詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつも行くあの公園のベンチ
大きなイチョウの木の下にあるベンチ
おきにいりのベンチ
少し古びたベンチ
いつもここで本を読んだり昼寝したりする
さあ 今日もあのベンチに行こうね
苦しい金曜日の終わり
楽しい土曜日の始まり
何気ない日常に隠れた楽園よ
どんな場所よりもいやされる僕だけのベンチ
今日も行こうね。
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現実と夢の境で
せわしくさまよう日々
何が現実で
何が夢なのか
時々解らなくなる
頭の思考回路が
狂ってしまう
何を基準にして
人を判断するのか
何を基準にして
評価を下すのか
その人の判断で
その人が満足してるならばほかの人がその人の生き方に文句をいうことはできないよ
正解と不正確の境目を行き来する
時々は正しくて
時々は間違ってる
そんな僕の毎日はつまらない
でも満たされてる
どこか充たされてる
そんな日々です
さあ、見えない触れない幻といざ戯れよう
さがしてる答はきっと街の中にも広告の中にも雑誌の中にもあるはずないよ
基準と境目を照らし合わせながら
少しずつ確信に迫ってゆくのさ
そしていつかそれと知る何かが見つかるまでウダウダしていよう
違えながら
誤りながら
少しずつ
自分なりの
答を導き出そう
萎え気味の毎日も
あざやかに変わるのなら
基準と境目を見比べながら
ちょっとずつ本物に近づいてゆこう
そこにある新しい
明日に さわってさわってさわって。
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倒れても 転んでも
何度でも その反動で立ち上がる僕はだるま
真っ赤な顔して
おひげを携えた
強面の心は
優しさに満ちあふれてる
夢のような そうでもないような
不思議な夢をまた見た
これは現実なのか
蚊をはたき落として
リンリンと鳴く鈴虫の鳴き声と風鈴の音に情緒感じる夏
7月は美しいものばかり
花火も見に行きたいし
お祭りにも行きたいし
やりたいこと
行きたいとこ
目白押しさ
目をつむると まぶたの裏に青い海と黄色い砂浜が浮かぶ
遠い昔の夏が広がるよ
押し寄せる波が夏を届ける
7月の日記
記したのは
楽しい記憶だけ
花火の燃えカスを水にためたバケツに入れるように 残るのは焦げたような火薬の匂いだけだよ
陽炎が近づいては
遠ざかって揺れる
鼠花火が回る
打ち上げ花火が
天高く舞い上がる
そして夜空に
はじけ散る 大輪の花
ラムネ 片手に
夏を飲み込む7月の夜
日記に書くなら
当然 そんな夏がいい
暑さに参る日々に
やってくる夏休みに
僕は 恋しさを抱く。
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ふらりと雨が降ってきて
アスファルトを濡らす土曜日に
風邪を牽いた彼女は部屋の中で
お粥を食いながら
僕の話に耳をかたむける
さっき買ってきた
バニラ味のアイスが溶けてしまうまでくだらない話題で笑いあうのさ
大切なものはいつも
こんなにも 肌が触れ合うくらい
近くにあるのにね
打ち明けられない
毎日を生きてる
僕は乙女のような
恥じらいを胸に抱いて
薄紅色に頬 染める
今日も ふたりは微妙な関係だ
君がお粥を食べ終わって少ししたら
雨も上がったようで
君も具合がよくなってきたようでなんだか 今なら言える気がしたよ
なんてね
言いながら
雨に思いを流す土曜日
ふらり雨が心を濡らす
今も乾かない 胸のうち。
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木枯らしが吹き荒ぶ
帰り道の黄昏
足跡は家まで
まっすぐに続く
ポケットに両手をつっこんでいる
無防備な僕をどこからでも今なら
消し飛ばせるよ
神様
あなたはまだ僕を生かすというのですか?
