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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[1169] 春風便り
詩人:どるとる [投票][編集]


ページをめくる指先
まだ少し早い桜の便り
窓の外 さり気に吹く春風

ああ 春が 来なさった

待ち遠しかった人
手をあげて
その逆の人
手をあげて

春風便りが桜の香りに包まれ届く前に

あなたのご機嫌を知りたいから
振り返り 手を振る
あなたの 笑顔の真意を知りたいから

どうか 開け
心の扉。

2010/03/13 (Sat)

[1168] 遠ざかる
詩人:どるとる [投票][編集]


生きているという自覚すらないんです
でも確かにぼくはここにいてちゃんと生きているんです
いつもいつでも苛立ちはらませて

人に愛想振りまいて
笑ってみても
人の輪に加わるために何か犠牲にしても自分をさしおいてまで得たいものは何もなかったよ

逃げ道はどこまでも続く
終わりなんてないほどに
暗闇はぼくをのみこんでゆく

走りつづけること
それは生き続けること
一瞬の休みもなく
ぼくの心臓は動いてる
だからぼくは生きていられる

この世界には生きていられることを心から幸せに思えることは何もなくって
ただぼくは繰り返す時間の中であがきもがいているよ
夢から覚めた現実に吐き気をもよおしながら

逃げ道はいつでも用意してる
逃げ場を用意してなくちゃ生きられない

嫌うなら どうぞ嫌え
ぼくはひとりでもいい
むしろひとりがいい

生まれたことさえ間違いのように感じてしまうほどに
悲しくて 悲しくて
言葉にさえできず
誰にも言えないから
雨はやまない
ずっとぼくは濡れたまま

なすすべもなく立ち尽くすだけの日々をおくっています

同情や批判など
なんの役にも立たない
ぼくをねじ曲げたのは一体なんなんだろうね

答なんて きっとどこにもない
全てはぼくが決めることだ
誰の指図も助言も参考になんかなるはずないよ
だってこれは
ぼくだけの道だから
生きるのも死んでゆくのもひとりなんだ

重たい鉛を抱いて
終わりのない暗がりにまぎれる黒猫には孤独が似合う

振り返らずに歩けるかい?

逃げ道を走るその途中で何か気づいても
涙押し殺して ぼくはそのまま走る
何もいらない
何も 求めない

逃げ道を行く人よ
それでいいならば
君が決めたならば
走りつづけなさい

涙はやがて乾くから
悲しみは癒えないけど
もう戻れない道
光から遠ざかる悦びよ
ぼくは悲しくないよ。

2010/03/13 (Sat)

[1167] 雨降りロマンス
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バケツをひっくり返したようなどしゃ降りの雨の中
何も言えず立ち尽くしてるナイスガイ
間違いだらけの毎日
失敗は星の数だけ
転んですりむいた膝にできたかさぶた
直りかけてもまた転んでしまうほど
おっちょこちょいのぼくは不運な災厄を呼ぶ雨男

玄関を 開けたとき
靴を放り投げるように脱いで
部屋に向かう
脱ぎ捨てられた靴は乱れに乱れ
もはや 揃えるなんて概念はぼくの中には皆無なんだ

やまないやまない雨の降る ちっぽけな公園でふるえる子犬のように 行き場のない気持ちがぐっとぼくを焦がしたら
守りの傘を ささなくちゃ
大事な大事なハートもびしょぬれだよ
嘘をついて
愛想で本当の気持ち隠しても
悲しいだけなのに

雨降りのロマンス
期待して 雨の中素っ裸で飛び出して
濡れるのを楽しむバカな男

こんなぼくを心から愛してくれる人はきっと変な人に違いない
でもたまには
甘えて ひとつの傘で雨の中を ゆうゆう歩きたい

そんなロマンス
秘めた雨のロマンシズムに浸って

目を閉じる ぼくは黄昏のさなか
迎えのバスを待っている途中

雨はまだやまない
いつまで待てば
雨はやむのだろう
それさえ 音沙汰無し。

2010/03/13 (Sat)

[1166] さよならの一言で終わる一日
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燃えるような空をひとりきり眺めていたんだ
あかね色とも違う
あれは何色っていうのだろう
今まで見たこともない比類なき色

