詩人:どるとる | [投票][編集] |
思いきり伸ばした手がやっとつかんだ未来は素朴な趣
思いつめていつも僕は地面にうずまきを何重にも描いていた
なにしてるんだろう
大切な君はさみしそうな顔してる
ずっとそばにいるよ
そばにいさせてねと言ったのは僕なのに
僕から君を遠ざけている
そんな僕なんてすぐに嫌われちゃうかな
そう思ったけど君はずっとそばにいてくれる
そのあまりの愛らしさに今までの僕はなにやってたんだろうって思えるのさ
ずっとそばにいよう
僕はまた言うんだよ
今度は変わらない
今度は嘘じゃないから
ずっとそばにいてね
ずっとそばにいるよ
言い交わすその言葉は永遠にもつづく約束
ずっと ずっと ずっと。
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君はまるで太陽のように僕の目の前でいつも輝いている
燦々と 燦々と
その笑顔は醜いくらい まぶしすぎて
直視できない
君は誰より 明るくてまぶしくて まるで太陽というにふさわしい人
晴れ女よ
今日も 僕を照らしてこの涙を乾かす手ほどきしてくれる
でも時々その明るさがうっとうしいんだね
でもまぎれもなく僕は君を心から愛しているんだ
夏の暑い日の中でも
君は元気だね
変わりなく元気だね
ちょっとくらい
元気ないほうが
ふつうだというのに
君はちょっと
明るすぎるね
君はちょっと
まぶしすぎるね
僕には
大げさすぎる太陽
燦々と 燦々と
今日も照りつける日差しはまるで
狂った夏の日差しのよう
晴れ女よ
たまには黙って
本でも読んでいなさい
おしゃべりが過ぎたらかわいいものもかわいくなくなるよ
晴れ女よ
今日も 僕を照らしてこの涙を乾かす手ほどきしてくれる
でも時々その明るさがうっとうしいんだね
でもまぎれもなく僕は君を心から愛しているんだ
暗い僕は月のよう
夜空に浮かび
ひそやかに
誰かのさびしい
帰り道を照らすだけ
君は太陽
ギラギラと輝くような目立ちたがり
違いすぎる二人は愛し合う意味も手をつなぐ理由もただ本能だというけど
僕は知ってる
愛する意味を
手をつなぐ理由を
それは心の中にあること
晴れ女よ
僕が際立つ夜は
君の普段見せない
涙を乾かす手伝いをさせておくれ
僕は月のように
照らし
そのかわり君は
太陽のように
僕を照らす
役割は決まってる
だから僕らは
月と太陽なんだね
そうやって
お互いを照らしあって
お互いのいる意味が消えないようにしてる
はかない影をもつ存在さ
結局僕も君も夏の道に踊る陽炎
誰かと一緒にいなけりゃさびしくって無口になる。
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祈ったって染み着いてしまった長年の不運は変わらないね
明日もあさってもほかの人には見えないだけでずっと雨は心に降り続く
僕は雨を呼び
君は晴れを呼ぶ
見比べなくてもわかるほど違うね
どっち転んだって
僕は所詮雨男
君とは正反対の悪魔だ
駆け出したよ真夜中
まだらに照らす月の光の隙間をすり抜けて
君にこの声を届けるため僕は死ぬ気で愛を叫んでる
呆れるくらいに不器用で
慌てふためくそのさまはまるで無能の愚か者
降り続く雨の中
無謀なくらい出かけた
少しくらい濡れたって乾けばまた笑えるように心はうまくつくられているんだと君に精一杯の笑顔を振りまく僕だ
いつも迷惑かけて
いつも君は優しくて
それに甘えてばかりの僕だけど
言葉は思いをこえて
言葉以上の何かを
心に刻んでしまう
だからたやすく
人を傷つけ
時には
人を救える
ものなんだよ
君の名を呼ぶ
僕は雨男
英語でいうなら
レインマン
ふざけてるつもりはないよ
ただ僕は心に降る
思いを言葉にしてるだけだよ
泣き虫なところや
ネガティブのところは変わりそうにないけどこれだけはわかってね
僕はいつも君を愛しているよ 世界一
背中と背中を重ね合わせるだけでは何もわからない
だから目と目で見つめ合おう
僕は雨を呼び
君は晴れを呼ぶ
見比べなくてもわかるほど違うね
どっち転んだって
僕は所詮雨男
君とは正反対の悪魔だ
駆け出したよ真夜中
まだらに照らす月の光の隙間をすり抜けて
君にこの声を届けるため僕は死ぬ気で愛を叫んでる
いつも
好きだって
好きだって
こんなにも
好きだって
好きだって
叫んでいる
それでも
伝えきれない
思いがあるけど
いちばん伝えたいのは僕は雨なんかには負けないというつよい意思だよ。
