詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただ君がそばにいてくれる
ただそれだけでよくて
ただ君が笑っていてくれる
それだけで僕は幸せで
同じ時間をともに過ごせる
ただそれだけで満ち足りて
ただなんとなくでも息もふれるくらい
近くにいればいつかは君に何かできる気がして
僕は君といるのさ
心ふるえるような
そんな悲しい出来事さえも君と一緒ならぜんぜん平気で
毎日がまるで楽しかった
ばかばかしいような
くだらないことだってなんだか特別な時間にも思えるんだ
ただ一緒にいるだけでよかったけど
僕は本当はもっと君が心から幸せになれるようなもの 君にあげたい
でもそれが何かは君も知らない
だから僕は探すのさ
この長い長い旅路の中で
ただなんとなくいただけなのに
いつの間にかそれが当たり前になっていて
いつしか特別なものに変わって
僕は君の涙を見るたびに痛みをはらんだ切なさがぐっと胸を締め付けて
君の好みも嫌いなものもだいたいはわかって
そしてもっともっと愛したくなって
それでも愛にも限りはあって
ちっぽけな僕は立ち止まって
何もできずいつも笑っていて
そんな僕でも君は愛してくれて
ああそれが痛いくらいうれしくって
自分が情けなくって
涙にすべてがにじんで
思わず 抱きしめた
自分ができるかぎりの優しさを持ち寄って
渾身の愛でもって唄ったんだ
少しずつ少しずつ
伝えてゆくような
長い長い唄を
永久の祈りをこめて
僕は唄ったんだ
題名のない唄を
君に贈るならこんな唄かななんて思い倦ねながら唄ったんだ
ラブソングという名の愛の歌
とっさにつけたタイトルにセンスのなさがあらわになって恥ずかしくなったけれど
君はとても気に入ってくれたのさ
僕ごと愛してくれるって抱きしめてくれたのさ
これからもよろしくね
僕らの人生のテーマソングにしよう
そういう僕の瞳には君がとても輝いて見えていたのです。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
思ってもみなかった
ページはめくられて
さよならの時は来る
僕らは互いに背を向けた
そして 今日、僕らはさよならをする
バイバイと手を振ることもなく
ただ 二言三言
話しただけ
さよならの雨は降る
僕らの頬を流れる
さよならの雨が降る
僕らはもう会えない
真っ赤に染まる
他人同士になったその時
僕らを本当の悲しみが襲う
それでもさよならすることを選んだ
僕らは 愚かだね
何もかもから背を向けて逃げたから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
空の顔色 気にしながら
いつも いつでも生きている
強がりと弱さを 携えた心は 諦めと持久を繰り返し
上がり下がりを行き交い
風化する 時間
過去はおとぎ話か
常に今だけを見つめるこの瞳には悲しそうな目をした君が映るだけ
今、僕はとある空の下とある土の上
そして 最も愛すべき君の横にいる
幸せなはずなのに
不満げな顔
実に 贅沢な人
愚痴ばかり こぼし
文句ばかり言って
才能もない
愚かなだけの人
変わらない日常
見飽きた街の景色
無機質なビル群
窓の向こうの憧れ
そして君のまなざし
ため息で曇る窓硝子
指で書いたさようなら
命短し時恋し
はかなく散りゆく我が命
早く燃え尽きてしまえと 悲しい願いを胸に うつろにさまよう日々
それでも君が笑うと僕も人なりに嬉しい
いつも言葉は足らないけど 伝えたい
僕は君を愛してる
そしてまだ生きたい
願いは目映い光を放ち
やがて 空へ立ちのぼる
とある 物語の1ページの片隅 涙を流す時さえも
僕は限り無く生きていて
ただそれだけが嬉しくて
涙が止まらない
塞いでた耳から
両手を離し
閉じてた両目から
両手を離し
僕は君を見つめる
麗しの 乙女
僕に 永久の光を。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
本当にきみはここにいるのかい?
そしてやがて時が来れば消えてしまうのかい?
そんな運命さえ時としてぼくらは鼻で笑うのかい?
