詩人:どるとる | [投票][編集] |
手荷物は少なめ
だけど何も役に立ちそうなものはない
旅人は長旅に疲れ果てて今にも倒れそう
夜を照らす月の光
優しく輝けば
僕らはもう少し笑えるのだろうか
支えてくれる人も
心配してくれる人も
誰もいない僕には
孤独でいるのがいつの間にかサマになってしまったよ
風に吹かれて
見てるだけで
思わず切なくなってしまう景色に目を奪われて
途中まで描かれた地図を開いてみれば
涙でにじんだ日々の向こうになんの希望もない明日があるのさ
それでも旅人は明日を目指して その足を早める
燃えるようなあかね色をした空を見上げては ため息揺らして
街灯が等間隔に
立ち並ぶ道の端を歩く
『この先、未来』の看板を遠く見てる。
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だから 僕は詩を書くよ
売り物になんてしようとなんて腹はないよ
好きってだけの単純明快な理由だけで
僕は歌っているんだ
好きな歌を好きな言葉で好きなメロディーつけて楽器も弾けないくせに
勝手にわがままなくらい歌っているんだ
そんなようなことわざがあるのさ
好きこそものの上手なれ
好きなことが何より上手になる早道なんだ
だから僕は歌うんだよ
どんなにけ飛ばされても貶されても
何度も言うのさ
好きだから歌っているんだと
僕の歌よ
僕の歌を待つ人のところへ
優しさや時に切なさを届けたまえ
僕は願ってる
もし誰か僕の歌で笑ったり泣いたりしてくれた人がいるなら
それはどんなものより価値のある笑顔や涙だから
僕は歌い続ける
好きな歌を
好きなように
自分のままに
自由に 自由に
なにもない空に描くたったひとつのストーリー
小さな 点から
まるっきり
はじめから
創るのさ
それが僕の歌だぜ。
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でたらめとはいわなくても
そんなに本気で生きていた青春じゃない
夢などなかった
理想は燃え尽きた
冷めきった情熱が
灰皿にもみ消したたばこの吸い殻のように煙を立てる
ほら夜明け間近の空に浮かぶ小さな期待すら 喜びのかぎりじゃない
今静かにペダルを漕ぎ出した朝
鳥たちの鳴き声がかすかな始まりの音
はじまりの夜明けに
呼び起こす記憶ひとつ
はじまりの夜明けが
呼び覚ます物語ひとつ
今、僕をむかえにくる。
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切なさも悲しみもひとつの場所に押し込めた
すべての気持ちが混じり合ってるよ
今、夜がおとずれて
僕らを四角い部屋に閉じ込める
たまに猫が鳴いて
たまにくずかごに投げるゴミがくずかごに届かずにくずかごの手前で落ちるみたいに的はいつもはずれてばかり
予想は期待以上のものは生まず決まって最悪な結果を呼ぶ
僕には予想することさえこわかった
ここは巨大な密室 地球という
惑星のとある一軒家
凝縮された生活の匂いに包まれ 僕はいつだって常識に囲まれて
光と影が交差する
さだめの上に生きる
死ぬも生まれるも
生きてゆくも
すべてはこの巨大な密室の中で始まり終わるのだ
広すぎるくらいだけどたまに人ごみの中で息は詰まる
そんなときはすかさず逃げ場を確保する
いっさいの甘えを許さぬとばかりにだんだんうるさくなる世界
『すべての事件は密室にて』
これ以上はノーコメントで
なんてね
ひとり言ってみる
夜は過ぎてく
その気があるなら
きっと明日も
僕は生きてるだろう
でも明日のことだからねわからないけれど
なんてね お粗末ね…
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涙の海に船を出す
まだ夜明けには
遠いどこまでも真っ暗な空の下
僕はチカチカと光る星に見送られ静かに船出する
楽チンな生き方で
いちばんお手頃で手軽な行き方で日々を泳ぎたかったから
大げさなハナシ三途の川も笑ってクロールで渡ってゆくような罰当たりな僕は
その場の空気にむせかえり
人ごみの中から
すり抜けるようにして物陰に逃げる
僕にはあまりに騒がしすぎる場所だから
咲くにはよくても
咲き続けるには苦だった
お日様の真下に
咲く花もあれば
日陰の中にひっそり
咲く花もある
人も同じだ
それぞれ
居やすい
場所があるんだよ
それが僕には暗い夜の海のような孤独だったってだけだ
涙の海に浮かぶ
一双の船は
紛れもなく僕だ
明かりもつけずに
暗闇に溶け込み
どんな表情してても
何もわからない
たとえば
この世界がずっと夜の海のような暗闇ならば良かった
そしたら他人のこわい顔も見なくてもいいから
人の目 人の顔色
うかがわなくてもいいから
そんな気持ちに沈む今に本当の喜びや本当の安息はない
そしてまた僕は
涙の海に船を出す
何度も何度も船を出す
けれどそのたびに持ち帰るのはぬぐいきれなかった涙ひとつだけ
そして夜が明けたならすべての罪も愚かしさもあらわになるのだろう
そしてまた僕はそこに広がる散らかった日常にまた追いかけられるのさ
光なんて行き届かない世界に生まれたかった
僕はまるで日陰に咲く花だね
今、涙が地面に落ちてはじけた
それがなんだか花のように一瞬見えたんだ
ほら、何も残らなくても僕の心にはまぎれもない記憶が残ってる
