詩人:どるとる | [投票][編集] |
箱を開ける前と
箱を開けたあとの
気持ちは違うね
箱を開ける前は
箱を開けたあとより
ドキドキしてる
でも箱を開けてしまえばドキドキは消え失せて いつの間にか箱の中身に呆れ果てていたりする
未来も同じなんだ
限界がわかってしまえば変わらない営みに身をあずけていたほうが楽なんだ
社会のクモの糸に全身とらわれているほうが気楽なのさ
今さら もがいたって
今さら あがいたって
なるようにしかならない世界の仕組みはわかってしまってるから
開けた箱の中身は
開ける前のドキドキが勿体ないくらいに至極平凡な未来だった
キツいネクタイも
黒光りする革靴も
憧れていたスーツも
全てはぼくの行き過ぎた幻想の敗北
現実に出くわしたとき
全てがもろく崩れ去った
その音さえ とらえていたぼくの地獄耳
箱を開ければ
そんなものさと
こぼす言葉と
ため息が混ざって
空虚をつくりだす
部屋中にあふれた
倦怠感に侵されたぼくと頭の中に山積みになった未解決の問題集
答は無いに等しい
だけれど出さなくては前には進めない
そして出した答次第では破滅の一途
そしてまたぼくは言う
口癖は止まらない
箱を開ければこんなもんさ
何ひとつ不思議じゃないんだ
ただぼくの力が及ばなかっただけの話
あとはただ続く日々にもたれかかっていればいいだけさと
むなしさにあふれた楽園にぼくは逗留する
ああ 理想は果てしなく高かった
でも、現実は理想より厳しく狡猾だった
ただそれだけの話を真面目に語るだけの話
いずれは時が全てを笑い話に変えてくれる
その日を今はただ
侘びしく待つだけ
桜の花びら舞うような微弱な風に狼狽えて。
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涙 流れる 粗めのガラスの向こうで揺れる影はふるえている
僕の涙の音 聞き分けられる人がいてくれたらさびしかっただけで終わる夜も少しは楽しくなるだろうに
僕は不器用な上に
ひねくれてるから
きっと周りからの評価は低い
それでも 頑張ってるつもりなんだ
胸の奥ばれまいと隠している切なさや悲しみを笑うことなど誰にもできないだろう
雨は今日も降り続く
一日中 人を濡らす
冷たくて 時に
あたたかい
涙はただ流れる
昨日に残した何かを
思い起こさせるかのようなきわどい景色の向こうにあられもない姿で泣きじゃくる僕がいる
たばこの火も 点けても点けても しけっているのか うまく点きやしない
そんな真夜中に
全ての万物が
眠りに着く頃合いに
僕らはそっと人知れず雨に濡れに行く
わざと濡れに行く
意味はほとんど無いけど きっと 後先の僕に何か大きなものを残すだろう
ひとたまりもなく
僕ら 生まれたその瞬間から既に雨中人
雨に濡れるため
生まれたようなものだと誰かが振り向きざまに吐き捨てたのを聞き逃さなかった左耳
微妙に傷ついていた
君と僕をはばむ見えない粗めのガラスを思いきってぶち壊せば
涙でお互いがうまく見えないけど手探りで抱き合った
その夜だけは嘘にはしたくないんだ
お世辞かもしれないけど
きれいごとかもしれないけど
僕は言うのだ
今夜は星がひときわ綺麗な夜だねと
悲しみに落ちていく僕を賺さず 助け起こした君のやわらかな手触りが僕の頬に触れて 少しだけ 癒されたよ
ささやかではあるけどありがとうのひとつくらい言える僕だから 僕は言う
ありがとう
きっと明日も願ったところで雨は止まない
だけれど願う僕らは雨中人
雨の中を進む人
だけれど立ち止まってばかりじゃないから
雨宿りしていつまでも待ってたって仕方ないとわかれば雨の中に飛び出してゆくんだ。
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どこか誰もいない街へ
名も知れぬ景色をたずねて
僕は行きたい いつか行きたい
日常を置き去りにして
家族もなく 友もない僕には旅しかない
おあいにく様
僕には 金が有り余ってるから どこへでも行ける
電車に乗って
飛行機に乗って
まだ見ない景色に会いに行きたい
旅人を気取って
雲が流れるそのあとを追いかけてゆくよ
いつかはるかな旅への扉は開かれるから
気ままな風に吹かれ
僕は行くんだ
行くんだ
あの空の向こうまで。
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垂らした竿の先ぴくりと沈んで
運良くかかったから
ほらぼくは生まれたんだな
もとをただせば人と人が出会い恋に落ちて
ぼくのお母さんの腹の中に宿ったことが全てのはじまりなのさ