夢のようなそうでもないような不思議な夢の中で 夢見てる
かすかな風の音が僕を 包むように吹いている 不安は不思議とまるで無い
真夜中のカーテンを
大きく ひらいたら
そこに見えた景色につぶやこう
僕はまだまだやれる気がする
そんなことふいに思う夜
長話は長々と続く
この夜が明けるまで
朝が街を照らすまで
長話は延々と続く
ワガママもまかり通る夜。
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たくさん悩んで
たくさん迷って
いつか頭の中で
現実よりリアルだったはずの夢の世界は壊れて
ネバーランドなんてなかったことを知って
人は大人になるんだね
歩いた距離や
生きてきた時間なんて問題にもならないね
大切なのはその中で感じた『濃密さ』さ
きっと僕は最初からわかっていた
だけれど いつまでも夢の世界で微睡んでた
ピータパンはどこにもいないんだ
見えていたのは幻だったんだ
悲しくても
そう 割り振ることで強い自分を取り戻すんだよ
現実の世界に帰るようにピータパンの手招きを無視して僕は母親の手をにぎる
壊れていく夢の世界が 少しだけ 恋しかったり懐かしくても
僕は 夢の世界では生きてはいけない
現実がたったひとつのリアルだから
静かに夢のドアを閉めるよ
さよなら
ピータパンに
手を振るんだ
きらめいていた
世界は
地平線よりずっと
はるか彼方。
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何もない人生で
どうでもいい毎日で
僕という人はまったくしかたない人で
それでもどうにかこうにかここまで歩いてこれたよ
面倒なことや
億劫なことも
やらなきゃならないから 大変ですね
人生はまるで長い旅のよう
また朝が来て
また夜が来て
気づけば窓の外にまん丸な月が見て取れる
いつも同じなんだ
気づけば1日が終わっていて
赤い夕日が涙をみょうにさそうよ
こぼれた涙はやがて大きな川となって
僕のほおを流れるのでしょう
他人事みたいに
つぶやくよ
人の人生なんて
何も贅沢いわなければ楽しててもそれなりの生活にありつけるのさ
なんてね夢もないことをまた僕は言いながら
理想や夢を追いかける素振りも見せずに
ただただ 繰り返す日々に乗り合わせるだけの毎日だよ
バラ色の人生を夢見ていた あの頃の僕にはもう戻りたくても戻れない
今はただ
普通に歩くことすら大変なんだから
ああ神様仏様女神様
栄えることなく
滅びるどこかの国みたいに 廃れきる一方でも
時々愚痴のひとつも何も言わずに聞いてくれよ
卑屈を 肴に
あぐらをかいて酒をくらい
枕を友に
いびきをかく日々
輝かなくていい
でもこのまま
絶え間ない
平穏よ 流れておくれ
そよ風のような 僕の毎日よ
人生はバラ色だ
このまま何も変わらないでいるなら
素晴らしい人生だ。
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後ろから走ってきた
車のライトに追い越されただけで
気持ちぐっと揺らんだ夜
蚊の心みたいに
ちっぽけな僕のハート
帰り路のセンチメンタル
わき上がる切なさが
砂浜に押し寄せる波のように引いていくときかならず何かを連れ去ってゆく
それが 笑顔だったりするんだね
だから 涙はしょっぱいんだね
海から はこばれた水だから
押し寄せる波のように
僕の笑顔を奪うかわりに涙を残していった。
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ねえ 夜の灯りが揺れているよ
静かに 音もなく ただゆらゆらと
誰かの不安をあおるように
誰かの心を包むようでもある
不思議な灯りが揺れている
等間隔で佇む 灯りが揺れているよ
小雨の降る 駅のホームをすり抜けて
改札を 出たときの安堵感なんてちいさなものなのに
夢の扉の取っ手に手をかけた僕にはそんなちいさな安堵感だけで心は安らいでいた
ほらね 夜の闇が深く濃くなるほどに
静けさも際立って なんだか全ての音が消えてしまった無音の世界が窓の外で街灯りを揺らしていた
君は今 何をしてる?
少し冷たい夜風が空気を冷やしたら
肩先に 花びらがこぼれて 僕はため息で花びらを吹き落とす
曖昧な言い訳と
定まらない答えに
全ての時間は
立ち止まり
僕は何も言えなくなる
深い深い夜に沈むだけ
ああ ここにいる僕は理想を大きく裏切ったちっぽけな存在
それでもそんな僕を愛してくれる君という人のやさしさだけが僕を救う
つなぎ止めるべき
ぬくもりが
今夜はなぜだか
いい加減だな
ほら君は
電話にも出やしない
壁に背中を向けて
泣いてないよと嘘をつく僕の瞳にきらめくしょっぱい水がこぼれ落ちたら
救いの綱が切れてしまう
僕は 夜に溺れてしまうよ
だから 君の声が聞きたい
なんだか 今夜の僕は弱気なんだ
月明かりさえも
意味のない
ただのお飾り。
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君の右手は僕のさびしさを包む大きな手
君の左手は僕のはかなさを包む大きな手
両手で抱きしめるときは心に降り止まない涙の雨をいっしょに降り止むまで見つめるときに役立つぬくもりを伝える偉大な手
僕のこの右手は
僕のこの左手は
君の何を包み
君の何を癒やす
ためにあるのかな
君だけが知ることさ
心の温度にふれたとき
人は涙を押し殺せない
たまらず溢れ出た涙は
心の温度を教える様に
確かに温度を伝えるよ
そしてこの世界の中で誰もに
いつか訪れる終わりさえも 人は人と互いの温度を伝えあうことで 落ち着きを取り戻すんだ
今僕を包み込んでいるのはこの世界でいちばん大切なぬくもり
その言葉に何ひとつ嘘はない 絶対的な真実だ
ほらね 僕は君の瞳を見つめるだけでわかるんだ
見えないはずの愛のあり方も ふれられないはずの奇跡にさえカンタンに手が届くような自信があふれる
ああ花びらが散るように
母親のような全ての世界から暗い宇宙へ放り出されるように
いつか 訪れる
その日に僕は背中など見せないよ
君のぬくもりがあるならば 僕はやがて散りゆくさだめにも笑って 立ち向かえる
心の温度が 今
少しだけ 熱を帯び
僕の心をきゅっと
締め付ける
君が少し
弱気を 見せたから
僕を 頼るように
僕の手を握ったから
大切なもの あるいは人
守るために 僕は
散らせてゆこう
日々 日めくりカレンダーのように
散ってゆく時間を
つよく抱きしめながら
空の下 土の上
君の横
この世界でいちばん破ってはいけない
約束を交わしたよ
口づけが添えられた
素敵な夜がドアを開けたよ
冷たすぎても熱すぎてもだめな取扱いの難解な心の温度を 少しずつ少しずつ 僕に 分け与えながら
君は僕の前で力強く微笑む。