詩人:どるとる | [投票][編集] |
君には僕が見えないのかい?
僕ってそんなに存在感がなさすぎるかい?
それならいっそ透明人間よりずっと悲しいかもしれない
透明人間は存在してるけど見えない
僕は存在するから
見えるのに
僕の中にある
本当のことを
いくつもの涙を
見てもらえないから
ほら 君に 僕の言いたいことを伝えられたなら きっと君もわかってくれるのに
なんだかうまく言えないから
いつも僕は透明人間みたいに 心もからだも透けたように何も見えなくなる
抜け殻のような僕が君に理解を示してもらえずただ途方に暮れてるだけ
僕は透明人間じゃないから
わかってもらえるはずなのに
なぜかいつも心の中が透明になる 思いだけが見えないんだな
言葉は僕の中で枯れ果てたかのように鈍い音を立てひしゃげる
そこら中 透明人間ばかり
すけすけの心の中
なにがなんだかわからない。
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有頂天になった僕は無敵だ
誰もかなわないんだ
誰にも優しさもらえなくても
僕は自分を愛すことの喜びに慣れすぎてしまったから
他人の優しさなど
いらないんだ
必殺技も決めゼリフもなにもないヒーローはしばらく黙ったまま
思い出したように
『あ、どうも』なんて情けなくこぼした
どうしていつも強がってしまうんだろう
悲しくないはずなんてないのにね
どうしていつもひとりになりたがるんだろう
ひとりのさみしさや切なさを知った僕なのに
それさえごまかそうとする僕がいるよ
ここにいる僕の影を照らす光
なんだかおかしなものだな
影に光が寄り添うように ほら
影は光に守られて
確かにここにある
そんな 影のような
僕は何に守られて
ここにいるんだろう
誰か そのこたえをおしえて
皮肉らずに感謝したいから
無敵なのは他人が寄り付かないからだろう
そうヒーローは孤独に ただひとり誰もいない 舞台上で
自分にしかウケない
笑いを ばらまく
とても暗い光景
だけれどとても悲しい光景だ
それでも笑うのは ただ
悲しさを隠すためだから
けっして おかしいからじゃない
降り止まぬ雨は生まれた日も僕の中に降っていた気がする
それは悲しみという生きる者にのみに死ぬまで与えられた生きる者の証
流れ続ける涙はその形
目を閉じ 耳をすまし
僕は聴こえない声に耳を傾け
見えないものに目を凝らすんだ
悲しみは誰にも悲しいものならば
僕の悲しみなんてただ世間一般では道端に落ちてる小石とでもいうのかな
いいや、そんなはずはない
僕は僕で僕なりに
かぎりなく悲しいはずなんだ
鏡を通して見える自分は嘘じゃない
ここにいる自分は嘘じゃない
心臓はリズムを刻み
規則的に動く
そして僕の足下には影がいつも揺れる
生きてる証はごまんとある
それだけで僕はこの世界に人という形として存在する。
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明日が来ることを
拒むように
逆らってもどうしようもない時の流れに背を向けたまま
うつむいている
僕を照らす月明かり
足元にできた影
僕の弱さは果てしなく
いつもほんの些細なことでも弱音を吐いてはすぐ背中見せる
『斬り捨てごめん』を期待するように
なぜ いつも逃げるの?