街には今日も
変わらない時間が流れ
人々は時計の上で生きる
優しい笑顔が咲く
表向き素晴らしい世界
くだらないことでも本気で笑い合える場所

裏を返してしまえば
悲しみや切なさが
見え隠れするだろう
君を絶望させるだろう
だけれどそれでも
やまない雨の中
笑っている人がいるよ

だから ぼくもいっしょになって笑うのさ
雨はやまないなら
悲しみの中にも光る
喜びってささいな出来事をぼくは笑顔に変えるから
道端に咲く 見向きもされない花もきれいなのは本当だから
ぼくもそんな隠れた喜び見つけたい
そこにあるのに
気づいてもらえない
幸せなんて悲しすぎるから
ぼくはあのあたりまえにきれいな夕暮れを大げさなまでに愛す
たとえればいつも簡単なことだ
奇跡はいつだって気づかないだけですぐそばにあるから
どんな偶然もどんな当然なことも君の笑顔をつくるための大事な材料だよ

だからね だからね
さよならの一言で終わる一日がどんなに幸せなのか
その答を物語るものがほらここにある

あたりまえだと鼻で笑うようなものが 実は 信じられないくらい大事なものなんだと気づけた今日はきっといい一日
否定するものは何もないはず

さあ今日も帰ろう
繋いでくれる手なくても
長い長い帰り道
気を紛らす話し相手さえいなくても

あの夕暮れを見上げていれば 家との距離なんて 近いものさ

真っ赤な夕焼け空が
だんだん家に近づくたび夕闇にのまれ夜に沈んでゆくその景色はいつ見ても胸にぐぐっとくるものだね

常識にじゃまされないように
今だけは 今だけは
不思議な何かに身をゆだねてさ
目に見える全てを奇跡と思おう

さっき聞いたばかりの五時のチャイムがまだ耳に余韻を残す。

2010/03/13 (Sat)

[1165] 涙のゆくえ
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今日、流した涙が明日へと迷わずに流れてゆくのを見送りながら夢のドアの隙間からのぞく
一粒さえ残らず無意味になんかならないから
ぼくは流れ落ちる涙にさよならは言わない
明日も会えるから

悲しい出来事にさんざん打ちのめされて
切なくて切なくて夜は眠れず過ぎる

のど元過ぎれば熱さも忘れちゃって笑い話にだってできるさ
そんな簡単な話ならよかった
だけれどあまりに抱える悲しみは大きすぎて

膨らみすぎた切なさはぼくの中でやがて破裂したようにつかの間は静かにしているけどまた目覚めればその切なさはぼくを苦しませる

足元にゆれるぼくの影が指し示す指先の向こう
今にもこぼれちまいそうな涙が光る

小雨をよけて 雨宿りする子犬みたいな気持ちで 言葉をしまう
ささやかな 抵抗だ

言葉にできる悲しみなどあるものか
言葉にもできないから 苦しいのさ
影も形もないくせに
一丁前に 被害を拡げる悲しみ

今日も涙は流れる
どんなに隠しても
ほら 隠せない
涙が 心から
はみ出している

どこへ向かい流れてゆくのか
それさえわからないままでもうぼくはいくつでも流していた
これからも流れるだろう

涙のゆくえをよそに
ぼくはただ悲しんで
明かりのない路地裏のような 暗い部屋の隅っこに逃げ込んで
黄昏るわけじゃないが なんだかひとりよがりになってしまう

小さく つぶやくさよならの声が 風に流され かき消される
涙は流れる ゆくえなんか興味もない
どこへなりとも消え失せるがいい
それがしかるべきさだめならば

ぼくはただ悲しみに一生懸命に悲しんで
涙のゆくえなんか気になりもしないから

その背中を わずかな気配をたどるだけで
妙な名残惜しさ感じるけど いなくなってせいせいもするから
不思議だな

今も知らない
どこから来てどこへ帰るのか
ただ、今日も隙を伺いぼくを濡らす。

2010/03/13 (Sat)

[1164] 桜咲く街に香る春の匂い
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はじまりの季節
春めく街に香る
桜のあまい匂い

あたたかい風
髪を撫でる
さよならと
はじめましてが
重なる季節

別れる人
また出会う人
ぼくは振り返る

今までとこれから
過ぎ去った季節
新しく来る季節
ぼくらは見届ける
その全てを

この並木道にも
満開の桜が咲く頃には今よりもう少し大人になれる
そんな気がする
鼻先 くすぐる花びらがひらひらと宙を舞い風に踊る

桜咲く街に香る春の匂い
まだすこし早い春の息吹

今日、感じたんだ
その兆しを。

2010/03/13 (Sat)