ぼくが生まれたことは間違いじゃない
間違いだらけの世界に比べればちっとも間違いじゃないさ
きっと 垂らした竿に願っていた 理想像にはかなわないけれど
ぼくを愛してくれる人たちはけっして真実を口にしない
それでも愛されるこの不思議なぬくもりに ぼくは手を差し出して
握ってくれるのを待たなくても 愛をくれる 優しい人たちに囲まれて
時に叱られ ぼくも反省をして 涙する
それでも 釣り上げたぼくのこと結果も気にせずつよく抱きしめた
どんな人でも
私たちの 俺たちの
そういってくれる人のところに生まれてこられて良かったよ
釣果なんて
ちっぽけだって
愛する我が子には代わりない
そうあたりまえのように言ってくれるあなた達が僕には宝物
お互いがお互いに宝物
ずっと 宝物なんだ
その言葉だけは永遠。
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電気仕掛けの摩天楼
みんな携帯 パソコンとにらめっこして
人の話なんてまるで聞いていないみたい
言葉は死んでしまったのかな
ぼくはふとさみしくなる
この街に降るのは油の雨か
それとも 粉塵の雨かな
ぼくは静かに眠るのさ。
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絶好調だぜ
いつになく
好景気だぜ
何もないけど
心に咲いた花ひとつ
振りかぶった
魔球が貫いた
ありふれてても
どこか幸せな
素晴らしい未来
遠くからしか
わからなかった
でも近づいてみて
見えた青空
意外と受け入れられた
バッター三振アウトで
繰り返してきた
悲しみの日々さえも今なら笑い飛ばせる
君だけが
ぼくの光だよ
oh my ラブ
ずっと傍にいて
ささやかで
それなりの
愛でお出迎え
眠れない夜でも
君とおしゃべりできたらその夜はきっと楽しいから
ぼくは君と暮らせたら
そう思ってるよ
oh my ハニー
言葉はいつもクリスマスの電飾みたいにみょうに飾ってしまうけど
一番伝えたいことは
愛してるの言葉だけ
突き抜けるような青空が見えたら
きっとぼくは
君を抱きしめられる
月の光 注ぐ テラスで。
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心配しなくていいからね
悲しいことがあっても
明けない夜はないように
止まない雨などないように
楽しいことだって明日には必ずあるからね
少しでも聞き入れる気があるならば
きれいごとだと片づけずに聞いてほしいのさ
明日は誰のものでもないけれど
君の明日は君のものなんだから
泣いたっていいんだよ
悲しいなら泣けばいいよ
隠すことなんかない
感情に素直になることは悪いことじゃない
人を傷つけないならば
自分を傷つけないならば
泣けばいいのさ
君が一日中 転んだり 叫んだり 叱られたりする姿
そんな頑張りさえ今諦めたら消えてしまう
だから君がその頑張りを続けることは
明日を見つけることなんだよ
気がつけば多分
消えているような笑顔は涙に上書きされたようにいびつだから
どんなに 気持ち偽って笑ってみても本物の笑顔にはかなうはずもないね
ほら、君が生きていること
それを肯定することはできても否定することだけは誰にもできないんだから
迷わず進めばいいんだ
それだけで歩いて行けるだろう
雨が降りしきる この世界ではどんなに晴れてもいつ雨が降るとか 不安は絶えないけど 今ここにある喜びに笑い今ここにある悲しみに泣くしかできないから
君は君の喜びにただ素直に笑えばいい
雨が降るなら雨の気持ちと同じように君も泣けばいいだけだ
明日は誰の手元にも届くものだから
なにも特別なものじゃない 寧ろどんな明日になろうがなんの価値もない
だけれど 生きていく覚悟のあるものにしか届かないものなんだ
朝目覚めたときに手にするまぶしい光は 君が生きていく覚悟を持ってるから見えてるんだ
何ひとつこの世界にくだらないものはない
たとえば君がいて
悲しんだりすることも全てに意味があり
全てに根拠がある
だからこそ君は泣くのだろう
届いた明日の箱の中には正直要らないものもあるから。
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もうへたな言葉は何も必要ない
待たずとも誰にも明日はやってくるんだから静かに目を閉じ夜が明けるのを待っていればいい
大切なことなんか何もありはしないんだろう
全てがいつか幻と消えるなら何が大切でも変わりないから
流れる涙はどこへ
ゆくえをくらますの?
