詩人:どるとる | [投票][編集] |
まるでむき出しの切なさ ぶら下げて声を押し殺して泣いた夕暮れ
帰り道は果てしなくどこまでも続きそうで
出口のない迷路のようにこの僕を迷わせる
言葉にもならぬ思い
それは本当は一番
誰かに伝えたい言葉なのに言葉にならないから黙ったまま
僕は何もかも納得したような顔でうなずくのさ
心の中はどしゃ降りだとしても
涙を流す僕を外側から他人事みたいに眺めて見ているその僕の目にも涙が光る
悲しいよって言葉にしてみても
助けてよって救いを求めても
僕は空っ風に吹かれているしかない かかしのような孤独な人だから
この心に降る雨もやまないのもうかがえるだろう。
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夜は静かなほうがいいかい?
それとも頗る賑やかなほうがいい?
思考の道行きはいつも決まって夜のど真ん中
ナイトライダー
走り去ってゆく
切なさもむなしさも
ぜんぶ乗せて
夜明けを駆ける
ナイトライダー
走り抜けてゆく
夜明けにはまだ遠く
朝というには暗すぎる ころに僕らは何をしている?
なにをしてても変わらない切なさやむなしさは変わらない
今も深い闇に沈んだような思いさ
ナイトライダー
また走り出す
夜明けへと向かって
ささやかな星明かりに見送られて朝がやって来る。
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追いかけても追いかけても追いつけず
追いついたと思えばすでにもうそこにはなく
立ち止まって眺めているならば突き放されるばかりで
形もなく 色もない
名ばかり ばかり
見えもしないくせにこれでもかって位きらめく ロマンスさ
そして、訪れた夜を飾るでしょう。
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シャットダウンしたあとのパソコン画面みたいな真っ暗な窓の外の景色
見つめて 見つめていた零時ちょっと過ぎ
わざと開けた窓からは心地いい風が吹き込む
ラジオの音が小さく
明日の天気を報じる
さあ 旅立ちは今
リュックに詰めた
黄昏は孤独でも
ひとり踏み出す
明日への翼
広げて 広げてみる
その勢いだけで
何か 成し遂げられたなら 輝く鍵は次の扉を開けるだろう
いつもの夜なんだ
だけど特別で
ぜんぶ素敵で前途多難の毎日だけど僕に流れ込むたまの幸せ
心の中で奏でるメロディはたとえるなら静かな夜の森
誰かの不協和音をかき消す 大好きなあの唄
僕は見えないピアノで弾いてみる
声にも言葉にもならない 複雑な思いを
心の中できこえてるあのメロディと重なり合わせ 唄にする
夜の森と題された
素敵な素敵なあの唄
思い出を綴じたような 記憶のアルバム集。
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何もない街の中で
今日もたくさんの悲しみや喜びに出会いました
そのたびに涙を流したり嘘でも笑ってみたりしていました
でもなんだかそれも疲れてきたので
そろそろお家に帰ろうと思いました
予定も目的もなにもない1日だから
すんなりと 家路は遮るものもなく スムーズにまっすぐ歩ける
目の前に揺れてる
かすかな光
寄り添うのは希望に甘んじる僕を見張るような影
後方から走ってきた車にふいに追い抜かれただけで なんだか切なさがたまらなくなって
思わず涙もあふれてしまう夜だから
浮かび上がるは月の影
全ての人に輝きを注ぐ
そして僕が生まれたその意味を曖昧にさせる
どうして僕はここにいるんだろう
それがずっと不思議で どこか納得のいかないからくりだ
過去 未来 現在
行き交う 思考
イメージばかりに
支配された脳内
絡まり合って
やがて ちぎれる記憶
さあ 僕の影よ
夜になれば 眠くなるからさよならね
切なさは夢の中に置いていこうかな
それでも嫌なことほど大切で 忘れられなくて なんだか悲しくて
そんな気持ち 語り合う愛しい人の影はない
冷めたようなリアルに侵されたなら
ロマンスをおひとつ味気ない 現実にまぶして