[1163] 前進あるのみ
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どんなに悲しい日でも
どんなに切ない日でも

前進あるのみだ
前に進まねば何も始まらない

その先に何が待っていようと
これから何が起きようと
今の選択ひとつで未来にどんな影響をもたらそうと

前進あるのみ
後ろになんか下がれやしない

だからぼくは前に前に進むのだ
時間がかかっても
すこしずつすこしずつ前に進むのだ

それが きっと
答に近づく方法だから。

2010/03/12 (Fri)

[1162] 夢から覚めれば
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はるかな未来を指で指し示して
あれがぼくの夢なんだって語るぼくの姿は今ではただただ懐かしいばかり
あの頃とは何ひとつ
重ならない ちぐはぐな未来の中にぼくはいる
方位磁石も
地図も何も
役に立たない
ぼくだけが頼りだから

涙の数だけ悲しみが
笑顔の数だけ喜びが
絶え間なく
繰り返されるこの世界で雨のち晴れを行き交う空の下を歩く

長い長い夢から覚めれば
そこはいつもと同じ世界
真っ白な光に包まれた朝
雲はゆっくりただよい
ぼくはしばらく目を開けたまま天井を見ていた

何億個もの数えきれない星々がそれぞれ輝いている
何ひとつ同じ光り方のない小さな星たちが
輝いている

そして夢から覚めれば
全てはまた始まりに戻り
時間さえも戻ったように昨日聞いたのと同じ目覚ましの音が鳴る

昨日と何ひとつ同じ世界
そこはいつもと同じ世界
このぼくも昨日と変わらない
欠けた茶碗も高すぎる理想も全ては昨日抱いた夢

ほらまた夜が来れば
ぼくは夢に沈み
朝が引き揚げてくれるのを待つのさ
海底で釣られる運命の魚みたいに
何もしなくても
餌を撒かれたように
ほら 知らないあいだに ぼくは現実に引き戻されて またここにいる。

2010/03/12 (Fri)

[1161] 悲しみを言葉にしてみても
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悲しみを言葉にしてみても
誰かの心無い言葉に無惨なまでに打ち落とされてしまうだけなら
何も言わないほうがマシだね
本当の気持ちは言葉にできてもそうならないのが常だから
どんなに願っても降り続く雨をやませることなどできないように
悲しみも通り過ぎるのを待つしかない
ぼくらはそれを見計らって笑える隙をさがすのだ

誰かの言葉がナイフのように
何気なくぼくらを傷つけている
ぼくらの言葉も時に鋭くなって
知らないあいだに誰かを悲しませてる

その人の一日に雨を降らすものはいつも
ひょんなところからやってくるんだ

悲しみを抱いてても言わないでいよう
隠してるわけじゃないけど
言葉にしてみても悲しみは癒えない

涙 枯れ果てた日も
笑顔 はちきれる日も
いつでもぼくはここにいて影を抱きながらも明日のずっとその先を見つめてる

希望や期待に胸を高鳴らせてる

生きたい
死にたい
その繰り返しの中で

ふと抱いてる悲しみを言葉にしてみる時
涙が流れ落ちた
ひとり 意味はないけど 何度も思いをぶちまけた

燃えるようなあかねの空に涙は流れてゆく

言葉にしたぶんだけ
何かが ふっ切れる。

2010/03/12 (Fri)

[1160] 昨日のことがまるで嘘みたいな今日
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嵐の夜が明けて
雨上がりの朝のようなまぶしい光が
昨日の悪夢みたいな光景を消し去ってくれる
昨日のことが全て嘘みたいな素晴らしい今日にぼくはめぐり会えたこと幸せに思うから

声にならない声でもってぼくは叫ぶ
有らん限りの力でたまらず叫ぶ
『昨日のことがまるで嘘みたいな今日だ』と
昨日が悪夢ならば今日はいい夢だろう
ほら 晴れ間がさしたときのあの感動を思い出す

小さなかわいい庭で
左右に揺れる洗濯物が今にもどこか旅にでも出てしまいそうな勢いで揺れる
風は今 恵方に向かい吹いてゆく
巻き上げる カーテン
そこからもれる西日

全てが幸せ象る
光のかけら
ウキウキの始まり
ドキドキの始まり

さあ、帆をあげよう
青い青い空に向かって

また 嵐の中へ向かうとしても今はただ恵まれた天気に喜んで
笑い合おう

昨日など嘘だと言いきってさ。

2010/03/12 (Fri)
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