そう聞かれたならば
悲しかったから逃げたんだ
きっとそう言うに違いない
だって本当なんだ
変えられない気持ちをねじ曲げてまでも
悲しむ必要はどこにもない
だから僕は逃げたんだ
悲しかったから逃げたんだ
悲しみに背を向けて
逃げ道を走ってきたんだ
今まで
あたりかまわず全ての可能性を 否定して
そしてまた今夜も
月に照らされて
僕の足元には影が揺れる
うつむいている僕と同じ動作する影
影もうつむいているから悲しさも同じなのかな
なんてね
言ってみただけ
涙が 音もなく 地面に落ちて はじけるそのさまを僕ひとりだけがまた今日も見ていた
心のシャッターは
軋みながら
静かに 降りたよ
拒んだ 明日がほら向こう側で悲しい顔しながら僕に涙を見せる
都合のいいことだけを見つめていたくて
ただそれだけなのに
腐った果物を見るような目で僕をはねのける 誰かの目線が僕を射抜く
本能に従った
僕からしたらそれだけなのに
どうやらそれが常人には間違えだったようで
それが今の結果で
僕は一向に悲しくないのに
人はそれが悲しいというんだ
僕はわけがわからなくて
ただ あたたかい月明かりの下に立ち尽くしていた。
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午前中いっぱい
さんざん降り続いていた雨も
正午過ぎに一度はやんで
そしてまた夜から明日の朝方にかけて天気は崩れるらしい
まるでこの世界の今を縮図にしたみたい
目の前を行き交う
絶え間ない憂うつな顔の人々の往来
僕までなんだか理由もなく憂うつになる
まるで川の流れ
変わらない街の風景と渦巻く不安をそこにかいま見る
それをせき止めたのはつかの間の静寂
目を閉じた僕の目の前に一瞬でつくられた入り口も出口もない暗闇の世界
ああ 降り続く雨のその中を歩く僕
もちろん宛てなんかはない
なすすべもなく雨に打たれた花のようにそうなるべくしてなった孤独にふるえる僕を
絶え間なく上から下へと空から地面に向かって落ちる雨の一粒のように
ただはじけて消えるものの中に数えないで
一粒は一粒一粒がはかないけれどそれぞれがそれぞれにしかない何かを持って生きているんだ
だから雨はやまない
僕らがどんなに願っても
信号は変わらない
ずっと 赤は赤のまま
青になるのは こちらの意思じゃない
雨がやむタイミングなんてわからない
だから 悲しみもいつ癒えるのかわからない
まるでそれは雨のように気まぐれに僕を濡らしては嘘みたいに晴れ間をのぞかせやむ
希望に 絶望が 入り混じったような
後味の悪い 影をのこして
僕らはそれにいつまでも 苛まれる。
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人から好かれない自分を好きになれない
人から嫌われる自分など好きじゃない
人を愛せない自分なんて好きなはずもない
人から愛をもらえない自分など嫌いだ
いつでも理想にあるような完璧な自分でいたい
それは人から好かれ
決して嫌われない人だった
でも気づいてみたら
それってなんだか窮屈な世界に閉じこめられた人だって気づいたよ
面倒なこと
億劫なこと
僕は嫌いだから
人から好かれるためいろいろ繕ったり愛想振りまいたりするのなんて できるはずもない
だから 僕は自分を愛することにしたんだよ
他人を無理に愛すより
他人から無理に愛されるより
自然に自分を好きになれたほうが幸せだから
僕は僕と二人
いや ひとり
手を繋いで
このまま
終われない時を進む
心繋いで
ずっと
止まらない時を行く
孤独など鼻で笑う
強がりが涙 さそう
夕暮れがやけに目にしても笑う
妙にあの決まった時刻になると鳴り響くメロディがいい具合に僕を感動で包む
ほら それでも
なぜかなあ
優しい 気持ちだ
今だけは きっと
理解ある人から見れば
清く 見えるだろう
そのくらい 僕は今
何もかも全て
ゆるせてしまえそうな そんな開け放された気持ち
なんでもないことだけど 今 風が僕の頬を撫でた気がした
起こりうる全てがなんだか 奇跡にも感じる
大げさな気持ちよ
いつまでも 僕を照らしたまえ。
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明日の天気なんて
明日にならなきゃわからないじゃないか
明日のことどうのこうの言うまえにまだ終わってない今日の天候の変化を見届けるのが先だよ
そうやって繰り返す毎日がやがて長い安らぎに変わるその日を待って幾度となくもう幾度となく泣いたり喚いたりするのだ
何もない それどころか最悪な1日でも
なんだかそんな展開に変わりそうな予感感じる瞬間も