いつしかぼくらはこの世界に散り散りに生まれて
花が芽を出すように
小さな頃を経て
誰も時間に押し流されいいわるいに関わらず大人になる
悲しいこと
うれしいこと
自分の力じゃどうにもいかないこと
いろんなことを知ってはそれなりに挫折もして
生きることがただ単にいるだけでは許されないことがわかることだろう
今日の涙
昨日の笑顔
今日までの涙
明日からの笑顔
いろんな出来事に心は動かされて
感情はたびたび揺れて変わる
そして夜は何度でも
ぼくが生きてるかぎり世界を真っ黒に染めて 夢を運ぶだろう
ぼくも夢を見るだろう
それが無謀でも適当でも夢は夢
バカにはしないで
いつでもロマンってもんを大切にしたい
道をたまに外れて
気づけば獣道に迷い込むぼくに気づく
まあそれも勉強さ
袋小路から 抜け出したら 考えればいい
明日もね バカのひとつおぼえみたいにぼくらは 同じ動作を繰り返しては同じような悲しみに泣いて
同じような喜びにきりもなく笑うだろう
そんな ぼくを見守るように遠くから照らす誰かのまなざし
感じながら
感じながら
今日も 僕の影は肉体を連れ いつもの帰り道をまっすぐ歩く
大切なことが何かを知っている
いつまでも 僕は子供でいられないことも知っている
ただ、ずっと
続くこの道の先に
夢見ていたい
おとぎ話にあるような 幸せなオチを期待して僕は苦労もしょい込むよ
楽ばかりなんかしてないんだ
電信柱の明かりに群がる小さな 羽虫たち
遠くで 猫の鳴き声
この街はあいかわらずのようだ
さえない僕らもすべてが非凡でいることのあらわれ
ほらねあざやかに見違える
ここにいるからここにいる
安易な答でおやすみを言うよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
人はね 死んでしまおうと思えばいくらでも死んでしまえる
だけれど 一度死んでしまったらもう二度とは生まれられない
だからぼくらがここで生きていることは
奇跡にも近いことだ
せっかく咲いたんだから生きなきゃ損さ
悲しいことは多々あれどきっと生きていることさえ確かであればどんなに不器用だって ゆるされるはずだから
さあ、生きてゆこう
どんなに雨が降ってても
さあ、歩いてゆこう
風当たり 強くたって
ぼくらはひとりひとり
生まれるべくして生まれここにいる
約束された時間の中
咲き続けるべき花
明日も咲く花なんだ
何がだめだって
生きていることにかなう頑張りはないからね
自分をほめて
明日咲く花よ
新しいページをひらいて この物語の続きを見届けましょう
まだまだ 行けるさ
君は確かに
ぼくは確かに
生きているから
それだけで
生きていけるぜ
笑顔も涙も引き連れてぼくらはたがいに手を繋ぐ
さびしい夜を乗り越えてまばゆく輝く朝にたどり着くのさ
明日咲く花よ
ぼくらを引き続き
咲かせたまえ
この広い大地に。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
人生という列車の中で
人は生きているのさ
今日という駅にはもう戻れないのを知っているのか知っていても知らないふりをしているのか
ぼくはいつも夢のないことばかり言ってる
イメージではもう何万回死んでいるのだろう
勇気もないから
ぼくは今ものうのうと生きてる
昨日という駅にさよならをして
ぼくは明日という駅に向かってゆく
その途中の夢の中
ぼくは
真っ白な空間に立っていて なぜか生きたいと繰り返し連呼している
そんな不可思議な
毎日の中で
いつか 列車は死という終着駅に着いてしまうから
それまでぼくはしっかり生きて行くのだ
いつまでも
いつまでも
列車に揺られて
たまに
うれしくて
たまに
悲しい
そんな毎日を
繰り返してゆくのさ
列車に揺られて。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
朝から晩まで
晴れた日には
縁側で 日向ぼっこ
雨が降れば降ったで
テレビを見てる
通学路の横断歩道
散歩してるおばあちゃん
腰の曲がったどこにでもいそうなおばあちゃん
子供たちに 優しく微笑む
たまには 公園でゲートボール
無邪気な子どもみたいにはしゃぐ おばあちゃん
そして日が暮れたら
いつもの 縁側で
夕空 眺めながら
お茶をすする
繰り返し 繰り返し
