詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨のち晴れを繰り返すあの空のように
僕らの心の中にも天気が在って
入れ替わり立ち替わり悲しみや喜びが僕らをせわしく泣かせたり笑わせたりする
時間の概念に手とも足とも縛られた時計仕掛けの街
誰もが誰もしかるべき時間の線の上をなるべくはみ出さないように歩くよ
愛想笑いという華を見せびらかす人
おだててみたりする人
みょうにお世辞をこぼす人
街を歩いてみるといろんな人がいるね
だけどさ 僕みたいにさ 素直すぎるのかわからないけど他人にそこまでして得るものなどないと思う人だっているんだ
今日もどこかしらきっと悲しかったり楽しかったりして
平穏な日常でも
かならず どこかには探せば 見過ごせないシミのような苦い記憶が点在するんだな
だから 僕は不必要な言葉をひそめて
だから 君も不必要な感情をかくして
そして隠すものがなくなったときだんだん世の中が求める形から 大きくずれた人だけ 疎外されてく
そんな思い全て
風に流されるように
何ひとつ 叫べずに
日々こもごも 独り言のようにして 打ち消される
夕暮れの歩道
舗装された道
夕日が彼方に見える
カラスが鳴いて
僕も泣きそうになった
得意だったはずの強がりさえ 最早 役立たず
景色の画面の端で人知れず泣く僕を 置いてゆく 川の流れ。
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誰かが今日生まれても変わらない速さで地球はまわる
表情も変えずに
たとえ今日誰かがどこかで死んじまっても地球は速さを変えない
まるで何事もないように
いつもいつもいつも
同じ速さでまわる
仕方ないさと目をつむるように
ただ地球はまわる
それだけが使命であるかのように
くるくるとまわる
悲しみの周りも
喜びの周りも
幸せの周りも
僕らの周りを
くるくるとまわる。
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諸行無常の鳴り響く
世界のとある街の
小さな一戸建て
散らかりっぱなしの部屋
山積みにされてる理想とたまに崩れて垣間見える不安
シャバの空気はよどみによどんで
僕は思わず涙を流してしまうよ
真夜中の零時過ぎ
どこかつめたい月明かりに照らされて
切なさが押し寄せる。
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いつか 誰もしかるべき時の流れの末 その命を空に返す
借り物のからだ燃え尽きるその時 全ての記憶も眠りに着くよ
百年ほどの時間
積み重ねるけど
その全ては死んだなら消えてしまう
それでも積み重ねる意味があるのは
生きている喜びがあるからで いつか消えても生きているあいだ精一杯楽しむために
僕らはいくつもの思い出をつくる
風のように流されていく時間よ
フィナーレはまだ先でもこの流れの先で僕はいつかさよならするのだろう
なんだか悲しいね
なんだか切ないね
それでも僕は生きている今を楽しむのさ
たとえいつか終わりが来ても 後悔が残らないように 少しでもやりたいことするように毎日生きてるよ
ページはめくられる
そのたびに尊くなる時間
お別れに近づく
それでも笑える今を大切にしているよ
さよならしたら
もう 二度とは
来ない時間だから
フィナーレを待たず
さも終わりなどないように振る舞う明るさに 乾杯しよう。
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幸せってなんだろう
金持ちになることかな
それともお腹いっぱい美味いもの食べることなのかな
時々幸せのなんたるかを見失う
途方に暮れ 黄昏る道の途中 目の前には急な崖
少しのぞき込んだだけでも足がふるえる
幸せの形を忘れてしまったのさ
誰か 知っているならばおしえて
人それぞれその形は違うというけど
僕には幸せがわからないんだ
だから僕は今
生きていることが
はたして幸せなのか
不幸せなのかさえ
わからない
安上がりの愛想やお世辞ばっかじゃわからない
本音を隠して生きている毎日じゃ見失ってもわからないね
だから今日も僕は
見えない壁の向こう
窓にうつる自分自身に問いかける
幸せってなんだろう?