紛れなく生きてる証がふるえながら泣き出しそうな僕の心の空に輝いてる
ああ なぜ 僕は泣くのだろう 悲しいからなのかな
でも 嬉しいときにも涙を流すけどね
皮肉ばかり
人の悪口ばかり
愚痴ばかり
気づけば言ってしまう僕だけれど
それさえ生きてる証ならば僕の中でなんらかの変化を起こすのか たとえば勇気に変わったりするのかな
涙がくれるものはこれといって何もない
僕らが勝手に強さに変わるだとか言ってるだけだ
でも僕の頭の中で考えたら あるひとつの結論に達したよ
それはね
涙を流すたび その悲しさを 紛らわすため
人は 雨に濡れても
雷鳴が 聞こえても
喜びは悲しみがくれるものと 自分の中で割り振りながら
涙がくれたものとして僕らは 晴れ渡る空の下で 今までの悲しみや悲惨な目の数々を話の種のように笑い話に変えて話すのだ
本当なら憎しみや恨みつらみの言葉で悲しみを責め立てたいけど そんなの無駄だって僕らは知ってるから
あえて 涙を流した記憶を今 笑っていられる理由に 言い換えて少し お利口さんになるのだ
ほらまた僕らはトンチンカンな理由で笑ってる
涙は何もくれてやしないさ
僕らがただ 笑いたいから笑ってるんだ
涙を流すときも悲しいから泣いてる
でもただ喜びと違うのは泣きたくて泣いてる日などないということだ
それを知りながら
僕ら人間はいつも
涙を 敬い かばう
涙には 嫌な記憶しかなく憎らしいのに。
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花が咲く理由がないように
僕らが生まれた理由もない
だけれど理由はあとで決めればいい
理由が生まれればきっと生きる意味が生まれ意義が生まれる
そして僕らは
ここにいる理由を
決めたかのように
生きている
でもその日その日の生きる理由をいちいち決めるのは面倒だから
生きているから生きている
そんな風に僕は笑う
今日も僕は生きるのさ
理由のないように僕は生きて
理由もない1日の中で咲いている
屁みたいな理由で
明日も僕は
日の当たるところで
乾かないように水を飲みまくって
風の吹くまま
気の向くまま
凛と咲く フラワーマン
大地に 根を張って
デンと咲く フラワーマン。
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何気ない朝に仕掛けたブービートラップ
難なく君にかわされてしまった
胸の奥に咲いた一輪の勿忘草
その香りで明日が見えなくなる
ワンダフルコミュニケーション
つまらない常識は穴に埋めて
僕らの言葉で話し合う 真夜中
気づけば ほら
窓から月が照らす
素晴らしい朝焼けまで二人は話をつづける。
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遠く 遠く 見える景色
まるで見覚えのある いつかの景色
いつ見たかなんて
そんな細かいことはわからないけれど
とにかく懐かしい景色なんだ
よくあるだろう
名前を思い出せなくてもそれを見ただけでなんだかそれってわかるもの
簡単にいえばそんなものだよ
今 僕の瞳の隅から隅まで その全てを
まぶしいほどの光で覆うもの
まるで 天国みたいな景色が 遠く 僕を引きつける
まだ まだ 先は長いのに
まだ まだ 歩いて行きたい
それをこの目で確かめるまではね
今日もそれに少し近づいた
生まれたときから思えば見てたんだな
遠く 遠く それを
あの頃は今よりずっと遠くにあった気がするから
だから今 僕はそれを近く感じるべきだ
どんなに遠く 遠く
見えても
それは あの頃から比べれば 近づいたはずだから
まばたきのほんの瞬間の暗闇におびえるように
つかの間の切なさが
この僕をふるわせる
あれが そうなのかな。
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不思議な夢を見たよ
僕は深海のような宇宙の中でパジャマ姿で宇宙服も着ずにただよってる枕抱えて
まるで星のようなヒトデがいろんな色で回りながら僕を嬉しくさせるから思わず微笑みがこぼれる
ただ微笑みひとつ浮かべただけでどうやらその世界では輝きに変わるようにその世界を照らす光源になるようだ
僕はその世界を深海宇宙と呼ぶ
近いような遠い距離から確実に遠ざかりながら近づいてくる距離のつかめない声に僕はひたすら自分の名前を叫ぶ
忘れてほしくないから
僕の名前を刻み込んで 夜を照らす星のようにせめて深い深い海の中を照らす月明かりのように
僕の夢に近づけさせて
無理なことは願わない
ただ ロマンに一途になって 僕は夢見る
はるかな宇宙に
謎めく深海に
同じだけのときめきを 抱いたまま。