは不自由という自由
箱庭に閉じこめられた小鳥たち
今日も優雅なまでに空を飛ぶ
だけどその翼には多大なる悲しみが見え隠れ
そんな気持ちで今日も飛行する。
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僕が詩人になった日のことを思い出していた
言葉を紡げば誰もが詩人になれること
疑ってばかりいたけど
詩人になった今なら
すべて笑い話にできる
僕は詩人です
名前は誰も知らないけど
言葉を今日も紡いでいるよ
コーヒーを飲みながら
ミルクとコーヒー
混ぜ合わせるように
苦すぎても
甘すぎても
だめだから
その配慮が大切さ
詩人も楽じゃないね
さあ言葉は僕を強くしてくれる魔法だから
きっと明日も僕はどうしようもないくらい詩人なんだよ
だから今日も
生まれ変わるよ
新しい僕になるよ
詩人になった日は
いつも訪れるのさ
僕はいつも
生まれたての
詩人なんだから
風まかせに舵をとる舟のような。