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こぼれては雪のようにはかなく消えていく命と
手のひらのようなこの世界でいくつもの
生命線のような道を歩く人
今日も何かと楽しくて
明日も何かがきっと楽しくて
だから命を咲かせてゆくよ
手のひらの上に
地球は回るよ
命も回るよ
何度でも何度でも
産声をあげて
新しい命が生まれるよ
愛と優しさにあふれたこの世界の中
単純明快な答に頷いて 僕らは手のひらのような世界で笑いあうよ
迷いながら
悩みながら
命は育つ
手のひらの上。
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時々悲しくて
画面の端に消えちゃいたくなるときがある
そんなときはポロポロ涙がこぼれて
何も信じられなくなるよ
大好きな君の笑顔さえも見えなかった
悲しみの前じゃ人はただの弱虫になる
それでも だんだん
雨がやむように
時間が経てば
晴れ間がさすように
笑い出すよ
心に太陽が輝くから。
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どうして僕は君のこと好きなんだろう
あとになって振り返ってみても理由なんて見当たらない
でも君にはじめて出会ったときから
なんだか胸のあたりがむしょうに痛いのさ
これって恋だろう?
世界中どこ探してもいないような君だから
僕がどんなに不器用でも愚かでも君が好きだよ
その思いだけは嘘じゃないから 信じて
梅雨空の下に咲くあじさいのように
赤や紫や青に染まれるくらいなら
僕はこんなに不器用じゃない もっと君を幸せにできてる
だけれど僕は何色にも染まれない不器用なあじさい
君が好きな理由さえ
言えないまま
今まで歩いてきたよ。
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夕暮れの空にカラスが飛んでる
そんなようなありふれた夕暮れ
どこからか夕飯のいい匂いがただよってくるようなあたりまえな景色の中
僕は君とふたり
貧しくても肩を並べて
けんかしてもあっというまに仲直りして
気づけばまた肩並べる
そんな愛と優しさに満ちた生活をそれなりに暮らしている
なんていうのか難しいけど君の一番好きなところはね 君の顔でも趣味でも 仕事でもなく
君の心の形とでもいうのかな とにかく君の心が好きなんだよ
だから君の全てを愛せるのさ
今日もまた日が暮れれば僕は君のいる部屋に帰る
ただいまと言って
僕が疲れていれば
肩もみしてくれる
そんな優しい君に何ができるかな
いつも何かしようとするけどできずにいるんだよ
一番大切なことは
ずっとそばにいること
それをしなくては愛することなんてできるわけもないから
なるべくそばにいるよ
そばにいて何ができるわけでもないけど
こんな僕でも必要とされてるなら
君の笑顔の横に僕の笑顔を並べよう
たとえばありふれた夕暮れの
カラスが二三羽飛んでいるような
そんな構図の中に
ふたり窓際
肩を並べるような
そんな古くさい愛でもいいから
僕と君のその形が
変わらないように
あれやこれやするよ
永遠なんてものも誓うよ
この世界が僕らのことを必要としなくなる日まで
僕は君を 大切に大切にするから。
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青い空の
暑い夏の
白い雲の
広がる思い出
まぶた閉じれば
今も思い出せる
風にとばされた
麦わら帽子の行方
みんなで行った海
夏休み明けの一番
最初の授業で
日に焼けた黒い肌を見せ合い笑いあった夏の思い出がまわる
吹き出す汗と
暑いけど
そんな中で
食べるアイスの美味しさに暑さを一時忘れた僕らは
自転車で田舎の道
どこまでも駆け抜けた
風きって駆け抜けた
あんな夏今はどこに
置き去りにしてしまったのか
青い空も白い雲もあの頃とは違う
僕の夏は ただ暑いだけの夏じゃなかったはずなのに
青い空に抱かれていたい
そう思うことさえ
忙しさに流されて
薄いトタン屋根の下
汗をかきながら
仕事に精を出す
夏の日々
今はなき夏よ
いつかまた出会えるかな
形だけでも感じれたらな
なんてね思うよ
大人は ちょっぴり切ない。