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遠い昔の僕はきっと絵本の中のピータパンみたいに自由自在に空を飛んでた
今ほどは嫌なこと
きっとありはしなくて 笑顔もよけいなくらい振りまけていた
大人という概念と
成人という枠を
はみ出した時から
僕はピータパンじゃなく きっとただのおじさんになってしまったのだろう
夢の中で玉手箱を開けたように覚えもなく老けたね
もうピータパンのような無邪気さは必要なくなったのかな
それでも
それでもね
ネバーランドに憧れて
だからね
だからこそ
ピータパンに戻りたくて
必死になって
あの頃の匂いを
見えていたはずの
ティンカーベルを
探すトムソーヤとハックルベリー・フィンの気持ちになって
ピータパンは中太り
少し肥満気味
体脂肪が気になる年頃さ
それでも ピータパンだったから 憧れは消えないさ
ネバーランドに帰りたい 帰りたい
僕はピータパンだったから
遠い昔憧れていた
ピータパンはもうここにはいない
散らかった部屋を片づけなくちゃ
強迫観念に押しつぶされそうになる日々
夢やロマンなど微塵もないね
楽園は海の底
もう手にも届かない
僕だけが知るピータパンはもう目覚めない
不思議な声も聞こえない。
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天へ召される
魂へ語る
ほんとうの言葉
しどろもどろに
話す 会話の中
君はそれでも
ちゃんと
聞いてくれる
現実が天国なら
僕らは天使だね
翼はないけれど
幸せの光が見える
白い天使だね
君がいるから
この世は第二の
天国になる
あの世へ召されても
君がいなければ
そこは地獄と同じだ
君がいるから
そこは天国になる
君がいないなら
どんなに美しい場所でも地獄に見える
だから君がいる
この世界は
まぎれもなく
僕には天国なのさ
それだけをずっと
いつも 伝えたい
朝から 夜まで
夜から 朝まで
繰り返し 届けたい
そんな 気持ちを
天に召されるそのあとも 僕は君といたい。
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手足をもがれた蝶は
ただの芋虫さ
這いずり回って
やがて 息絶える
虫かごの中に 閉じ込めた世界
生態系を脅かす人間の狂気たる美の乱れ
串刺しにして
標本の中に
生態系を築く
虫の息もない
蝶を愛でる
悪趣味な人間は
かすかな灯りの中
やがて自分も棺桶の中
闇に喰われる宿命。
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ほんとのこと言わなくてもうまくごまかされても
よく知ってる僕なら君の気持ち 手にとるようにわかるんだ
ずっと友達のまま仲良くいてくださいねって君のかわいい顔に書いてあるんだ
君が優しくすればするほど僕は君を好きになって
離れようとすればするほど 君が恋しくなって結局はいつも君の隣で下手な笑顔で平気なふうを装ってる
この世界でもしも君に出会わなかったら
こんなに素敵な気持ちに気づけなかったね
あとで君じゃない人を好きになっても
君に抱く思いはただひとつの気持ちだから君への恋心はあとにも先にもこれっきりさ
あの日、僕の胸のいちばん奥に咲いたはじめての気持ち まるでそれは花のようにかぐわしき香り放って
僕をとりこにしたよ
僕はもう君以外
好きになどなれない
そう思ったのに
この一途な思いは
一方通行なようで
その先には踏み込めない
どれだけ君が好きでも君は僕じゃない人を見ているようにどこか遠い目をしてる
君が僕にくれるその笑顔は君が好きな人のまえではそれ以上の輝きを持つ笑顔になるんだろう
それならいっそ僕じゃなくその人にだけ浮かべるべき笑顔だと思うのさ
卑屈になる
卑屈になる
僕のわるいくせだね
あの日、僕の胸のいちばん奥に咲いたはじめての気持ち まるでそれは花のようにかぐわしき香り放って
僕をとりこにしたよ
その花の名は
初恋という美しいはずの花
どこか切なげな香り。
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風に吹かれていた
黄昏時の空は オレンジ色に染まっていた
熱いコーヒーを飲んだときみたいに胸の中で言いようもないような切なさがじわりとひろがる
カラスが二、三羽
大きな羽を広げて視界を横切る
そのとき夕立が肩先を濡らす
なんとなく吹いてみた口笛が奏でるのは聞いたこともないような即興曲
悲しいかい?