さまよう僕はどこへ
向かっているの?
何ひとつわからない
そのままで構わない孤独な夜はつづく
果てのない空の向こうへぼくは飛んでゆく
神の名を借りた運命にもてあそばれて
ぼくらはサイコロを振る
出た目の数だけ前に進む
そんなスゴロクみたいな毎日には様々な出来事がある
落とし穴は意外にすぐ傍にある
気をつけて 前だけじゃなく下も見て
たまには
不安や苛立ちに四方を囲まれる
ぼくは気まぐれに変わる信号を眺めながら
渡るか渡らないか考えている
涙のゆくえは誰も知らぬ
涙がどこから来たのかを知らないように
ぼくのゆくえも誰もわからない
ぼくはひとり夜に沈む
悲しみ紛らす口笛を吹き鳴らして
ぼくは自分のゆくえを知らぬ
ぼくはぼくであってぼくじゃないから。
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今よりもっと
そう願ってた僕なのにいつの間にか
やたら背の高い大人になりたがってたね
必死こいて求めている場所には何もありゃしないのに無謀なくらいひた走る僕がいた
高みを目指しすぎるあまり周りが見えなくなってた
理想の影を追いかけて見失って
たどり着いた真夜中に目が覚めた
はかなく浅はかな夢だとも気づけずに
ちょっと昔の
ずいぶん古い
詩をつくりたい
つくりたいのは
変わらない詩
僕がつくってたのに
もう つくれなくなってしまった詩
まるで別人の成し遂げたことだね
ほら あれ以上でもなくあれ以下でもない
変わらない詩をあの頃の姿勢でうたいたい
もし叶うなら
もう 古いままでいい
求めてたのは時代おくれの詩
それは自分がうたいたい詩
拍手してもらえるような詩じゃない
気に入ってもらうための詩なんかじゃないのさ
大げさな話 他人からつばを吐きかけられるような 嫌われ者の詩うたいたい
昔はそうだったから
ちょっと昔の
ずいぶん古い
詩をうたいたい
もう一度だけ
時よ、もどれ
真夜中に 真夜中に
たどり着いた僕は
そこで好きな詩うたう
好かれなくたって
嫌われたって
貶されたって
うたいたい詩
うたえなければ
意味はないんだ
うたいはじめは
軽やかならば
うたい終わりも
軽やかにしたい
ひとりになっても
舞台には誰もいなくても 照明消されても
僕はうたい続ける
ちょっと昔の…
ずいぶん古い詩…
さあ 夜は針が回るだけで明るくもなりましょう
幕は上がり また 人でごった返す 矢車通り
全ての 答は きっと
少しずつ 見えてくる
そう思うから
もう少し 支えになって 昔の僕の詩よ
いつまでもすがっていたい 昔の僕の詩
いつまでも すがってもいられないけど
古くて新しい詩が生まれるまで 傍にいて 流れ続けてて 昔の僕の本気の詩よ…
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やまない雨はない
明けない夜はない
僕は信じてる
誰よりも頑固なくらい
あれどうしちゃったのかないつもならすぐに笑い飛ばせるはずの涙が止まらない
そんな夜は
何も考えないで
眠っちゃったほうが楽なんだ
何よりも
悲しいときも
うれしいときも
流れるのが涙
今僕が流す涙はそのどちらの涙なのかな
考えるまもなくただ流れる涙にプロ並にじょうずに僕はおぼれて
涙の海は誰も泳げない
馴れる日などこないのだ
だって悲しみはいつだって悲しいもの
喜びはいつも嬉しいもの 涙は何度でも流れるよ
同じ理由だって符合する出来事があるなら
涙はいつだって傍にいるよ
邪魔だって感じる日もあるけどやさしいときもあるから
誰も傍に寄り添ってない夜も涙だけはいつも傍にいて
僕にぬくもりと優しさをおしえてくれる
ほら 今 とても悲しいのにさ なぜか優しい気持ちでいっぱいさ
不思議な不思議な気持ちだ
そして涙は答を見つけたように岸に上がりさよなら言う僕に手を振る
いつだって
呼んでもないのに
傍にいる
邪魔なようで
いるとホッとする
そんな涙が傍にいる
幸せはここにある
悲しみのある世界に
喜びがあるように
笑顔があるところ
涙があり
人がいるところ
愛がいる
そして君がいる
そんな世界が僕は好きだな
きょうもあしたも
涙涙の1日に
感謝感謝の繰り返し。