たまには子供みたいに統一性の無い 夢を見ましょう
何もない街の中で
何もない1日の中で
何もない僕が描く小さな小さな仮想世界
心の中だけでその存在を許される「夢」。
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オレンジ色の空を背景にズボンのポッケに手を突っ込んで
ちょっとだけ黄昏ていたんだ
今日も言葉には出さなくてもさよならの時はやっぱりおとずれて 太陽はいつものようにいつもの顔して沈んでゆく
走ったり歩いてみたり 何かと忙しい毎日を僕は今日もため息ばかりついて過ごした
熱いコーヒーも気づけば冷める
そのように時間はその時は長く感じても「あっ」という間に過ぎる
口笛を 吹き鳴らす
カラスが頭の上で僕を追い越す
五時のチャイムが遠くで鳴り出す
僕の心は今 切ない気持ちであふれてるんだけどなぜだか どこか優しい気持ち
感情的なこの僕の胸が熱くなるよ
センチメンタルというほどのことじゃないけれど
大げさにいうならばもしかしたらそんな感じかもしれない
夕暮れになって
五時のチャイム
聞くとなぜか
そんな気持ちになるのさ
だから、涙が しぜんとこぼれちゃうのかな
暗くなるまえに
さあ お家に帰ろう
街の灯をつれて
ポッケから手を出して 明日をつかもう
悲しみなど 目じゃないぜ
強がりとはちょっと違うぜ
最後の捨てぜりふも素敵に輝く夜
何も特別なことなんか望まないから
明日もまた今日みたいな日であれと願うばかりさ
なんてね 言ってみただけ。
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不器用なこの僕でも君に何かできるかな
試行錯誤の果てはいつも諦めに変わるから
僕はいつも空っぽでひとりぼっちのままさ
とても切ない夜だから
おしゃべりな口をふさいでよけいな言葉はしまって
楽しいことイメージするなら独り言にはしないでイメージだけ抱いて目を閉じよう
ふわふわ 浮かぶ風船が七色に輝いて
僕を素敵な夜の旅へいざなうから
夢の中で 風船を追いかける 僕は主人公のつもりだった
なんの脈絡もなく
開け放つ窓の向こうに 広がる世界は僕には地獄にも見えたよ
だから 見えない風船をずっと追いかけていた
目には見えない
幻の風船。
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終わりの時が来たようだね
何をしても免れない現実が僕に覆い被さる
むだにあざやかな記憶だけ残したままで
君の「さよなら」の言葉がいつまでも胸の中ひびいてる
君のさよならは涙混じりのさよならだったから
物語のラストに降る雨
ずぶ濡れの僕
つぼみのようにかたく閉じたまぶた
僕は今君にふられた
つぼみのままの恋が咲くこともないまま
今 終わりを迎えた
ほら 君はもういない
背中すら見えないよ
ただ僕は雨に濡れながら 立ち尽くす夜さ
小さな灯りに照らされて。
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くり返す日々はまるで夢を見ているように
過ぎ去ればまるで幻みたいに思える
つかの間の安らぎに喜ぶ僕らはふとした瞬間に見上げる空にまた雨の兆し感じる
この物語は表紙をめくる前からもう決まっていたのさ
結末さえも
それでも雨上がりに架かる虹を僕らは待つしかできないのさ
運命に縛られた翼じゃ少しさえ飛べやしないから
きっと信じるべきは運命じゃなく自分自身なんだ
ほら目覚めよう
口笛 軽快に 吹き鳴らして まるで悲しみなんか見えてないように強がる僕でさえも輝いてゆく
この物語の旅立ちの一ページに刻まれた
華々しい名文句が出発の合図
さあ 海原へ出よう
選んだ船に乗って
雨上がりの虹に会いに行こう こちらから
この物語は表紙をめくる前からもう決まっていたのさ
結末さえも
それでも雨上がりに架かる虹を僕らは待つしかできないのさ
そして夜明けは来る
僕らの心におりたとばりを取っ払う
太陽が昇れば 全てのまやかしは明らかになるだろう
虹がおしえてくれる。