切ないかい?
誰かに聞かれても
僕はきっとね何も言えません
風に吹かれて 黄昏ていつもと同じ赤茶けた空の下に佇んで
五時を報せる
アラームが
町中にひびいて
ため息ひとつ
吐き出したそのとき
なぜかあふれた
涙がほほを伝った
涙を流す理由なんて
ありすぎて 困るほどだけどいつも理由はひとつだけ
あの夕暮れのせいさ
涙のわけは
嗚呼いいところで
終わる ドラマみたいに ほらね 今日も未完成のそのまた続き。
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朝7時半目が覚めて
牛乳一杯だけ飲んで
食パンを一枚食べて
ただそれだけでどこか幸せ感じる僕は単細胞
なんとなく出かけた
行き先は決めないで
せっかくの休みも気まぐれな堂々巡り
費やされるよ 無駄な時間が
でもいざ休みになると何をすればいいか
わからなくなるんだよ
素晴らしい 1日だった
そんな見え見えの嘘でごまかせるわけもないけれど
とりあえず言ってみただけだよ
ワンダホー…
ワンダホー…
何度もつぶやいていた
明日も1日に何度もつぶやくのだろうか
だめな自分を
愚かな自分を
諭すかのように
悲しい気持ちを
切ない気持ちを
隠すように
ワンダホー…
ワンダホー…
つぶやく声が今日も夜にこだまする
小さく小さくつぶやく声がむなしい
ため息が数十メートルの高さすらこえて僕の胸の中を悲しみで満たした
それでもつぶやく声
ワンダホー…
心の中にさざ波が
打ち寄せる。
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広い広い 海の真ん中あたりで
難破船みたいに漂流している六畳一間
舟のように僕の毎日は迷いの底のさらに底
行き場もなく
はけ口もない
わたしには
もはや何ひとつ心の空白を埋めることはできないよ
僕の後世はなんなのだろう
人間でもほかの動物でもかんけいなくつぶやいてやるんだ
おまえの前世はこんなに情けない男だったんだよと
悪ふざけの延長みたいなどうしょうもない未来の中腹であがきつづける父親の影が視界にうろつく
目障り…
明暗の世界の中
降り止まぬ雨の中
母なる大地を
踏みしめて
我は地をひたすら
歩く 旅人になるのさ
距離は考えない
ただひたすら時間まで 歩き続ける
そんな僕の一生よ
幸せはどこだい?
どんな形だい?
どんな色だい?
覚めない夢の中で
たずねては返らぬ答にいらだつしまつ
名づけるなら
どんなタイトルがいい?
また悪ふざけの延長は続くよ
日々エスカレートしながら
エスカレーターのように天へ天へ昇る
溺れそうでも
溺れることはなく
わずかな
苦しみを地味な痛みを伴った生活
それが僕のカルテ
診断はいつも
治らない 夢遊病
鬱 対人恐怖症
極度の人見知り
愛想のかわりにくだらない調和をもらいマッチのように誰もが嘘見え見えの世辞を売り歩く
そんな世界に僕は生まれた
そして今日も 今にも沈みそうな舟に乗り
なぜか いつ沈むかと気が気でないんだよ
ほんとうはまだ生きたいんだ
ただ、目の前のスライドがめまぐるしすぎて 頭が痛いだけ。