おばあちゃんの1日は始まっては終わる
働いている人よりずっとずっと家にいる時間が長いから
先立ったおじいさんの いなくなった家はひとりで暮らすには広いけど
それでも変わらないおばあちゃんの日常
今日も てくてく
カレンダーの数字を飛び越え元気に生きる
春夏秋冬 いつでも
優しい 優しい
笑顔の素敵なおばあちゃん
夕暮れが好きなおばあちゃん
昔、駄菓子屋
今はただのおばあちゃん
残り少ない
時間の中で
さみしさ 悲しさ
切なささえ
笑い話にして
けっして 顔に出さないおばあちゃん
きっと 本当は泣きたいんだろうけど
おばあちゃんは泣かないかわりにたくさん笑う
それがおばあちゃんの1日
なんでもない日常の切れ端なのだ
明日も明後日も
おばあちゃんはきっとあの縁側に座って日向ぼっこ
雨の日にはテレビ鑑賞
長生きしてね
おばあちゃん
縁もゆかりもないけど
その優しい人柄がただとても好きだから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
すっかり日が暮れ闇に落ちた窓に映る悲しそうな自分の顔
蹴り飛ばしたつもりでいる常識
ふりきれてやしないのにまるでこれからの長い人生には関係ないかのように話すぼく
べつにいいじゃないか
人よりずっと苦労するくらい いいじゃないか
笑って受け入れるよ
とにかく 1日一度は何か笑える出来事があればそれで今のところは幸せだぜ
今もまだ胸の中から
離れない さみしさ
百年にも続いていそうな果てしない孤独があけた心の穴にいかにもといった切ない風が吹き抜ける
真っ黒で ごめんなさいね わびる言葉もなく ぼくはずっとぼくのままで
悲しいほど 傷つきやすいから 今日も誰かのささいな言葉で酷いくらいに打ちのめされてるぼくがいる
そいつは知らないだろう ぼくの悲しみもぼくのさみしさも
黄昏る 切なさも
窓に映る
今にも涙という雨が降り出しそうな
かわいそうなぼくを
少し腹立たしいが
何もかも今は忘れて真っ白に透き通る
むなくそ悪い感情を黙らせて
明日もどこかで笑うそのためにぼくは一時透き通る
夢の中へ 沈むまえに思うよ
人生はとても時に悲しすぎることもあるけど 幸せなことも確かにあるからね
すべてをうらまず
なるべく笑って
生きて行こうと
無理はしないで
歩いて行こうと
夜空に輝く月が幻なのか夢なのか
優しく 微笑んでくれた気がしたよ
明日が透けて見える
ほら、ぼくは笑えてる
悲しみ 乗り越え
強く 笑えてるさ
だからぼくは生きるのかもしれない
明日の笑顔を
確かに 勝ち取るために
今日のぼくを証明するために。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何がというわけじゃないけれど
どこかが絶対的に冴えない日々を生きてるよ
倒れそうで倒れない
不安定な建物みたいに
いつ倒れてもおかしくないような毎日だよ
精神はやせ細り
肉体は痩けて
心はボロボロ
傷だらけ
べつに誰のせいにしようとも思わないけれど
絶対的に不健康だ
生きたくもないのに生かされているような毎日は
生きざるべくして
生きている
そんな使命感で生きてはいない
いつでも仕方なく
生きているのだ
そんな愚かしき日常は愚かしき気持ちを交えこの先 いつまで続く?
詩人:どるとる | [投票][編集] |
憂うつな雨が朝からぽつぽつ降り止まぬ
小さな雨粒のひと粒ひと粒はひとりひとりの悲しみなのさ
ぼくは今とても悲しい
雨の冷たさがからだの芯まで冷やすから
何も言えず
何もできず
ただ 立ちつくす
雨の中ひとり
あまりの静けさにいたたまれず誰も知らない歌
たまらなくなり口ずさむ
鼻歌混じりのため息
曇天に 浮かぶ 青い月
照る照る坊主も無意味になりそうなどしゃ降りのバッドデイ
トンテンシャン
雨が屋根の上
はじけては
規則正しいリズムをきざむ
退屈紛らすにはあまりにもつまらないけれど やることもないからぼくはずっとその音色に耳を傾けていた
食いしん坊な夜が朝をのみこむまで
ぼくはひとり 夜の腹ごしらえが終わるのを待ちながら
だんだんと胃袋におさまってく朝を眺めてる
月が 闇に浮かび
煌びやかに目立つ その時まで
やまない雨の音を聞きながらぼくは面倒くさがることの言い訳としてこう呟くのだ
トンテンシャンと雨が降るから
ぼくは殻に閉じこもるみの虫になるのだと。