悲しいこともうれしいことも昨日の夜の切なさも
今、言いたいことは
夜は何も夜にだけおとずれるものじゃない
朝にだって気を抜けばおとずれるものなんだ
つまり心におとずれる夜
ほら、証を教えよう
僕の心は真っ暗。
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当然なことなんて
何ひとつないよ
この世に生まれ
当然のように
生きている僕らは
当然に生かされているわけじゃなく運命に生かされているんだ
あたりまえなことと思うことすらおこがましい
当然と全てを笑うなら
ここにいることさえ
不思議じゃないか
考えてみよう
当然に生きていても
当然に生まれたわけじゃない
ほら誰もひとつの運命から分かれた運命から生まれた産物だ
勘違いしてるなら
弁えなさい
当然と思う愚かしさを
見直しなさい
心が荒むぞ。
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夜空の星々も眠りに着くころ
僕らは何をしている
明日休みなのをいいことに夜更かしなんかしているかな
窓の向こう側の景色を
ただぼんやり眺めているかな
つまらない
真っ暗な景色なのに
どこか優しさがある
そんな景色を眺めながら何を思うのかな
目に見えないイメージなら 無限の楽しみがあるからと夜空を見上げながら
たびたび流れる星に
願いを託すんだ
やがて安らかな眠りがむかえに来るまで
僕らは一時の甘えをゆるして夜をまたぐ朝へと変わるその一部始終を見届けるよ
それぞれの願いが
それぞれの思いが
描く明日 描く未来
ほら 素敵に輝くんだ
大人になるなんて
遠い話と思っていた
でも僕はあっという間に大人だ
でもいつまでも忘れたくない
こんな素敵な景色
心に広がるきらめく世界
ほら そろそろ
眠くなってきた
さあ 夢に潜ろう
潜水服のかわりに
パジャマに着替えて
ああ 夢に潜ろう
そして明日になったらいろいろあった夜
それだけ言うだけさ あたりまえなのに
なぜだか どこか特別な夜
そんな気持ちが僕を包むよ。
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ねえ聞こえてますか?
ねえ届いていますか?
ああうまれてはじめて歌う僕のつくった愛の歌
幾多の日々を乗り越えて
今日やっと伝えられるよ
ちょっと不器用かな
かなり下手くそかな
それでも君のためにやたら真面目になって
精一杯 気持ちを込めて歌ってるんだ
今までで多分ないくらいだからどうかばかにしないで聞いてほしい
世界でただひとりの君のために
世界にただひとつの心を捧げる
幸せの定義はいつまでもわからないけれど
多分ね二人が笑い合えることがいちばんの幸せだと思うからね
切ない夜も
寒さにふるえる日も
僕は君と生きていきたいんだ
つまらない御託はしまってただ僕が言いたいことは
君を愛してるということだけさ
心臓が飛び出してしまうほど高鳴る胸のリズムが君に聞こえてしまうほど近くに
君を感じながら
プロポーズのかわりにこの歌を僕は歌ってるんだ
君と見る世界は
輝いて見えるよ
いつも…
言葉はいつだって
足りないけれど
伝えたいことはひとつ
君が いなければ
僕はこれから
笑うことさえ難しいよ
それくらい君は僕の中で特別な存在だ
だから 愛したい
僕も愛されたい
つまりは愛し合いたい
ここまで言えばわかるだろう?
僕は君を愛してる…
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ザーザー雨のお通りだ
脇に寄れ道譲れとっとと傘を差しやがれ
緊急車両の顔で通り雨が降ってきた
ほら、誰もが皆
雨の通り道をつくる
心にも招き入れる
ほら 通り雨なのに悲しみはいつまでも乾かず残る
嵐が去ったあとのような 凄惨さがうかがえるだろう
ほら、僕の心にその被害が残る
君の心にも。
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優しい気持ちで目覚めた朝は昨日の悲しみを忘れるきっかけになる
何もできない僕だって誰かに優しくできただけでそれはそれは素晴らしいことだと思う
優しい気持ちが芽生えた夕方は 優しい夜を手繰り寄せる魔法
優しい気持ちで目覚めた朝
優しい気持ちが芽生えた夕方
それさえあれば
終わり良ければ全てよしできっとまた明日も優しい気持ちで目覚めそして優しい気持ちで帰り道を歩けるだろう
優しい気持ちがどこからか やってくる
そしてこの僕を優しい気持ちにさせてどっかに消えてく
不意の通り雨に濡れた心は不意だとしても降っていた時間以上の悲しみを余韻として心に残すのだ
だからなるべく優しい気持ちで生きてたい
周りがどんなに厳しさ振りかざしてきても自分さえ優しければきっと優しさは絶えないはずだから
優しい気持ちのままで時間の海をこの万能な両手で一生懸命漕いでゆこう
明日も生きていこう
きっときっと
どこかで素敵な笑顔が生まれるから
不意の悲しみに涙こらえられなくても
泣き止んだ空のようにほら僕も泣き止んでまた新しい笑顔で微笑むのだ
痛いの痛いのとんでけと叫ぶのだ
打ちひしがれ死に絶えそうな心に 今
優しさを 限りなく注いでゆこう ほら…
また 素敵に笑うために。